僕らに宇宙は狭すぎる

大島Q太

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初めての夜を過ごしました。

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二人残されたリビングでいまだに抱き合っている。正しくは埋まっているのだけど。俺は嬉しくてロイロイさんに頬を擦りつけるとそこがキラキラと光る。


「ロイロイさん、仲直りのキスしても良いですか?」

俺はロイロイさんをじっと見た。ロイロイさんが分かりやすく波打った。


『それは性的な接触。いわゆる粘膜接触ですね、ティティは怖くない?』


「…粘膜?いや怖くないです、したいです。ヒト属ヒト科の生き物は好きを表現するのにキスするのです」


ちょっと大げさに言ってみる、ロイロイさんは何度か波打って、ピンク色に染まると細長くのばしたところを俺の口に入れてきた。俺はびっくりした、キスって唇と唇をくっつけるだけのものだと思ってたからだ。だけど、ここで拒否したらまた、ロイロイさんが俺に触らなくなると思った。だから俺はできるだけやさしく、入ってきた細長いロイロイさんを舌で迎え入れた。


最初は控えめに舌を撫でていた。そのうち深く入り込んできて俺の上顎や歯を撫でてくる。のどはちょっと苦しかったけど。はむはむと唇を使って食めばびくりとするのが可愛い。たしなめるように舌先を撫でられると痺れが走って震えた。細長いものがシュワシュワと俺の唾液をすべて舐めとる。息を乱してロイロイさんを見つめた。ロイロイさんは俺の涙に触れてびくりと震えた。そして細長いものをおずおずと仕舞った。


ロイロイさんはふるふると震えて俺を埋め込んでいる。

『これは素晴らしい。すごく高揚しますね。粘膜接触、朝晩の習慣にしましょう』


ロイロイさんの細長いものが俺の涙のあとを優しく撫でた。俺から触るとロイロイさんはすぐにピンクになる。これを隠すために接触が少なかったなんて。俺は嬉しいに決まってる。もっともっと好きだって伝えて欲しいと思った。

「俺がロイロイさんが好きだって言うのはどう表現したらいい?」

ロイロイさんが俺の頭を撫でた。そして、ふるふると震えて。

『ティティは笑うと最高にかわいい。だからにっこり笑ってください』

それは言われなくてもしているつもりだ。にっこり笑うとよくできましたと言うように頭を撫でられた。



俺達は改めて初デートのやり直しをした。

二人で外でご飯を食べた、おいしかったけど。ロイロイさんは俺のご飯の方が美味しいと言い張った。

『私の細胞をティティが作っていると思うと最高においしいです。ティティのご飯をずっと食べていたい』

ほわりと光って嘘じゃないと訴えてくるから俺もにっこり返した。



誤解の解けた俺たちの最後の1か月は蜜月だった。

朝のいってらっしゃいの粘膜接触とおかえりなさいの粘膜接触はどんどんと深くなっていく。さらに眠る前の粘膜接触も追加されて俺は毎日ロイロイさんに溺れそうになっていた。


おかげで日々が過ぎるのが早い。もう来週にはこの3か月もあったプレ期間が終わってしまう。

俺はいつも通りロイロイさんに埋め込まれ、粘膜接触をしながらロイロイさんを眺める。ぐちょぐちょと卑猥な音を立ててロイロイさんが口を出入りしていた。表面の光は赤に近いピンクで泡みたいなものがはじけている。俺も真っ赤になって受け入れてるからお揃いだ。

でも、ぽんぽんと表面を叩いて止めさせる。名残惜し気に引き抜かれたロイロイさんとの間に唾液の糸がかかる。俺の口まわりの唾液はロイロイさんがしゅわしゅわ綺麗にして別の細長いもので俺の頭を撫でてくる。


「あのね、ロイロイさん。俺はロイロイさんが好きだよ」

ロイロイさんが内部爆発をして俺の頬を撫でた。ロイロイさんの細長いものが唇を撫でる。

『ティティ、それは私もだよ。可愛い子』

俺はいたずらを繰り返すロイロイさんの手を捕まえてぺろりと舐める。

「俺達一番大事なことをまだ確かめてないんだけど…」

ロイロイさんはフルフル震えて何だろうと考えている。


「俺達まだ粘膜接触だけで、生殖行為をしていないじゃない。俺にそう言う魅力はないのかな」


ちょっと、意地悪な言い方になった、ロイロイさんは動揺を隠せず大きく内部爆発をした。そして、赤に近いピンクを赤くさせる。

『ティティは怖くないの?』

俺は首を横に振ってロイロイさんに頬を擦り寄せた。怖いわけない。ロイロイさんが優しいことはこの3か月でしっかりと感じた。

「来週にはいったんお別れなんだよ?俺に思い出をちょうだい」

ロイロイさんがふわりと膨らんで俺を撫でる。

『ティティ。本当に可愛い子だ。愛しているよ。だけど明日はお仕事があるから今日は止めよう、その代わり…明日の夜はティティを隅々まで愛させて』


ドキンと心臓が跳ねる。俺は腕を伸ばして粘膜接触の続きをねだった。



次の日はふわふわと過ごした。

朝の粘膜接触も長くなってしまった。あわてて送り出したけどロイロイさんがギリギリまで細く伸ばしてくるのでそこに唇を寄せて見送った。


帰って来たロイロイさんは玄関の扉を閉めるとすぐにピンク色になった。俺が目を閉じて口を開けると細長いものが入ってくる。おかえりの粘膜接触だ。

『明日と明後日の2日間休みをもらってきました』

俺はぎょっとしてロイロイさんを見た。ロイロイさんが心なしかすごく張り切っているのを感じたからだ。案の定、ロイロイさんは全身がピンク色にふわふわと染まっている。



ご飯を食べ終わって、今日は珍しく二人でお風呂に入ることにした。

よく考えれば俺が何も付けないでロイロイさんにすべてさらけ出すのは初めてだ。


「ロイロイさん…俺の体変じゃない?」

ロイロイさんはふるふると震えて『どこもかしこも綺麗です』と俺の手を引いた。

『私たちコア系生命体は服と言うものを必要としませんが、こんな風にコアの色を変えて見せるのはごく親しい人にだけなんですよ。ティティは変だって思いますか?』

そう言われて見ると、いつもは柔らかな光を放っているロイロイさんの中心が今日は目まぐるしく色を変えている。表面ではないところの色が変わるのは初めて見た。俺は観察するようにじっと見ているとロイロイさんが身じろぎした。


「真ん中の色が変わったの。初めて見ました、綺麗です」


『この色は生殖本能を刺激された色だ』


「俺も同じ色に染まれたらいいのに」


ロイロイさんは内部爆発をして。俺の口に強引に細長く伸ばしたものを入れた。慣れた動きで俺の口の中を縦横無尽に這いまわる。舌の裏を撫でられるのが一番切なくなる。ぐちゅぐちゅと音を立てて口内をロイロイさんが撫でた。息を乱しながら舌をからませるときゅっと扱くように動いて、その度にピクピクと体が弾んで恥ずかしくなった。


