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私のジェイドという名前は、イングリッシュネームで、中国名は「于欣怡」という。
香港では多くの人がイングリッシュネームを持っていて、学校の英語の授業で教師からつけてもらったりする。私の中国名は母さんぐらいしか呼ばない。友人達は皆、私をジェイドと呼んでいる。
なので、私がサイファで働いている時に、突然中国名で電話がかかってきた時は少し驚いた。母さんから電話がかかってきたのかと思ったくらいだった。
だけどそれは病院からだった。
電話の奥から、医師が固い声でこう言った。「母さんが倒れた」と。
私は急遽仕事を切り上げ、心臓が止まりそうになりながらも病院に駆け込んだ。
母さんは病室で点滴を打たれて眠っていた。とても顔色が悪く、疲れて見えた。
母さんは無理をしていたのだろう。体調が悪いのに、ずっと無理して働いていて、倒れてしまったのだ。母さんの寝顔を見つめながら、目頭が熱くなってくるのを感じた。
・・・もっと頑張らなければいけない。もっと働いて、母さんをゆっくり休ませてあげたい。そのためにはもっと稼がなければならない。
母さんが倒れてしまった今、私自身しか頼れる人はいないのだから。
私は早速次の日、サイファのオーナー、ホウさんに相談した。私は5台あるお客様用の丸テーブル5台を拭きながら、ホウさんがなんと答えるか待っていた。サイファはこじんまりとしたバーなので、カウンターと5台の小さめの丸テーブルを置けば、店内はいっぱいになってしまう感じの広さだ。ホウさんはカウンターでグラスを拭きながら、考えているようだった。オーナーは、私が仕事を掛け持ちすることにあまり賛成ではないような表情だった。
「う~ん、、、。仕事を紹介してやれないことはないんだけれどもね。ジェイドは多分倒れてしまうよ。今でさえ遅 くまで働いているのに、さらに仕事を増やすということだろう?」
「、、、はい、そうです。でも、私が働かなければ母さんの入院費が払えなくて、、、」
私は、テーブルを拭く手を止め、ふきんを握りしめた。
オーナーは、そんな私の様子を見て黙り込んだ。
「、、、わかった。九龍城の魚肉団子工場で人手が足りないと聞いているから、ちょっと聞いてみるよ。ただ、決して無理はしないこと。君が無理することはお母さんも決して望んではいないと思うから。」
「ありがとうございます!ここのお仕事も頑張りますから!」
私は腕を捲って、サイファのお客様用のテーブルをまた拭き始めた。
こうして、オーナーは魚肉団子工場で働き口を紹介してくれ、私はバーと工場の掛け持ちをすることとなった。自分でもなかなかハードスケジュールだと思う。通常だとバーで16時から11時までの勤務だが、その前の午後12時から16時まで、九龍城内の魚肉団子工場で勤務だ。そうでもしないと、入院費は稼げない。
やるしかないのだ。
魚肉団子工場での初日、私は魚肉団子工場のオーナー、ラウさんから魚肉団子の作り方を教えてもらうこととなった。作る前に、工場用のエプロンと手袋を身に着ける。長い髪は、結んでおいた。
ラウさんは、でっぷりとしたお腹が出ている体型をして、豪快に笑う50代くらいの男性だった。ラウさんは、タバコを吸いながら早口で私に説明をした。
「いいかい?作り方は単純。魚をすり身にして、調味料を入れ、丸めて形にする。それを大量に作るんだ。名前は?ジェイドっていうのか。九龍城で作られた団子は、香港のほとんどのレストランに供給されているんだ。頑張ってな!」
団子工場内は小さな部屋に所狭しと団子が並べられている。団子を作る台が3つほど並べられていて、従業員が忙しそうに団子を作っていた。従業員はラウさんを含めてラウさんの奥さんと若い男性の3人だった。
確かに、すり身団子を作る作業は単純だ。だけど、何百個とすり身団子を作ると手と肩がひどく疲れる。
その後サイファでの仕事をすると、仕事が終わる時間になる頃には体が疲労で悲鳴をあげそうだった。こんな働き方をしていて体がもつのだろうか。自分でも疑ってしまう。
魚肉団子を作り始めて3日目の日。私が団子を捏ねていると、キョンと仲間のヤンがみかじめ料を徴収しに工場を訪れていた。
ラウさんとキョンは何か話していた。私が団子を作る手を動かしながらその様子を見つめていると、キョンが私の存在に気づいた。
「お前、、、ここで何してんだ?」
キョンが驚いた顔でこっちに歩み寄ってきた。私は、目を合わせずに団子作りの手を忙しなく動かした。
「ここでも働かせてもらっているんです!美味しいですよ、ここの魚肉団子」
キョンは一瞬ポカンとした間があった後、おかしそうに笑った。
「おまえ、、、本当に九龍城で働くのが好きなんだな。しかも団子工場とは。面白い奴だな」
仲間のヤンも興味津々で近寄ってきた。
「ジェイドさん!こんなところで何やってるんですか?バーと掛け持ち?工場のエプロン姿も似合いますね」
私は団子を捏ねる手を止め、ため息をついた。
「ちょっと母さんが倒れて、、、、。お金が必要で」
暗い表情が表に出ていたのか、キョンは笑うのをやめた。
「入院してんのか、母親」
「はい、、。当分入院しなければならないらしくて、、、」
「どこの病院だ?」
「〇〇病院、、、」
キョンは「そうか、、。」と呟くとヤンに行くように顎で合図し、工場を出ていった。
オーナーが、足早にと近寄ってて叫んだ。
「団子急いで300個作ってくれ!今夜の納品する分に追加で注文が入った」
私は慌てて作る手を動かした。
動かしながら、私は先ほどのキョンとの事を思い出していた。
最近、よくキョンと会うことが多い。まあいい、わたしには関係ない。今は自分の事に集中しなければならない。なるべく関わらないようにしよう。アニタさんも言っていた、あえて関わる必要はないと。
私はそう決め、団子作りに集中した。
あっという間に16時になり、工場での仕事は終わった。次の仕事場のバーに行く時間なので、準備をする。ワンピースに着替えて、念の為自分の身体に魚の匂いがついていないかチェックする。
、、、魚臭くはなっていないようだった。
サイファは1階なので、地下の工場から上がらなければならない。薄暗い階段を気をつけて上がる。サイファに入ろうとすると、後ろから私を呼ぶ声がした。
「おい、待てよ」
途端に身体に緊張が走り、あの日のことがフラッシュバックした。
・・・声でわかる。ミンだ。私にまた何かしようとするのか。怖がっているのを悟られないようにしなければならない。平常心を装って平気なふりをしよう。
後ろを振り向かずに、そのままサイファの中に入ろうとすると、ミンは駆け寄ってきて、サイファの入口を塞ぐように立ち憚った。
「、、、どいてください」
目を合わさずに、呟くように私は言った。
オーナーは店の中にいる。何かされたら助けてくれる距離だ。ミンとの距離は近い。彼の息遣いが聞こえるくらいだ。私は、ゆっくりと顔をあげてミンと目を合わせた。
ミンはいつもの薄笑いを浮かべながら、こう言った。
「ちょっと待てよ。お前にいい話持ってきたんだ」
「、、、なんですか。こっちはこれから仕事なんですが」
「お前さ、金が必要なんだってな。母親が倒れて大変だろ?」
心臓が飛び出そうになった。なぜ、そのことを知っているのか。
ミンはさらに続ける。
「、、、仕事を2つも掛け持ちして、大変だな。もっと簡単に稼げる方法を教えてやるよ。お前みたいな美人ならそれ自体が商品になるだろうが。俺らの経営している店で働かないか?」
13Kや新義はビジネスとして、九龍城内で売春宿も経営している。城内に数店舗の売春宿があるのは知っていた。おそらくミンはそのことを言っている。
私は目を逸らさずに、キッパリと答えた。
「結構です。私は今の方法でお金を稼ぎます。お引き取りください」
「いいのか?2つ掛け持ちしても、結構入院費高いだろ。そんな効率悪い働き方してたら、身体壊すぞ。強情張らずに考え方を変えた方がいいぜ。いつでも待ってるからな」
ミンはそういい、九龍城の奥に消えていった。
私は震えていた。黙ったままサイファの入口のドアを開け、店の中に入った。オーナーはそんな様子の私に気づき、心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫か、ジェイド。何かあったのか?」
「、、、いえ、大丈夫です。」
オーナーは、この前私がミンにされたことは知らない。、、、言いたくなかった。心配かけたくはないし、早く忘れたかった。
九龍城の売春宿で働いたら、確かに、2つ掛け持ちするより効率がいいだろう。でも身体を売るなんてゾッとする。そんなこと死んでもやらない。私は真っ当に稼ぐしかない。
サイファの洗面所に入った。鏡をみると、疲れた顔の自分が映っていた。
香港では多くの人がイングリッシュネームを持っていて、学校の英語の授業で教師からつけてもらったりする。私の中国名は母さんぐらいしか呼ばない。友人達は皆、私をジェイドと呼んでいる。
なので、私がサイファで働いている時に、突然中国名で電話がかかってきた時は少し驚いた。母さんから電話がかかってきたのかと思ったくらいだった。
だけどそれは病院からだった。
電話の奥から、医師が固い声でこう言った。「母さんが倒れた」と。
私は急遽仕事を切り上げ、心臓が止まりそうになりながらも病院に駆け込んだ。
母さんは病室で点滴を打たれて眠っていた。とても顔色が悪く、疲れて見えた。
母さんは無理をしていたのだろう。体調が悪いのに、ずっと無理して働いていて、倒れてしまったのだ。母さんの寝顔を見つめながら、目頭が熱くなってくるのを感じた。
・・・もっと頑張らなければいけない。もっと働いて、母さんをゆっくり休ませてあげたい。そのためにはもっと稼がなければならない。
母さんが倒れてしまった今、私自身しか頼れる人はいないのだから。
私は早速次の日、サイファのオーナー、ホウさんに相談した。私は5台あるお客様用の丸テーブル5台を拭きながら、ホウさんがなんと答えるか待っていた。サイファはこじんまりとしたバーなので、カウンターと5台の小さめの丸テーブルを置けば、店内はいっぱいになってしまう感じの広さだ。ホウさんはカウンターでグラスを拭きながら、考えているようだった。オーナーは、私が仕事を掛け持ちすることにあまり賛成ではないような表情だった。
「う~ん、、、。仕事を紹介してやれないことはないんだけれどもね。ジェイドは多分倒れてしまうよ。今でさえ遅 くまで働いているのに、さらに仕事を増やすということだろう?」
「、、、はい、そうです。でも、私が働かなければ母さんの入院費が払えなくて、、、」
私は、テーブルを拭く手を止め、ふきんを握りしめた。
オーナーは、そんな私の様子を見て黙り込んだ。
「、、、わかった。九龍城の魚肉団子工場で人手が足りないと聞いているから、ちょっと聞いてみるよ。ただ、決して無理はしないこと。君が無理することはお母さんも決して望んではいないと思うから。」
「ありがとうございます!ここのお仕事も頑張りますから!」
私は腕を捲って、サイファのお客様用のテーブルをまた拭き始めた。
こうして、オーナーは魚肉団子工場で働き口を紹介してくれ、私はバーと工場の掛け持ちをすることとなった。自分でもなかなかハードスケジュールだと思う。通常だとバーで16時から11時までの勤務だが、その前の午後12時から16時まで、九龍城内の魚肉団子工場で勤務だ。そうでもしないと、入院費は稼げない。
やるしかないのだ。
魚肉団子工場での初日、私は魚肉団子工場のオーナー、ラウさんから魚肉団子の作り方を教えてもらうこととなった。作る前に、工場用のエプロンと手袋を身に着ける。長い髪は、結んでおいた。
ラウさんは、でっぷりとしたお腹が出ている体型をして、豪快に笑う50代くらいの男性だった。ラウさんは、タバコを吸いながら早口で私に説明をした。
「いいかい?作り方は単純。魚をすり身にして、調味料を入れ、丸めて形にする。それを大量に作るんだ。名前は?ジェイドっていうのか。九龍城で作られた団子は、香港のほとんどのレストランに供給されているんだ。頑張ってな!」
団子工場内は小さな部屋に所狭しと団子が並べられている。団子を作る台が3つほど並べられていて、従業員が忙しそうに団子を作っていた。従業員はラウさんを含めてラウさんの奥さんと若い男性の3人だった。
確かに、すり身団子を作る作業は単純だ。だけど、何百個とすり身団子を作ると手と肩がひどく疲れる。
その後サイファでの仕事をすると、仕事が終わる時間になる頃には体が疲労で悲鳴をあげそうだった。こんな働き方をしていて体がもつのだろうか。自分でも疑ってしまう。
魚肉団子を作り始めて3日目の日。私が団子を捏ねていると、キョンと仲間のヤンがみかじめ料を徴収しに工場を訪れていた。
ラウさんとキョンは何か話していた。私が団子を作る手を動かしながらその様子を見つめていると、キョンが私の存在に気づいた。
「お前、、、ここで何してんだ?」
キョンが驚いた顔でこっちに歩み寄ってきた。私は、目を合わせずに団子作りの手を忙しなく動かした。
「ここでも働かせてもらっているんです!美味しいですよ、ここの魚肉団子」
キョンは一瞬ポカンとした間があった後、おかしそうに笑った。
「おまえ、、、本当に九龍城で働くのが好きなんだな。しかも団子工場とは。面白い奴だな」
仲間のヤンも興味津々で近寄ってきた。
「ジェイドさん!こんなところで何やってるんですか?バーと掛け持ち?工場のエプロン姿も似合いますね」
私は団子を捏ねる手を止め、ため息をついた。
「ちょっと母さんが倒れて、、、、。お金が必要で」
暗い表情が表に出ていたのか、キョンは笑うのをやめた。
「入院してんのか、母親」
「はい、、。当分入院しなければならないらしくて、、、」
「どこの病院だ?」
「〇〇病院、、、」
キョンは「そうか、、。」と呟くとヤンに行くように顎で合図し、工場を出ていった。
オーナーが、足早にと近寄ってて叫んだ。
「団子急いで300個作ってくれ!今夜の納品する分に追加で注文が入った」
私は慌てて作る手を動かした。
動かしながら、私は先ほどのキョンとの事を思い出していた。
最近、よくキョンと会うことが多い。まあいい、わたしには関係ない。今は自分の事に集中しなければならない。なるべく関わらないようにしよう。アニタさんも言っていた、あえて関わる必要はないと。
私はそう決め、団子作りに集中した。
あっという間に16時になり、工場での仕事は終わった。次の仕事場のバーに行く時間なので、準備をする。ワンピースに着替えて、念の為自分の身体に魚の匂いがついていないかチェックする。
、、、魚臭くはなっていないようだった。
サイファは1階なので、地下の工場から上がらなければならない。薄暗い階段を気をつけて上がる。サイファに入ろうとすると、後ろから私を呼ぶ声がした。
「おい、待てよ」
途端に身体に緊張が走り、あの日のことがフラッシュバックした。
・・・声でわかる。ミンだ。私にまた何かしようとするのか。怖がっているのを悟られないようにしなければならない。平常心を装って平気なふりをしよう。
後ろを振り向かずに、そのままサイファの中に入ろうとすると、ミンは駆け寄ってきて、サイファの入口を塞ぐように立ち憚った。
「、、、どいてください」
目を合わさずに、呟くように私は言った。
オーナーは店の中にいる。何かされたら助けてくれる距離だ。ミンとの距離は近い。彼の息遣いが聞こえるくらいだ。私は、ゆっくりと顔をあげてミンと目を合わせた。
ミンはいつもの薄笑いを浮かべながら、こう言った。
「ちょっと待てよ。お前にいい話持ってきたんだ」
「、、、なんですか。こっちはこれから仕事なんですが」
「お前さ、金が必要なんだってな。母親が倒れて大変だろ?」
心臓が飛び出そうになった。なぜ、そのことを知っているのか。
ミンはさらに続ける。
「、、、仕事を2つも掛け持ちして、大変だな。もっと簡単に稼げる方法を教えてやるよ。お前みたいな美人ならそれ自体が商品になるだろうが。俺らの経営している店で働かないか?」
13Kや新義はビジネスとして、九龍城内で売春宿も経営している。城内に数店舗の売春宿があるのは知っていた。おそらくミンはそのことを言っている。
私は目を逸らさずに、キッパリと答えた。
「結構です。私は今の方法でお金を稼ぎます。お引き取りください」
「いいのか?2つ掛け持ちしても、結構入院費高いだろ。そんな効率悪い働き方してたら、身体壊すぞ。強情張らずに考え方を変えた方がいいぜ。いつでも待ってるからな」
ミンはそういい、九龍城の奥に消えていった。
私は震えていた。黙ったままサイファの入口のドアを開け、店の中に入った。オーナーはそんな様子の私に気づき、心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫か、ジェイド。何かあったのか?」
「、、、いえ、大丈夫です。」
オーナーは、この前私がミンにされたことは知らない。、、、言いたくなかった。心配かけたくはないし、早く忘れたかった。
九龍城の売春宿で働いたら、確かに、2つ掛け持ちするより効率がいいだろう。でも身体を売るなんてゾッとする。そんなこと死んでもやらない。私は真っ当に稼ぐしかない。
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