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忌まわしいもの
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相も変わらずの曇り空。
アレクシアは婚約指輪を売りに行く事にした。
家族はエマニュエルとの婚約破棄を受け入れてくれた。
これは明らかにジェシカに非があると。
ジェシカは本来のアレクシアの性格でアレクシアのポジションにいる。
だとしたら……。
ジェシカにも何かしらのエンディングが用意されているはず!?
国から追放されたり、囚われたり、睡眠薬で服毒自殺したり。
いずれにせよ、罰は当たる。
アレクシアは確信した。
睡眠薬……。
確かバーナード先生とシルヴィアが成立したら、アレクシアが服薬自殺する事になっていた。
しかし……。
睡眠薬なんてどこで入手するのだろう?
アレクシアは睡眠薬の入手ルートを知らない。
確かに、病院にかかれば睡眠薬はもらえる。
しかし、睡眠に困っていないのだから、睡眠薬をもらえるはずがない。
それに、睡眠薬で容易に自殺できるのだから、医者もそう易易と薬を処方はしないだろう。
それとも……。
エマニュエル王太子と一緒になっていれば、裏ルートで入手していたののかもしれない。
睡眠薬……。
そんな危険なものには手は出さないと決めた。
そうでないと、シルヴィアがバーナード先生と一緒になったら、睡眠薬に手を出す恐れがある。
というか……。
アレクシアは王太子と政略結婚だった。
本命はバーナード先生だったのかもしれない。
少なくともゲームの中では。
そこで、シルヴィアに取られて自殺……など容易に想像がつく。
シルヴィアは間違いなくバーナード先生が好き。
でも、アレクシアはモブキャラのゴードンと決めたから、自殺などするはずがない。
アレクシアは街中を歩いている。
どこもかしこも人、人、人の波。
タペストリーが並んだこの街には軒を連ねてお店がある。
突き当りを右に曲がると、水晶の絵が飛び込んできた。
占い屋さんだ。
ゲームの世界ではこの占いで攻略する男性との間の恋の進展がわかる。
まず、最初は
「あなたに恋をしている人は誰もいない」
さらに進むと
「意中の人ははあなたのことを少し意識しているようだ」
そして、さらに進むと、
「意中の人はそれはあなたを愛しているかもしれない」
そしてまたさらに進むと、
「意中の人はあなたと結婚するかもしれない」
と出る。
占いは確か15ソトと格安。
ソトとはこのゲーム内の通貨の名前。
アレクシアは興味本意で占い屋さんに入った。
「はい、いらっしゃい」
いたのは中年の細身の男性だった。
中は真っ暗で中央に人の人間の頭大の水晶玉が置かれていた。
「はい、お嬢ちゃん。何を占いたいのかね?」
「恋愛について……です」
「そうか。じゃあ今占いますね」
そう言って占い師は目を閉じ、水晶玉に手をかざした。
しばらくして、占い師は頭を上げた。
「嬢ちゃん。凄いねぇ」
「何でしょう?」
「大きな建物が見えるぞ」
水晶玉に映っているのでしょうけれども、アレクシアには何も見えない。
再び、占い師は水晶玉の上に手をかざした。
目をあけるなり、また言った。
「嬢ちゃん。高貴な男性と結ばれる運命にある!!」
「え!?」
アレクシアは驚いた。
高貴な男性!?
まさか、エマニュエル王太子と復縁するの?