『ふふ、ティティも真っ赤になったじゃないか』


「これはロイロイさんを好きだって色だよ」


笑って見せるとロイロイさんのコアがまた虹色に光る。細長いものがいくつも生えて俺の体に巻きついた。

『安心してください、記録監査室にあったヒト属ヒト科の愉しませ方はしっかり頭に入れてきました。精一杯、ティティを満足させられるように頑張ります』


すごく心強いことを言ってくれているのに妙な怖さがあるのはどうしてだろう。


「頑張らなくて良いですよ。俺だってロイロイさんを愉しませたい」

そうやって一方的にならないために二人で睦みあうんだろう。ロイロイさんはまた表面を揺らしてお風呂に連れて入ってくれた。


ロイロイさんが俺を洗ってくれると言うのでバスチェアに大人しく座った。ロイロイさんは細く伸ばしたものを絶妙に変えて髪から爪の先までピカピカにしてくれた。

『ティティ…これは…』それは俺のお尻にロイロイさんが細長いものを伸ばした時だった。

「自分で準備しました。ロイロイさん、楽しみにしてたのはロイロイさんだけではないんです」

俺が全身真っ赤にさせて告白すると。ロイロイさんの表面が波打った。


『何から何までティティは可愛いですね』


俺を抱き上げて浴槽に浸かるとロイロイさんからふぅーっと声が漏れた。こういうところは同じなんだなとくすくす笑った。ロイロイさんが頭を撫でながら頬をくすぐる。

『年寄りみたいだって思った?』

「いや、俺達見た目も言葉も何もかも違うけど。同じところもたくさんあるなって嬉しくて」

ロイロイさんはふるりと体を震わせて俺を抱えてお風呂を出た。タオルを使って体を拭き終わるとまた抱き上げられた。


いつも二人で寝るベッドだったが、覚悟して乗るとすごくドキドキした。俺は横になってロイロイさんの方を見た。

「ロイロイさんもドキドキしますか?」

『私の場合はゆらゆらするが正しいです。コアが波打ってたくさん突起物を出したくなる』

ロイロイさんの声は震えていて俺はそれをなだめるように波打つ体に手を伸ばした。そこへロイロイさんも細長いものを伸ばしてくれた。それを引き寄せて唇を寄せる。

「粘膜接触からはじめましょうか」

そう言ってその細長いものを口に含んだ。ロイロイさんはそれを合図にたくさんの細長いものを体から生やす。髪を撫でて耳輪をなぞる。俺の指を一本一本確認してるものもいる。すべての細長いものがすべてロイロイさんだ。


咥内を刺激するロイロイさんは熱心に舌を吸い絡めてくる。扱かれるように動くと鼻から息が抜ける。深く深く入り込んでくるロイロイさんが喉を撫でた。これは苦しくて涙が出る、だけど、ロイロイさんは待ってましたと俺の涙を吸い取っていく。こぼれそうになる涎もすべてロイロイさんは吸い取る。それでも間に合わなくてぐちゃぐちゃと言う音が咥内に響いて、否応なしに官能が高められる。そして、耳輪をなぞっていたものが耳の穴に入ってきた。ここもぺちゃぺちゃと言う音が響いている。頭の中を粘度の高い音が響いて卑猥だ。

首のところでは俺の喉仏をやわやわと揉んでいるものもいる。首筋をなぞられるとゾクゾクする…こんなところも敏感になるのかと驚いた。伸ばされたものは肩や脇の下も丹念になぞる。くすぐったいと感じていたのがいつの間にか変な気持ちに変わっていた。息が上がる。


『ヒト属ヒト科の官能は触覚ですよね。我々02セクターの生物の官能は味覚から感じるのです。だからティティ、もっと泣いて零して』


ねっとりと這いまわるロイロイさんから伸びたものが何を求めているのか。さっきから丹念に顔や脇を舐めるのもそこが汗をかいたり。涙を流したりするからだ。

彼はゆっくりと俺を味わっている。

そして直接的な快感を感じた。ロイロイさんがとうとう胸を這いまわり始めたのだ。俺は咥内に深くロイロイさんを受け入れていた。自分の体にロイロイさんが絡みつくのが肌で感じた。乳首をつんつんとされた。俺は大袈裟に体を跳ねさせて頬を真っ赤に染めた。ロイロイさんは俺の今までにない反応にゆらゆらと揺れている。俺は顔を向けて様子を見た。伸ばされたものが卑猥に体を這っていた。

『体温が上がりましたね、これは気持ち良いの合図ですね』

そう言ってロイロイさんが胸を丹念に刺激し始めた。普段は主張のないベージュ色の乳首がロイロイさんに撫でられこすられて赤みがさしピンと立つ。ぎゅっと力を込められる度にせつなさが背を走り。たまらず、ごくりと喉を鳴らして唇を震わせた。

紛らわすように口の中にロイロイさんを迎え入れ舐めて甘噛みして舌をすりつける。『ほぅ』と低く甘いため息のような声が聞こえた。

ロイロイさんは今度は脇腹に細長いものを伸ばした。普段ならくすぐったいとしか感じないところなのに熱を持った体にはくすぐったい以外の感覚が生まれる。ピクリと震えると動きを大胆にしてさらに反応させようと撫でてくる。あうあうと呻いていたら細長いものが頬を撫でる。


「…ひゃっ」ヘソをぐりぐりとほじられていた。相変わらず、体中をロイロイさんがねっとりと動き回って乳首を嬲られていた。そこはもう、触られるだけでビクビクと体が勝手に反応を返していた。声を出そうとしても意味をなさない悲鳴のような声しか出せない。


「あっ…あっ…あああああっ」

『声まで可愛いなんて。ティティはほんとに私を夢中にさせるのがうまい』

そう低く唸る様に言って、俺の陰茎にロイロイさんが細く伸ばしたものを巻き付けた。不意にぎゅっと強く握られる。柔らかなものに包まれる感覚が頭を支配して、その快感に背中を大きくしならせた。


「あっ…ぃぅ」

俺は先端を触られた刺激で白濁をこぼした。恥ずかしくて全身が震える。それでもロイロイさんは触るのをやめない。さらに無数に伸びて太ももに巻き付いて広げるように促してきた。じゅぽじゅぽと扱かれて出したばかりの陰茎はまた立ちあがった。

