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第三章 フェンリルと獣人
第48話 正式な奴隷契約
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昼過ぎにみんなで、ビッグハムの奴隷商会で待ち合わせをしている。
奴隷商会に近づいたとたん、「くん!」という鳴き声が聞こえ、何かが凄まじい速さで俺に向かって飛び込んできた。
「くううううううううんんん!!!」と、最後に大ジャンプをして、俺の懐に飛び込んできた。衝撃を和らげながら飛び込んでくる、器用で気配りができるフェンリル様だ。
「コロ、ごめんな。寂しい思いをさせて」
俺の顔中をペロペロと舐めまわし、自分の頬をすりつけてきた。
クラリスはそんなコロの様子を見て、「主様はああいうプレイがお好きなようですね。心の手帳に書き留めておかないと」と呟いた。
メルは「いいなぁコロちゃん...。私も今晩、ああやってご主人様に甘えてみようみようかなぁ...」と、ぼーと俺の方を見ている。
今晩、二匹の獣に襲われそうだ...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
奴隷商会に入ると、ロジンやモリジンが待っていた。俺の名前を出した様で、ソファーに座り、お茶とお菓子を頂いている様だ。
ビッグハムは、ロジンやモリジンに対して特別な待遇を提供している。俺の知人であることやメルの件もあって、特に気を使っているのだろう。
俺が商会に到着するや否や、ビッグハムは慌てて駆けつけ、肩を上下に揺らしながら「こ、これはこれは智也様...」と息を乱しながら出迎えてくれた。
その体型で走り回ると、膝を痛めるぞ、ビッグハム...。
「これはこれは、智也様、お待ちしておりました。この獣人の方々からお話を伺いしました。この方たちと正式な奴隷契約を結ばれるのですね。お怒りにならないで頂きたいのですが、一応確認させて下さい。払い下げも可能です。私たちが引き取ることもできますが、いかがなさいますか?」
ビッグハムは、おそらく払い下げは無いと思いつつも、手に余るようであれば、現金に換えることも可能だと教えてくれたのだろう。
豚族のみんなが心配そうに俺を見る。「心配無用だ。ビッグハム。俺の奴隷としての正式契約をお願いしたい。そして、メルやクラリスと同じように、その重い首輪も良質なものに変えてあげたい。彼らに好きなものを選ばしてあげてくれ。もちろん料金は俺が全員分支払う」
そう、俺がビッグハムに伝えると、豚族のみんなは安堵と喜びの表情を浮かべた。そして、彼らは俺に対して深く頭を下げた。
その後、手続きを進めて、モリジンたちは正式に俺の奴隷となった。彼らはためらいつつも、メルとクラリスの助言を受け入れ、軽い革製の奴隷の首輪に変更した。
「とりあえず、今日は歓迎会を開く予定だ。明日から3日間は村に帰ってくるんだ。これは命令だ。そしてこれを持って行くんだ」と俺は言い、ロジンに頼んでおいたマジックポーチを渡した。
「そ、そんな。我々はもう村には帰れないと思っておりました!そして宜しいのでしょうか?マジックポーチなんて我々は奴隷ですよ!こんな高級なものを預けられるなんて!」
彼らは驚きのあまり、何度もマジックポーチと俺を見返した。
俺が中身を確認するように促すと、モリジンが代表してマジックポーチの中を確認した。
「こ、これは!」
「たくさんの野菜やソルガム、麦、ジャガイモが入っています!それに肉や魚も!さらにジュースやお酒、お菓子まで!」
「そのポーチは自分たちの村に置いてくるんだ。また必要になったら食べ物を補充するから。時間停止機能付きだから、食料品が腐ることも無いだろう。堂々と村に帰って3日後にまた戻って来て欲しい。「ひと月に一度、村に帰ることを認めるからね」
「だ、だんなさま~」
そう言って3人は、俺の前で跪き、大声をあげて泣きだしてしまった。
「すまないな、ビッグハム。奴隷商会で騒がしくして」
ビッグハムに頭を下げた。
その一部始終を見ていたビッグハムは、「本当に智也様は不思議なお方ですね。全ての人族が智也様のようなお考えを持っていたら、世界はもっと平和なのかもしれません」と、うっとりとした表情で俺を称賛した。
ビッグハム...本当にいいひとキャラに変わったな。最初に会った時はメルに罵声と蹴りを食らわせていたのに...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
さあ、契約も終わったし歓迎会だ!
