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3.ここはどこですか
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ふと意識を失う間際に聞いた声を思い出す。
『その願い聞き届けたり』
あのとき確か自分は
孫や曾孫に会いたかったと願った。
自分は未来の日本でまた生を受けた…………?
………………んなわきゃない。
いくら数十年後の未来でもあらゆることがこんなにも変化するわけがない。豪華な部屋も使用人たちもよっぽどの金持ちのご家庭ならばありえなくないが、どう見ても父も母も使用人たちも和の顔ではない。髪の毛の色もピンクやら青やら緑やら多彩だ。染めている可能性もあるだろうが、地毛っぽい。
何よりも
なんか先程から魔法が飛び交っている。
なにもない空間から水が現れたり、火が現れたり……これはお湯を沸かそうとしているようだ。あちらでは何やら分娩時に使ったタオルやその他道具などを片付けているのか、ぷかぷかと浮いている。
ここは明らかに日本ではない。
そして、自分が知っている世界でもない?
魔法が使える人間なんて聞いたことない。
ではここはどこぞ?
声の通りなら孫や曾孫が存在する日本でなくてはならないのに。
あの時に聞こえた声はきっと神様?妖精?たぶん人外の存在のはず。だって生まれたばかりなのに頭の中身おっさんだし、前世の記憶があったり、なんらかの力が働いたとしか思えない。
こういう場合は…………とりあえず呼んでみるか?
『 神様ーーーーー!ここはどこですかーーーーー!? 』
思いっきり心の中で叫ぶ。
はてさて返事はあるか否か。
『 そこはシャワリラ王国でーーーす 』
おお、返事があった。
というか先程までいなかった金髪に金の瞳を持った顔立ちの美しいお子様が部屋の中に立っている。
だが、誰も気にしていない様子を見る限り皆には見えていないようだ。
『 あのー、あなた様が私をここに? 』
『 そうでーーーす。あなたが私の可愛い可愛い猫ちゃんを助けてくれたのでそのお礼でーーーす。あっ、身体の持ち主から身体を奪ったんじゃなくて、まだ魂のない身体にあなたの魂を入れたので罪悪感とかはいりませんからねーーー 』
あの助けた猫は神様のペット?であればもしかしてほっといても助かったのでは……?いかんいかん、そんなこと考えちゃ。
『 お気遣い頂きありがとうございます。でもあのー、私は孫や曾孫に会いたかったのですが。あっ!もしかして恵はこの国に移住して子供を産んだとか? 』
シャワリラ王国は聞いたことないが、もしかしたらどこかにあるのかもしれない。魔法が使える国なんて聞いたことないが。一応確認はしておこう。
『 うん? 』
『 うん? 』
うん?ってなんだ。思わずそのまま返しちゃったじゃないか。
『 あれっ?
んんっ?
あっ!?
…………ヤバイマチガエチャッタ 』
『 間違えた? 』
最後にボソリと言ったの聞こえてるぞ。
『 んんっ!あー……こちらのシャワリラ王国は魔法が存在する国です。人間界に魔王が現れ魔物が蔓延り国が荒れたものの一人の化け物みたいに強い男爵家の息子が魔王を見事討ち果たしたことで魔物は魔界に帰り平和が訪れました。彼は幼馴染の女性と結婚し二人の間には息子が誕生しました 』
なんかこちらが聞き返した間違いについて何も言わないし、誤魔化そうとしている感じが。まあ良い。とりあえず神様の話しから察するに……
『 私が英雄?それか英雄の息子ですか? 』
『 ちゃいますがな。まあお聞きなさいよ 』
『 ……………………… 』
なんかイラッとするな。この神様捉えどころがない。
『 英雄の名前はピーター、妻の名はリザ、子供の名前はザスマです 』
ほうほう……………………………………………………。
あれ?神様続きは?ここは素直に
『 あのー。申し訳ないのですが続きをお願いしたいです 』
『 えっ! 』
『 えっ!? 』
なんだその信じられないみたいな反応は。
『 気付かないです?というよりも思い出せないです? 』
『 思い出せない…………? 』
一体自分は何を忘れているのだろうか。
『 う~~~ん……。おじさんはあまり記憶力がよくないようですね~ 』
『 面目ございません 』
そうなんです。あまり頭は良い方ではありません。
『 おじさんは小学校5年生の時に何かしていませんでしたか? 』
小学校5年生といえば、胸をチクリと突き刺す思い出が甦る。
ーーーーーとても大事な人を失った。
『 母さん………… 』
5年生ーーー最愛の母が亡くなった。身体が弱い人で自分が物心付く前から入退院を繰り返していた。医師からはいつどうなるかわからないと言われていたにも関わらず、長く生きられた方だった。
幸いなことに父が一流企業のそれなりの役職についていたので様々な治療を受けられたからだ。留守がちだったが忙しい中、母の代わりをこなしたり遊びに連れて行ってくれたりとても大変だっただろうに、辛そうな顔を見た覚えはない。感謝してもしきれない。そんな父も息子の嫁や孫を見ること無く儚くなった。
いかん、鼻がツーンとしてきた。今はそんな場合ではない。他に起こった出来事をなんとか思い出そうと頭をフル回転させる。
身体は赤ちゃん。記憶力は58歳低迷中。いや、きっと成長するに従って若かりし日のように物忘れがない日が来るはず。でも今は残念ながら出てこない。
いや、神様そんな可愛いお顔についた可愛いお目々を冷たくしないで。そうだ、思い出すんだ。やればできる親父だ俺は。
うん、うん、うん
うん?母さんといえば………………
それに……ピーター、リザ、ザスマ。シャワリラ王国。
あっ!
