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第207話 凄い演技
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ソフィアさんの体を張った催眠術(笑)の実演が終了しました。
あの後、嬉しそうにお腹を摩って微笑んでいたソフィアさんですが、時計を見て『まだ時間ありますね……京子お姉様、もっと可愛がってあげます』っていう感じでズッコンバッコンとやっちゃった訳ですよ。
ビュルビュルと奥に精液を出したのは良いものの、やっちゃった感というか罪悪感がボクを襲います。
「もう……ユウタさんったら出し過ぎよ」
「うへへ、サーセン!」
演技は褒められなかったですが、愛棒の活躍は褒めて貰えました。やっぱり男として愛棒が褒められるのは気持ちが良いものですね~。
「ほら、早く体を拭いて服を直してね。ソフィアの方は私がやっておくから」
「はーい!」
頑張った愛棒をウェットティッシュでキレイキレイしちゃいます。そしてさり気なくソフィアさんの様子を伺うのです。
どうやら1時間経過したソフィアさんは深い眠りに就いているらしく、京子さんによる覚醒の合図を待っている状態らしいのです。京子さんがベッドに眠るソフィアさんの股を大きく開き、零れ出る精液をガラスのコップに搔き集めています。……ああ、乙女の花園から禁断の蜜を採取する美女とか、すごくエロい光景です。
そして何事も無かったかのように元通りにした後、京子さんがソフィアさんに語り掛けます。
「ソフィア、良く聞くのよ。私が手を大きく3回叩くと貴方は深い眠りから目を覚ますわ。目を覚ますと何も覚えていないけど、凄い充実感と喜びを感じるでしょう。さあ目覚めの時が来たわ……」
そう言うと京子さんがパンパンパンと手を合わせ、大きな音を鳴らしました。なるほど、催眠術ってこうやるんですねぇ。ソフィアさんは単純そうな感じだから掛かりやすいのかもしれない。まあボクくらいになると催眠術には掛かりませんけどね。
「あれ……ここは……?」
「おはようソフィア、気分はどう?」
「京子お姉様……。なんだろう、凄くフワフワして気分が良いです」
「ふふ、催眠術は大成功ね」
ムクリと起き上がったソフィアさんがキョロキョロと部屋を見渡しています。どうやらエッチした余韻とかを誤魔化すためにあの最後の指示を出したのでしょう……。
そして部屋の隅で正座するボクと目が合ったソフィアさんは表情を一変させ、ボクに向かって疑惑の視線を投げかけて来るのでした。
「おいこら、あんたあたしに何をしたのよ?」
「あのあの、ボクは特に何もしてないっていうか~、ソフィアさんがしたっていうか~」
「はぁ? 何を訳の分からない事言ってんのよ! 怒らないから正直に言いなさい」
「えっ、正直にですか? でもでも、言ったら絶対に怒られるっていうか~、その、ね?」
「あーうざったい! さっさと吐けコラ!」
ううぅ……、これは絶対に怒られるやつだ。ここでソフィアさんとエッチしましたって言った瞬間にボコボコに殴られる未来が見えます。……もしかしてボク、未来予知が出来るようになったのか!?
いや、今はそんなアホな事を考えてる場合じゃないのです。チラッと京子さんの顔を見れば、コクンと首を縦に振るのでした。くっ、例の作戦で行くしかないのか……!
「えっと、その、あのですね。絶対に怒らないでくださいね? 大丈夫? 絶対ですよ? はぁ……その、ソフィアさんが本当に催眠術に掛かってるなんて知らなかったので……その、……って言っちゃいました」
「はぁ? 最後聞こえなかったんだけど。もう一度ハッキリと言いなさい!」
くっ、腹をくくるしかないか。どうか殴られませんように……!
「その……ソフィアさんに搾精のお手伝いをして下さいって……お願いしちゃいました!!」
「…………は?」
ボクの搾精という言葉を聞いたソフィアさんがポカーンと口を開けて放心してしまいました。どどど、どうしたら良いんですか!?
チラチラと京子さんの顔を見てフォローをお願いしました。そう、これは全部京子さんの作戦なのです。エッチしたっていうのはマズいから搾精という事にしましょうって感じです。でもその先はどうするんだろうか……?
「ソフィアごめんね。私がユウタさんにそうするように命令したのよ」
「えっ、どういう事ですか京子お姉様……それに搾精って!」
混乱するソフィアさんを京子さんがギュッと抱き締めた。その瞬間、二人の背後に百合の花が咲き誇ったような幻を見た。……もしかしてボク、催眠術に掛かってるかも?
