僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第7章 僕は女の嫉妬が一番怖い

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隣で眠るユヅの髪をなでる。
ふわふわとした銀髪は、私の手からこぼれ落ちた。

朝日を浴びたユヅの顔が艶々と光る。
私は彼の頬に口付けるとベッドから離れ、シャワーを浴びに行った。

バスタオルを巻いて部屋に戻ると、ユヅは目を擦りながら伸びをしていた。

「まだこの部屋にいればいい」

私の提案にユヅはひとつ頷くと、私の頬に口付けた。

「まってるから、はやく、かえってきて」

とろんとした眼差し。
ユヅは甘えるように私に抱きついてきた。
そっと体を離してユヅに接吻をする。
寂しそうなその顔に、後ろ髪を引かれる思いで部屋から出た。

執務室に向かう私の後ろから、エイダンが声をかけてきた。
相変わらずきちんと着込まれた隊服が目に入る。

「おはようございます。ルーク王子」

私はエイダンをちらりと見遣った後、口を開いた。

「……結局あの小瓶の中身はわかったのか。それから、あの公爵家の娘は、」

その問いにエイダンは表情を固くして、「それは、」と口籠もる。
私もそれ以上は喋らなかった。
執務室までの道のりが長く感じた。







「それで、話の続きだがさっきの件は? 」

私は執務室に到着し、開口一番そう言った。
エイダン曰く、小瓶の薬は男性でも妊娠できるようにするための薬であるとのこと。
触手を使用した目的は、誘淫効果によって見境なく男性に抱かれるようにユヅを仕向けるためであり、そのあと男たちに抱かせて子を産ませ既成事実を作ろうとしていたのだった。
私とユヅが結ばれることを防ごうとする意図は、一目瞭然であった。
主犯はやはり公爵家の娘であった。
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