『射精行為は出しすぎると体力を消耗するそうですからね。栓をしましょうか』

ロイロイさんが俺の陰茎に這わせていたものを細くして先端をこちょこちょとくすぐった、そのまま、つぷんとためらいなく入ってきた。


「ひゃぁっ…!やっ!!」

『大丈夫、痛くしないから。文献によればここの奥に前立腺と言うのがあって。そこを刺激するとヒト属ヒト科の雄は深い快感をえられるんだ。ティティ気持ち良くなって』


そのまま、入ってくるのを感じた。涙も涎もロイロイさんが撫でて吸っていく。俺はぎゅっとロイロイさんをつかんだ。俺の陰茎の中でロイロイさんが膨らむのを感じた。そして、それに合わせて今まで感じたことのないようなゾワゾワがわいて鳥肌が立った。

ロイロイさんはなだめるように優しく頭を撫でる。なのに、陰茎にまとわりついたロイロイさんは優しくなかった。ぎゅっと握られると、神経を直接触られたような快楽に頭が真っ白になる。

感覚は射精に近いのにそこにはロイロイさんが埋まっているから何も出なかった。それどころか、頭がじんじんするような快楽がお腹にこもってなかなか熱が引かない。がくがくと腰が震えて呆然と宙を見つめる。

『ティティはどこもかしこも私好みだ』

「あぅ…」

ロイロイさんがやわやわとふぐりを揉んで割と男らしく生えた毛をなでて楽しんでいる。そのまま、今度は後ろの孔をつつき始めた。俺があらかじめ準備していたからすんなり入るだろうけど。

『ヒト属ヒト科の雄の生殖行為はここを使うそうです。こちら側からも前立腺を刺激することによって更なる快感を得られるそうですよ』

ロイロイさんがまた興奮したように声を響かせる。

「待って…待ってロイロイさん…ロイロイさんはきもちいいの?」

俺ばかりが高められてロイロイさんはどう感じているのか。俺はロイロイさんのコアを見つめる。くすんだ水晶のような表面の奥にあるコアはまるで万華鏡のように絶え間なく色を変えてキラキラと輝いていた。

『ええ、とても』

それは感じ入るような低い声だった。細いものが後肛につぷりと入ってきた。ロイロイさんは腸壁をねっとりと撫でながらおへその方に向かって蠢いている。最初はさほど大きさを感じないほどの細さだったものがゆっくりと太くなってギチギチと埋まっていく。

「ひゃ・・・ひゃん。あぁあああああっ」

ぐちょぐちょと言う音とともにゆっくりと挿入を深くしねっとりと中を撫で上げる。強烈な快楽を放つ何かにロイロイさんが触れた。じくじくと溜まったものがパァンと弾けた。腰がまたがくがくと震える。ハァハァと息を乱した。

「いっぺんに触らなぃで、あ゛だま゛がおがしぐなぅからぁ」

言い切る前にロイロイさんがまたぐじゅぐじゅと後肛を出入りして刺激していた。それに合わせて意識しなくても腰が揺れる。またじんじんと熱がたまるのを感じる。お願いしたのに乳首への刺激も止まらない。

『はぁ、かわいい。かわいいなぁーティティ』

陰茎内のロイロイさんがまた大きくなって前後運動を始めた。ロイロイさんはことのほか俺のふぐりが気に入ったみたいでずっと揉んでいる。そこを揉まれるとすごくゾクゾクする。下半身を一気に攻めたてられていて、気持ち良い以外考えられなくなる。ロイロイさんもほんとに興奮しているみたいだ。後肛を埋めるものが抽挿をより激しくする。

「ひゃぁああぁんっあっあぁああんっ」

全身に痺れが走った。陰茎に収められていた。細いものが一気に引き抜かれた。それに合わせて俺の陰茎から勢いよく白濁がまき散らされる。凶暴な快楽に世界が真っ白になった。


一瞬だけ意識が飛んだみたいだ。ロイロイさんのコアが赤く明滅しているのが見える。

俺は陶然と体に残る愉悦に身を沈めた。白濁はロイロイさんもかかったみたいだ、拭いてあげたいけど指一本動かす気力も湧かない。ハァハァと息を乱すだけで声も出なかった。

『ごめん、ティティ。大丈夫?』

俺は声を出せず、ただ口角を上げるだけで返事をした。目をつむるともう開けられなくてそのまま意識を暗闇に溶かした。




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