6 / 14
6.いざ冒険者に!
しおりを挟む「見えてきた、あれが冒険者ギルドだ」
「あれが......結構大きいんですね」
しばらく通りを歩いていると、周りの建物と比べて一際大きいレンガ造りの建物が見えてくる。
遠目に見ただけでもかなり賑わってるのが分かり、ラインハルトさんと同じように鎧を着た男たちが出入りしていた。
「かなり人が多いんですね」
「今の時間帯は人が少ないはずなんだが......あぁ、大会の影響か」
「大会?」
「領主主催の力の大会だ。3年に一度バルツィムで開催されるんだが......もうそろそろ開催されるのを忘れていた」
力の大会か、見てみたいなぁ。異世界なんだし、魔法とかで戦ったりとかあるのかな。
「ラインハルトさんは出場しないんですか?」
「お、俺がか?俺は......昔に一度出たからな、もう出るつもりはない。...これ以上混む前に早く入ろう」
「あ、はい!」
足早に建物内へ入るラインハルトさんの後を急いでついていく。
ラインハルトさん身長が高くて足も長いから結構早いなぁ。羨ましい。
「奥にあるカウンターが見えるだろう?青い看板が新規の登録案内、赤の看板が依頼関係の手続き所だ」
「青い看板......あ、あそこですね!」
右端のこじんまりとした所にひっそりと青い看板が天井から吊り下がっているのが見える。だが......。
すごい退屈そうだなぁ.............。
丸い眼鏡をかけた物知りそうな胸まである黒髪を緩く肩ぐらいの長さで一つにまとめて括った男性が退屈そうにカウンターに積み上げた本を読み漁ってるのが見える。他の職員と同じように制服を着てはいるが、その上から白色の布をフードのように頭からかけているせいで顔がよく見えない。
「バラード」
「................................」
ラインハルトさんが呼びかけるも、本に夢中になっていて気づいていない。
「......バラード」
先ほどよりも何トーンも低くなった声で呼びかけられる。...が、返事はない。
あれ、ラインハルトさん...怒ってる?
「バラード!」
無理矢理バラード?さんの持っていた本を奪い取るようにして呼びかけるとようやく気付いたのか顔をあげ、フードに隠された顔が目に入る。
「ん?.........なんやミューズか。急に本がどっか行きよったからどうしたんか思うたわ」
薄く隈が入った青い目をパチパチとまばたかせながら伸びをする様に猫背になりかけていた体を起こす。
緩やかに目尻が下がった垂れ目が物優しげな雰囲気を醸し出していて、ラインハルトさんとはまた系統が違った美形といえるだろう男性だ。
「毎度毎度本を読むのは良いが周りに少しは気を配ったらどうだ」
「いや~一度熱中したら夢中になって戻りませんねん。それにここの担当は暇すぎてしょうがないんやわ。自分が配属されてからは数少ない新規さんも来なくなりました......し..............」
最後の部分を言いながら隣にいた僕に気づいたのか、言葉が詰まるようにして突然動きが固まる。
「......?どうかされましたか?」
「ミューズ、ちょっとこっち来い」
「は?お、おいっ⁉︎」
首を傾けながら問いかけると、カウンターから身を乗り出しラインハルトさんの肩を掴んだバラードさんが奥へと引きずっていく。先ほどまでのゆったりとした口調からは信じられないほどの速さでつれていかれたラインハルトさんに思わずぽか~んと口が開く。
い、いきなりどうしたんだ?
34
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。
しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。
先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる