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43話

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待って、マジで即返信きたんだけど!?


待ち構えてたの?ってぐらいの速さなんだけど!!??


「あ、『会ってコラボの日にちを決めましょう』って来た」

「3人、集合…」

と僕がメール画面を見て伝えると、一瞬で4人が円を組んでいた。


「これは……どういうことだ?」

「シオンに気があるとか?」

「分かりません。あちらからコラボの依頼があったということは、少なくともファンだとは思いますが…」

「それにしても直接会うなんておかしいわね」

「やっぱりシオンに気があるとか?惚れたのかしら?」

「でもシオンも歌姫ミオも、顔は出してないよな…演奏で惚れるとかあるのか?」

「惚れたとか、気になるとかはまあ、この際置いといて。とりあえずは会わせてもいいんじゃないかな?もちろん、僕らも尾行する形で」

「「「賛成」」」

ブツブツと会話してて、僕には会話の内容が聞こえなかった。


何話してるんだ?


「それで、シオンはどうするの?」

「もちろん受けさせて頂くのは僕だから、会うつもりだよ」

「良い機会だもんね」

「うん。ぜひお願いします!って連絡したよ」

「それで返信は?」

「もう来た」

「「「「はっや」」」」

「私はこの辺に住んでますって写真付きのMAP来たんだけどさ……どうも探索者協会に近いところみたいなんだよね」

送られてきた写真を見ると確かに、数百メートル近くに探索者協会ビルがあった。

「だったらよ、探索者協会で会うのも良いんじゃねえか?」

「顔が割られてるのに、行けないでしょうが!」

「いやいや、前みたいにグラサンとマスクすれば良いじゃねえか」

「余計にバレる格好じゃない!!」

「はい、言い合いストップ~」

「サングラスも、マスクも外しても良いかもしれませんが、トウヤさんには顔が知られてますし、誰が見るかも分からないので身バレを考えても探索者協会で会うのは危険ですね」

「いや、案外タケルの意見も悪くないかもしれないよ」

「えっ?」

「個室を利用するんだ。夜なら人も少ないし、事前にトウヤにぃに言っておけば、すんなり通してくれるか、裏口とか教えてくれると思うよ?」

それは良い提案かも。

「早速連絡してみるよ!」


ミオさんに、連絡を送る。

「探索者協会の個室で会いませんか?って送った」

「返信は」

「きた」

「「「「だから早すぎるって…」」」」

「えっ?えぇっ」

「なんだよもったいぶってないで教えろよ」

震える声で、僕は言う。

「『うちで会いませんか?』…だって」
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