婚約破棄されたら、既に婚約者のいる女性と婚約していることが判明しました

hikari

文字の大きさ
12 / 22

ストーカーそして破れた恋 ブリジット視点

しおりを挟む
誰かにつけられている……。背後に人の気配を感じる。ふと後ろを向いたが誰もいない。しかし、明らかに誰かが背後にいるのがわかる。


私が行く先々にいつもハロックがいた。

学園の園内でハロックにつけられていた。

でも、この気配はハロックなのだろうか?

「ハロック?」

私は声を出してみました。

しかし、誰も何も返事をしない。

ハロックはとうとうリグレ邸までやってきたのだろうか?

足音がした。

ブリジットは背後を振り返る。

すると音はピタっと止まった。


白昼堂々とストーカー。

しかし、リグレ邸は人気の無い場所にある。

「ハロック? ハロックなの?」

しかし、返事が無い。


ブリジットは歩みを進める。

やはり、誰かにつけられている。

被害妄想ではない。


ブリジットは釈然としないまま、リグレ邸へ戻った。


そして、お風呂に入ったその時だった。



ガサッ!!

音が鳴った。

何!?

すると、影が見えた。

痩せた背の低い影。

やはり、ハロックだ。


「ハロック、そこにいるのね?」

すると

「ブリジット。愛している」 

深緑色の短い髪をセンターで分けて、糸のように細い目。顔の中央にある大きな鼻。

まさにハロックだった。

やはりつけられていたのだ。

ブリジットは裸を見られてしまったのだ。


「きゃー!!」

ブリジットは大声をあげて風呂場を出た。

そして、裸のまま逃げ出した。

ハロックは風呂場の壁をよじ登ろうとしている。

ブリジットは一目散に駆け出した。

「ブリジット、どうしたの?」

兄のヴィクトールだった。

「お兄様、助けて下さい。学園の同級生が押しかけてきたんです」

とうとうその場にハロックが現れた。

「何だお前は?」

ハロックがニヤリと笑った。

「妹を付け回すとはどういう事なんだ? 妹には既に婚約者がいるんだぞ」

しかし、ハロックは微動だにしない。

「僕が婚約者にしてやるよ。アドンと婚約する前からブリジットが好きだった。アドンと別れて俺の番が来たと思った。そうしたら、アーチュウ殿下と婚約したらしいじゃないか。こうなったら力付くだ。ブリジットはいただく!」