冗談じゃない! あんなクズ男。
占いなんて当たるも八卦、当たらぬも八卦。
「ありがとうございます。その通りに高貴な男性と結婚できれば良いですわ!」
「応援しておるぞ」
「では15ソトだ」
やはり、ゲーム内と変わらない。
アレクシアは15ソトを支払った。
そして、占い屋を出た。
高貴な男性……。
でも、アレクシアの本命はモブキャラで平民のゴードン。
平民が大きなお屋敷に住むわけないわ。
アレクシアは思わず笑ってしまった。
それよりも、早く婚約の後始末をしないと。
アレクシアは婚約指輪を握りしめた。
「こんな忌まわしいもの。売り払ってやるんだから!!」
婚約指輪に嵌め込まれている宝石は貴重な宝石だ……とエマニュエルが言っていた。
「さあて。質屋♫質屋♪」
アレクシアは質屋を探した。
その途中に、ゴードンの家族が経営するパン屋があった。
『パティパティ』という名前のお店だった。
名前の由来は創業者の奥さんの名前がパトシリアだからという。
「この婚約指輪を売ったら、そのお金でパンを買おう」
ゴードンの家のパン屋は美味しいで有名。
学園でもかなりの有名店だ。
アレクシアは再び歩みを進めた。
そして、まっすぐ行くと……。
『宝石買い取りします』
という看板が見えた。
「よし! ここね」
アレクシアは躊躇なく店内へ入った。
「ごめんくださーい」
「はい」
中から恰幅の良い男性が現れた。
「この指輪、売りたいのですが買い取ってくれますか?」
アレクシアは指輪を店の主人に見せた。
店の主人は指輪を受け取り、
「わっかりました。この指輪を買い取りしますので、しばしお待ちを」
品定めをするのだろう。
でも、間違ってでも偽物ではないよね? とは思った。
しかし、一国の王太子が偽物の指輪を渡すわけがない。
「お嬢さん」
「はい」
「本物の宝石だ」
良かった。やっぱり本物だ。
「では5万ソトで買い取るぞ」
「ありがとうございます」
アレクシアは5万ソトを受け取り、店を出た。
『パティパティ』に戻り、パンをいくつか買った。
店にはゴードンがいた。
ゴードンは店の手伝いをしていた。
それもそのはず。
ゴードンはお店の跡継ぎになるからだ。
アレクシアはパン屋の嫁になる事を強く思っていた。
私はパン屋の嫁になるの。
高貴な男性と結ばれるなんてどうせエマニュエル王太子との復縁でしょ?
王太子なんかと復縁するつもりはないわ。
王太子はせいぜいジェシカと結ばれて、後で天罰を受けると良いわ!!
アレクシアは婚約指輪を売りに行く事にした。
家族はエマニュエルとの婚約破棄を受け入れてくれた。
これは明らかにジェシカに非があると。
ジェシカは本来のアレクシアの性格でアレクシアのポジションにいる。
だとしたら……。
ジェシカにも何かしらのエンディングが用意されているはず!?
国から追放されたり、囚われたり、睡眠薬で服毒自殺したり。
いずれにせよ、罰は当たる。
アレクシアは確信した。
睡眠薬……。
確かバーナード先生とシルヴィアが成立したら、アレクシアが服薬自殺する事になっていた。
しかし……。
睡眠薬なんてどこで入手するのだろう?
アレクシアは睡眠薬の入手ルートを知らない。
確かに、病院にかかれば睡眠薬はもらえる。
しかし、睡眠に困っていないのだから、睡眠薬をもらえるはずがない。
それに、睡眠薬で容易に自殺できるのだから、医者もそう易易と薬を処方はしないだろう。
それとも……。
エマニュエル王太子と一緒になっていれば、裏ルートで入手していたののかもしれない。
睡眠薬……。
そんな危険なものには手は出さないと決めた。
そうでないと、シルヴィアがバーナード先生と一緒になったら、睡眠薬に手を出す恐れがある。
というか……。
アレクシアは王太子と政略結婚だった。
本命はバーナード先生だったのかもしれない。
少なくともゲームの中では。
そこで、シルヴィアに取られて自殺……など容易に想像がつく。
シルヴィアは間違いなくバーナード先生が好き。
でも、アレクシアはモブキャラのゴードンと決めたから、自殺などするはずがない。
