出来損ないの召喚魔法

ウツ。

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カルと使い魔

系統

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「そういえばハクガって何系統の悪魔なの?戦ってる時いろんな系統の魔法使っているように見えたけど」
系統とは火や水など、その人自身が最も得意とする魔法の種類を指す。ちなみに私は…まだない。
ミレーナはたいていの魔法が使えるが、高度なものは火を使う魔法のため火系統だと見える。クレナもミレーナと同じ火系統だろう。
使い魔の系統は主人と同じ傾向があると授業で教わったが、系統がない私の場合、同じ以前の問題だ。
「俺に系統はない」
「でもいろんな高度魔法使ってたよね?」
その中には私がまだ習っていないものも複数あった。
「ああ、それは悪魔族特有のものなんだ」
そう言って、ハクガは手に一つの結晶を出現させた。それは青く輝きながら回転を繰り返している。そしてハクガはその結晶を戦闘でやったように握り壊した。すると結晶となり変わるようにハクガの手先には小さく簡単な水魔法の魔法陣が出現した。
「アラミスト」
ハクガが呪文を唱えると、霧のように小さな水の粒が小範囲内に降り注いだ。
「悪魔族が強い魔力を持っているのはさっき先生に聞いたな?高度魔法が多く使えるの理由はそれが一つ。そしてもう一つは魔力放出の仕方だ。カルたち魔法使いは杖を媒体にし、そこに自分の魔力を送り込んで魔法を発動するだろ。しかし俺たち悪魔族の媒体は杖ではなくあの結晶なんだ。あの結晶の中に自分の魔力を溜め込み、魔法陣を書いておく。そうすれば結晶を壊すだけで魔法が瞬時に発動する。カルたちと違って魔力をその場で送りこむのではなく、あらかじめためておくんだ。だから高度な魔法も瞬時に魔力を送る必要がないため、多くの種類を同時に使うことができる。呪文は自然と覚えるしな」
「自然に覚えるって?」
「あ…ああ、それはただ単に魔界では争いが絶えないだけだよ。特に悪魔族と天使族のね。天使族は魔界では一番強いと言われる種族だから、高度魔法も嫌でも覚えてしまうんだよ」
ハクガは静かに目を伏せた。その影は寂しげだった。きっと辛いことも多かったのだろう。
「俺実はな…」
ハクガが再び口を開いたとき、扉がノックされた。まさかまたミレーナじゃないだろうなと思いながら扉を開けると、そこに立っていたのは実戦術学の先生だった。
「カル、校長からの呼び出しです。すぐに校長室へ行くように」
「あ、はい。わかりました。すぐ行きます」
先生はそれだけ告げると何も言わずに去っていった。私は何かお説教かと小さく身震いする。
「ハクガ、そうらしいからちょっと行ってくる。さっき言いかけたこと後で聞くから待ってて」
「あ、いや、そんな大した話じゃないから別にいいよ」
「そう?ごめんね。じゃあ行ってくるよ」
私はまるで何かを隠すようにごまかしたハクガに疑問を感じながらそっと部屋を後にした。
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