「何を言っている! アーチュウ殿下から略奪するなど言語道断だ」

ブリジットはひたすらヴィクトールの後ろに隠れている。

「さあ、ブリジット。僕のところに来てくれるね?」

「いや、いやよー」

ブリジットは力の限り叫んだ。

「嫌がっているじゃないか!」

すると、ハロックは電光石火の如くブリジットの身体を抱え込む。

そして、首元にナイフを突きつける。

「ほ~ら、ブリジット。僕から逃れられると思うのかい?」

「やめろ!」

今度はヴィクトールが叫ぶ。

「ハンス、来てくれー!」

ヴィクトールは執事のハンスを大声で呼ぶ。

「ブリジットが、ブリジットが大変な事になっている。ハンス、助けてくれ!」

「何よ。釜を燃やしたくせに。あなたなんか圏外なんだから」

すると、ハロックは再び首元にナイフを突きつけた。

「やめろ!」

「騒ぐな! んでないとブリジットの命は無いぞ!」

ヴィクトールは黙った。

ブリジットはハロックの腕に噛み付いた。

そして、逃げ出す事に成功した。

しかし、すぐにハロックに追いつかれる。

ハロックはナイフを振り回してきた。

そこへ執事のハンスがやってきた。

そして、ハロックからナイフを奪い取り、ねじ伏せた。

流石は護身術をやっていただけある。

初老ではあるものの、武術の面ではハロックに勝っていた。

そして、警護隊が3人やってきた。そして、ハロックを取り囲むようにして、地下牢に連行して行った。

「これで安心ですね、ブリジット様」

「ありがとう。ハンス」

このような場面ではハンスはありがたい存在なのだ。

「ブリジット様。裸のままではありませんか」

ブリジットは自分が裸だという事に気づいた。大きな乳房が丸見えだ。

それも、兄にまで裸を見られてしまった。

「服を着ないと」

ブリジットは部屋まで駆け出した。

やはり、ストーカーの正体はハロックだった。

ハロックは学園内だけの付き纏いかと思いきや、エスカレートして、とうとうリグレ家までやってきたのだ。
















◇◆◇◆










そこにはアーチュウがいた。

やはり、ブリジットにとってはアーチュウといる時が一番落ち着く。

「聞いてください。アーチュウ殿下」

「どうしたんだい?」

優しくなだめるようなアーチュウ。

「私、ストーカーに遭っているんです」

「何だと!?」

アーチュウの目の色が変わった。

ストーカーへの怒りが即、ツボにはまったようだ。

「学園の同級生なんです」

「ブリジット!!」

「何ですか!?」

「お前、まさか浮気していないよな?」

「していませんがどうしてですか?」 

アーチュウが訝しげにこちらを見てきた。

「いや。浮気でもしない限り、ストーカーなんかに狙われるわけがない。何かあったんだろう?」

「一方的よ」

ブリジットは切り返した。

「一方的!? いんや、黒だね」

「だから違うってば!」

誤解されている。

「嘘だ! 一方的なんて言って逃げるんだろ?」

「そのつもりは……」

「問答無用だ!」

アーチュウはブリジットを指差し、激しく怒鳴った。

「違いますよ! 信じて下さい」

「信じられないね。さあ、その婚約指輪を返してもらおうじゃないか」

ブリジットは指輪を強く握りしめた。

この指輪はサーラからアーチュウを奪い取った戦利品。そうそう手放す訳にはいかない。

「婚約破棄だ!」

まさか……まさか……。

「さあ、ブリジット。大人しく婚約破棄を受け入れるんだ」

ブリジットは首を左右に振った。

「アドンと婚約破棄をして俺のところに転がり込んできた。やっぱり浮気する奴は浮気するんだな」

「違いますって!」

「黙れ!」

信じてくれない。

――私は……浮気を疑われ、理不尽にも婚約破棄を言い渡された。

ブリジットは脱力し、床にへたりこんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

「では、ごきげんよう」と去った悪役令嬢は破滅すら置き去りにして

東雲れいな
恋愛
「悪役令嬢」と噂される伯爵令嬢・ローズ。王太子殿下の婚約者候補だというのに、ヒロインから王子を奪おうなんて野心はまるでありません。むしろ彼女は、“わたくしはわたくしらしく”と胸を張り、周囲の冷たい視線にも毅然と立ち向かいます。 破滅を甘受する覚悟すらあった彼女が、誇り高く戦い抜くとき、運命は大きく動きだす。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

【完結】『恋心を凍らせる薬を飲みました』 - 残りの学園生活、どうぞご自由にお遊びください、婚約者様

恋せよ恋
恋愛
愛されることを諦めた。だから、私は心を凍らせた。 不誠実な婚約者・ユリアンの冷遇に耐えかねたヤスミンは、 伝説の魔女の元を訪れ、恋心を消し去る「氷の薬」を飲む。 感情を捨て、完璧な「人形」となった彼女を前に、 ユリアンは初めて己の罪と執着に狂い始める。 「お願いだ、前のように僕を愛して泣いてくれ!」 足元に跪き、涙を流して乞う男に、ヤスミンは冷酷に微笑む。 「愛?……あいにく、そのような無駄な感情は捨てましたわ」 一度凍りついた心は、二度と溶けない。 後悔にのたうち回る男と、心を凍らせた冷徹な公爵夫人の、 終わりのない贖罪の記録。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

私に価値がないと言ったこと、後悔しませんね?

みこと。
恋愛
 鉛色の髪と目を持つクローディアは"鉱石姫"と呼ばれ、婚約者ランバートからおざなりに扱われていた。 「俺には"宝石姫"であるタバサのほうが相応しい」そう言ってランバートは、新年祭のパートナーに、クローディアではなくタバサを伴う。 (あんなヤツ、こっちから婚約破棄してやりたいのに!)  現代日本にはなかった身分差のせいで、伯爵令嬢クローディアは、侯爵家のランバートに逆らえない。  そう、クローディアは転生者だった。現代知識で鉱石を扱い、カイロはじめ防寒具をドレス下に仕込む彼女は、冷えに苦しむ他国の王女リアナを助けるが──。  なんとリアナ王女の正体は、王子リアンで?  この出会いが、クローディアに新しい道を拓く! ※小説家になろう様でも「私に価値がないと言ったこと、後悔しませんね? 〜不実な婚約者を見限って。冷え性令嬢は、熱愛を希望します」というタイトルで掲載しています。

婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。

桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。 「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」 「はい、喜んで!」  ……えっ? 喜んじゃうの? ※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。 ※1ページの文字数は少な目です。 ☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」  セルビオとミュリアの出会いの物語。 ※10/1から連載し、10/7に完結します。 ※1日おきの更新です。 ※1ページの文字数は少な目です。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年12月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った

五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」 8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。

処理中です...