ゲーム的異世界で生きていく

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万能型…器用貧乏

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声の主はゼクスさんだった。
僕を知っているようだからクラスメイト達かと思ったけれど、勇者様がこんなところに来るはずがなかった。

「昨日の少年だよな、何してんだ?」

「ルディオです。昨日ぶりですね」

「ルディオって名前か、まぁ新しい世界で新しい名前をつける気持ちはわからんでもないな」

その後話しているとどうやら保管庫の番人はゼクスさんだった。
保管庫は兵士がしっかりと見回りをしているらしく、今日はゼクスさんが担当していた。

口ぶりから何か知ってそうだったけど、クラスメイト達の事はあまり興味もなかったので尋ねなかった。

「お疲れさん、じゃあこれをギルドに届けてな。ほれ行った行った」

スキルに関する本をギルドに届けてほしいそうだ。

そっけないゼクスさんから本を受け取りギルドに戻った。


「お疲れ様です。ルディオさん」

ニーナさんが対応してくれる。

「いやーヘトヘトですよ。結構歩きましたからね。でもこれ本当にクエストだったんですか?」

なんかやらせ感があったような。
街には詳しくなったような気がするけど……。

「しっかりと仕事をこなせるかのテストでした。おめでとうございます。これで晴れてプレイヤーの一員です。クエストを受ける際はあっちの端末で受領してください。もし何か困ったらいつでも相談してくださいね」

スキルに関する本と補助金とやらの1万クレジットを貰い、経験値獲得をしてレベルアップした。

ちなみにこの世界ではなんらかの努力の成果をなんらかの神様に認められると経験値を獲得できるそうだ。
レベリングが楽しそうではあるね。

こうやって色々試されるのほんと嫌だけど、僕には力がないから仕方ないか。
それに歩き疲れてそんな事どうでもいいとも思えた。

「わかりましたーありがとうこざいましたー。スキルに関して考えてみますね」

さっさと部屋に戻ってシャワーと歯磨きをしてすぐに眠った。

「そういえばレベルが上がってたんだ……むにゃむにゃ……Zzz」


ん、すぐに寝てしまったなぁ。
昨日もまたすぐに眠ってしまった。
言い忘れていたけど目を開くときに言いたかった事がある。

もう一度目を閉じて僕は目を開ける。

「ここは……?知らない天井だ。ん、すごく口がすっきりしてるな! 一体なにが……」

魔法の歯ブラシがよく効いているんだ。
昨日は言う余裕がなかったけど、「知らない天井だ」を言えた。

「んー、起きたけど何をするかな」

顔も洗ってスッキリした僕はベットに腰掛けてステータスを眺めることにした。

名前ルディオ
信仰 幸運の神テュテュルス
レベル2
p5
HP40MP40
力10
技術15 
精神20
敏捷10 
技術10 
運45 
スキル
p2
テュテュルスの口づけ

称号
なし

そこまで悩めるほどポイントもないけど僕の能力をどう伸ばすかの方針を考えていた。

僕の生死に関わる部分だけに、悩みも深まる。

「整理していこうか」

まず、こういうのって特化型が強いっていうイメージがあるよね。

でも実際僕が生きていくことを考えると特化型なんて生活しづらくなりそうで仕方ない。

ゲームならいいけど生き残る上で特化型は厳しい。
色々な不都合な状況を避けたり自分の能力に合った状況を作り出すなんてことはほとんど現実ではできない。
仲間のいない僕にはできない。

「つまり、目指すは何事にも対応可能な万能型……最悪器用貧乏でも特化型よりはいいってことだな。仲間にするなら特化型の人がいたら心強いが……自分は恐ろしくてそんなことはできないな」

