キミの言霊は恋の色を描く

伊咲 汐恩

文字の大きさ
1 / 15

キミの言霊は恋の色を描く

しおりを挟む



あの日が来るまで

キミは景色の一部だった。




教室の窓から差し込む日差しを浴びながら本を開いて、

クラスメイトの誰とも喋らないまま、

自分の世界を楽しんでいるかのように見えていた。




でも、それは私の勝手な思い込み。




いま振り返れば、

置き去りにしてしまった青春を

胸の中に封じ込めていただけ。




ありのままの自分を見てほしかった。

なのに、傷つくのが怖くてブレーキをかけてしまっていた。




でも、それはマネキンの私も同じ。

残念系な部分も見てほしかったから……。






叶わないと知りつつ目標に突っ走ったのは、

キミと出会えたから。



辛い試練に立ち向かったのは、

キミが心を開いてくれたから。



よけいなお節介をしてしまったのは、

キミが悲しそうにしていたから。



”言霊”に明るい未来を託したのは、

キミの恋の色が見たかったから。





執筆開始 2025/2/17
完結 2025/2/27

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

先生の秘密はワインレッド

伊咲 汐恩
恋愛
大学4年生のみのりは高校の同窓会に参加した。目的は、想いを寄せていた担任の久保田先生に会う為。当時はフラれてしまったが、恋心は未だにあの時のまま。だが、ふとしたきっかけで先生の想いを知ってしまい…。 教師と生徒のドラマチックラブストーリー。 執筆開始 2025/5/28 完結 2025/5/30

香りが導くその先に

凛子
恋愛
その香りに包まれていると、あなたと繋がっているような気がして――

君の名を

凛子
恋愛
隙間風は嵐となる予感がした――

罪悪と愛情

暦海
恋愛
 地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。  だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜

葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在 一緒にいるのに 言えない言葉 すれ違い、通り過ぎる二人の想いは いつか重なるのだろうか… 心に秘めた想いを いつか伝えてもいいのだろうか… 遠回りする幼馴染二人の恋の行方は? 幼い頃からいつも一緒にいた 幼馴染の朱里と瑛。 瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、 朱里を遠ざけようとする。 そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて… ・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・ 栗田 朱里(21歳)… 大学生 桐生 瑛(21歳)… 大学生 桐生ホールディングス 御曹司

【完結】東京・金沢 恋慕情 ~サレ妻は御曹司に愛されて~

安里海
恋愛
佐藤沙羅(35歳)は結婚して13年になる専業主婦。 愛する夫の政志(38歳)と、12歳になる可愛い娘の美幸、家族3人で、小さな幸せを積み上げていく暮らしを専業主婦である紗羅は大切にしていた。 その幸せが来訪者に寄って壊される。 夫の政志が不倫をしていたのだ。 不安を持ちながら、自分の道を沙羅は歩み出す。 里帰りの最中、高校時代に付き合って居た高良慶太(35歳)と偶然再会する。再燃する恋心を止められず、沙羅は慶太と結ばれる。 バツイチになった沙羅とTAKARAグループの後継ぎの慶太の恋の行方は? 表紙は、自作です。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...