転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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交渉

虎丸、散歩

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だが、直ぐに思い出す事になった。
急に頭に話しかける声がし始めた。
「ねぇ、主……今、何処?ご飯済んだけど、主居ないって言われたんだけど。もしかして、放置?ねぇ、ねぇ…放置されてる?」
直接、話しかけるとか出来るようになったらしい。
ルクードに少し出掛けて来ると告げると、ルクードも作業の為に鍛冶場に戻るらしい。
頭に直接話しかけてくる虎丸と合流すると、虎丸は尻尾をブンブンと振っていた。
「主、少し散歩しよ。運動不足だからさ。」
でも、何故か虎丸は一人で居たんだよな。
その事を深く考えているべきであった。

虎丸が言う通り、捕らわれてからは全く何も出来てない状態であった。
虎丸を引き連れて、近くの森へ向かった。
この辺に出てくる動物はレベルが低いが、逆にそっちの方が感覚を掴むには良いかなって。
だが、あまりにも手応えがなさ過ぎた。
数回戦ってみたが、ヒリヒリしたものはなく、作業に近かった。
それでもカラダを動かすと、それなりに疲れた。
売り物になりそうなモノを剥ぎ取ってると。
「主、分体……別にいいよ。悪い人じゃなさそうだし。」
虎丸はぼんやり月を見ながら、そう告げた。
月の光で見る虎丸は何となく神々しかった。
だが、虎丸は何故か、目に涙を溜めていた。
「虎丸?何かあったのか?」
虎丸は何も言わずに口を真一文字に閉じ、首をヨコに振った。
虎丸を撫でながら。
「言いたくないなら、聞かないよ。」
虎丸はこちらをチラッと見て、小さな声で。
「主、ボク………いつ大人になれるのかな?」
虎丸の言葉の意味が分からなかった。
話を聞くと、虎丸は食事に行った先でエール(酒の一種)を他の人達が美味しそうに飲んでるのを見て、飲みたくなり、頼んだらしいが…コドモには出せないと断られたらしい。
それで店を飛び出してきたらしい。

…………心配して、損した。
「大丈夫。虎丸だけじゃなくて、多分オレも断られるから。見た目、そんなに変わらないだろ。」
虎丸は目を潤ませて、こちらを見ている。

そら、たまには飲みたくなる瞬間もあるけど…酒は人にとんでもない失敗をさせるからな。
「そっか……主もダメなのか。じゃあ、いいや。」
虎丸は少し元気を取り戻したらしい。
「主、店戻ろうか?皆、待たせてるし。」

待たせてるのに、散歩(狩り)に連れてきたのか。

虎丸を連れて、店へ向かうと…そこには見事な酔っぱらいが居た。
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