転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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武者修行

虎丸、落ち込む

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何とか生命の危機を免れたが、この場を一刻も早く離れなければ、戻ってきたら、間違いなく朽ち果てるしかない。
息も絶え絶えの虎丸を見ながら……。
「虎丸、動けるか?」
虎丸は返事も出来ないようで、弱弱しく首を縦に動かした。
だが、虎丸は動こうとしなかった。
動けないのかと、微々たるものかもしれないが、治癒魔法をかけたが……。
虎丸は大蛇が居なくなった方を見つめていた。
虎丸の背中を撫でながら。
「強かったな、全く歯が立たない程に。」
虎丸は上を見上げ、必死に涙をこらえていた。
「強くなろうな、いつか勝てる様に。」
そんなシリアスを装おうとした瞬間。
ギュルルルル…………
虎丸のお腹が鳴った。
「さて、飯でも食いに行くか。」
虎丸はトボトボとついてきた。
とりあえず森を一旦出て、森から離れたが、周りは平原が広がっており、街まで行くには……それなりの時間がかかりそうだ。
って言うより、何処に居るのか把握するのには時間がかかりそうだ。
だが、無防備にこんな所に立っているが、モンスターにとっては深手を負った俺らって、いいカモにしか見えないよな。
虎丸は立ち止まったオレを見て、そこで力なく伏せた。
草の陰から何かがこちらに向かって、突進してきた。
その正体は愚猪ナルボア
図体はデカいが、基本策を講じたりはしない本能でのみ動く種類だ。
…虎丸はチラリと見たが、動こうとはしない。
一人で何とかするしかないと、剣を抜き、構えた。
だが、こちらには来ずに恐怖で動けなくなったと思ったのか、虎丸へ向かっていき、飛びかかった。
流石に今の虎丸ではヤバいと思い、庇おうと向かった。


余計な心配でした。
伏せた姿勢から虎丸は地面を蹴り、低い姿勢のまま、愚猪の顎に突進し、一撃で倒すと。
残った一匹もいつもと違い、首に噛み付き、ローリングし始めた。
回転する度に回りに飛び散り、真っ赤に染まっていった。
その一部は虎丸から流れ出る血であった。
そんな虎丸を見ながら、失神した一匹を捌いていく。
虎丸はしばらくローリングしていたが、気が済んだのか……それとも愚猪の喉が引きちぎれたのか、愚猪を草原に放り出し、また伏せた。
多分、あれは体力回復してるんだな。
「虎丸、そいつ食えよ。」
虎丸はその言葉にチラッとこちらを見て、一気に腹部に噛み付いた。
虎丸、よっぽどお腹空いてたんだろうな。

だが、いつもと違い、尻尾は体にくっつくように垂れていた。

そんな虎丸を見ながら、大体の現在地を推測した。
森をショートカットするはずが大分、予想経路から外れた場所に出てしまっているのは間違いない。
辺りは段々と暗くなってきていたので、下手に動くより、明日の朝になるまで滞在する事にした。
虎丸は相変わらず元気がない。
たまに話しかけても、上の空の返事しか返ってこない。

心の何処かでご飯を食えば、元気になると思ってた甘い考えがあった。
仕方なく、しばらく虎丸を1人にしておく事にした。
流石にこの草原に強いモンスターは居ないだろうと願いながら。
少し離れた場所で火をおこし、少し横になる事にした。
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