頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。

音爽(ネソウ)

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アリルの暴走

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朝食後、善は急げとばかりにアリルは行動に出た、出過ぎた事だと諌言する者はいなかった。
次期正妃はアリルであると彼女の侍従たちは信じて疑わなかった。


「陛下にお目通りを!そこを退きなさい!」
侍女と護衛を侍らせたアリルは、皇帝の居室がある黒曜宮を護る衛兵に命令した、だが返って来た言葉は素っ気ない。


「陛下は留守にございます、それから先触れなき者は何人も通せません」
「正妃に対してなんと無礼な!覚えてらっしゃい!」


可憐な容姿とは裏腹に、アリルもやはり傲慢な態度を振る舞う人間だった。
まだ決定してもいない正妃を名乗り、咎めを受けるのはアリルなのだが気が付いていない。
万が一、別の側室が選ばれたらとんだ赤っ恥なのだが……。



「ちょっと、まだ田舎ネズミは捕まらないの?」
回廊の途中ですれ違った武官に向かって食って掛かるアリル。

「は?はぁ……ネズミとは、不審者でもいましたか?」
「そうよ!田舎からやってきたハウラナとかいう小娘のことよ!アレのせいで寝不足なのよ!肌が荒れたわ」
「はぁ……そうでしたか」


仮にも嫁いできた姫君を、ネズミ呼ばわりする不遜なアリルに呆れた顔を見せる武官だった。
消えたハウラナを、一睡もせず探し回る陛下の姿を知っている家臣たちは、第八側室こそが寵愛を受けたただ一人の妃だと確信している。


陛下側近たちはハウラナ妃こそが次期正妃だと準備に勤しんでいた。
なのに……

現状で次期正妃は未定の状態にあるのに、図々しく名乗って歩く側室アリルは白い目で見られはじめていた。
城の各部署へいきなり顔をだしては「正妃の調度品の入れ替え予算を寄越せ」「正妃に挨拶にこい」などありえない言動をしている。


「だ、だいじょうぶでしょうか?正式に指名就任されたわけでもなく」
さすがに侍女も不安そうに顔色を悪くした。

「なにを気の小さいことを!帝国の正妃が舐められたらダメでしょう、あなたはわたくし正妃の侍女になり侍女長に就任するのよ!胸を張りなさい!」

「は、はい!さすがアリル様!」
「当たり前よ!」


空気を一切読もうとしないアリルは意気揚々と城内を歩いた。
威張り腐って歩いたアリルだったが、いまひとつ正妃としての実感がわかないと不満を漏らす。

「やはり陛下と対話できてないのがいけないんだわ、なんとかしなければ!そうだわ!正妃の部屋が空いたのならばやることがあるじゃない!うっかりしてたわ」


名案を思いついたと豪語したアリルは、後宮へ急ぎ戻って行った。




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