本編開始前に悪役令嬢を断罪したらうちでバイト始めた

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第六章 ハンカチ屋奪還作戦

本題 2

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「……サラ。なぜ通した」

お父様は、お母様に質問した。う、やっぱりお母様の判断が関係するか。簡単に通してはもらえ


「問題ないと判断したからですわ。出席させてもよろしいのではなくて?いつまでも逃げてはいられないわ」


え。


思わず、無作法にもお母様を凝視する。その水色の瞳は、面白そうに揺らめいていた。
まさか、賛成してもらえるなんて。


「……そうか。ならばよいが、理由を述べよ、ロザリア・ハルデンツェルト」

一段低くなる、お父様の声。威圧感で体がぴりぴりする。これを私が直接浴びるのは初めてだ。お母様よりも怖い。これは想定外だ。
これまで、あくまでも子供として扱われていたんだ。ちょっと実感した。

迅る鼓動を押さえて、努めて冷静に。ゆっくりと答える。


「カーライル家にいる、元わたくし達の同級生を取り戻しに参ります」

お父様の瞳は見開かれ、またすぐに伏せられる。ことりとペンを置くと、ため息を吐いて背もたれにぎしと寄りかかった。


「その子供については把握している。どうするつもりだ。庶子とはいえ、伯爵家の実子だぞ」

ぐっと手を握る。悔しい。いなくなる前の日、何事もないように振舞っていたけれど、なぜか遅くまで教室に残っていた、優しい茶色い瞳のお友達。

止められなかった。だから、取り戻す。


「その子供、アリスは無理矢理攫われ、実子として戸籍を書き換えられ、何やら怪しい訓練をしている様子。わたくしが姿を表せば、何か行動に出てくると思われます。そこを押さえ、カーライルの陰謀を暴きます」


まっすぐにお父様を見つめた。私は、私を囮にする。アリスは利用されているだけなんだから。

「何も、仕掛けて来なければ?」


お父様の視線はまだ冷たい。私は次の策を切り出す。


「もし会えたなら、説得します。無理に拉致され軟禁されている今、逃げ道を示せば、カーライル家についての沢山の情報を持ってわたくし達の元へ逃げて来るでしょう」


アリスは攫われたんだ。助けないと。

お父様にも有益なことなのよ。わかって、お父様。


「……逃げて、来なかったら?」


それは。アリスの意思でカーライル家に残った場合……ええと。想定していない。


押し黙る私に、お父様はため息をもう一つ吐く。


すると、後ろから声がした。

「学園で継続して説得します。今回の説得が失敗に終わっても、最低限、ロザリア様の側に平民ではありますが優秀生が味方についていることを、存分にアピールする場となるでしょう」


……ニムルス。え、あ、嬉しいけど。
うん、でも。
そうなってくれたら嬉しい。嬉しいけど。


「ニムルス君、だったね。リーナ君、君も。入学前に自分の派閥を決めてしまうというのか?当家の今の立場を知ってのことかね?」


そう。そうなんだ。一人娘の私が貴族のお茶会から逃げなければならない程、うちには味方が少ない。現政権派は、既に貴族の中には殆どいない。

そこまで巻き込むつもりじゃないのに!


焦って二人の顔を見る。にやにやと笑う二人は、いつもどおりの平常運転だ。

想定、してたの。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

柴田 沙夢
2019.07.26 柴田 沙夢

視点が変わって話が進んでいく事で、背景とか心情とか深まって、読んでいて楽しいです〜
小さな探偵さん頑張ってw


第5章の初仕事ですが、5番なくて、6になってますよ〜?

2019.07.26 作者

感想ありがとうございます!

色々手探りで進んでたので、読んで頂いて反応まで頂けて本当に嬉しいです。

ほんとだ、初仕事、5がない……
今日の夜中には修正しておきます。
ご連絡ありがとうございます!

解除
伊予二名
2019.07.14 伊予二名

うん?どっかで見た話だなあと思ったらなろうで読んでおりました(๑ ̄∀ ̄)

2019.07.14 作者

そうなんです。なろう様で短編で出した話を、こっちで切り取って連載にしました。少し追記はしてますが。
読んでくださってたんですね。ありがとうございます!
もし短編3本を全部読んでくださってたら、三章の始めまでは見たことのある話だと思います。
それ以降がほんとの新作です。

5章まで書いたら多分ニムルス編が出てきます。
なろう様の読者様の中に、ニムルスを期待くださった方がいたので、そこまでまとまったらなろう様にまた転載させて頂こうと思ってます。

もし見てくれてたら、三章以降のわんわん君、新キャラアリスをぜひ見てやってください!

まだまだ修行中なので、お叱りも歓迎です。
ご意見また、よかったらお待ちしてます!

解除
伊予二名
2019.07.14 伊予二名

ヒロインちゃんも悪役令嬢ちゃんとお同じくらいろくでなしだからバランスいいかもしればい

2019.07.14 作者

やったー感想だぁぁ!ありがとうございます!

そう、なんかこう、ろくでもない奴ばっかり出てくる話なので、爽快感はあんまりないんですよね。
リアルにいそうな感じで書きたかったんですが……正義はどこだ。迷子なのかそうなのか。

ろくでもねぇなーくらいで、楽しんでくださったら嬉しいです。ちょっとずつ成長させるように頑張ります!

解除

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