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平和ボケと刺激と(注意:ミツバチが……)
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花畑に籠って10日ほど経った。
いい加減に刺激が欲しくなったハウラナである。
「平和ボケになるわね、悪くはないんだけど……」
彼女は青空に咲き誇るチェリーブロッサムを見上げた。散ったあとに実を生らし、落ちればまた花をつける。
なのでいつでも8分咲きである。
風が吹くとハラハラと散って、彼女の髪を飾る。
「ちょっと遠出しましょうか、丘の向こうに泉があるのよ」
「サカナハ イマスカ?タベマスカ?」
「いや、食用のサカナはいないわねぇ。大きなカエルはいたけど食べたくないわ」
小魚しかいないと聞いて、ミーニャはがっかりしている。
ご飯の心配はいらないのにと、ハウラナはおかしそうに笑う。
今朝は厨房をまさぐったらベーコンエッグとロールパンが出てきた。
ベゼール城の料理長は、ハウラナの好みを熟知しているので有難い。
「ほら、綺麗な泉でしょ?透き通ってて魚が丸見えよ」
「ホントデス サカナチイサイ タベラレナイ デモキレイ」
水が跳ねる音がして、目の前をカエルがスイスイと泳いでいった。
「これがカエル、魚よりは大きいけど食べたくないからね?」
「ハイ ザンネンデス」
泉に腰をかけて、足を浸すと爽やかな冷たさに「ひゃん!」とハウラナが声をあげる。
「ふへぇ、歩いて熱くなった足裏が気持ち良いわ~♪」
「カタヲ オモミシマス」
「え?いいわよー凝ってな……い。ふお!?気もちいい!なにこれ!」
「ラナサマハ トキドキヒダリカタヲ カタムケテマス ダルソウデシタ」
「あはは、よく見てるわねぇ。わたしのメイドは優秀ね」
コリコリゴリゴリと肩と肩甲骨を刺激されてハウラナはご満悦だ。
「ふへぇ……ああああ、淑女にあるまじき声が……ふひぃ~」
あまりの気持ち良さに、泉から出たハウラナはうつ伏せになってマッサージを受けた。
すっかり蕩けたハウラナはいつのまにか寝てしまった。
3時間後には涎でびちょびちょになった袖に悲鳴をあげるのだった。
「いやー失敗……いつも通りに寝てしまったわ、ここで鍛錬するつもりだったのに」
冷たい泉で顔をバシャバシャ洗っていると、ミーニャの姿がないことに気が付く。
「ええ!?あの子どこいったの?おーい!ミーニャァァア!戻ってきなさーい!」
独りにしないでと叫びながら、泉周辺を探したが見当たらない。
「あっちへ戻ったのかしら?いやいや、主を置いてそんな……」
仕方なく、チェリーブロッサムのほうへ戻ろうとした時だった。
なにか甘い香りが鼻を掠める。
「なに?……これは蜂蜜の香!」
背後からガサガサと音がして、ハウラナはバッと振り返った。
「ラナサマ ハツミツ ハチカラ スコシモライマシタ」
「ええええ!?ちょま、その肌に刺さってるツンツンはまさか蜂の針!?ぎゃー大変!毒袋が!」
戻ったミーニャの身体のアチコチに、びっしりと針山ができていてハウラナは卒倒しそうになる。
幸いに追って来る蜂はいなかった。かなり遠方から採って来たようだ。
それからプチプチとミーニャからピンセットで針を抜くハウラナは半べそだった。
「ゴメンデス アマイノスキ ラナサマニ アゲタカッタデス」
「ううう、痛くはないと思うけど……精神的にくるわ。あまり無茶しないで?グスン」
ゴメンナサイと何回も謝罪してミーニャは悄気た。
「せっかくだから食べたいけど……処理がわからないわ、取り合えず亜空間に丸投げしとこう」
