9 / 230
修業
草原の先を目指す
しおりを挟む
翌日、いつもより早めに起き、あの草原を目指した。
今日はちゃんとショートソードを腰に携えてきた。
碁蟲が現れたが、あれだけ木剣では倒せなかったのに、ショートソードだと、外殻の繋ぎ目にサクッと入り、緑の体液が……。
仲間を呼ぶ間を与えずに倒したつもりだが、それでも十数匹くらいは現れただろう。
学んだ事は斬撃よりも刺突の方が早く倒せた。
まぁ、まだ片刃剣じゃなくて、両刃だから出来たんだが。
他にスライムが出るんだが、林と違い、緑なんだよな。
色以外の違いは速度が少し早い。
基本、這うから、それほど違わないんだが。
更にこいつ、分裂するんだよ。
個体が分裂するから、的が小さくなるので当たりづらくなるんだよな。
木剣と違い、ショートソードはサクッと敵を倒せるあまり、もう少し強い敵と戦ってみたくなった。
この草原の近くには森があり、その奥には湖がある。
レイに念入りに言われたのは。
「平原の向こうに広がってる森には近付かない方がいい。あそこはこの辺でも次元が違うから。」
レイが言うのに、わざわざ行く程、馬鹿じゃない。
二度と帰れなくなるかもしれないなんて危険を冒して、森に行くつもりはない。
森じゃなく、進むとしたら………街への街道だった。
街へ行くつもりはなかったが、新しいモンスターを探してみようかなって。
街道を進みながら、ほとんどすれ違う人に出会わなかった。
やっぱり田舎だから、こんな所に通るヤツなんて珍しいんだなって。
モンスターも思う以上に出なかった。
近くの川や泉で喉を潤しながら、街道を進んで行った。
あれ?太陽が真上を通り過ぎてる。
そして、小高い丘に到着した。
遠くに見えてきてしまった………村とは比べようがない頑強そうな門と石壁が。
ここからあそこまでがどの位は分からないが、街があるのは確認出来た。
ここから村へ帰るのと、街へ行くのどっちが近いんだろう?
そう思った理由は………多分、いや………間違いなく村へ帰るのは暗くなってしまう。
夜になれば、モンスターは強くなる。
実際、試した事はないんだが………こんな事なら、早く試しておくんだった。
しばらく、悩みながら………街に行っても、中へ入れてもらえなかったら辛いよなって。
村へ帰る決心をした。
帰り道はかなりのスピードで進んで行った。
太陽が沈む頃にはあの平原までわずかは距離まで戻ってこれていた。
だが、ショートソードを腰に差したまま、走るのは思う以上に疲れた。
ここまでで分かったのは、草原を越えて、街道に出ると、モンスターの出現率がガクッと下がる。
敵のレベルも草原と街道ではそれほど、差はないように感じた。
手こずったのは大烏かな。
鷹や鷲より大きくて、攻撃しようとしたら、空を舞い上がり、空中から拳大の石などを落としてきたり、急降下してきて、クチバシで突き刺そうと。
予め、空中の敵用に用意してたお手製の弓矢で迎え撃った。
しかじ素人のお手製では流石に決定的な効果は与えられなかった。だが、長時間、地面に降りずに飛び続けるのは苦手らしく、地面に何度も降りてきた。
弓は諦め、ショートソードで着地の瞬間を狙ってみた。
クリーンヒットとは言えなかったが、翼に当たったらしく、大烏はヒョコヒョコと地面を跳ねるのが精一杯になった。
そこで剣を収め、治癒魔法をかけた。
ほら、前の人生で烏は神の使いだって………。
大烏は小首をかしげながら、大空へ舞い上がって行った。
もちろん、攻撃などして来ずに飛び去った。
草原の手前でしばらく休憩をし、立ち上がろうとした時には既に辺りは暗くなっていた。
すいません、夜の草原を甘く見てました。
夜だから、強くなったとか以上に闇に隠れたモンスターは見つけにくく、普通に進むのにも神経をすり減らす必要があった。
何度かスライムに口を塞がれそうになりました。
恐るべし、夜。
何とか草原を抜け、林を越え………村へと戻ってこれた時はもうすっかり夜中でした。
翌日、起きたら昼過ぎでした。
それからしばらくは昼間に出かけ、夜に林~草原辺りをうろつくようにした。
夜なら、ビート一派に遭遇する事もなかったので。
だが、夜はともかく昼間はこの近隣では物足りなくなってきていた。
