5 / 50
テスターの仕事
しおりを挟む
「どうだ?」
まだ食べてないじゃないですか。落ち着いてください。
そろそろ虎豪さんの我慢も限界みたいなので、一口頬張ってみることにする。
「……どうだ?」
「うん、おいしいですよ」
「そうか」
ほっとしたような虎豪さん。事実お世辞なんかじゃなくおいしい。挟んである具材一つとってもきちんと下ごしらえがしてあるためか、全体として丁寧な味に仕上がっている。
これなら店に出しても問題ないと思う。むしろ、大々的に宣伝してもいいとすら思う。
「上達しましたね」
「お前が口うるさいからな」
「素直に褒めてくださいよ」
「はんっ」
おれの懇願が鼻息一つで流されてしまった。せっかく料理の基礎とか教えたんだから、少し位おほめの言葉をいただいてもいいと思うんだけど。
でも、虎豪さんに自家製パンの焼き方を教えるため、必死に勉強した成果がこのサンドイッチに出ているようでなによりだ。さすがにお店で出せるようなパンの作り方なんて意識したことなかったから、少し手こずってしまった。
「ま、でもお前ほどじゃねえな」
虎豪さんがあっさりと認めたのはおれの腕前の事だろう。料理が好きだと自覚しているが、そこまで腕を振るった自覚もないんだけどな。
「十分だ。それにお前の作ってくれたケーキは今のおれには作れねえ」
ちょっと昔、おれがこの店に通い始めた頃、簡易的な目標になればいいなと思いおれが作ったケーキを持ってきたことがある。生クリームで飾られた焼き菓子を、どうやら虎豪さんはいたく気に入ってくれたようだ。
「ああいうのが作れるようになれば、この店も繁盛するかもな」
そこまで喜んでくれて作り手としてはありがたい限りだけど、実は虎豪さんには秘密にしていることがある。あれは虎豪さんの事を思って焼いたケーキだから、他の人には同じ物を渡すことができないんだ。
隠し味が恋心なんて我ながら女々しいとあきれてしまうけど、こうして今のおれの地位があるんだからあながち馬鹿に出来ない。
「虎豪さんがおれの事を好きになってくれたら、もっと上達するかもしれませんね」
「お前に優しくしろってか? 雇うつもりはねえからな」
そういうことじゃないんですよこれが。さすがにノンケの虎豪さんに言ってもわかるわけないか。わかられても困るけど。
サンドイッチを食べながら、おれはため息を零さずにはいられなかった。コーヒーもおいしい、食事もおいしい。店の雰囲気も作りこまれてて居心地は抜群。そして何より店主に雄の魅力が溢れている。
こんないい店なかなかない。なのに――
「これでなんでお客さんがこないんですかね」
またもしみじみと零れる言葉。本当に世の中間違っている。
「別に繁盛してほしいなんて思っちゃいねえさ。ただ、お前みたいにここを気に入ってくれる奴がちらほらいればいい。そういう経営方針なんだよ――昔からな」
ほんのわずかにだけど虎豪さんの言葉には哀愁があった。空になった皿を下げて洗う虎豪さんから感じる見えない壁。まだ、おれ程度じゃうかがい知れない何かがその言葉にはあった。
おれはそれに気付かないふりをして明るく切り返す。そういうのはもっと親密度ゲージが溜まった後でいい。
「でも、それじゃあ潰れちゃいますって。少しは手を打ちましょうよ」
「どうやってだ?」
「うーん、まずは宣伝してみるのがいいんじゃないでしょうか。繁盛するとかしないとかの前に、せめて誰かには知ってもらわないと」
「一応ホームページも作ってあるし、グルメサイトに登録もしてあるぞ」
「え、そうなんですか?」
意外だ。虎豪さんはそういうネット事情に疎いと思っていたのに。
「だちにそういうことを得意としてる奴がいるんだよ。まあ、結果は出てないがな」
自嘲気味に笑う虎豪さん。そういう笑いはすんなりでるあたりつくづく不器用な人だ。
それなら他に何かいい考えはない物かと頭を働かせる。口に運んだコーヒーの香りが脳を元気づけて、アイデア発生を促してくれないだろうか。
「ならアナログで行くのはどうでしょう? たとえばビラ配りとか」
「そんな人手がどこかにいるように見えるか?」
そこですかさず挙手するおれ。こういうところで自己アピールを欠かさないのが恋の秘訣!