にゅっと飛び出たハウラナの手から、ハチの巣をボトリと落とされて料理長が悲鳴をあげたのは言うまでもない。
いい加減に刺激が欲しくなったハウラナである。
「平和ボケになるわね、悪くはないんだけど……」
彼女は青空に咲き誇るチェリーブロッサムを見上げた。散ったあとに実を生らし、落ちればまた花をつける。
なのでいつでも8分咲きである。
風が吹くとハラハラと散って、彼女の髪を飾る。
「ちょっと遠出しましょうか、丘の向こうに泉があるのよ」
「サカナハ イマスカ?タベマスカ?」
「いや、食用のサカナはいないわねぇ。大きなカエルはいたけど食べたくないわ」
小魚しかいないと聞いて、ミーニャはがっかりしている。
ご飯の心配はいらないのにと、ハウラナはおかしそうに笑う。
今朝は厨房をまさぐったらベーコンエッグとロールパンが出てきた。
ベゼール城の料理長は、ハウラナの好みを熟知しているので有難い。
「ほら、綺麗な泉でしょ?透き通ってて魚が丸見えよ」
「ホントデス サカナチイサイ タベラレナイ デモキレイ」
水が跳ねる音がして、目の前をカエルがスイスイと泳いでいった。
「これがカエル、魚よりは大きいけど食べたくないからね?」
「ハイ ザンネンデス」
泉に腰をかけて、足を浸すと爽やかな冷たさに「ひゃん!」とハウラナが声をあげる。
「ふへぇ、歩いて熱くなった足裏が気持ち良いわ~♪」
「カタヲ オモミシマス」
「え?いいわよー凝ってな……い。ふお!?気もちいい!なにこれ!」
「ラナサマハ トキドキヒダリカタヲ カタムケテマス ダルソウデシタ」
「あはは、よく見てるわねぇ。わたしのメイドは優秀ね」
コリコリゴリゴリと肩と肩甲骨を刺激されてハウラナはご満悦だ。
「ふへぇ……ああああ、淑女にあるまじき声が……ふひぃ~」
あまりの気持ち良さに、泉から出たハウラナはうつ伏せになってマッサージを受けた。
すっかり蕩けたハウラナはいつのまにか寝てしまった。
3時間後には涎でびちょびちょになった袖に悲鳴をあげるのだった。
「いやー失敗……いつも通りに寝てしまったわ、ここで鍛錬するつもりだったのに」
冷たい泉で顔をバシャバシャ洗っていると、ミーニャの姿がないことに気が付く。
「ええ!?あの子どこいったの?おーい!ミーニャァァア!戻ってきなさーい!」
独りにしないでと叫びながら、泉周辺を探したが見当たらない。
「あっちへ戻ったのかしら?いやいや、主を置いてそんな……」
仕方なく、チェリーブロッサムのほうへ戻ろうとした時だった。
なにか甘い香りが鼻を掠める。
「なに?……これは蜂蜜の香!」
背後からガサガサと音がして、ハウラナはバッと振り返った。
「ラナサマ ハツミツ ハチカラ スコシモライマシタ」
「ええええ!?ちょま、その肌に刺さってるツンツンはまさか蜂の針!?ぎゃー大変!毒袋が!」
戻ったミーニャの身体のアチコチに、びっしりと針山ができていてハウラナは卒倒しそうになる。
幸いに追って来る蜂はいなかった。かなり遠方から採って来たようだ。
それからプチプチとミーニャからピンセットで針を抜くハウラナは半べそだった。
「ゴメンデス アマイノスキ ラナサマニ アゲタカッタデス」
「ううう、痛くはないと思うけど……精神的にくるわ。あまり無茶しないで?グスン」
ゴメンナサイと何回も謝罪してミーニャは悄気た。
「せっかくだから食べたいけど……処理がわからないわ、取り合えず亜空間に丸投げしとこう」
にゅっと飛び出たハウラナの手から、ハチの巣をボトリと落とされて料理長が悲鳴をあげたのは言うまでもない。
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