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第122話 ジョードの夜 ~アグリサイド~
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転送転地の術の要となる陣を壊滅させた俺たちは、トルヴァルドさんがいる陣へと戻っていく。
その途中も、敵陣を見つけるとマリーやセバスチャンたちが次々と破壊していった。
「マリー、今回も魔法はダメですよ。
剣だけで倒しなさい」
「はーい、おとうさま」
「ここではその呼び方は止めなさい」
顔がきつくなるセバスチャンに対して、
マリーはいたずらな笑顔で返す。
「はーい、おとうさま」
それを見たシータは
「マリーの嬢ちゃんもいよいよ反抗期かな、はっはっはっはっは」
敵を殴りながら笑っていた。
三人は張り合うように次々と敵を倒していった。
当然、俺の出る幕はない。
まぁ、それはそれで楽ではあるのだが……
周りの様子を見る限り、ランボが崩壊したことを気に総崩れに近い状態になっていた。
そこへ追い打ちの三人。
抵抗もなくあっという間にやられていく。
正直、そこまでやらなくてもとは思うけど、敵は敵だし、そういう時に叩いておかないと。
ゾルダはゾルダで、もう酒のことで頭がいっぱいの様子だ。
ご機嫌になりながら
「珍しい酒が楽しみじゃのぅ」
と満面の笑みで浮かれていた。
ったく、酒には目がない元魔王だ。
そんなこんなで敵陣を破壊しつつ、陣まで戻ると、トルヴァルドが出迎えてくれた。
「ありがとう。助かったよ。
これで敵を撃退できたかな。
しかし、あんなデカい化け物が出てきたときは焦ったが……」
俺に手を差し伸ばし、がっちりと握手をしてきた。
「いえいえ、お役に立てたなら良かった」
「さすが、勇者様一行ってところだな。
防戦一方だったところを一気に形勢逆転だ」
「ここでお話した通りのことを行ったまでです。
作戦が上手くいったということでしょう」
「それも一か八かだったからな。
お前たちのおかげだよ」
トルヴァルドとの話が止まらない中、後ろからただならぬ気配を感じる。
さっと振り返ると、ゾルダが今にも俺を殺しそうな目でこちらを見ていた。
早く話を止めろってことか。
「こちらはここに来た目的のアスビモとは接触で来たものの、
逃げられてしまいました。
アスビモを追いかけたいので、ジョードで一晩泊まった後に、すぐに出立しようかと思います」
「そうかそうか。
一晩ジョードにおられるのであれば、ぜひもてなしをさせてくれ。
魔族を撃退していただけたお礼だ。
あいつ……じゃなかった……領主様もひっぱりだしますので」
もてなしの言葉に反応したゾルダが、トルヴァルドと俺の間に割って入ってきた。
「珍しい酒は出してくれるのかのぅ」
「珍しい酒?
珍しいかどうかはわからないが、ここらの酒だぞ。
まぁ、あまり他には出てないかもしれないがな」
「他に出てない酒か……
楽しみじゃのぅ」
ゾルダはその酒の想像をしているのか、心ここにあらずといった表情をしていた。
まぁ、それがゾルダらしいとゾルダらしいのだが……
当分の脅威もなくなったこともあり、急いで陣を引き払うことになった。
そしてそのまま、トルヴァルドの案内でジョードの城へ行くことになった。
城門まで着くと、トルヴァルドは、ここで待っていてくれと言い残して、城の中へ入っていった。
しばらくすると、トルヴァルドと共にひょろっとした青白い顔をした青年が出てきた。
「お待たせした。
こいつが、ここの領主のサイラスだ。
……っと、領主を紹介する言葉じゃないな。
ジョードの領主、サイラス様だ」
サイラスはトルヴァルドに紹介されると、ぴょこんとお辞儀をした。
「あの……さきほどは……大変申し訳なかった。
いろいろあって……」
ぼそぼそっと小さい声で喋るサイラス。
それにイラっとしたのかゾルダが
「あぁ、さっきはいろいろと世話になったのぅ。
世話になっておらんか……
何せ門前払いだったがのぅ」
少しドスを聞かせた声でサイラスに迫った。
サイラスはビクッとなり、トルヴァルドの後ろに隠れる。
「申し訳ないな。
いろいろと良くない方へ考えるきらいがあるし、話下手なところもある。
許してやってくれないか。
お詫びと撃退の祝いに城で宴席を用意すると言っているから」
トルヴァルドがサイラスの代弁をすると、後ろでサイラスはうなづいていた。
「し……仕方ないのぅ。
今回だけは許してあげるのじゃ」
「仕方ない?