もしかして……ゆっくりと神様を見る。
『 気づいたみたいだね 』
ニンマリと笑う様はまさにいたずらっ子の子供そのもの。視線を受け止めた神様はゆっくりと口を動かす。
『 英雄が 』
大輝改めアレンは完全に思い出した。
この世界は本の中だ。しかも自分が書いた。
『 魔王を 』
たった一人の為に。
『 倒す 』
入院中の読書好きの母のために。
『 ぞ 』
…………変な区切り方をしないでほしい。
ここは自分が小学校5年生のときに入院しがちな母のために書いた本の中だ。
あっ、思い出すことができて嬉しい。
でもなんか昔書いた小説の題名を他者から聞くとか恥ずかしい。一人で嬉し恥ずかしもじもじしていると気づく。
おかしいことに。
アレン、レンロード、アナスタシアって誰ぞ?
自分はそんなキャラクター書いたことない。
というかそもそも自分の孫や曾孫に会いたいと願ったはずなのに、なぜ自分は小説の中にいるのだろうか?
神様に視線を向けると
『 勘違いしちゃった。テヘッ 』
テヘッと言いながら自分の頭をコツンとする神様。
………………神様というのはお茶目な生き物のようだ。
『その願い聞き届けたり』
あのとき確か自分は
孫や曾孫に会いたかったと願った。
自分は未来の日本でまた生を受けた…………?
………………んなわきゃない。
いくら数十年後の未来でもあらゆることがこんなにも変化するわけがない。豪華な部屋も使用人たちもよっぽどの金持ちのご家庭ならばありえなくないが、どう見ても父も母も使用人たちも和の顔ではない。髪の毛の色もピンクやら青やら緑やら多彩だ。染めている可能性もあるだろうが、地毛っぽい。
何よりも
なんか先程から魔法が飛び交っている。
なにもない空間から水が現れたり、火が現れたり……これはお湯を沸かそうとしているようだ。あちらでは何やら分娩時に使ったタオルやその他道具などを片付けているのか、ぷかぷかと浮いている。
ここは明らかに日本ではない。
そして、自分が知っている世界でもない?
魔法が使える人間なんて聞いたことない。
ではここはどこぞ?
声の通りなら孫や曾孫が存在する日本でなくてはならないのに。
あの時に聞こえた声はきっと神様?妖精?たぶん人外の存在のはず。だって生まれたばかりなのに頭の中身おっさんだし、前世の記憶があったり、なんらかの力が働いたとしか思えない。
こういう場合は…………とりあえず呼んでみるか?
『 神様ーーーーー!ここはどこですかーーーーー!? 』
思いっきり心の中で叫ぶ。
はてさて返事はあるか否か。
『 そこはシャワリラ王国でーーーす 』
おお、返事があった。
というか先程までいなかった金髪に金の瞳を持った顔立ちの美しいお子様が部屋の中に立っている。
だが、誰も気にしていない様子を見る限り皆には見えていないようだ。
『 あのー、あなた様が私をここに? 』
『 そうでーーーす。あなたが私の可愛い可愛い猫ちゃんを助けてくれたのでそのお礼でーーーす。あっ、身体の持ち主から身体を奪ったんじゃなくて、まだ魂のない身体にあなたの魂を入れたので罪悪感とかはいりませんからねーーー 』
あの助けた猫は神様のペット?であればもしかしてほっといても助かったのでは……?いかんいかん、そんなこと考えちゃ。
『 お気遣い頂きありがとうございます。でもあのー、私は孫や曾孫に会いたかったのですが。あっ!もしかして恵はこの国に移住して子供を産んだとか? 』
シャワリラ王国は聞いたことないが、もしかしたらどこかにあるのかもしれない。魔法が使える国なんて聞いたことないが。一応確認はしておこう。
『 うん? 』
『 うん? 』
うん?ってなんだ。思わずそのまま返しちゃったじゃないか。
『 あれっ?
