39 / 230
武者修行
虎丸、落ち込む
しおりを挟む
何とか生命の危機を免れたが、この場を一刻も早く離れなければ、戻ってきたら、間違いなく朽ち果てるしかない。
息も絶え絶えの虎丸を見ながら……。
「虎丸、動けるか?」
虎丸は返事も出来ないようで、弱弱しく首を縦に動かした。
だが、虎丸は動こうとしなかった。
動けないのかと、微々たるものかもしれないが、治癒魔法をかけたが……。
虎丸は大蛇が居なくなった方を見つめていた。
虎丸の背中を撫でながら。
「強かったな、全く歯が立たない程に。」
虎丸は上を見上げ、必死に涙をこらえていた。
「強くなろうな、いつか勝てる様に。」
そんなシリアスを装おうとした瞬間。
ギュルルルル…………
虎丸のお腹が鳴った。
「さて、飯でも食いに行くか。」
虎丸はトボトボとついてきた。
とりあえず森を一旦出て、森から離れたが、周りは平原が広がっており、街まで行くには……それなりの時間がかかりそうだ。
って言うより、何処に居るのか把握するのには時間がかかりそうだ。
だが、無防備にこんな所に立っているが、モンスターにとっては深手を負った俺らって、いいカモにしか見えないよな。
虎丸は立ち止まったオレを見て、そこで力なく伏せた。
草の陰から何かがこちらに向かって、突進してきた。
その正体は愚猪。
図体はデカいが、基本策を講じたりはしない本能でのみ動く種類だ。
…虎丸はチラリと見たが、動こうとはしない。
一人で何とかするしかないと、剣を抜き、構えた。
だが、こちらには来ずに恐怖で動けなくなったと思ったのか、虎丸へ向かっていき、飛びかかった。
流石に今の虎丸ではヤバいと思い、庇おうと向かった。
余計な心配でした。
伏せた姿勢から虎丸は地面を蹴り、低い姿勢のまま、愚猪の顎に突進し、一撃で倒すと。
残った一匹もいつもと違い、首に噛み付き、ローリングし始めた。
回転する度に回りに飛び散り、真っ赤に染まっていった。
その一部は虎丸から流れ出る血であった。
そんな虎丸を見ながら、失神した一匹を捌いていく。
虎丸はしばらくローリングしていたが、気が済んだのか……それとも愚猪の喉が引きちぎれたのか、愚猪を草原に放り出し、また伏せた。
多分、あれは体力回復してるんだな。
「虎丸、そいつ食えよ。」
虎丸はその言葉にチラッとこちらを見て、一気に腹部に噛み付いた。
虎丸、よっぽどお腹空いてたんだろうな。
だが、いつもと違い、尻尾は体にくっつくように垂れていた。
そんな虎丸を見ながら、大体の現在地を推測した。
森をショートカットするはずが大分、予想経路から外れた場所に出てしまっているのは間違いない。
辺りは段々と暗くなってきていたので、下手に動くより、明日の朝になるまで滞在する事にした。
虎丸は相変わらず元気がない。
たまに話しかけても、上の空の返事しか返ってこない。
心の何処かでご飯を食えば、元気になると思ってた甘い考えがあった。
仕方なく、しばらく虎丸を1人にしておく事にした。
流石にこの草原に強いモンスターは居ないだろうと願いながら。
少し離れた場所で火をおこし、少し横になる事にした。
息も絶え絶えの虎丸を見ながら……。
「虎丸、動けるか?」
虎丸は返事も出来ないようで、弱弱しく首を縦に動かした。
だが、虎丸は動こうとしなかった。
動けないのかと、微々たるものかもしれないが、治癒魔法をかけたが……。
虎丸は大蛇が居なくなった方を見つめていた。
虎丸の背中を撫でながら。
「強かったな、全く歯が立たない程に。」
虎丸は上を見上げ、必死に涙をこらえていた。
「強くなろうな、いつか勝てる様に。」
そんなシリアスを装おうとした瞬間。
ギュルルルル…………
虎丸のお腹が鳴った。
「さて、飯でも食いに行くか。」
虎丸はトボトボとついてきた。
とりあえず森を一旦出て、森から離れたが、周りは平原が広がっており、街まで行くには……それなりの時間がかかりそうだ。
って言うより、何処に居るのか把握するのには時間がかかりそうだ。
だが、無防備にこんな所に立っているが、モンスターにとっては深手を負った俺らって、いいカモにしか見えないよな。
虎丸は立ち止まったオレを見て、そこで力なく伏せた。
草の陰から何かがこちらに向かって、突進してきた。
その正体は愚猪。
図体はデカいが、基本策を講じたりはしない本能でのみ動く種類だ。
…虎丸はチラリと見たが、動こうとはしない。
一人で何とかするしかないと、剣を抜き、構えた。
だが、こちらには来ずに恐怖で動けなくなったと思ったのか、虎丸へ向かっていき、飛びかかった。
流石に今の虎丸ではヤバいと思い、庇おうと向かった。
余計な心配でした。
伏せた姿勢から虎丸は地面を蹴り、低い姿勢のまま、愚猪の顎に突進し、一撃で倒すと。
残った一匹もいつもと違い、首に噛み付き、ローリングし始めた。
回転する度に回りに飛び散り、真っ赤に染まっていった。
その一部は虎丸から流れ出る血であった。
そんな虎丸を見ながら、失神した一匹を捌いていく。
虎丸はしばらくローリングしていたが、気が済んだのか……それとも愚猪の喉が引きちぎれたのか、愚猪を草原に放り出し、また伏せた。
多分、あれは体力回復してるんだな。
「虎丸、そいつ食えよ。」
虎丸はその言葉にチラッとこちらを見て、一気に腹部に噛み付いた。
虎丸、よっぽどお腹空いてたんだろうな。
だが、いつもと違い、尻尾は体にくっつくように垂れていた。
そんな虎丸を見ながら、大体の現在地を推測した。
森をショートカットするはずが大分、予想経路から外れた場所に出てしまっているのは間違いない。
辺りは段々と暗くなってきていたので、下手に動くより、明日の朝になるまで滞在する事にした。
虎丸は相変わらず元気がない。
たまに話しかけても、上の空の返事しか返ってこない。
心の何処かでご飯を食えば、元気になると思ってた甘い考えがあった。
仕方なく、しばらく虎丸を1人にしておく事にした。
流石にこの草原に強いモンスターは居ないだろうと願いながら。
少し離れた場所で火をおこし、少し横になる事にした。
0
あなたにおすすめの小説
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる