頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。

音爽(ネソウ)

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いざ花畑へ

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「今回の術は魔力を多く使うから、出入り口は小さめにしなきゃ」
ブツブツと独り言をいう主に、ミーニャは頭を傾げてキョトリとしていた。


手伝うことは何もないと言われたので、お茶の用意をすることにした。
ミーニャは亜空間ボックスをまさぐり、切らしてしまった茶葉はないかと手を伸ばす。


すると手の平に三角形のようなものが乗った、というか乗って来た。
「ナンデショウカ?」


黄色い何かがわからないミーニャは取り合えずテーブルへ置いた。
再びまさぐると今度は丸くて軽い何かが乗る。

「???????」
「どうしたのミーニャ?ん、甘い香りがするわね」


ハウラナはミーニャの陰になっていたテーブルの上を覗いて驚嘆の声をあげた。

「まぁ!チーズケーキとシュークリーム!大好物よ!」
「ラナサマ、アナカラデテキマシタ。チャバガナイデス」

ミーニャは茶葉を探したようだが、意図せず違うものが出てきて困惑中だった。


人の頭くらいの亜空間の穴を指してミーニャが困っていた。

「あぁ、なるほど。バタック料理長が悪戯したのね!私がご飯をくすねてるのがばれちゃった!」
フフフと面白うそうに笑う主に釣られてミーニャもぎこちなく笑う。


人形のミーニャには食べられないが、美味しいものだという事を理解した。

「ラナサマ、アマイガスキ」
「そうよ、一緒に食べられたら楽しいのに……、うーん、これは迅速に貴女を改良せねばならないわね!」
「????」



「まぁそれはさて置き、お茶を向こう側で楽しもうと思うの!トレイに乗せて持っていきましょ」
「カシコマリマシタ」


一見なんの変哲もない壁をハウラナは躊躇いなく突進した。
「ラナサマ!?」
「だいじょうぶ、見てて!」

壁に溶け込むようにハウラナは通り抜けて姿を消した。ミーニャは壁に主は食われたと思って大騒ぎする。



「ラナサマ!ラナサマ!コワイデス、ラナサマ!」
「はいはい、ここですよー!」

にゅっと壁から腕だけが出てきて、ミーニャへ向けてコッチおいでと手招きしてくる。
ミーニャはおずおずと壁際に立ってハウラナの腕らしきを掴んだ。


「ア!?」
ミーニャも壁をすり抜け、驚いた拍子に転げそうになったがハウラナが抱きしめて止めた。


「私の花畑へようこそ!」
「ラナサマノ、ハナバタケ……スゴイデス。カベノナカニ、ニワガアリマス。リカイデキマセン」

「だよね、ごめんね。私の空間魔法なの、後宮と外を繋げてみたのよ。ここはね私が育てて管理してきたゼベール国の花園なの、素敵でしょ?許可した者しか入れないから安全よ」


「キレイデス、スゴイデス、リカイデキナイデス!」
「あははっ」


ハウラナの花園は季節関係なく様々な花が咲き乱れていた。
チェリーブロッサムが咲き乱れる下には、コスモスが揺れている。

人形のミーニャでなくても理解不能な景色だった。

「アオイハナ、ワタシトオナジイロ」
「そうね、ネモフィラというの。絨毯のように広がって凄いでしょ!」

「スゴイ、ネモフィラ。ウツクシイデス」






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