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シモーネサイド
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シモーネはモテモテだ。
学園では実に多数の異性から言い寄られている。
中にはしつこくてなかなか諦めてくれない男性もいた。
しかも、その男性からは執拗に付き纏わられている。
いわゆるストーカーだ。
とはいえ、その男性からストーキング行為を受けるのは学園内だけだった。
ちなみにその男性は平民だ。
学園は王立。
王侯貴族だけではなく、平民にも広く開かれていた。
しかし、それ相応の学力を要求される。
そのストーカーは傍から見れば馬鹿だが、意外にも頭脳明晰なのだ。
そのしつこい男をクラスメイトのベアトリスに押し付けようとしたが、失敗ばかり。
ベアトリスは意地でもそいつを好きにならないし、そいつもそいつでベアトリスを好きになろうとしない。
モヤモヤしたものだ。
こうしてアントニオと一緒になったかと思いきや、その迷惑男は意地でもシモーネを諦めない。
恐らくこうだ、と推測する。
意中の彼にフラレれば僕のところに来てくれるだろう。
婚約破棄すれば僕のところに来てくれるだろう。
どうせそんな感じだろう。
どこまでもおめでたい男だ。
その男はアンドレイという。
アンドレイは実はかなりの女好きで、クラス中の女性無節操に話しかけているのだ。
勿論、ベアトリスも例外ではない。
ある日。シモーネは学園を休んだ。
その日に体育祭の事について話す日だった。
アンドレイは別のクラスメイト、マヤに近づいていったようだ。
友人のアリーナから聞いた。
アンドレイは執拗にマヤに付き纏ったようだ。
そして、マヤはそれが嫌で結局体育祭の日を休んでしまった。
シモーネに一途かと思いきや、マヤにまで手を出す。
そして、アンドレイは「何かついているよ」と言ってシモーネ含め、5人のクラスメイトの女性手に触れたのだ。
シモーネはアンドレイにうなじを触られた。
全く以て女好きだ。
平民でありながら、貴族令嬢にばかり言い寄る。
身分を弁えない大した男だ。
ある日突然アンドレイから告白された。
いや、常日頃から「好きだ」だの「付き合って欲しい」だの言われているが。
アンドレイはこう言った。
「僕の好きな人はシモーネさんとディアドラさんとカミーラさん」と。
勿論、ベアトリスは入っていない。
それでも、ベアトリスにべたべたひっついているのは確かだ。
シモーネは何としてでも、ベアトリスとアンドレイの恋のキューピッドになりたかった。
「あの二人がくっつけばウィンウィンなのに」
アンドレイが寄ってくる度にチッと舌打ちをしていた。
しかも、アンドレイに聞こえるように。
アンドレイは何かとシモーネを褒めてきた。
「シモーネさん、そのピアス可愛いね」だの、「シモーネさん、そのドレス素敵だね」だの。
髪を切ったとき、「髪が長い方が素敵だったよ」と言われたので、「私はそうは思わないけど」と切り替えしてやった。
煩わしかったからだ。
そもそも、公爵令嬢と平民とでは身分差も大きすぎる。
しかし、アンドレイにはそれがわかっていないようだ。
いくら冷たくあしらわれても、たじろぐ事が無い。
いい加減、空気を読んでもらいたいものだ。
ベアトリスはいつでも恋愛の邪魔ばかりしてきた。
異性と一緒にいれば、必ず入ってきた。
そして、なぜかアンドレイについていかないベアトリスが憎くて憎くて仕方無かった。
婚約中のアントニオはそのベアトリスの妹、フィリッパと婚約していた。
しかし、アントニオは父の後釜を取って医師になる予定のフィリッパを嫌った。
なぜなら、結婚後、フィリッパは家庭に入るかどうか怪しかったからだ。
仕事一筋など女としては失格だ。
女性は結婚し、貴族の夫人として子育てに専念しなければならない。
アントニオはオゴール公爵令息でしかも長男。
次期オゴール公爵当主になる人物なのだ。
そして、お世継ぎを産まなければならない。
しかし、フィリッパは子育てそっちのけで医師として人生を歩もうとしている。
ちなみに、マジョ家は姉のベアトリスが後継者になっている。
ベアトリスもベアトリスでその身分も弁えず、異性に話しかけるからタチが悪い。
シモーネはアントニオの部屋で、アントニオと布団の中でじゃれ合っている。
勿論、素っ裸だ。
窓の外は相変わらず雪。
空には重々しい鉛色の雲が広がっている。
部屋の中は暖炉の火が暖めてくれている。
火は弾けては燃え、弾けては燃えを繰り返している。
暖炉に火がついているので、裸でも寒くはない。
シモーネは身体を横たえている。
その隣でアントニオがいびきをかいて寝ている。
「アントニオ様の寝顔とくれば、本当にステキよねー」
アントニオは頭を動かした。
そして、おもむろに目を開けた。
「あら、ごめんなさい。起こしてしまったかしら?」
「いや……寝てはいけないんだ。昼間寝ちゃうと夜眠れなくなってしまうからね」
「アントニオ様」
「なんだい、シモーネ」
「本当に私で良かったのですか? 婚約も破棄にしてしまって」
「ああ、構わない。フィリッパとの婚約破棄の件は気にするな。両親にも伝えておくよ。フィリッパは家庭に入るつもりがない事。仕事の方が優先だと」
そう言ってアントニオは首を差し出し、頬にキスをした。
「ま♡アントニオ様ってば。私を選んでくれてありがとうございますわ」
「そりゃね、俺の女にするなら、同じくパイプを嗜むシモーネの方が良い」
「嬉しいですわ」
シモーネは芯からアントニオに愛された事がわかった。
「絶対に結婚しような。浮気すんなよな」
「しませんわ、アントニオ様。私はアントニオ様一途ですわ」
「お前の場合、わからないからな。なんせ、モテる。気づけば逆ハーレムなんて事も珍しく無いからな」
そう。
シモーネは逆ハーレムになる事もしばしばだった。
「そんな事ありませんわ。世の男性たちには『私にはオゴール公爵令息のアントニオ様がいるから』って毅然とした態度でお断り致しますわ」
「そうだよな。でもまさか、根負けしてアンドレイの元に行かないよな?」
「そんなわけはありませんわ。そもそも身分が違いすぎますから」
アントニオは笑みを浮かべた。
「そうだよな。シモーネは俺のもの。俺はシモーネのものなんだからな」
アントニオが頬に両手を当ててきた。
そしてまたキスをしてきた。
(絶対に浮気なんかしませんわ。このひとときがとても幸せなのだから)
学園では実に多数の異性から言い寄られている。
中にはしつこくてなかなか諦めてくれない男性もいた。
しかも、その男性からは執拗に付き纏わられている。
いわゆるストーカーだ。
とはいえ、その男性からストーキング行為を受けるのは学園内だけだった。
ちなみにその男性は平民だ。
学園は王立。
王侯貴族だけではなく、平民にも広く開かれていた。
しかし、それ相応の学力を要求される。
そのストーカーは傍から見れば馬鹿だが、意外にも頭脳明晰なのだ。
そのしつこい男をクラスメイトのベアトリスに押し付けようとしたが、失敗ばかり。
ベアトリスは意地でもそいつを好きにならないし、そいつもそいつでベアトリスを好きになろうとしない。
モヤモヤしたものだ。
こうしてアントニオと一緒になったかと思いきや、その迷惑男は意地でもシモーネを諦めない。
恐らくこうだ、と推測する。
意中の彼にフラレれば僕のところに来てくれるだろう。
婚約破棄すれば僕のところに来てくれるだろう。
どうせそんな感じだろう。
どこまでもおめでたい男だ。
その男はアンドレイという。
アンドレイは実はかなりの女好きで、クラス中の女性無節操に話しかけているのだ。
勿論、ベアトリスも例外ではない。
ある日。シモーネは学園を休んだ。
その日に体育祭の事について話す日だった。
アンドレイは別のクラスメイト、マヤに近づいていったようだ。
友人のアリーナから聞いた。
アンドレイは執拗にマヤに付き纏ったようだ。
そして、マヤはそれが嫌で結局体育祭の日を休んでしまった。
シモーネに一途かと思いきや、マヤにまで手を出す。
そして、アンドレイは「何かついているよ」と言ってシモーネ含め、5人のクラスメイトの女性手に触れたのだ。
シモーネはアンドレイにうなじを触られた。
全く以て女好きだ。
平民でありながら、貴族令嬢にばかり言い寄る。
身分を弁えない大した男だ。
ある日突然アンドレイから告白された。