ソフィアさんの頭をヨシヨシしながら京子さんが愛を囁きました。
「ソフィア好きよ。一緒に暮らしましょう」
「えっ、本当ですかお姉様!?」
うんうん、素晴らしい百合ですねぇ。今度は百合の花の香りが漂ってくるような気がします。でも搾精した事を誤魔化してるだけのような……?
「私はソフィアを愛してる……ソフィアに子供を産んで欲しいの。だから……ね、この精液で子供作って二人で育てましょう?」
「嬉しいです、京子お姉様っ!!」
ははーん、なるほどね。ここでボクの精液の出番ですか。ダンジョン奥地にビュルビュルと放出したはずの精液をグラスに搔き集めていると思ったらここで出番があるのですね。さすが京子さんです!
つ、つまりこれからソフィアさんのダンジョンを『くぱぁ』ってして人工授精っぽいことをするんですね!? ああ、百合の花が咲いて見えます……。
これから生で百合百合な展開が繰り広げられるのかと期待していたところ、二人がボクの方を向いて来ました。むむっ、ボクは居ないものとしてどうぞ百合百合してくださいね?
「ちょっとあんた、空気読んで出て行きなさいよ」
「ごめんねユウタさん、ちょっと席外して貰っても良いかな? そうだわ、ご飯食べて来ると良いわよ」
くっ……まさかの追い出しですよ。この部屋はボクのものだと思いますが、京子さんから早く出ていけってオーラを感じるのです。でも百合の花が咲く瞬間を見て見たいし、そもそもボクの演技の練習じゃなかったでしたっけ?
そうだ、確か……。
「あのあの、明日の演技の練習はどうなったんですか? 確か没入型の演技とか言ってましたよね? そうだ、憑依するって言ってました! ボクが催眠術に掛かるか練習しないとダメだと思いま~す!」
「あんた往生際が悪いわね。サッサと出て行きなさいよ」
「うふふ、ユウタさんは催眠術の才能バッチリよ! ……掛かる方だけど……。明日のCM撮影の時に掛けてあげるから安心してね?」
「わ、分かりました……」
京子さんの途中の言葉は良く聞き取れませんでしたが、笑顔だったので良い内容だったのでしょう。
ボクはスマホを取り出して退出しようとしたところ、京子さんが呼び止めて来ました。もしかして男優が必要ですか!?
「あ、ユウタさん。終わったら出て行くからカードキー持って行ってね?」
「これから京子お姉様と愛し合うんだから、覗いたらぶっ殺すからね?」
「はい……」
期待したボクが馬鹿でした。そうか、これからボクの部屋で百合百合な人工授精が行われるのか……。
ボクはカードキーをポケットにしまい、スマホを取り出して椿さんに電話を掛けるのでした。
「もしもし椿さん、みんなでご飯食べに行きませんか?」
CM撮影は何とかなるっぽいので美味しいご飯を食べようと思います。
◇
「じゃあ気を取り直して頭から撮影するわよ! 京子お姉様、準備をお願いしますー!」
「ええ、分かったわ」
「……」
昨日レストランで双子ちゃんとお手伝いのお姉さんの4人で美味しいフルコースのお料理を頂きました。ソフィアさんとエッチしたのが良かったのか、ボクのスッキリとした顔を見た皆が驚いていましたね。ホテルに来るまではどんよりとした顔でしたからねぇ……。
そして空気を読んで2時間くらいゆっくりとお食事を楽しみ、双子ちゃんの誘惑を必死の思いで我慢して部屋に戻りました。ダンジョンアタックを終えてシャワーを浴びていない愛棒を見られたら、双子ちゃん経由で桜さんにバレちゃうかもしれませんからね。おしおき……うっ、頭が。
「じゃあユウタさん、ここに座ってリラックスしてね」
「えっ、あのあの、昨日と違って雰囲気が違うっていうか、真っ暗な中でロウソクの明かりって訳じゃないですし……こんなんじゃボク、催眠術になんて掛かりませんよ?」
京子さんに連れて来られたのはトイレの個室です。そして便座に座らせられたボクは、抗議の視線を京子さんに向けているのでした。
さすがにこのトイレで催眠術とか無いでしょ。だって昨日のソフィアさんが催眠術に掛かったのは、真っ暗な部屋でロウソク1本の明かりだけという特別な空間、そしてお香の香り、それらが相まって暗示を掛けたって事ですよね。
今ボクが居る場所を良く見よう。女子トイレの個室という特別な空間、そしてほんのりと香るオシッコの香り、どう考えても暗示が成功するような雰囲気じゃないですよ。もしかして京子さんは気でも狂ったのだろうか?
「うふふ、とりあえずやってみましょう。さあ、この硬貨を良く見てね。この硬貨を見てるとだんだん眠くなるの。眠くて眠くて仕方なくなってしまい、瞼が徐々に閉じて……」
ボクは深い闇の中に沈んで行った。
「はいカット!!! いや~良い画が撮れたわね~。みんなお疲れ様!!」
「……ふぁっ!?」
あれ、ここは……スタジオ? キョロキョロと辺りを見渡せばスタッフさん達がボクと京子さんに向かって惜しみない拍手を送ってくれています。
みんな笑顔だけど、ボクは全然やり切った感じがしないのである。でも何故だろう、口の中にはカレーのスパイシーな味が広がっている。
「お疲れ様、ユウタさん。良い演技が出来たわね」
「え、えっとぉ、あれは60点くらいですかね~」
ボクは笑って誤魔化しました。ぜ、全然覚えてないぞ。もしかして本当に催眠術に掛かっていたのだろうか?
「…………ユウタ様、凄かったです!」
「…………感動しました、です!」
「あ、ありがとうございます……」
双子ちゃんがキラキラした目でボクを見つめて来る。そ、そんなに良い感じで演技が出来たのだろうか?
まだ腑に落ちないボクが惚けっとしていると、ソフィアさんが近づいて来た。
「あんたも京子お姉様の恐ろしさが分かったでしょ?」
「は、はい……」
そうか、やっぱりあれは催眠術に掛かっていたのか。でもトイレの個室で催眠術に掛かってしまうボクって……。
どうやらこれでCM撮影は終了のようです。ソフィアさんと京子さんに色紙にサインを貰って解散となりましたが、最後の別れ際、京子さんがコッソリとボクに囁きました。
「あの約束、忘れないで頂戴ね。ソフィアが妊娠してなかったら呼ぶから、絶対に孕ませてよね」
「は、はいっ!!」
そうしてボクは、京子さんとの秘密の取引をしたお陰で無事にCM撮影を乗り切る事が出来たのでした。
※お知らせ※
今回の連続更新はここまでとなります。
ストックが空っぽになってしまったので、しばらく書き貯めに入ろうと思います。
キリの良いところまで書けたら投稿しますのでご容赦下さい。
ここまで見て頂き、ありがとうございます!
あの後、嬉しそうにお腹を摩って微笑んでいたソフィアさんですが、時計を見て『まだ時間ありますね……京子お姉様、もっと可愛がってあげます』っていう感じでズッコンバッコンとやっちゃった訳ですよ。
ビュルビュルと奥に精液を出したのは良いものの、やっちゃった感というか罪悪感がボクを襲います。
「もう……ユウタさんったら出し過ぎよ」
「うへへ、サーセン!」
演技は褒められなかったですが、愛棒の活躍は褒めて貰えました。やっぱり男として愛棒が褒められるのは気持ちが良いものですね~。
「ほら、早く体を拭いて服を直してね。ソフィアの方は私がやっておくから」
「はーい!」
頑張った愛棒をウェットティッシュでキレイキレイしちゃいます。そしてさり気なくソフィアさんの様子を伺うのです。
どうやら1時間経過したソフィアさんは深い眠りに就いているらしく、京子さんによる覚醒の合図を待っている状態らしいのです。京子さんがベッドに眠るソフィアさんの股を大きく開き、零れ出る精液をガラスのコップに搔き集めています。……ああ、乙女の花園から禁断の蜜を採取する美女とか、すごくエロい光景です。
そして何事も無かったかのように元通りにした後、京子さんがソフィアさんに語り掛けます。
「ソフィア、良く聞くのよ。私が手を大きく3回叩くと貴方は深い眠りから目を覚ますわ。目を覚ますと何も覚えていないけど、凄い充実感と喜びを感じるでしょう。さあ目覚めの時が来たわ……」
そう言うと京子さんがパンパンパンと手を合わせ、大きな音を鳴らしました。なるほど、催眠術ってこうやるんですねぇ。ソフィアさんは単純そうな感じだから掛かりやすいのかもしれない。まあボクくらいになると催眠術には掛かりませんけどね。
「あれ……ここは……?」
「おはようソフィア、気分はどう?」
「京子お姉様……。なんだろう、凄くフワフワして気分が良いです」
「ふふ、催眠術は大成功ね」
ムクリと起き上がったソフィアさんがキョロキョロと部屋を見渡しています。どうやらエッチした余韻とかを誤魔化すためにあの最後の指示を出したのでしょう……。
そして部屋の隅で正座するボクと目が合ったソフィアさんは表情を一変させ、ボクに向かって疑惑の視線を投げかけて来るのでした。
「おいこら、あんたあたしに何をしたのよ?」
「あのあの、ボクは特に何もしてないっていうか~、ソフィアさんがしたっていうか~」
「はぁ? 何を訳の分からない事言ってんのよ! 怒らないから正直に言いなさい」
「えっ、正直にですか? でもでも、言ったら絶対に怒られるっていうか~、その、ね?」
「あーうざったい! さっさと吐けコラ!」
ううぅ……、これは絶対に怒られるやつだ。ここでソフィアさんとエッチしましたって言った瞬間にボコボコに殴られる未来が見えます。……もしかしてボク、未来予知が出来るようになったのか!?
