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40.問題発覚
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こちらはサラテナ帝国の王宮。
最強国にふさわしい優雅でありながら荘厳な見るものを圧倒する城。そこの最高級の部屋で執務をするのは最高権力者である皇帝。そしてその配偶者である皇后である。
皇后は一区切りついた政務から一旦離脱し、ゆったりとした揺り椅子に腰掛ける。侍女が入れた心落ち着く温かいハーブティーの香り、ゆらゆらと揺れる身体になんとも心が落ち着く。
外は夕日が少し顔を出し少しだけオレンジがかって美しい。はあ癒やされる。
共に部屋にいる侍女や護衛たちは皇后の和やかな表情に安堵する。そして同時にはらはらする。
「………………………」
皇后はその役職にふさわしい微笑みを顔に張り付けている。よく見ると微かに震えるその微笑み。それはまるで何かを堪えているようにも見える。
「……………………えーーーーい!鬱陶しい!」
パーン!と扇子を自らの手に叩きつけながら皇后はキレた。
「まあまあ母上。皺が増えますよ。伸ばして伸ばして」
怒鳴られたハリスが母の怒りなんてなんのその、ヒョイヒョイと母に近づき顔に手を伸ばし眉間を伸ばす。
「やめい!そもそも皺などないわ!」
「いや、こことここに……いてっ!あっこちらにも薄っすらと……いて、いててて!暴力反対!」
ばしりと扇子で手をたたき落とした後もまじまじと人の顔を見つめてくるハリスのお尻をバシバシと叩く皇后。
慌てて距離を取ったハリスは皇后からお尻を隠すように立ち、お尻を撫でる。
「あなたさっきからなんなのよ?政務中にウロウロウロウロと」
皇后の仕事が少し溜まってしまったのでハリスに手伝ってもらうことにした皇后。嫌そうな顔をした息子を執務室に無理やり引きずり込んだ。
それから彼は落ち着かなさげにウロウロと歩きながら書類に目を通し署名をしと一応仕事はしているようだったのだが鬱陶しくて鬱陶しくて仕方ない。
「いえこう落ち着かなくてですね」
「それはこちらのセリフよ!」
「ですよねー…………あー……僕そろそろおトイレに」
何を言っているんだこの子は?頭は大丈夫なのか?我が息子ながら呆れる言動である。
…………うん?
「何か騒がしいわね」
バタバタバタバタと王宮の廊下を走る足音が聞こえてくる。こちらに近づいている気がするが止める気配がない。
「じゃ、母上失礼しまあす」
何やら部屋を出ていこうとする息子の首根っこを掴む。
「この足音あなたに向かってきているんじゃないの?」
「かもしれませんねぇ」
にゃははと笑うハリスは母親の手から逃げようと身を捩るが掴まれた手は服から離れない。
じわじわと汗により濡れていく服。
「うわ、ばっちぃ」
皇后が手を離すと同時に扉がバターンと開かれる。侍女や護衛たちは身構えるが入室してきた女性を見て力を抜く。
――いや、これは抜いても良いのか?
「ハーリースー……!」
彼らの目の前に現れたのは怒れるドラゴンの如き覇気を纏ったリリベルだった。
「あらご機嫌ようリリベル」
「皇后陛下ご機嫌麗しゅう。少々失礼いたします」
礼には礼を持って返すリリベル。覇気を一旦しまい皇后に挨拶をする。皇后が頷くのを見て再びメラメラと覇気が湧き出る。
ズカズカとウィリアムに近づきずいっと彼の顔に顔を近づける。
「あなた知っててウィリアム様を勧めたんでしょ!?」
「まあまあリリベル母上の前だし落ち着いて」
「あら私は構わなくてよ。気にせず追い詰めちゃってちょうだい」
「母上ぇ」
なんとも情けない声を出すハリスに周囲から呆れたような笑いが漏れる。
「……まあ確かに立ち話もあれね。さ、そこにお座りなさい」
「いやいやリリベルここ王宮なんだけど」
その台詞はこちらが言うべき言葉なはず。とはいうものの大人しく座る。リリベルも遠慮なしにどかりと室内にあるソファに腰掛ける。
「で?」
「で?とは?」
「わかっているんでしょ」
「うんわかっている。…………ちょい待てちょい待て、殴るのなし。僕皇子ね」
拳を振り上げるリリベルを慌てて制止するハリス。
「リリベル落ち着いて考えるんだ。ウィリアム自身はなんの問題もないやつだ。マルコのように他の女に心を寄せているわけでもない。君を蔑ろにすることもない。血筋も見た目も文句なしだ」
「ええそうね。あなたが私の幸せを考えて勧めてくる相手として当然だと思うわ」
ニコニコと笑うリリベルにニコニコ笑い返しをしながらハリスは言葉を重ねる。
「うんうん、彼自身には問題ないんだから何も問題なしだ。脱最悪男運おめでとう!いえーい!」
「いえーい!じゃないわあ!!!あれは……あれは問題じゃないっていうの!?彼に付随している問題なんだから結局男運悪いじゃない!なんで私の周りには普通の男がいないのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「いやいやリリベル、ウィリアム自体は優良物件だ。それに……そもそも姑と嫁というのはなんらかあるものだ。表面上は宜しくても心の中や裏では悪態つきまくりだぞ?母上だってお祖母様のこと尊敬しつつクソバ…痛ったー!」
皇后から投げ放たれた扇子がハリスのおでこに直撃した。ハリスはきっと睨みつけるが投げた本人は知りませんとばかりに揺り椅子に揺られている。
「そうかもしれないけど、そうなんだろうけど……あれはちょっと違うんじゃない?」
「うーん……まあ」
リース公爵家との顔合わせ。ウィリアムはいつもと変わらず見目麗しいしいい男だった。父君もまあ元気なおじちゃんという感じで好意的、問題は母君だった。
最強国にふさわしい優雅でありながら荘厳な見るものを圧倒する城。そこの最高級の部屋で執務をするのは最高権力者である皇帝。そしてその配偶者である皇后である。
皇后は一区切りついた政務から一旦離脱し、ゆったりとした揺り椅子に腰掛ける。侍女が入れた心落ち着く温かいハーブティーの香り、ゆらゆらと揺れる身体になんとも心が落ち着く。
外は夕日が少し顔を出し少しだけオレンジがかって美しい。はあ癒やされる。
共に部屋にいる侍女や護衛たちは皇后の和やかな表情に安堵する。そして同時にはらはらする。
「………………………」
皇后はその役職にふさわしい微笑みを顔に張り付けている。よく見ると微かに震えるその微笑み。それはまるで何かを堪えているようにも見える。
「……………………えーーーーい!鬱陶しい!」
パーン!と扇子を自らの手に叩きつけながら皇后はキレた。
「まあまあ母上。皺が増えますよ。伸ばして伸ばして」
怒鳴られたハリスが母の怒りなんてなんのその、ヒョイヒョイと母に近づき顔に手を伸ばし眉間を伸ばす。
「やめい!そもそも皺などないわ!」
「いや、こことここに……いてっ!あっこちらにも薄っすらと……いて、いててて!暴力反対!」
ばしりと扇子で手をたたき落とした後もまじまじと人の顔を見つめてくるハリスのお尻をバシバシと叩く皇后。
慌てて距離を取ったハリスは皇后からお尻を隠すように立ち、お尻を撫でる。
「あなたさっきからなんなのよ?政務中にウロウロウロウロと」
皇后の仕事が少し溜まってしまったのでハリスに手伝ってもらうことにした皇后。嫌そうな顔をした息子を執務室に無理やり引きずり込んだ。
それから彼は落ち着かなさげにウロウロと歩きながら書類に目を通し署名をしと一応仕事はしているようだったのだが鬱陶しくて鬱陶しくて仕方ない。
「いえこう落ち着かなくてですね」
「それはこちらのセリフよ!」
「ですよねー…………あー……僕そろそろおトイレに」
何を言っているんだこの子は?頭は大丈夫なのか?我が息子ながら呆れる言動である。
…………うん?
