たてよこななめ

臓物さん

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おはよう【七芽優太の場合】

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    目を開けると知らない家にいた。
    そういえば、また引っ越ししたんだ、と思い出すまでに暫く時間がかかった。何度引っ越してもこの感覚には慣れない。でも、これが最後になるんだな。
    先月、僕の両親は離婚し、家族はバラバラになった。本当に、バラバラに。母は僕を引き取ることを拒否したし、押し付けられた父は「転勤族についてくるのは大変だろうから」とこのアパートに僕を置いていった。
    まだ少し怠い体を起こし、軽く伸びをしてキッチンに向かう。本格的に一人で暮らすようになったのは一週間ほど前からだ。両親が離婚してすぐの頃は父の家にいた。一週間前にここに引っ越してからはずっと一人だった。でも、今日から新しい学校に通う事になる。友達が出来るといいけどあまり期待していない。
    冷蔵庫を開けて卵を取り出す。引っ越しの日に買い貯めた食材も底をつき始めている。学校帰りにスーパーに寄らなきゃいけないな。
    卵焼きを作ってお弁当箱に入れる。隣にはウインナーも詰めたし、ご飯は昨日の夜にもう詰めておいた。完璧だ。覚えたての家事にしては上出来だと思う。…朝ごはんを作り忘れたのはご愛敬だ。
    時計を見ると学校への出発予定時刻が迫っていた。朝ごはんは学校に行く途中に買おう。
    急いで身支度を整えて、僕は家のドアを開けた。
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