頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。

音爽(ネソウ)

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ハンドメイドなメイドさん

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警戒して過ごしたハウラナだったが拍子抜けするほど何事も起こらなかった。

「無理矢理に正妃茶会に来いって呼びつけられるかと思ってたのにな、楽でいいけど」
暇を持て余したハウラナは人形作りに精を出す。


ただし、ヌイグルミなどの可愛いものではない。
鍛錬用の案山子と傀儡作りだった、案山子はともかく傀儡のほうは丁寧に作っている。


「うん、粘土製にしては上出来じゃない?」
満足した彼女は次に人形用の服を亜空間から取り出して着せていった。


「よし、お前に名を授けるわ!ミーニャ私の為に動きなさい!」
指名された土人形はギギギとぎこちなく動くと恭しくお辞儀をして「ハイ、ゴシュジンサマ」と返事した。


「まぁまぁ成功ね?可愛い私のミーニャ、今日から私のメイドとして働きなさい」
「ハイ、カシコマリマシタ」

動きも言葉もぎこちないが、動かず壁に控えていれば普通の人間にしかみえない。
ミーニャはハウラナと同じ薄い金髪に青い目をしている、顔立ちはゼベールにいたころ付いていた侍女に似ている。


「んー、意図したわけじゃないけど似てしまうわね、もっと想像力を鍛えなきゃいけないわ」

さっそく造ったミーニャは、ハウラナの乱れた御髪の手入れにかかった。
ハウラナは香油を垂らした盥の湯に頭を預けるとミーニャは優しく丁寧に洗う。


「うん、なかなか上手よミーニャ!」
「アリガトウゴザイマス」


髪を乾かし身支度を整えるとハウラナは急に空腹に襲われた。

「そういえば食事を持って来ることが一度もないわね。戦でいう兵糧責めってことかしら?別に困らないけどね」
「オショクジノ、ヨウイヲイタシマス」

「うん、お願いね」

ミーニャも亜空間から食材を取り出すと設えたキッチンでサラダとスープを作りはじめた。
パンは時間がかかるので、ハウラナが取り出した何故か焼きたてのクロワッサンをテーブルに並べる。

「わー!きょうはクロワッサンなのね嬉しいわ!でかした料理長!」



***

一方、ハウラナの母国のゼベール城では。


「料理長、クロワッサンを多めに焼き過ぎですよ?」
「いいんだよ、ハウラナ殿下がたくさん食べるから」
「へ?」


顎鬚を薄っすら生やした料理長バタックは「やはり食事すらまともの出されないのですな」と呟いた。
それから不自然に減った野菜を見て苦笑いする。


「王女殿下、夕飯は貴女の好きなローストビーフを用意しておきますね!」
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