お願いだから噛んで欲しい!

そらうみ

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もうどうしたらいいか分からない俺

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俺は今、蓮と住む新しい部屋のベランダに居た。

蓮にルームシェアを提案した時、きっと受け入れてもらえると思っていたが、それでも断られる時の事を想像してしまっていた。
もしも蓮に断られたら・・・いや、一緒に住む事だけでなく、いつか俺自身が拒否されてしまったら・・・。

今まで色んな人と出会ってきて、相手が俺を好きになろうが嫌いになろうが全く気にならなかった。
そして俺も、他人を好きにも嫌いにもならなかった。

ようやく好きになれたのが亮で・・・そして今、好きだと思えて、嫌われるのが怖いのが・・・蓮だ。

そんな事を思いながら外の景色を眺めていると、隣にいた蓮が俺を見ている。
どうしたのかと思ったが、蓮は真顔で・・・顔を赤くして・・・キスして欲しいと言ってきた。

うん、可愛いな。

以前何かの拍子で、蓮に可愛いと言うとすごく微妙な顔をされた。
可愛いと言われて嬉しくなかったのだろう。
でも俺はよく蓮を可愛いと思ってしまっているので、声には出さず心の中で言うようにしている。

そして今もそう思いながら、蓮にキスをした。

可愛いし、こう言ってくれるのが嬉しい。

他人にこんなにも感情を動かされるとは思ってもみなかった。
そして俺も蓮も、お互いに自分自身も大切にしていて、きちんと相手の事も尊重している。

友達の関係から始まったからなのか、本当に蓮といるのは気が楽だ。
このまま蓮と付き合っていけたら良いなと思う。

すると蓮が、必死になって俺と一緒にいたいと伝えてくれた。

うん、嬉しい。

凄く俺の気持ちが温かくなっているような感覚がする。
蓮って、本当に凄い。

そして、

蓮が、発情期の状態で薬も飲まず、俺としたいと言ってくれた。

ここで少し俺はフリーズしてしまう。
色々な思いが俺の中で溢れていたからだ。

そうか、思いや感情は一度に一つではなくて、こんな風に、一度に沢山も味わうことがあるのか。

俺に顔を埋めている蓮がそわそわし始めている。
俺は我慢できず、蓮を担ぎ上げ寝室へと運んで行く。

本当はお姫様抱っこでも良かったのだが、可愛いと言われるのが嫌な蓮だ。
もしそんな事をしたら、きっと後で怒られる。

けれど、その後の事を思えば、お姫様抱っこなんて、なんて事はかったんだ。

これからもずっと一緒にいるんだ。
お姫様抱っこは、またの機会にしてみようと思う。

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