どうせ、酒に釣られているだけだろう」
俺が嫌味っぽくそういうと、顔を真っ赤にしたゾルダが反論する。
「そんなことはないのじゃ!
お詫びを素直に受け取るだけじゃ!」
「はいはい」
「おぬし、またからかいおって……
ほら、行くぞ。
酒……じゃない宴が待っているしのぅ」
ゾルダは俺の背中を押して、サイラスやトルヴァルドの後を着いていくように促した。
宴席の間に到着すると、そこには俺の目には懐かしく感じる料理の数々が並んでいた。
刺身に、ごはんに、煮つけに……
いわゆる和食のオンパレードだった。
ゾルダたちもあまり見たことがない食事に目を輝かせていた。
「なんじゃ、これは?」
「見たことがない食事ばかりですわ」
「すごく美味そうですな」
そこにお酒が運び込まれると、ゾルダのテンションが一気に上がる。
「これが……珍しい酒か?」
「あぁ、この辺りで作られている作物から作られる酒だ」
トルヴァルドが説明をしているが、ゾルダは聞いていない。
出てくる酒を次から次へと飲み干していく。
「くぅーっ、うまいのぅ。
戦った後に飲む酒は格別じゃ」
「飲んでもいいとは言ったけど、加減しろよな、ゾルダ」
「大丈夫じゃ、きちんと加減しておるのじゃ」
「そうは見えないけど……」
「出されたものを残すは失礼なのじゃ。
だから飲んでおるのじゃ」
ひっきりなしに出てくる酒に満足しながら飲んでいるゾルダ。
もうここまでくると止められないな。
まぁ、でもジョードの危機はいったん去ったし、少しぐらい羽目をはずしてもいいのかな。
俺も久々の和食だし、食べないとな。
久しぶりというか、こっちに来てから初めての和食。
一口食べては、懐かしさを感じていた。
こうして勝利に沸くジョードの夜は更けていった。
その途中も、敵陣を見つけるとマリーやセバスチャンたちが次々と破壊していった。
「マリー、今回も魔法はダメですよ。
剣だけで倒しなさい」
「はーい、おとうさま」
「ここではその呼び方は止めなさい」
顔がきつくなるセバスチャンに対して、
マリーはいたずらな笑顔で返す。
「はーい、おとうさま」
それを見たシータは
「マリーの嬢ちゃんもいよいよ反抗期かな、はっはっはっはっは」
敵を殴りながら笑っていた。
三人は張り合うように次々と敵を倒していった。
当然、俺の出る幕はない。
まぁ、それはそれで楽ではあるのだが……
周りの様子を見る限り、ランボが崩壊したことを気に総崩れに近い状態になっていた。
そこへ追い打ちの三人。
抵抗もなくあっという間にやられていく。
正直、そこまでやらなくてもとは思うけど、敵は敵だし、そういう時に叩いておかないと。
ゾルダはゾルダで、もう酒のことで頭がいっぱいの様子だ。
ご機嫌になりながら
「珍しい酒が楽しみじゃのぅ」
と満面の笑みで浮かれていた。
ったく、酒には目がない元魔王だ。
そんなこんなで敵陣を破壊しつつ、陣まで戻ると、トルヴァルドが出迎えてくれた。
「ありがとう。助かったよ。
これで敵を撃退できたかな。
しかし、あんなデカい化け物が出てきたときは焦ったが……」
俺に手を差し伸ばし、がっちりと握手をしてきた。
「いえいえ、お役に立てたなら良かった」
「さすが、勇者様一行ってところだな。
防戦一方だったところを一気に形勢逆転だ」
「ここでお話した通りのことを行ったまでです。
作戦が上手くいったということでしょう」
「それも一か八かだったからな。
お前たちのおかげだよ」
トルヴァルドとの話が止まらない中、後ろからただならぬ気配を感じる。
さっと振り返ると、ゾルダが今にも俺を殺しそうな目でこちらを見ていた。
早く話を止めろってことか。
「こちらはここに来た目的のアスビモとは接触で来たものの、
逃げられてしまいました。
アスビモを追いかけたいので、ジョードで一晩泊まった後に、すぐに出立しようかと思います」
「そうかそうか。
一晩ジョードにおられるのであれば、ぜひもてなしをさせてくれ。
魔族を撃退していただけたお礼だ。
あいつ……じゃなかった……領主様もひっぱりだしますので」
もてなしの言葉に反応したゾルダが、トルヴァルドと俺の間に割って入ってきた。
「珍しい酒は出してくれるのかのぅ」
「珍しい酒?