アレクシアは街中を歩いている。
どこもかしこも人、人、人の波。
タペストリーが並んだこの街には軒を連ねてお店がある。
突き当りを右に曲がると、水晶の絵が飛び込んできた。
占い屋さんだ。
ゲームの世界ではこの占いで攻略する男性との間の恋の進展がわかる。
まず、最初は
「あなたに恋をしている人は誰もいない」
さらに進むと
「意中の人ははあなたのことを少し意識しているようだ」
そして、さらに進むと、
「意中の人はそれはあなたを愛しているかもしれない」
そしてまたさらに進むと、
「意中の人はあなたと結婚するかもしれない」
と出る。
占いは確か15ソトと格安。
ソトとはこのゲーム内の通貨の名前。
アレクシアは興味本意で占い屋さんに入った。
「はい、いらっしゃい」
いたのは中年の細身の男性だった。
中は真っ暗で中央に人の人間の頭大の水晶玉が置かれていた。
「はい、お嬢ちゃん。何を占いたいのかね?」
「恋愛について……です」
「そうか。じゃあ今占いますね」
そう言って占い師は目を閉じ、水晶玉に手をかざした。
しばらくして、占い師は頭を上げた。
「嬢ちゃん。凄いねぇ」
「何でしょう?」
「大きな建物が見えるぞ」
水晶玉に映っているのでしょうけれども、アレクシアには何も見えない。
再び、占い師は水晶玉の上に手をかざした。
目をあけるなり、また言った。
「嬢ちゃん。高貴な男性と結ばれる運命にある!!」
「え!?」
アレクシアは驚いた。
高貴な男性!?
まさか、エマニュエル王太子と復縁するの?
冗談じゃない! あんなクズ男。
占いなんて当たるも八卦、当たらぬも八卦。
「ありがとうございます。その通りに高貴な男性と結婚できれば良いですわ!」
「応援しておるぞ」
「では15ソトだ」
やはり、ゲーム内と変わらない。
アレクシアは15ソトを支払った。
そして、占い屋を出た。
高貴な男性……。
でも、アレクシアの本命はモブキャラで平民のゴードン。
平民が大きなお屋敷に住むわけないわ。
アレクシアは思わず笑ってしまった。
それよりも、早く婚約の後始末をしないと。
アレクシアは婚約指輪を握りしめた。
「こんな忌まわしいもの。売り払ってやるんだから!!」
婚約指輪に嵌め込まれている宝石は貴重な宝石だ……とエマニュエルが言っていた。
「さあて。質屋♫質屋♪」
アレクシアは質屋を探した。
その途中に、ゴードンの家族が経営するパン屋があった。
『パティパティ』という名前のお店だった。
名前の由来は創業者の奥さんの名前がパトシリアだからという。
「この婚約指輪を売ったら、そのお金でパンを買おう」
ゴードンの家のパン屋は美味しいで有名。
学園でもかなりの有名店だ。
アレクシアは再び歩みを進めた。
そして、まっすぐ行くと……。
『宝石買い取りします』
という看板が見えた。
「よし! ここね」
アレクシアは躊躇なく店内へ入った。
「ごめんくださーい」
「はい」
中から恰幅の良い男性が現れた。
「この指輪、売りたいのですが買い取ってくれますか?」
アレクシアは指輪を店の主人に見せた。
店の主人は指輪を受け取り、
「わっかりました。この指輪を買い取りしますので、しばしお待ちを」
品定めをするのだろう。
でも、間違ってでも偽物ではないよね? とは思った。
しかし、一国の王太子が偽物の指輪を渡すわけがない。
「お嬢さん」
「はい」
「本物の宝石だ」
良かった。やっぱり本物だ。
「では5万ソトで買い取るぞ」
「ありがとうございます」
アレクシアは5万ソトを受け取り、店を出た。
『パティパティ』に戻り、パンをいくつか買った。
店にはゴードンがいた。
ゴードンは店の手伝いをしていた。
それもそのはず。
ゴードンはお店の跡継ぎになるからだ。
アレクシアはパン屋の嫁になる事を強く思っていた。
私はパン屋の嫁になるの。
高貴な男性と結ばれるなんてどうせエマニュエル王太子との復縁でしょ?
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