いや、今はそんなアホな事を考えてる場合じゃないのです。チラッと京子さんの顔を見れば、コクンと首を縦に振るのでした。くっ、例の作戦で行くしかないのか……!
「えっと、その、あのですね。絶対に怒らないでくださいね? 大丈夫? 絶対ですよ? はぁ……その、ソフィアさんが本当に催眠術に掛かってるなんて知らなかったので……その、……って言っちゃいました」
「はぁ? 最後聞こえなかったんだけど。もう一度ハッキリと言いなさい!」
くっ、腹をくくるしかないか。どうか殴られませんように……!
「その……ソフィアさんに搾精のお手伝いをして下さいって……お願いしちゃいました!!」
「…………は?」
ボクの搾精という言葉を聞いたソフィアさんがポカーンと口を開けて放心してしまいました。どどど、どうしたら良いんですか!?
チラチラと京子さんの顔を見てフォローをお願いしました。そう、これは全部京子さんの作戦なのです。エッチしたっていうのはマズいから搾精という事にしましょうって感じです。でもその先はどうするんだろうか……?
「ソフィアごめんね。私がユウタさんにそうするように命令したのよ」
「えっ、どういう事ですか京子お姉様……それに搾精って!」
混乱するソフィアさんを京子さんがギュッと抱き締めた。その瞬間、二人の背後に百合の花が咲き誇ったような幻を見た。……もしかしてボク、催眠術に掛かってるかも?
ソフィアさんの頭をヨシヨシしながら京子さんが愛を囁きました。
「ソフィア好きよ。一緒に暮らしましょう」
「えっ、本当ですかお姉様!?」
うんうん、素晴らしい百合ですねぇ。今度は百合の花の香りが漂ってくるような気がします。でも搾精した事を誤魔化してるだけのような……?
「私はソフィアを愛してる……ソフィアに子供を産んで欲しいの。だから……ね、この精液で子供作って二人で育てましょう?」
「嬉しいです、京子お姉様っ!!」
ははーん、なるほどね。ここでボクの精液の出番ですか。ダンジョン奥地にビュルビュルと放出したはずの精液をグラスに搔き集めていると思ったらここで出番があるのですね。さすが京子さんです!
つ、つまりこれからソフィアさんのダンジョンを『くぱぁ』ってして人工授精っぽいことをするんですね!? ああ、百合の花が咲いて見えます……。
これから生で百合百合な展開が繰り広げられるのかと期待していたところ、二人がボクの方を向いて来ました。むむっ、ボクは居ないものとしてどうぞ百合百合してくださいね?
「ちょっとあんた、空気読んで出て行きなさいよ」
「ごめんねユウタさん、ちょっと席外して貰っても良いかな? そうだわ、ご飯食べて来ると良いわよ」
くっ……まさかの追い出しですよ。この部屋はボクのものだと思いますが、京子さんから早く出ていけってオーラを感じるのです。でも百合の花が咲く瞬間を見て見たいし、そもそもボクの演技の練習じゃなかったでしたっけ?
そうだ、確か……。
「あのあの、明日の演技の練習はどうなったんですか? 確か没入型の演技とか言ってましたよね? そうだ、憑依するって言ってました! ボクが催眠術に掛かるか練習しないとダメだと思いま~す!」
「あんた往生際が悪いわね。サッサと出て行きなさいよ」
「うふふ、ユウタさんは催眠術の才能バッチリよ! ……掛かる方だけど……。明日のCM撮影の時に掛けてあげるから安心してね?」
「わ、分かりました……」
京子さんの途中の言葉は良く聞き取れませんでしたが、笑顔だったので良い内容だったのでしょう。
ボクはスマホを取り出して退出しようとしたところ、京子さんが呼び止めて来ました。もしかして男優が必要ですか!?
「あ、ユウタさん。終わったら出て行くからカードキー持って行ってね?」
「これから京子お姉様と愛し合うんだから、覗いたらぶっ殺すからね?」
「はい……」
期待したボクが馬鹿でした。そうか、これからボクの部屋で百合百合な人工授精が行われるのか……。
ボクはカードキーをポケットにしまい、スマホを取り出して椿さんに電話を掛けるのでした。
「もしもし椿さん、みんなでご飯食べに行きませんか?」
CM撮影は何とかなるっぽいので美味しいご飯を食べようと思います。
◇
「じゃあ気を取り直して頭から撮影するわよ! 京子お姉様、準備をお願いしますー!」
「ええ、分かったわ」
「……」
昨日レストランで双子ちゃんとお手伝いのお姉さんの4人で美味しいフルコースのお料理を頂きました。ソフィアさんとエッチしたのが良かったのか、ボクのスッキリとした顔を見た皆が驚いていましたね。ホテルに来るまではどんよりとした顔でしたからねぇ……。
そして空気を読んで2時間くらいゆっくりとお食事を楽しみ、双子ちゃんの誘惑を必死の思いで我慢して部屋に戻りました。ダンジョンアタックを終えてシャワーを浴びていない愛棒を見られたら、双子ちゃん経由で桜さんにバレちゃうかもしれませんからね。おしおき……うっ、頭が。
「じゃあユウタさん、ここに座ってリラックスしてね」
「えっ、あのあの、昨日と違って雰囲気が違うっていうか、真っ暗な中でロウソクの明かりって訳じゃないですし……こんなんじゃボク、催眠術になんて掛かりませんよ?」
京子さんに連れて来られたのはトイレの個室です。そして便座に座らせられたボクは、抗議の視線を京子さんに向けているのでした。
さすがにこのトイレで催眠術とか無いでしょ。だって昨日のソフィアさんが催眠術に掛かったのは、真っ暗な部屋でロウソク1本の明かりだけという特別な空間、そしてお香の香り、それらが相まって暗示を掛けたって事ですよね。
今ボクが居る場所を良く見よう。女子トイレの個室という特別な空間、そしてほんのりと香るオシッコの香り、どう考えても暗示が成功するような雰囲気じゃないですよ。もしかして京子さんは気でも狂ったのだろうか?
「うふふ、とりあえずやってみましょう。さあ、この硬貨を良く見てね。この硬貨を見てるとだんだん眠くなるの。眠くて眠くて仕方なくなってしまい、瞼が徐々に閉じて……」
ボクは深い闇の中に沈んで行った。
「はいカット!!! いや~良い画が撮れたわね~。みんなお疲れ様!!」
「……ふぁっ!?」
あれ、ここは……スタジオ? キョロキョロと辺りを見渡せばスタッフさん達がボクと京子さんに向かって惜しみない拍手を送ってくれています。
みんな笑顔だけど、ボクは全然やり切った感じがしないのである。でも何故だろう、口の中にはカレーのスパイシーな味が広がっている。
「お疲れ様、ユウタさん。良い演技が出来たわね」
「え、えっとぉ、あれは60点くらいですかね~」
ボクは笑って誤魔化しました。ぜ、全然覚えてないぞ。もしかして本当に催眠術に掛かっていたのだろうか?
「…………ユウタ様、凄かったです!」
「…………感動しました、です!」
「あ、ありがとうございます……」
双子ちゃんがキラキラした目でボクを見つめて来る。そ、そんなに良い感じで演技が出来たのだろうか?
まだ腑に落ちないボクが惚けっとしていると、ソフィアさんが近づいて来た。
「あんたも京子お姉様の恐ろしさが分かったでしょ?」
「は、はい……」
そうか、やっぱりあれは催眠術に掛かっていたのか。でもトイレの個室で催眠術に掛かってしまうボクって……。
どうやらこれでCM撮影は終了のようです。ソフィアさんと京子さんに色紙にサインを貰って解散となりましたが、最後の別れ際、京子さんがコッソリとボクに囁きました。
「あの約束、忘れないで頂戴ね。ソフィアが妊娠してなかったら呼ぶから、絶対に孕ませてよね」
「は、はいっ!!」
そうしてボクは、京子さんとの秘密の取引をしたお陰で無事にCM撮影を乗り切る事が出来たのでした。
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ここまで見て頂き、ありがとうございます!
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