初コイ@進行中 〜忘れられない初恋相手が親友の彼氏になっていた〜

伊咲 汐恩

文字の大きさ
47 / 226
第三章

45.咲の彼氏の話題

しおりを挟む

✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼



「……でね、いかにもやり手風のキャリアウーマンが彼に『君はモデルに向いてるよ。ちょっと時間ある?』なんていきなり名刺を出してきたの。もー、ビックリしちゃったよ」

「うわぁ、凄いね。咲の彼氏ってよっぽどのイケメンなんだね」


「うん。ちょっと無愛想なんだけど、私にはもったいないくらい素敵な人」



  咲は今日も彼氏の事で頭がいっぱいで、晴天下の屋上ランチ中に自慢話。
  太陽光を浴びてるせいか、笑顔がより一層輝かしい。
  気分が弾んでいるせいか、聞いてる側も幸福度が伝わってくる。



  いいな……。
  3年間想い続けた人と付き合えるなんて。
  告白が断られてもくじけずにアタックし続けて、辛い時期を乗り越えて恋が実ったから苦労した甲斐があったね。

  でも、内容から彼氏がモデル並みのイケメンという事までは分かったけど、毎日話を聞かされていても情報量が少なくてさっぱりイメージが湧かない。

  咲があまりにもイケメンと繰り返すから、一度でいいから見てみたいな。



  普段なら話を聞いても幸せそうだなと思う程度。
  でも、あまりにも自慢するからふと興味が湧いた。

  スカウトされるほどのイケメンなら写真を見せてもらった方がイメージを膨らませやすいかもしれないね。
  だから、聞いた。



「そんなにイケメンなら彼の画像を見せてよ~。ツーショット写真とか撮ってるんでしょ」



  愛里紗はニヤケ眼でそう聞くと、咲の表情は曇る。



「……えっ」



  別に無理なお願いを言った訳じゃないし、困らせる気もない。
  それなのに、咲は笑顔を消失させて目線を逸らした。



「まだ付き合ったばかりだし写真は撮ってないの。ごめん」



  まるで1分前とは別人のような態度に。



  あれ……。
  一瞬嫌そうに見えたのは気のせい?
  でも、本当に嫌なら彼氏の話なんてしないか。
  それなら、差し支えのない質問に変えてみよっと。



「そうだよね。まだ付き合って日も浅いしね。ゴメン、ゴメン。……で、彼は何ていう名前だっけ。前に聞いたっけ?  忘れちゃった」

「えっ?!  あ……、え……ええっと、しっ……」


「うん。しっ?」

「……違う。今井くん」


「そう!  今井くんって言うんだ」

「う……、うん……」


「モデル風のイケメンの今井くん、早く見たいな~。写真を撮ったら絶対見せてね!」


「……わかった」



  彼氏の話題で再び盛り上がると思ったのに、咲は再び暗い表情に戻る。
  実はあまり詮索されたくないのかなぁ、なんて。

  歯切れが悪い返事に違和感を覚えたけど、その時はどうして中途半端な態度をとったのか分からなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

処理中です...