今日はちゃんとショートソードを腰に携えてきた。
碁蟲が現れたが、あれだけ木剣では倒せなかったのに、ショートソードだと、外殻の繋ぎ目にサクッと入り、緑の体液が……。
仲間を呼ぶ間を与えずに倒したつもりだが、それでも十数匹くらいは現れただろう。
学んだ事は斬撃よりも刺突の方が早く倒せた。
まぁ、まだ片刃剣じゃなくて、両刃だから出来たんだが。
他にスライムが出るんだが、林と違い、緑なんだよな。
色以外の違いは速度が少し早い。
基本、這うから、それほど違わないんだが。
更にこいつ、分裂するんだよ。
個体が分裂するから、的が小さくなるので当たりづらくなるんだよな。
木剣と違い、ショートソードはサクッと敵を倒せるあまり、もう少し強い敵と戦ってみたくなった。
この草原の近くには森があり、その奥には湖がある。
レイに念入りに言われたのは。
「平原の向こうに広がってる森には近付かない方がいい。あそこはこの辺でも次元が違うから。」
レイが言うのに、わざわざ行く程、馬鹿じゃない。
二度と帰れなくなるかもしれないなんて危険を冒して、森に行くつもりはない。
森じゃなく、進むとしたら………街への街道だった。
街へ行くつもりはなかったが、新しいモンスターを探してみようかなって。
街道を進みながら、ほとんどすれ違う人に出会わなかった。
やっぱり田舎だから、こんな所に通るヤツなんて珍しいんだなって。
モンスターも思う以上に出なかった。
近くの川や泉で喉を潤しながら、街道を進んで行った。
あれ?太陽が真上を通り過ぎてる。
そして、小高い丘に到着した。
遠くに見えてきてしまった………村とは比べようがない頑強そうな門と石壁が。
ここからあそこまでがどの位は分からないが、街があるのは確認出来た。
ここから村へ帰るのと、街へ行くのどっちが近いんだろう?
そう思った理由は………多分、いや………間違いなく村へ帰るのは暗くなってしまう。
夜になれば、モンスターは強くなる。
実際、試した事はないんだが………こんな事なら、早く試しておくんだった。
しばらく、悩みながら………街に行っても、中へ入れてもらえなかったら辛いよなって。
村へ帰る決心をした。
帰り道はかなりのスピードで進んで行った。
太陽が沈む頃にはあの平原までわずかは距離まで戻ってこれていた。
だが、ショートソードを腰に差したまま、走るのは思う以上に疲れた。
ここまでで分かったのは、草原を越えて、街道に出ると、モンスターの出現率がガクッと下がる。
敵のレベルも草原と街道ではそれほど、差はないように感じた。
手こずったのは大烏かな。
鷹や鷲より大きくて、攻撃しようとしたら、空を舞い上がり、空中から拳大の石などを落としてきたり、急降下してきて、クチバシで突き刺そうと。
予め、空中の敵用に用意してたお手製の弓矢で迎え撃った。
しかじ素人のお手製では流石に決定的な効果は与えられなかった。だが、長時間、地面に降りずに飛び続けるのは苦手らしく、地面に何度も降りてきた。
弓は諦め、ショートソードで着地の瞬間を狙ってみた。
クリーンヒットとは言えなかったが、翼に当たったらしく、大烏はヒョコヒョコと地面を跳ねるのが精一杯になった。
そこで剣を収め、治癒魔法をかけた。
ほら、前の人生で烏は神の使いだって………。
大烏は小首をかしげながら、大空へ舞い上がって行った。
もちろん、攻撃などして来ずに飛び去った。
草原の手前でしばらく休憩をし、立ち上がろうとした時には既に辺りは暗くなっていた。
すいません、夜の草原を甘く見てました。
夜だから、強くなったとか以上に闇に隠れたモンスターは見つけにくく、普通に進むのにも神経をすり減らす必要があった。
何度かスライムに口を塞がれそうになりました。
恐るべし、夜。
何とか草原を抜け、林を越え………村へと戻ってこれた時はもうすっかり夜中でした。
翌日、起きたら昼過ぎでした。
それからしばらくは昼間に出かけ、夜に林~草原辺りをうろつくようにした。
夜なら、ビート一派に遭遇する事もなかったので。
だが、夜はともかく昼間はこの近隣では物足りなくなってきていた。
0
あなたにおすすめの小説
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる