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6 ガイの愚行
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―ガイ視点
下らない小さな喧嘩が、このところ続いていた。
お互いイライラしているのがわかった、だったら少し距離を置こうと思う。
幸いなことに騎士の独身寮に空きがでたと上司から聞く。
希望者がそれなりにいたが、金のない下級騎士が優先されて俺と同僚二人が選ばれた。
半年ほど一人で過ごすのも悪くないと俺はワクワクしていた。
ダラしない生活をしても咎める者はいない、羽が伸ばせると思うと嬉しくなった。
さいきん、生意気になってきたアネリを反省させるためにも連絡なしで別居してやることにした。
将来、俺と結婚をしたいのなら一歩下がった態度になるべきなんだ!
夫を敬い陰で支えるのが妻の役割だ、従順にさせなければな!
寂しがりの彼女のことさ、数日もすれば心を入れ替えて騎士団の方へ面会を求めてくるだろう。
だが俺は心を鬼にして初回は会ってやらないつもりだ。
大切な恋人を失って、さぞ後悔することだろう。ハハハハッいい気味だ!
彼女が泣いて五回くらい謝ったら許してやろうじゃないか!
騎士寮は想像以上に狭くて汚い、アネリがいたら掃除して快適に整えてくれるのに……。
いやだめだ!ここは我慢するぞ。
家にほとんど私物を置いたままに出てきたので、下着と雑貨類を買わなければならない。
たぶん一旦戻ったら帰宅したのがバレる、それでは効果がないだろう。
ちょっと困った、日用品類はすべてアネリに任せきりにしていて何を買えばわからいぞ。
引っ越しがうまく行かないと談話室で話していたら、通いメイドの女の子が声をかけてきた。
春頃から採用されたらしいとても可愛い娘だ。騎士団内で噂になっているほどだ。
「お買い物つきあいましょうかぁ?私も欲しい雑貨があるんですぅ」
俺はつい鼻の下を伸ばしてしまった。
アネリはキリリとした美人だけど、この子はふわふわした可愛らしさが魅力だった。
違うタイプの女はとても刺激的だ。俺は欲望に負けた。
「助かるよ、日用品は男では気が付かないものだからね」
「はい、案内は任せてくださいねぇ」
街で待ち合わせをしてメイドのアルマと落ち合う。
フリルのついたワンピースが良く似合っていた、アネリなら絶対着ない服だ。
なんだか初デートを思い出してドキドキした。
つい見惚れてたら「どうかしました?」と言って腕に抱き着いてきた。
なんて可愛いことをするんだと俺はデレデレになる。
「買い物のお礼にキミの欲しいものをひとつ買ってあげるよ」
「わぁ!嬉しいありがと~♡あのねぇガラス細工のスタンドランプが欲しいのぉとーっても綺麗なの」
俺の顔をウルウルした瞳でみつめてくるアルマはひょっとして……?
少し高かったが奮発してお礼としてプレゼントをした。
新しい出会いも悪くないかな、なんてその時の俺は浮かれていた。
なんだかんだと理由をつけてはアルマと行動した。
食事に誘えば嬉しそうに付いてくる、可愛い!
次第に彼女の我儘を聞くのが当たり前になってきて、なんでも買ってあげた。
でも給料はそんなに出ない、僅かな貯金も底をついた。
アルマのお強請りに答えられない日がついにきた。
給与前だからと言うと「そう残念」と言ってデートの約束をドタキャンされた。
すると、それきりアルマは俺を避けるようになった、おかしいぞ!君は俺を好きなんだろ?
なんでだよ、給与が入ればまた買ってあげるのに!
話しかけても無視された、俺は崖から突き落とされたような衝撃を受ける。
しばらくして、アルマは第二隊長と恋仲だと噂がたった。
3カ月後には結婚だって!?
どういうことだよ!巫山戯るな!くそっ!
やっぱり俺にはアネリが向いているんだ、あれ?そういえば……騎士団へ面会は来ていたのかな?
バカ女と浮かれていたから迂闊だったぞ……。
騎士団の庶務受付に聞いたが誰も訪ねてきてないと回答された。
そんなバカな!
あれから一月も過ぎているんだぞ、何かの間違いだろ!
きっと記録漏れだろう。
仕方ない、給与も出たことだし安いワインを買って俺から会いに行ってやるよ!
きっと泣いて喜ぶに違いないさ!
下らない小さな喧嘩が、このところ続いていた。
お互いイライラしているのがわかった、だったら少し距離を置こうと思う。
幸いなことに騎士の独身寮に空きがでたと上司から聞く。
希望者がそれなりにいたが、金のない下級騎士が優先されて俺と同僚二人が選ばれた。
半年ほど一人で過ごすのも悪くないと俺はワクワクしていた。
ダラしない生活をしても咎める者はいない、羽が伸ばせると思うと嬉しくなった。
さいきん、生意気になってきたアネリを反省させるためにも連絡なしで別居してやることにした。
将来、俺と結婚をしたいのなら一歩下がった態度になるべきなんだ!
夫を敬い陰で支えるのが妻の役割だ、従順にさせなければな!
寂しがりの彼女のことさ、数日もすれば心を入れ替えて騎士団の方へ面会を求めてくるだろう。
だが俺は心を鬼にして初回は会ってやらないつもりだ。
大切な恋人を失って、さぞ後悔することだろう。ハハハハッいい気味だ!
彼女が泣いて五回くらい謝ったら許してやろうじゃないか!
騎士寮は想像以上に狭くて汚い、アネリがいたら掃除して快適に整えてくれるのに……。
いやだめだ!ここは我慢するぞ。
家にほとんど私物を置いたままに出てきたので、下着と雑貨類を買わなければならない。
たぶん一旦戻ったら帰宅したのがバレる、それでは効果がないだろう。
ちょっと困った、日用品類はすべてアネリに任せきりにしていて何を買えばわからいぞ。
引っ越しがうまく行かないと談話室で話していたら、通いメイドの女の子が声をかけてきた。
春頃から採用されたらしいとても可愛い娘だ。騎士団内で噂になっているほどだ。
「お買い物つきあいましょうかぁ?私も欲しい雑貨があるんですぅ」
俺はつい鼻の下を伸ばしてしまった。
アネリはキリリとした美人だけど、この子はふわふわした可愛らしさが魅力だった。
違うタイプの女はとても刺激的だ。俺は欲望に負けた。
「助かるよ、日用品は男では気が付かないものだからね」
「はい、案内は任せてくださいねぇ」
街で待ち合わせをしてメイドのアルマと落ち合う。
フリルのついたワンピースが良く似合っていた、アネリなら絶対着ない服だ。
なんだか初デートを思い出してドキドキした。
つい見惚れてたら「どうかしました?」と言って腕に抱き着いてきた。
なんて可愛いことをするんだと俺はデレデレになる。
「買い物のお礼にキミの欲しいものをひとつ買ってあげるよ」
「わぁ!嬉しいありがと~♡あのねぇガラス細工のスタンドランプが欲しいのぉとーっても綺麗なの」
俺の顔をウルウルした瞳でみつめてくるアルマはひょっとして……?
少し高かったが奮発してお礼としてプレゼントをした。
新しい出会いも悪くないかな、なんてその時の俺は浮かれていた。
なんだかんだと理由をつけてはアルマと行動した。
食事に誘えば嬉しそうに付いてくる、可愛い!
次第に彼女の我儘を聞くのが当たり前になってきて、なんでも買ってあげた。
でも給料はそんなに出ない、僅かな貯金も底をついた。
アルマのお強請りに答えられない日がついにきた。
給与前だからと言うと「そう残念」と言ってデートの約束をドタキャンされた。
すると、それきりアルマは俺を避けるようになった、おかしいぞ!君は俺を好きなんだろ?
なんでだよ、給与が入ればまた買ってあげるのに!
話しかけても無視された、俺は崖から突き落とされたような衝撃を受ける。
しばらくして、アルマは第二隊長と恋仲だと噂がたった。
3カ月後には結婚だって!?
どういうことだよ!巫山戯るな!くそっ!
やっぱり俺にはアネリが向いているんだ、あれ?そういえば……騎士団へ面会は来ていたのかな?
バカ女と浮かれていたから迂闊だったぞ……。
騎士団の庶務受付に聞いたが誰も訪ねてきてないと回答された。
そんなバカな!
あれから一月も過ぎているんだぞ、何かの間違いだろ!
きっと記録漏れだろう。
仕方ない、給与も出たことだし安いワインを買って俺から会いに行ってやるよ!
きっと泣いて喜ぶに違いないさ!
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