んんっ?
あっ!?
…………ヤバイマチガエチャッタ 』
『 間違えた? 』
最後にボソリと言ったの聞こえてるぞ。
『 んんっ!あー……こちらのシャワリラ王国は魔法が存在する国です。人間界に魔王が現れ魔物が蔓延り国が荒れたものの一人の化け物みたいに強い男爵家の息子が魔王を見事討ち果たしたことで魔物は魔界に帰り平和が訪れました。彼は幼馴染の女性と結婚し二人の間には息子が誕生しました 』
なんかこちらが聞き返した間違いについて何も言わないし、誤魔化そうとしている感じが。まあ良い。とりあえず神様の話しから察するに……
『 私が英雄?それか英雄の息子ですか? 』
『 ちゃいますがな。まあお聞きなさいよ 』
『 ……………………… 』
なんかイラッとするな。この神様捉えどころがない。
『 英雄の名前はピーター、妻の名はリザ、子供の名前はザスマです 』
ほうほう……………………………………………………。
あれ?神様続きは?ここは素直に
『 あのー。申し訳ないのですが続きをお願いしたいです 』
『 えっ! 』
『 えっ!? 』
なんだその信じられないみたいな反応は。
『 気付かないです?というよりも思い出せないです? 』
『 思い出せない…………? 』
一体自分は何を忘れているのだろうか。
『 う~~~ん……。おじさんはあまり記憶力がよくないようですね~ 』
『 面目ございません 』
そうなんです。あまり頭は良い方ではありません。
『 おじさんは小学校5年生の時に何かしていませんでしたか? 』
小学校5年生といえば、胸をチクリと突き刺す思い出が甦る。
ーーーーーとても大事な人を失った。
『 母さん………… 』
5年生ーーー最愛の母が亡くなった。身体が弱い人で自分が物心付く前から入退院を繰り返していた。医師からはいつどうなるかわからないと言われていたにも関わらず、長く生きられた方だった。
幸いなことに父が一流企業のそれなりの役職についていたので様々な治療を受けられたからだ。留守がちだったが忙しい中、母の代わりをこなしたり遊びに連れて行ってくれたりとても大変だっただろうに、辛そうな顔を見た覚えはない。感謝してもしきれない。そんな父も息子の嫁や孫を見ること無く儚くなった。
いかん、鼻がツーンとしてきた。今はそんな場合ではない。他に起こった出来事をなんとか思い出そうと頭をフル回転させる。
身体は赤ちゃん。記憶力は58歳低迷中。いや、きっと成長するに従って若かりし日のように物忘れがない日が来るはず。でも今は残念ながら出てこない。
いや、神様そんな可愛いお顔についた可愛いお目々を冷たくしないで。そうだ、思い出すんだ。やればできる親父だ俺は。
うん、うん、うん
うん?母さんといえば………………
それに……ピーター、リザ、ザスマ。シャワリラ王国。
あっ!
もしかして……ゆっくりと神様を見る。
『 気づいたみたいだね 』
ニンマリと笑う様はまさにいたずらっ子の子供そのもの。視線を受け止めた神様はゆっくりと口を動かす。
『 英雄が 』
大輝改めアレンは完全に思い出した。
この世界は本の中だ。しかも自分が書いた。
『 魔王を 』
たった一人の為に。
『 倒す 』
入院中の読書好きの母のために。
『 ぞ 』
…………変な区切り方をしないでほしい。
ここは自分が小学校5年生のときに入院しがちな母のために書いた本の中だ。
あっ、思い出すことができて嬉しい。
でもなんか昔書いた小説の題名を他者から聞くとか恥ずかしい。一人で嬉し恥ずかしもじもじしていると気づく。
おかしいことに。
アレン、レンロード、アナスタシアって誰ぞ?
自分はそんなキャラクター書いたことない。
というかそもそも自分の孫や曾孫に会いたいと願ったはずなのに、なぜ自分は小説の中にいるのだろうか?
神様に視線を向けると
『 勘違いしちゃった。テヘッ 』
テヘッと言いながら自分の頭をコツンとする神様。
………………神様というのはお茶目な生き物のようだ。
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