「何か騒がしいわね」
バタバタバタバタと王宮の廊下を走る足音が聞こえてくる。こちらに近づいている気がするが止める気配がない。
「じゃ、母上失礼しまあす」
何やら部屋を出ていこうとする息子の首根っこを掴む。
「この足音あなたに向かってきているんじゃないの?」
「かもしれませんねぇ」
にゃははと笑うハリスは母親の手から逃げようと身を捩るが掴まれた手は服から離れない。
じわじわと汗により濡れていく服。
「うわ、ばっちぃ」
皇后が手を離すと同時に扉がバターンと開かれる。侍女や護衛たちは身構えるが入室してきた女性を見て力を抜く。
――いや、これは抜いても良いのか?
「ハーリースー……!」
彼らの目の前に現れたのは怒れるドラゴンの如き覇気を纏ったリリベルだった。
「あらご機嫌ようリリベル」
「皇后陛下ご機嫌麗しゅう。少々失礼いたします」
礼には礼を持って返すリリベル。覇気を一旦しまい皇后に挨拶をする。皇后が頷くのを見て再びメラメラと覇気が湧き出る。
ズカズカとウィリアムに近づきずいっと彼の顔に顔を近づける。
「あなた知っててウィリアム様を勧めたんでしょ!?」
「まあまあリリベル母上の前だし落ち着いて」
「あら私は構わなくてよ。気にせず追い詰めちゃってちょうだい」
「母上ぇ」
なんとも情けない声を出すハリスに周囲から呆れたような笑いが漏れる。
「……まあ確かに立ち話もあれね。さ、そこにお座りなさい」
「いやいやリリベルここ王宮なんだけど」
その台詞はこちらが言うべき言葉なはず。とはいうものの大人しく座る。リリベルも遠慮なしにどかりと室内にあるソファに腰掛ける。
「で?」
「で?とは?」
「わかっているんでしょ」
「うんわかっている。…………ちょい待てちょい待て、殴るのなし。僕皇子ね」
拳を振り上げるリリベルを慌てて制止するハリス。
「リリベル落ち着いて考えるんだ。ウィリアム自身はなんの問題もないやつだ。マルコのように他の女に心を寄せているわけでもない。君を蔑ろにすることもない。血筋も見た目も文句なしだ」
「ええそうね。あなたが私の幸せを考えて勧めてくる相手として当然だと思うわ」
ニコニコと笑うリリベルにニコニコ笑い返しをしながらハリスは言葉を重ねる。
「うんうん、彼自身には問題ないんだから何も問題なしだ。脱最悪男運おめでとう!いえーい!」
「いえーい!じゃないわあ!!!あれは……あれは問題じゃないっていうの!?彼に付随している問題なんだから結局男運悪いじゃない!なんで私の周りには普通の男がいないのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「いやいやリリベル、ウィリアム自体は優良物件だ。それに……そもそも姑と嫁というのはなんらかあるものだ。表面上は宜しくても心の中や裏では悪態つきまくりだぞ?母上だってお祖母様のこと尊敬しつつクソバ…痛ったー!」
皇后から投げ放たれた扇子がハリスのおでこに直撃した。ハリスはきっと睨みつけるが投げた本人は知りませんとばかりに揺り椅子に揺られている。
「そうかもしれないけど、そうなんだろうけど……あれはちょっと違うんじゃない?」
「うーん……まあ」
リース公爵家との顔合わせ。ウィリアムはいつもと変わらず見目麗しいしいい男だった。父君もまあ元気なおじちゃんという感じで好意的、問題は母君だった。
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