顔バレしたらワケあり王子様に好かれました。

らら

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10話

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「ああ!!!あの女!!死んでもなお私を苦しめるか!!」
部屋中のものを投げつけ、怒鳴り声を上げている彼女は悪魔のようだ。
「あと1ヶ月の間にあの女のように毒で殺してやろうか?そうよ。そうしましょう」
「もっと早くこうしておけばよかったんだわ!あの男もあの男よ。私がアイツを凝らしめようとすると、いつも邪魔してきて!!」

リリィ様の継母である彼女の様子をこっそり見ているのは、リリィの専属騎士であるニックだった。
どうやら、あの男というのは、リリィ様の実の父親でこの家の当主のことらしい。

「今回ばかりは邪魔させないわ!母親と同じ末路を必ず送らせてやる」
「それに、あの子の魔力はこのペンダントに封印してるわ。いくらあの子が他の部分で優れてても魔法が使えなければ不自由するわ!」
「あああ!毒で殺すのも勿体ないわね…あいつの沢山苦しむ姿がみたいのに。あの顔を歪めてやりたい!!」

そう言って、彼女は気が狂ったように大声で笑い続けた。
ニックは一刻も早くこれをリリィ様に伝えるため、彼女が閉じ込められている地下へ向かった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

牢屋に入れられて何時間だっただろう。薄らと地上に登る階段から見える太陽の光をみると、ちょうどお昼時のようだ。奥から、誰かが走ってこっちに向かってくる音が聞こえる。じっと見つめているとそれはニックだった。

「リリィ様!大事なお話があります」
「どうかしたの?」
ニックは耳打して、さっき見聞きしたことを全て私に伝えた。

私のお母様は、継母に殺されたの?私の魔力はペンダントに封印されている?お母様と継母と父の間には何があったの?今まで考えても来なかった、真事実を知って、色々な感情がら一気に押し寄せ、リリィの頭は混乱していた。

「お嬢様!私が必ず貴方を守ります。時には人を頼って下さい。1人で全てを抱え込んではいけません」
「ありがとう、ニック」
「それが私の使命なので当然です。リリィ様、何か指示はありますか?」
「そうね…。第二王子のレヴィア王子にこのことを伝えて欲しいわ。力になってくれるかもしれない」
「あの第二王子ですか?」
「ええ」
ニックは少し不審な顔をしたものも、私が言うなら大丈夫なのだろうと信じてくれたみたいだ。
「あと継母様が仰っていたペンダントのことを調べて欲しいわ」
「分かりました」
するとちょうど、ニックがやってきたところから足音がした。
「誰かが来たみたい。見つかる前に早く行って。今のことよろしくね」

ニックは頷くと気が付かれぬよう、もうひとつの出入口から出ていった。本当は1人で解決したいけれど、今の私じゃ無理なことは自分が一番分かっている。
ニックに言われた通り、人に頼ることも大切なのだ。
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