25 / 32
黑い側室たち
しおりを挟む
「これはどういう事?」
居室を出て階下へ向かおうとしたハウラナとミーニャの前には壊れて崩れた階段があった。
側室達の嫌がらせだ。
「こういう無駄なことをするから皇帝に嫌われるのに、学習しないのね。空間を操る私には通じないし」
崩れた階段の先に、ゲスい顔で嗤う女達がいた。
だが、ハウラナは余裕の笑顔で手を振ると空間魔法を披露してその場から消えた。
見たことも無い魔法を目の当たりにして、茫然とした後に彼女らは悔しい悲鳴をあげるのだった。
「なによアレ!?壁の中に消えたわよ化物じゃない!」
「ほんとよ!この事実を皇帝が知ったら驚かれるわよ」
「待って、近頃高価な魔道具が王宮に出まわっていると聞くわ」
「んまぁ!?それを文官あたりに横流しでもさせたのね!」
「きっとそうだわ!あの猫かぶりの顔で誑かしたのよ!」
ギャイギャイと見当違いのことを憶測して騒ぎたてる側室達は、挙って宰相の執務室へ押しかけた。
当然、けんもほろろという態度のケンフラーだ。
「ハウラナ姫が魔道具を不当に搾取した?ほうほう……」
呑気そうな宰相の様子に苛立ちながら、彼女らの中心である第三側室レーネが吠える。
「そうですわ!卑しいあの女の事です、色目を使って高価な魔道具を文官達に強請ったのです!あの女が魔法を使う所を私達は見ましたわ!」
そうだと言わんばかりに、一斉に頭を上下させる側室たち。
こんな時ばかり結託するとは、女は怖いとケンフラーは思った。
「その高価な魔道具ってのはねぇ、お姫さん方。ハウラナ姫の母国ゼベールからの贈答品なんだよねぇ……。どういうことかわかるかなぁ?その悪い頭で?」
「「「「んな!?」」」」
想定していなかった宰相の言葉に側室達は言葉を失う。
「恩恵を受けたのは帝国側なんだよね~……ハウラナ姫のお陰で王宮の仕事が一新されて文官たちは大喜びしているよ?なのに色仕掛けで搾取した?自国から持ってきたものをワザワザ欲しがる意味がね……ないね。それにね彼女は魔法が使えるんだ道具など要らない」
「なんでよ!たかが田舎の小国にどうして魔道具が提供できるの!見た目だけのバカ女が魔法が使える?有り得ない嘘を言わないで!」
レーネが口惜しそうに反論する。
「レーネ姫、小国ゼベールが数百年変わらず在れた理由を知らないのかね?その空っぽの頭で正妃を立候補したのかい、なんて太い神経を持っているんだろう、感心するよ。それと陛下の寵愛を受けているハウラナ姫を侮辱したことは報告しておくね」
散々な言われようにレーネは蒼白になって震えた。
怒りと羞恥で混乱したのか、意味不明な言葉を叫ぶと執務室から飛び出して行った。
その後を顔色を悪くした側室たちが追うようにでて行く。
「あ、壊した階段のこと追及すんの忘れた……」
居室を出て階下へ向かおうとしたハウラナとミーニャの前には壊れて崩れた階段があった。
側室達の嫌がらせだ。
「こういう無駄なことをするから皇帝に嫌われるのに、学習しないのね。空間を操る私には通じないし」
崩れた階段の先に、ゲスい顔で嗤う女達がいた。
だが、ハウラナは余裕の笑顔で手を振ると空間魔法を披露してその場から消えた。
見たことも無い魔法を目の当たりにして、茫然とした後に彼女らは悔しい悲鳴をあげるのだった。
「なによアレ!?壁の中に消えたわよ化物じゃない!」
「ほんとよ!この事実を皇帝が知ったら驚かれるわよ」
「待って、近頃高価な魔道具が王宮に出まわっていると聞くわ」
「んまぁ!?それを文官あたりに横流しでもさせたのね!」
「きっとそうだわ!あの猫かぶりの顔で誑かしたのよ!」
ギャイギャイと見当違いのことを憶測して騒ぎたてる側室達は、挙って宰相の執務室へ押しかけた。
当然、けんもほろろという態度のケンフラーだ。
「ハウラナ姫が魔道具を不当に搾取した?ほうほう……」
呑気そうな宰相の様子に苛立ちながら、彼女らの中心である第三側室レーネが吠える。
「そうですわ!卑しいあの女の事です、色目を使って高価な魔道具を文官達に強請ったのです!あの女が魔法を使う所を私達は見ましたわ!」
そうだと言わんばかりに、一斉に頭を上下させる側室たち。
こんな時ばかり結託するとは、女は怖いとケンフラーは思った。
「その高価な魔道具ってのはねぇ、お姫さん方。ハウラナ姫の母国ゼベールからの贈答品なんだよねぇ……。どういうことかわかるかなぁ?その悪い頭で?」
「「「「んな!?」」」」
想定していなかった宰相の言葉に側室達は言葉を失う。
「恩恵を受けたのは帝国側なんだよね~……ハウラナ姫のお陰で王宮の仕事が一新されて文官たちは大喜びしているよ?なのに色仕掛けで搾取した?自国から持ってきたものをワザワザ欲しがる意味がね……ないね。それにね彼女は魔法が使えるんだ道具など要らない」
「なんでよ!たかが田舎の小国にどうして魔道具が提供できるの!見た目だけのバカ女が魔法が使える?有り得ない嘘を言わないで!」
レーネが口惜しそうに反論する。
「レーネ姫、小国ゼベールが数百年変わらず在れた理由を知らないのかね?その空っぽの頭で正妃を立候補したのかい、なんて太い神経を持っているんだろう、感心するよ。それと陛下の寵愛を受けているハウラナ姫を侮辱したことは報告しておくね」
散々な言われようにレーネは蒼白になって震えた。
怒りと羞恥で混乱したのか、意味不明な言葉を叫ぶと執務室から飛び出して行った。
その後を顔色を悪くした側室たちが追うようにでて行く。
「あ、壊した階段のこと追及すんの忘れた……」
29
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。
父親は怒り、修道院に入れようとする。
そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。
学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。
ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
姑に嫁いびりされている姿を見た夫に、離縁を突きつけられました
碧井 汐桜香
ファンタジー
姑に嫁いびりされている姿を見た夫が、嬉しそうに便乗してきます。
学園進学と同時に婚約を公表し、卒業と同時に結婚したわたくしたち。
昔から憧れていた姑を「お義母様」と呼べる新生活に胸躍らせていると、いろいろと想定外ですわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる