転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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交渉

当事者

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虎丸にとっては許すとか許さないとかはどうでもいいみたいだ。
それよりもお腹が空いたらしい。
だが、仮にも相手は国の代表として、こちらのかなり無茶苦茶な要望を真剣に検討してくれてるのに、虎丸と食事に行くからと席を外すのは……転生前は一応、社会人だったので非常識なのは分かっている。
だが、流石に虎丸の腹減ったアピールを無視するのも限界であろう。
契約は仮であって、破棄されないとは限らない。
その時、虎丸をどうにか抑える自信は………残念ながらナイ。
少し考えたが、いい案が浮かんだ。
ある人物を呼び、それを頼むと……いつもの様にめんどくさそうにしながらも、引き受けてくれた。
彼の立場上、この場の雰囲気で断る選択など最初から存在しなかったのだが。
虎丸に代わりに行ってくれる人が待ってると伝えると、誰かも聞かずに嬉しそうに尻尾をブンブンと振っていた。
虎丸が部屋を出ていくなり、フランがポツリとある一言を発した。
「……あれ、本当にケルベロスなのかな……。」
その一言は今までの交渉をぶち壊しかねない一言であった。
他の3人はフランの方を見て、言葉を発せられずにいた。
フランも声に出したつもりはなかったのだが、思わず出てしまった事に気付いた。
「……いゃ、あの……そのだな、年相応に少し能力が衰えてきてるのは仕方ない…だろ……。」
最後の方は声が小さくなりながらも、三人を見ていた。
「今更、違ってもトリトル卿の罪は重罪だったのも無実の罪で拘束してしまったのも事実。しかし、……主である貴殿なら、虎丸の正体が何か分かってるはず……教えて頂けぬか?」
シュラルはそう言いながら、こちらを見透かすように。
他の3人も知りたいらしく、こちらを見ていた。
「……虎丸の正体は言えません……ケルベロスか、それともただのヘルドックか……もしくは別の何かなのかは。」
「こっちはお前の条件を受け入れようとしてるのに、それ位教えてくれないのか?」
ダインは不服そうに机を叩いた。
「一つだけ答えるなら、虎丸はケルベロスではないですよ……多分。」
その一言で視線はフランへ注がれた。
「ケルベロスではないなら、この条件はあまりにも………。」
ロイドは代表らしく、切り出した。
「なら、今までの条件は無効でいいです。無実の罪で拘束されていた代償は我々の情報全てを非公開にして頂きたい。」
ロイドはあまりにもあっさりとした破棄の同意に驚きながら、代わりに提示された条件に。
「それだけで?」
ロイドは再度、確認した。
一瞬、フランが口を開きかけたが、止めた。
リョーが頷くと、ロイドは他の二人に意見を求めた。
「それ位なら、問題ないかと。」
「本当にそれでよろしいのなら。」
その条件を紙に書き、お互いの名を記入した。
フランはリョーを見ながら。
「…虎丸も黒きモノなのか?」
リョーは頷くと、フランは思わず笑みをこぼし。
「ワシとも取り引きしないか?」
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