いや、常日頃から「好きだ」だの「付き合って欲しい」だの言われているが。
アンドレイはこう言った。
「僕の好きな人はシモーネさんとディアドラさんとカミーラさん」と。
勿論、ベアトリスは入っていない。
それでも、ベアトリスにべたべたひっついているのは確かだ。
シモーネは何としてでも、ベアトリスとアンドレイの恋のキューピッドになりたかった。
「あの二人がくっつけばウィンウィンなのに」
アンドレイが寄ってくる度にチッと舌打ちをしていた。
しかも、アンドレイに聞こえるように。
アンドレイは何かとシモーネを褒めてきた。
「シモーネさん、そのピアス可愛いね」だの、「シモーネさん、そのドレス素敵だね」だの。
髪を切ったとき、「髪が長い方が素敵だったよ」と言われたので、「私はそうは思わないけど」と切り替えしてやった。
煩わしかったからだ。
そもそも、公爵令嬢と平民とでは身分差も大きすぎる。
しかし、アンドレイにはそれがわかっていないようだ。
いくら冷たくあしらわれても、たじろぐ事が無い。
いい加減、空気を読んでもらいたいものだ。
ベアトリスはいつでも恋愛の邪魔ばかりしてきた。
異性と一緒にいれば、必ず入ってきた。
そして、なぜかアンドレイについていかないベアトリスが憎くて憎くて仕方無かった。
婚約中のアントニオはそのベアトリスの妹、フィリッパと婚約していた。
しかし、アントニオは父の後釜を取って医師になる予定のフィリッパを嫌った。
なぜなら、結婚後、フィリッパは家庭に入るかどうか怪しかったからだ。
仕事一筋など女としては失格だ。
女性は結婚し、貴族の夫人として子育てに専念しなければならない。
アントニオはオゴール公爵令息でしかも長男。
次期オゴール公爵当主になる人物なのだ。
そして、お世継ぎを産まなければならない。
しかし、フィリッパは子育てそっちのけで医師として人生を歩もうとしている。
ちなみに、マジョ家は姉のベアトリスが後継者になっている。
ベアトリスもベアトリスでその身分も弁えず、異性に話しかけるからタチが悪い。
シモーネはアントニオの部屋で、アントニオと布団の中でじゃれ合っている。
勿論、素っ裸だ。
窓の外は相変わらず雪。
空には重々しい鉛色の雲が広がっている。
部屋の中は暖炉の火が暖めてくれている。
火は弾けては燃え、弾けては燃えを繰り返している。
暖炉に火がついているので、裸でも寒くはない。
シモーネは身体を横たえている。
その隣でアントニオがいびきをかいて寝ている。
「アントニオ様の寝顔とくれば、本当にステキよねー」
アントニオは頭を動かした。
そして、おもむろに目を開けた。
「あら、ごめんなさい。起こしてしまったかしら?」
「いや……寝てはいけないんだ。昼間寝ちゃうと夜眠れなくなってしまうからね」
「アントニオ様」
「なんだい、シモーネ」
「本当に私で良かったのですか? 婚約も破棄にしてしまって」
「ああ、構わない。フィリッパとの婚約破棄の件は気にするな。両親にも伝えておくよ。フィリッパは家庭に入るつもりがない事。仕事の方が優先だと」
そう言ってアントニオは首を差し出し、頬にキスをした。
「ま♡アントニオ様ってば。私を選んでくれてありがとうございますわ」
「そりゃね、俺の女にするなら、同じくパイプを嗜むシモーネの方が良い」
「嬉しいですわ」
シモーネは芯からアントニオに愛された事がわかった。
「絶対に結婚しような。浮気すんなよな」
「しませんわ、アントニオ様。私はアントニオ様一途ですわ」
「お前の場合、わからないからな。なんせ、モテる。気づけば逆ハーレムなんて事も珍しく無いからな」
そう。
シモーネは逆ハーレムになる事もしばしばだった。
「そんな事ありませんわ。世の男性たちには『私にはオゴール公爵令息のアントニオ様がいるから』って毅然とした態度でお断り致しますわ」
「そうだよな。でもまさか、根負けしてアンドレイの元に行かないよな?」
「そんなわけはありませんわ。そもそも身分が違いすぎますから」
アントニオは笑みを浮かべた。
「そうだよな。シモーネは俺のもの。俺はシモーネのものなんだからな」
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