珍しいかどうかはわからないが、ここらの酒だぞ。
まぁ、あまり他には出てないかもしれないがな」
「他に出てない酒か……
楽しみじゃのぅ」
ゾルダはその酒の想像をしているのか、心ここにあらずといった表情をしていた。
まぁ、それがゾルダらしいとゾルダらしいのだが……
当分の脅威もなくなったこともあり、急いで陣を引き払うことになった。
そしてそのまま、トルヴァルドの案内でジョードの城へ行くことになった。
城門まで着くと、トルヴァルドは、ここで待っていてくれと言い残して、城の中へ入っていった。
しばらくすると、トルヴァルドと共にひょろっとした青白い顔をした青年が出てきた。
「お待たせした。
こいつが、ここの領主のサイラスだ。
……っと、領主を紹介する言葉じゃないな。
ジョードの領主、サイラス様だ」
サイラスはトルヴァルドに紹介されると、ぴょこんとお辞儀をした。
「あの……さきほどは……大変申し訳なかった。
いろいろあって……」
ぼそぼそっと小さい声で喋るサイラス。
それにイラっとしたのかゾルダが
「あぁ、さっきはいろいろと世話になったのぅ。
世話になっておらんか……
何せ門前払いだったがのぅ」
少しドスを聞かせた声でサイラスに迫った。
サイラスはビクッとなり、トルヴァルドの後ろに隠れる。
「申し訳ないな。
いろいろと良くない方へ考えるきらいがあるし、話下手なところもある。
許してやってくれないか。
お詫びと撃退の祝いに城で宴席を用意すると言っているから」
トルヴァルドがサイラスの代弁をすると、後ろでサイラスはうなづいていた。
「し……仕方ないのぅ。
今回だけは許してあげるのじゃ」
「仕方ない?
どうせ、酒に釣られているだけだろう」
俺が嫌味っぽくそういうと、顔を真っ赤にしたゾルダが反論する。
「そんなことはないのじゃ!
お詫びを素直に受け取るだけじゃ!」
「はいはい」
「おぬし、またからかいおって……
ほら、行くぞ。
酒……じゃない宴が待っているしのぅ」
ゾルダは俺の背中を押して、サイラスやトルヴァルドの後を着いていくように促した。
宴席の間に到着すると、そこには俺の目には懐かしく感じる料理の数々が並んでいた。
刺身に、ごはんに、煮つけに……
いわゆる和食のオンパレードだった。
ゾルダたちもあまり見たことがない食事に目を輝かせていた。
「なんじゃ、これは?」
「見たことがない食事ばかりですわ」
「すごく美味そうですな」
そこにお酒が運び込まれると、ゾルダのテンションが一気に上がる。
「これが……珍しい酒か?」
「あぁ、この辺りで作られている作物から作られる酒だ」
トルヴァルドが説明をしているが、ゾルダは聞いていない。
出てくる酒を次から次へと飲み干していく。
「くぅーっ、うまいのぅ。
戦った後に飲む酒は格別じゃ」
「飲んでもいいとは言ったけど、加減しろよな、ゾルダ」
「大丈夫じゃ、きちんと加減しておるのじゃ」
「そうは見えないけど……」
「出されたものを残すは失礼なのじゃ。
だから飲んでおるのじゃ」
ひっきりなしに出てくる酒に満足しながら飲んでいるゾルダ。
もうここまでくると止められないな。
まぁ、でもジョードの危機はいったん去ったし、少しぐらい羽目をはずしてもいいのかな。
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本当に、ありがとうございます。
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小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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