「だから、お前を雇うつもりはないって言ってるだろうが」
「確かに喫茶店の従業員として雇うのは無理かもしれませんが、ビラ配りの短期バイトと思ってはどうですか」
別に無償で手伝っても構わないのだけど、分別ある虎豪さんはそういうことを許してはくれないだろう。この人は短気で頑固だけれど、それでもおれよりずっと大人なんだから。
おれの提案を受けて、虎豪さんはむすっと考え込んでいるようだ。表情に気を遣う余裕が失われたせいで、眉間のしわがいつもより深く刻まれてしまう。縞模様の尻尾もうねうねと悩ましげな動きを見せ、どうしたものかと考えあぐねている。
答えが出るまで、コーヒーに舌鼓をうつことにしよう。せっかくのおいしいコーヒーなんだ。
それと、話は変わるが、おれは悩ましげな虎豪さんが好きだ。いかつい顔に渋面を浮かべた男らしい雰囲気と、綺麗に着こなした燕尾の真逆な雰囲気が混ざり合って、えも言えぬ大人の色香を醸し出す。
そういうことを思うたびに、ああ、おれは虎豪さんが好きなんだなと実感する。その苦悩に満ちた表情を和らげられるなら、おれはなんだってお手伝いするというのに。
「はあ、わーったよ。そこまで言うならやってみようじゃねえか」
とうとう根負けした虎豪さんがため息とともに賛同を放り投げた。内心ガッツポーズをしつつ、おれはてきぱきと計画を整えていく。
「ありがとうございます。なら、せっかく新商品をだすのですから、それも宣伝しましょう。ビラのデザインも考えないといけませんけど、それはおれの友達に得意なやつがいるので任せてみたいと思います」
「お、おう」
「あとはきちんとビラ配りの許可を取って、それと同時にチラシを置かせてもらえるところがないか交渉して回りましょう。あ、虎豪さんはもちろんいつもの燕尾でお願いしますよ。オフの日に着るようなジャージだと宣伝になりませんからね」
「なんで俺の非番の日の格好を知ってんだよ……」
日頃の虎豪さんといちゃいちゃする妄想がつい口を付いてしまっただけなのだけど、どうやら正解だったようだ。
つまりこれは虎豪さんと二人でお出かけ。つまりデート。やる気がわかないわけがない!
「頑張りましょう虎豪さん。きっとうまくいきますよ」
あまりのおれのはりきりぶりに付いていけていない虎豪さんは虚をつかれたような顔でうなずくだけ。
これを機に虎豪さんともっとお近づきになろうと、おれは固く心に誓った。その為にはお店をきちんと繁盛させないといけない。だから、その為の策はちゃんと用意しよう。
おれの有能さを虎豪さんに見せつけ、おれに惚れさせる! 共同作業を通して心の距離は急接近! それに比例して縮まる体の距離――主に口が! そしてキスを!
「……俺がまだ警察にいたらお前を逮捕してたぞ。なんだその気持ちの悪い顔は」
ジト目で虎豪さんがにらんできたけれど、おれは脳内で二人の幸せな生活を思い描くことに忙しかったので気付くことができなかった。
圧倒的温度差がある二人の間で、虎豪さんの胸のボタンがまたもはじけて飛んでいく。虎豪さんはそれに気付かずに予定を立てる。おれの作戦にも気付かないまま。おれの思いにも気づかないまま。
それともう一つ。おれにはある目的がある。ビラ配りの日にちを調整し、おれの目的とする日にかぶせてもらった。虎豪さんが訝しげに聞いてきたが、おれの予定の関係でこの日がいいんですって言ったらあっさり納得してくれた。
これで後はその日を迎えるだけになり、人心地ついてコーヒーを口に運んだ。苦いながらもどこか優しい味が口に広がり、心まで温まっていく。冷房の効いた部屋で虎豪さんの入れてくれた温かいコーヒーを飲む贅沢。それは燃料となって虎豪さんへの愛を燃やす結果となる。
静かな喫茶店でおれは静かに決意を固めた。虎豪さんの喜ぶ顔を見るために、そして、虎豪さんともっと仲良くなるために。
虎豪さん。おれがきっとあなたのお店を繁盛させてみせますからね。
まだ食べてないじゃないですか。落ち着いてください。
そろそろ虎豪さんの我慢も限界みたいなので、一口頬張ってみることにする。
