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1章-ウイルスバスター
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※※※※
尾行当日。
ターゲットは9時に秦野駅。
俺と綾乃はひと足早めに秦野駅に行かなくてはならない。
家から駅までは結構距離があるけど、
この辺は田舎だからバスが全然通ってない。
「どうする?綾乃?」
すると綾乃は『バカじゃないの?』というような目でこちらを見つめ、こう言った。
「風次さんに頼むに決まってるでしょ!」
風次さん。大滝風次さん。綾乃の隣の工務店の主人さんのことだ。
俺も綾乃も小さい頃からお世話になってる、心やさしいおじさんだ。
マスターとは正反対だ...
綾乃は大きく息を吸いこみ、叫んだ。
「ふーうじさーん!」
「はーいよ」
こんな朝早くて、しかも休日なのに風次さんは答えてくれる。
工務店のドアがガラガラっと開き、中から出て来る。
頭に白いタオルを巻いて、『これでしょ?』と、車のキーを指さす。
「さすが風次さん!」
そう言いながら、綾乃は軽トラの荷台に飛び乗った。
俺も追うよう軽トラの荷台に乗り、体制を整えた。
「今日はどこまで?」
風次さんは当たり前のように問いかけてきた。
「今日は、大磯駅まで!」
『よっしゃ』と言いながら思い切りアクセルを踏みこみ、すごいスピードで駅に向かった。
普通なら15分はかかる道のりをわずか5分足らずで来てしまった。
今日は休日と言っても土曜日。この時間は土曜出勤のサラリーマンや部活のある学生なんかで駅はいっぱいだった。
「ありがとう、風次さん」
風次さんは何も言わずただ右手を挙げて帰って行った。
「大磯から秦野に行くとなると、一旦小田原で乗り換えないとだな」
というのも、秦野駅に通っているのは小田急線1本。しかし、大磯からはJR1本しか出ていない為、両方が交わる小田原駅で乗り換えをしないといけない。
2分後、小田原に向かう下り電車が来た。
ぎゅうぎゅう詰めの電車に無理やり体をねじ込み、なんとか乗った。
大磯から小田原までは二宮、国府津、鴨宮、小田原と4駅分。約20分と言ったところだ。
※※※※
約20分後。
『間もなく、小田原、小田原、お出口は右側です。』
小田原到着のアナウンスが入る。
3駅通過したが、人が減るどころかむしろ増えて乗った時よりも圧が大きくなっていた。
プシュー。
ぴこんぴこん。
『小田原ー、小田原ー』
ドアが開いたと同時に人の波に流されるように外に出た。
ホームで電車の中ではぐれた綾乃と無事に合流し、小田急線の改札口へと向かった。
小田急線はJRとは違って、かなり空いていた。
偶然にも向かいたい方の電車が来ていたのでそのまま駆け込んだ。
綾乃も俺も、小さい頃から一緒にいて、お互いが居て当たり前の空気みたいな存在なもんだから、特別なにも話さず電車に揺られていた。
『秦野ー、秦野ー』
なにも話さず電車に乗っていたから、少々眠くなった。
この秦野駅はさっきも言った通り小田急1本。
ターゲットはほぼ確実に小田急の改札を通る。
そこで張ることにしよう。
只今の時刻は8:24。
もうすぐ、ターゲットがやって来る。
尾行当日。
ターゲットは9時に秦野駅。
俺と綾乃はひと足早めに秦野駅に行かなくてはならない。
家から駅までは結構距離があるけど、
この辺は田舎だからバスが全然通ってない。
「どうする?綾乃?」
すると綾乃は『バカじゃないの?』というような目でこちらを見つめ、こう言った。
「風次さんに頼むに決まってるでしょ!」
風次さん。大滝風次さん。綾乃の隣の工務店の主人さんのことだ。
俺も綾乃も小さい頃からお世話になってる、心やさしいおじさんだ。
マスターとは正反対だ...
綾乃は大きく息を吸いこみ、叫んだ。
「ふーうじさーん!」
「はーいよ」
こんな朝早くて、しかも休日なのに風次さんは答えてくれる。
工務店のドアがガラガラっと開き、中から出て来る。
頭に白いタオルを巻いて、『これでしょ?』と、車のキーを指さす。
「さすが風次さん!」
そう言いながら、綾乃は軽トラの荷台に飛び乗った。
俺も追うよう軽トラの荷台に乗り、体制を整えた。
「今日はどこまで?」
風次さんは当たり前のように問いかけてきた。
「今日は、大磯駅まで!」
『よっしゃ』と言いながら思い切りアクセルを踏みこみ、すごいスピードで駅に向かった。
普通なら15分はかかる道のりをわずか5分足らずで来てしまった。
今日は休日と言っても土曜日。この時間は土曜出勤のサラリーマンや部活のある学生なんかで駅はいっぱいだった。
「ありがとう、風次さん」
風次さんは何も言わずただ右手を挙げて帰って行った。
「大磯から秦野に行くとなると、一旦小田原で乗り換えないとだな」
というのも、秦野駅に通っているのは小田急線1本。しかし、大磯からはJR1本しか出ていない為、両方が交わる小田原駅で乗り換えをしないといけない。
2分後、小田原に向かう下り電車が来た。
ぎゅうぎゅう詰めの電車に無理やり体をねじ込み、なんとか乗った。
大磯から小田原までは二宮、国府津、鴨宮、小田原と4駅分。約20分と言ったところだ。
※※※※
約20分後。
『間もなく、小田原、小田原、お出口は右側です。』
小田原到着のアナウンスが入る。
3駅通過したが、人が減るどころかむしろ増えて乗った時よりも圧が大きくなっていた。
プシュー。
ぴこんぴこん。
『小田原ー、小田原ー』
ドアが開いたと同時に人の波に流されるように外に出た。
ホームで電車の中ではぐれた綾乃と無事に合流し、小田急線の改札口へと向かった。
小田急線はJRとは違って、かなり空いていた。
偶然にも向かいたい方の電車が来ていたのでそのまま駆け込んだ。
綾乃も俺も、小さい頃から一緒にいて、お互いが居て当たり前の空気みたいな存在なもんだから、特別なにも話さず電車に揺られていた。
『秦野ー、秦野ー』
なにも話さず電車に乗っていたから、少々眠くなった。
この秦野駅はさっきも言った通り小田急1本。
ターゲットはほぼ確実に小田急の改札を通る。
そこで張ることにしよう。
只今の時刻は8:24。
もうすぐ、ターゲットがやって来る。
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