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無理…

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皆様、こんにちは。私最近、大分弱っておりますの。といいますのもピアから毎日の様に嫌がらせを受けているのですわ。ピアといいますのは、この国の王子で、従兄弟なのですけれども…私が虚弱なのを知っている筈ですのに「プライムを虐めるのは止めろ」とか「プライムはまだ貴族になって日が浅いのだ、上に立つ者なら大目に見れるだろう?」とか…毎日の様に言ってきますの。これを嫌がらせと言わずに何と言えばよろしのかしら?

まず第一に、プライムさんとはあの人以来会っていませんし、私にそんな体力はございませんわ。

以前会った時はもっと賢明な方でしたのに…。何があったのでしょうか。

「まるで悪役令嬢ですわね」

「シェリー、やめて下さいな。大体、あの時から意味不明なのですわ」私がそんなくだらないことに時間を無駄にするわけないでしょう。ピアのことなど興味もありませんのに…どうして巻き込まれないとならないのでしょうか。勝手に婚約でも結婚でもなされば宜しいのよ。

「ふふ、学園にもあまり来ませんものね。…取り巻きにやらせているとも言い回っているそうよ」

「皆様信じていますの?」

「あまりにも言いますので聞き流している様ですわ」なら構いませんわ。とはいえ、体調のこともございますからこの様な茶番からは退場したいですわね。

「何故、私なのかしら?もっと健康な方になされば宜しいのに」

「偽るにも限りがありますわ、プライムさんの態度に見て見ぬ振りできない令嬢も大勢いらっしゃるようですし…あと少しの辛抱ですわ」

「そうですわね…」疲れますわ。皆様の視線だけでも事足りる程の疲労ですのに。

「御命令下さるなら私が処置いたします!」その気持ちだけで十分ですわ。ピアも絡んできますし、1度相談しないといけないかも知れませんね…。

「リゼ様!大丈夫ですか?リゼ様?リ…、…ゼ」もう限界ですわ。長期お休みを申請して領地で療養致しましょうか。それにしても、最近学園に来ても授業は受けてれておりませんし、やはり入学自体無理だったのでしょうか…。

「だい、じょ、う、ぶ。ゴホッ、うぇ」ふふ、真っ赤ですわね。ふぅ、本日はこれ以上無理そうなのでお先に失礼いたしますわ。皆様、良き日をお過ごし下さい。



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