「……どうだ?」
「うん、おいしいですよ」
「そうか」
ほっとしたような虎豪さん。事実お世辞なんかじゃなくおいしい。挟んである具材一つとってもきちんと下ごしらえがしてあるためか、全体として丁寧な味に仕上がっている。
これなら店に出しても問題ないと思う。むしろ、大々的に宣伝してもいいとすら思う。
「上達しましたね」
「お前が口うるさいからな」
「素直に褒めてくださいよ」
「はんっ」
おれの懇願が鼻息一つで流されてしまった。せっかく料理の基礎とか教えたんだから、少し位おほめの言葉をいただいてもいいと思うんだけど。
でも、虎豪さんに自家製パンの焼き方を教えるため、必死に勉強した成果がこのサンドイッチに出ているようでなによりだ。さすがにお店で出せるようなパンの作り方なんて意識したことなかったから、少し手こずってしまった。
「ま、でもお前ほどじゃねえな」
虎豪さんがあっさりと認めたのはおれの腕前の事だろう。料理が好きだと自覚しているが、そこまで腕を振るった自覚もないんだけどな。
「十分だ。それにお前の作ってくれたケーキは今のおれには作れねえ」
ちょっと昔、おれがこの店に通い始めた頃、簡易的な目標になればいいなと思いおれが作ったケーキを持ってきたことがある。生クリームで飾られた焼き菓子を、どうやら虎豪さんはいたく気に入ってくれたようだ。
「ああいうのが作れるようになれば、この店も繁盛するかもな」
そこまで喜んでくれて作り手としてはありがたい限りだけど、実は虎豪さんには秘密にしていることがある。あれは虎豪さんの事を思って焼いたケーキだから、他の人には同じ物を渡すことができないんだ。
隠し味が恋心なんて我ながら女々しいとあきれてしまうけど、こうして今のおれの地位があるんだからあながち馬鹿に出来ない。
「虎豪さんがおれの事を好きになってくれたら、もっと上達するかもしれませんね」
「お前に優しくしろってか? 雇うつもりはねえからな」
そういうことじゃないんですよこれが。さすがにノンケの虎豪さんに言ってもわかるわけないか。わかられても困るけど。
サンドイッチを食べながら、おれはため息を零さずにはいられなかった。コーヒーもおいしい、食事もおいしい。店の雰囲気も作りこまれてて居心地は抜群。そして何より店主に雄の魅力が溢れている。
こんないい店なかなかない。なのに――
「これでなんでお客さんがこないんですかね」
またもしみじみと零れる言葉。本当に世の中間違っている。
「別に繁盛してほしいなんて思っちゃいねえさ。ただ、お前みたいにここを気に入ってくれる奴がちらほらいればいい。そういう経営方針なんだよ――昔からな」
ほんのわずかにだけど虎豪さんの言葉には哀愁があった。空になった皿を下げて洗う虎豪さんから感じる見えない壁。まだ、おれ程度じゃうかがい知れない何かがその言葉にはあった。
おれはそれに気付かないふりをして明るく切り返す。そういうのはもっと親密度ゲージが溜まった後でいい。
「でも、それじゃあ潰れちゃいますって。少しは手を打ちましょうよ」
「どうやってだ?」
「うーん、まずは宣伝してみるのがいいんじゃないでしょうか。繁盛するとかしないとかの前に、せめて誰かには知ってもらわないと」
「一応ホームページも作ってあるし、グルメサイトに登録もしてあるぞ」
「え、そうなんですか?」
意外だ。虎豪さんはそういうネット事情に疎いと思っていたのに。
「だちにそういうことを得意としてる奴がいるんだよ。まあ、結果は出てないがな」
自嘲気味に笑う虎豪さん。そういう笑いはすんなりでるあたりつくづく不器用な人だ。
それなら他に何かいい考えはない物かと頭を働かせる。口に運んだコーヒーの香りが脳を元気づけて、アイデア発生を促してくれないだろうか。
「ならアナログで行くのはどうでしょう? たとえばビラ配りとか」
「そんな人手がどこかにいるように見えるか?」
そこですかさず挙手するおれ。こういうところで自己アピールを欠かさないのが恋の秘訣!
「だから、お前を雇うつもりはないって言ってるだろうが」
「確かに喫茶店の従業員として雇うのは無理かもしれませんが、ビラ配りの短期バイトと思ってはどうですか」
別に無償で手伝っても構わないのだけど、分別ある虎豪さんはそういうことを許してはくれないだろう。この人は短気で頑固だけれど、それでもおれよりずっと大人なんだから。
おれの提案を受けて、虎豪さんはむすっと考え込んでいるようだ。表情に気を遣う余裕が失われたせいで、眉間のしわがいつもより深く刻まれてしまう。縞模様の尻尾もうねうねと悩ましげな動きを見せ、どうしたものかと考えあぐねている。
答えが出るまで、コーヒーに舌鼓をうつことにしよう。せっかくのおいしいコーヒーなんだ。
それと、話は変わるが、おれは悩ましげな虎豪さんが好きだ。いかつい顔に渋面を浮かべた男らしい雰囲気と、綺麗に着こなした燕尾の真逆な雰囲気が混ざり合って、えも言えぬ大人の色香を醸し出す。
そういうことを思うたびに、ああ、おれは虎豪さんが好きなんだなと実感する。その苦悩に満ちた表情を和らげられるなら、おれはなんだってお手伝いするというのに。
「はあ、わーったよ。そこまで言うならやってみようじゃねえか」
とうとう根負けした虎豪さんがため息とともに賛同を放り投げた。内心ガッツポーズをしつつ、おれはてきぱきと計画を整えていく。
「ありがとうございます。なら、せっかく新商品をだすのですから、それも宣伝しましょう。ビラのデザインも考えないといけませんけど、それはおれの友達に得意なやつがいるので任せてみたいと思います」
「お、おう」
「あとはきちんとビラ配りの許可を取って、それと同時にチラシを置かせてもらえるところがないか交渉して回りましょう。あ、虎豪さんはもちろんいつもの燕尾でお願いしますよ。オフの日に着るようなジャージだと宣伝になりませんからね」
「なんで俺の非番の日の格好を知ってんだよ……」
日頃の虎豪さんといちゃいちゃする妄想がつい口を付いてしまっただけなのだけど、どうやら正解だったようだ。
つまりこれは虎豪さんと二人でお出かけ。つまりデート。やる気がわかないわけがない!
「頑張りましょう虎豪さん。きっとうまくいきますよ」
あまりのおれのはりきりぶりに付いていけていない虎豪さんは虚をつかれたような顔でうなずくだけ。
これを機に虎豪さんともっとお近づきになろうと、おれは固く心に誓った。その為にはお店をきちんと繁盛させないといけない。だから、その為の策はちゃんと用意しよう。
おれの有能さを虎豪さんに見せつけ、おれに惚れさせる! 共同作業を通して心の距離は急接近! それに比例して縮まる体の距離――主に口が! そしてキスを!
「……俺がまだ警察にいたらお前を逮捕してたぞ。なんだその気持ちの悪い顔は」
ジト目で虎豪さんがにらんできたけれど、おれは脳内で二人の幸せな生活を思い描くことに忙しかったので気付くことができなかった。
圧倒的温度差がある二人の間で、虎豪さんの胸のボタンがまたもはじけて飛んでいく。虎豪さんはそれに気付かずに予定を立てる。おれの作戦にも気付かないまま。おれの思いにも気づかないまま。
それともう一つ。おれにはある目的がある。ビラ配りの日にちを調整し、おれの目的とする日にかぶせてもらった。虎豪さんが訝しげに聞いてきたが、おれの予定の関係でこの日がいいんですって言ったらあっさり納得してくれた。
これで後はその日を迎えるだけになり、人心地ついてコーヒーを口に運んだ。苦いながらもどこか優しい味が口に広がり、心まで温まっていく。冷房の効いた部屋で虎豪さんの入れてくれた温かいコーヒーを飲む贅沢。それは燃料となって虎豪さんへの愛を燃やす結果となる。
静かな喫茶店でおれは静かに決意を固めた。虎豪さんの喜ぶ顔を見るために、そして、虎豪さんともっと仲良くなるために。
虎豪さん。おれがきっとあなたのお店を繁盛させてみせますからね。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
脳筋剣士と鈍感薬師 ~騎士様、こいつです~
季エス
BL
「ルカーシュは、駄目よ」
その時胸に到来した思いは安堵であり、寂しさでもあった。
ルカーシュは薬師だ。幼馴染と共に、魔王を倒すために村を出た。彼は剣士だった。薬師のルカーシュは足手纏いだった。途中で仲間が増えたが、それでも足手纏いである事に変わりはなかった。そうしてついに、追い出される日が来たのだ。
ルカーシュはそっと、瞼を伏せた。
明日、明日になったら、笑おう。そして、礼と別れを言うのだ。
だから、今だけは、泣いてもいいかな。
モブなんかじゃ終わらない!?
MITARASI_
BL
気がつけばそこは、人気BLゲームの世界。
けれど与えられた役割は、攻略対象でも悪役でもない――ただのモブ。
本来なら物語の外でひっそりと生きていくはずだった。
だが、そんな彼の存在が、少しずつ“運命のルート”を揺さぶっていく。
選ばれないはずのモブが紡ぐ、新たな恋の物語。
ゲームの定めを超えて、彼が辿り着く未来とは――。
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる