たてよこななめ

臓物さん

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おはよう【舘研治の場合】

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    ヨーコが来ない。
    かれこれ約束の時刻から30分ほど経っているが連絡さえない。遅刻癖は直っていないようだ。今日から新学期だというのに、スタートダッシュで転ぶ気なのだろうか。そういえばあいつ小学校のはじめての運動会で転んで最下位だったっけ。更に言えば、はじめてのテストでは記号問題を全部単語で書いて俺が引くほどの低得点を叩き出していた。一緒にいた俺はヨーコちゃんもっと頑張ってくれよ~と思ったものである。
    ヨーコは俺の幼馴染みだ。高校生になっても毎日一緒に登校するほど仲のいい幼馴染みというのも珍しいだろう。しかしまぁ、聞いてくれ。放っておけない理由があるんだ。ヨーコには友達がいない。えっ?それだけ?ほっとけば出来るんじゃない?なんて思う人もいるだろう。だが、放って置くわけにはいかない。俺はヨーコを甘やかしすぎた。ナルシストに育ててしまったのだ。そのせいでヨーコはクラスでも浮いた存在になってしまった。詳しく言えば体育の授業のあまりはいつもヨーコだったし、給食の班はいつもあまり者の寄せ集めだったのだ。その度に俺は罪悪感からペアになったり自分の班に誘ってやったりしていた。それもそれで良くなかった気もするがずるずるとこの年になってしまった。
    家の前の電柱の根本で更に15分が経過した頃、小さな人影が走ってきた。時刻は8時10分。普通に歩いてギリギリ遅刻するかしないかの時間だ。少し走らせた方がいいな。俺は学校までの道を走り出した。
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