「無事に契約も終わった。とりあえず「マリナのお店」に行こうか?」と俺は、皆に聞こえるように言った。
「おー!」
「やった!」
「くん!」
「ご主人様!沢山食べていいですか?」
「もちろんだメル!沢山食べてくれ。俺は沢山食べる女性が大好きだ!」
「じゃあ、たくさん食べます!嬉しいです!」
メルもニコニコだ。メルやクラリスにフードやお面を付けさせていない。俺の傍に居れば何にも言われないし、特別な奴隷の首輪を見れば手出しはしてこない。逆に妬まれるほどだ。
ただ...。
賑やかで楽しい雰囲気の中、智也はまだ知らない。これから彼を待っているのは、新たな出会いの数々だということに...。
これで第三章を終え、第四章に進みますが、少しペースダウンすることをご理解下さい。引き続きご愛読頂けますと幸いです。
奴隷商会に近づいたとたん、「くん!」という鳴き声が聞こえ、何かが凄まじい速さで俺に向かって飛び込んできた。
「くううううううううんんん!!!」と、最後に大ジャンプをして、俺の懐に飛び込んできた。衝撃を和らげながら飛び込んでくる、器用で気配りができるフェンリル様だ。
「コロ、ごめんな。寂しい思いをさせて」
俺の顔中をペロペロと舐めまわし、自分の頬をすりつけてきた。
クラリスはそんなコロの様子を見て、「主様はああいうプレイがお好きなようですね。心の手帳に書き留めておかないと」と呟いた。
メルは「いいなぁコロちゃん...。私も今晩、ああやってご主人様に甘えてみようみようかなぁ...」と、ぼーと俺の方を見ている。
今晩、二匹の獣に襲われそうだ...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
奴隷商会に入ると、ロジンやモリジンが待っていた。俺の名前を出した様で、ソファーに座り、お茶とお菓子を頂いている様だ。
ビッグハムは、ロジンやモリジンに対して特別な待遇を提供している。俺の知人であることやメルの件もあって、特に気を使っているのだろう。
俺が商会に到着するや否や、ビッグハムは慌てて駆けつけ、肩を上下に揺らしながら「こ、これはこれは智也様...」と息を乱しながら出迎えてくれた。
その体型で走り回ると、膝を痛めるぞ、ビッグハム...。
「これはこれは、智也様、お待ちしておりました。この獣人の方々からお話を伺いしました。この方たちと正式な奴隷契約を結ばれるのですね。お怒りにならないで頂きたいのですが、一応確認させて下さい。払い下げも可能です。私たちが引き取ることもできますが、いかがなさいますか?」
ビッグハムは、おそらく払い下げは無いと思いつつも、手に余るようであれば、現金に換えることも可能だと教えてくれたのだろう。
豚族のみんなが心配そうに俺を見る。「心配無用だ。ビッグハム。俺の奴隷としての正式契約をお願いしたい。そして、メルやクラリスと同じように、その重い首輪も良質なものに変えてあげたい。彼らに好きなものを選ばしてあげてくれ。もちろん料金は俺が全員分支払う」
そう、俺がビッグハムに伝えると、豚族のみんなは安堵と喜びの表情を浮かべた。そして、彼らは俺に対して深く頭を下げた。
その後、手続きを進めて、モリジンたちは正式に俺の奴隷となった。彼らはためらいつつも、メルとクラリスの助言を受け入れ、軽い革製の奴隷の首輪に変更した。
「とりあえず、今日は歓迎会を開く予定だ。明日から3日間は村に帰ってくるんだ。これは命令だ。そしてこれを持って行くんだ」と俺は言い、ロジンに頼んでおいたマジックポーチを渡した。
「そ、そんな。我々はもう村には帰れないと思っておりました!そして宜しいのでしょうか?マジックポーチなんて我々は奴隷ですよ!こんな高級なものを預けられるなんて!」
彼らは驚きのあまり、何度もマジックポーチと俺を見返した。
俺が中身を確認するように促すと、モリジンが代表してマジックポーチの中を確認した。
「こ、これは!」
「たくさんの野菜やソルガム、麦、ジャガイモが入っています!それに肉や魚も!さらにジュースやお酒、お菓子まで!」
「そのポーチは自分たちの村に置いてくるんだ。また必要になったら食べ物を補充するから。時間停止機能付きだから、食料品が腐ることも無いだろう。堂々と村に帰って3日後にまた戻って来て欲しい。「ひと月に一度、村に帰ることを認めるからね」
「だ、だんなさま~」
そう言って3人は、俺の前で跪き、大声をあげて泣きだしてしまった。
「すまないな、ビッグハム。奴隷商会で騒がしくして」
ビッグハムに頭を下げた。
その一部始終を見ていたビッグハムは、「本当に智也様は不思議なお方ですね。全ての人族が智也様のようなお考えを持っていたら、世界はもっと平和なのかもしれません」と、うっとりとした表情で俺を称賛した。
ビッグハム...本当にいいひとキャラに変わったな。最初に会った時はメルに罵声と蹴りを食らわせていたのに...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
さあ、契約も終わったし歓迎会だ!
「無事に契約も終わった。とりあえず「マリナのお店」に行こうか?」と俺は、皆に聞こえるように言った。
「おー!」
「やった!」
「くん!」
「ご主人様!沢山食べていいですか?」
「もちろんだメル!沢山食べてくれ。俺は沢山食べる女性が大好きだ!」
「じゃあ、たくさん食べます!嬉しいです!」
メルもニコニコだ。メルやクラリスにフードやお面を付けさせていない。俺の傍に居れば何にも言われないし、特別な奴隷の首輪を見れば手出しはしてこない。逆に妬まれるほどだ。
ただ...。
賑やかで楽しい雰囲気の中、智也はまだ知らない。これから彼を待っているのは、新たな出会いの数々だということに...。
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