何かに特化して生きて行くのも言いかもしれないがこれは現実だ。
まぁ後々僕の知られざる才能が開花でもすればそれに合わせて特化していってもいいね。


ということを踏まえて次にスキルだ。
これもとても悩む。
種類がかなりあるからだ。
昨日もらったスキルの本によればスキルツリーがあるみたいだ。
ポイントを消費して欲しいスキルを習得して、それを育てて進化やら派生させる感じ。
初期で習得できるスキルも多すぎるし、同じスキル構成の人間はほぼ存在しないだろうとまで書かれていたね。
これも非常に悩む。

武器の威力を上げるスキルや各種耐性、ステータスアップに特殊バフやデバフを発生させるスキル、それにアクティブかパッシブか…。
もし前世にあったなら面白いゲームだな。
あのクソ女神死ね。

んん、

「アクティブかパッシブかならパッシブ一択だよな。任意で発動させるものより常時発動の方が自然と育てるほかないし、先に取るべきだと思う」

任意発動であれば熟練度は好きなだけ稼げるかもしれないけど自動発動は成長スピードが一定だろうから、後々上げようとしても大変そうだ。

急いで強くなる必要は今のところ特にないけど、クソ雑魚だからある程度強くなる必要はある。

魔法に興味がすごくあるんだけど、ここは基礎をしっかり習得すべきかな。

パッシブスキル一覧を表示する。
ステータス極小アップ
HP小上昇
MP小上昇
力  小上昇
…………
運小上昇
運中上昇
アイテム取得率小アップ
経験値獲得量小アップ
電磁波小耐性
体術
格闘術
銃器
剣術
光学兵器
爆発物
軽装備
中装備
重装備
強気
弱気
…………etc


「お、多いよなぁやっぱり」

これだけ多いのも僕が異世界出身だからかもしれない。
スキルの本には自分の知っている知識が習得可能スキルに反映される場合もあると書かれていた。
ゲームやアニメの知識が反映されてるのだろうね。

うーん。

自動発動であっても武器スキル系はその武器を手に持っていないと発動しないみたいだし、耐性系も毒飲み続けたり火に炙られ続けたりしないと熟練度稼げないらしいから除いて……。

もー、ぱぱっと決めちゃいますか。

ルディオ
信仰幸運の神テュテュルス
レベル2
p0(5減少)
HP65(25上昇)
MP40
力10
技術15
精神20
敏捷10
運45
スキルp0
体術レベル1(体の動きをイメージ通りの動きに近づける)
経験値獲得量小アップレベル1(獲得する経験値量を少し増加させる)
テュテュルスの口づけ

ステータスは上から振り分けることにした。
次はMPを飛ばして力に5を振るつもりだ。
スキルは体術と経験値獲得量アップを取った。
体をうまく動かせればそれだけ有利だし、経験値は言わずもがな。
今後は能力値アップ系のスキルを取って行きますかね。
そのあと魔法のスキルとかほしいところ。

今はこんな感じかな。

「さて、朝ごはんを食べに行きますか」

コンコンっ、コンコンっ

「ルディオくーん、いますかー」

おっと誰か来たようだ。
体がびくっ、となったけれどこの声は……

「ニーナさん?はーい、なんですかー」

返事をして僕はドアを開けた。
少しホッとしたようなニーナさんがいた。

「よかった。お昼を過ぎても部屋から出てこないので少々心配になりまして」

ええ、もうそんな時間!

「え、もうそんな時間ですか。スキルどれ取るか悩んでて気がつかなかったです。あはは」

なんだか転移してから段々とまじめになってる気がするなー。
もっと気楽でいいかもね。
こうしてステータスに悩んで思ったけれどもう彼らは雲の上の存在だ。
クラスメイトと会うことなんてそうそうないだろうから忘れる事にする。
この世界で生きていく事に集中するんだ。

「ふふ、そうなんだ。じゃあよかったら一緒にお昼ご飯を食べにいかない?」

どことなくフランクにそうニーナさんが言い出した。

「あ、はい、行きましょう」

即答だよね。
まだまだ二日目だけど、この時僕は異世界生活なかなか楽しくなりそうだという気持ちを高めた。

こうして僕はニーナさんと食堂に向かった。
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