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第二話 運命の相手
しおりを挟む気づくとコロシアムのような場所にいた。
まったくひどい目にあった。
死後の世界はもっといい世界だと思っていたが、これは地獄行きというやつなのだろうか。
気持ちを切り替えて上を眺めるとみられているような感覚だけを感じる。
ここはどこ……いや、なんだ?
気付かなかったが周囲には人魂が30ぐらいいた。
俺も人魂になっていた。
「さぁぁぁぁぁぁぁぁぁて! ガチャじゃ!」
「「うぉおおおおおおおお!」」
頭上から大きな声がしたが上には何もない。
クミちゃんを探したが人魂ではよくわからん。
「さて聞こえるかのう、ただの人間よ。ワシは神じゃ。数多の世界から適性を持った魂を一つずつ呼び出した。これからとある世界に転生させる訳じゃが、お主たちのようなものには耐えることができぬゆえ、別の種族として転生してもらう。
不満はあるじゃろうが、その世界の支配者になれば願いを何でもかなえてやろう。頑張るように!」
そして気づくと列に並んでいた。
周りの風景は黒一色だ。
まったく何なんだ一体。
これが本当の転生物か。
説明を要求したい。
列の先を見ると大きなガチャガチャがあった。
高層ビル並みにデカいのに取り出し口は俺たちサイズだ。
いきなり目の前の人魂が叫びだした。
「アキラさん、タクミお兄ちゃん、おかああさぁぁぁっぁ!」
「アキラは俺だ。クミちゃんか」
後ろから声をかける。
「僕もいるよ」
クミちゃんの前にタクミがいるみたいだ。
地球の三人でまとめられたのか。
「よかった!私不安で! えっと、アキラさん大丈夫ですか?」
なぜ、タクミではなく俺が心配されるのか、殴られたからか。
タクミの豹変は気遣えないレベルだったか。
「ああ、大丈夫だよ。何ともなかったさ」
「それにしては……」
「俺はオーバーリアクションなんだ」
「よかった!」
タクミはずっとこちらを睨んだままだ。
「えっと、タクミは大丈夫か?」
「僕は大丈夫だ。クミちゃんそいつは危険だよこっちにくるんだ!」
本当に何なんだこいつは。
「え?、いやぁぁ」
「乱暴はよさないか、どう考えても危ないのはお前だぞ!」
「お前が言うなぁぁぁ!」
「えっとぉ、混乱してるのはわかるんだけど暴力はいけませぇん。めんどくさいし先にガチャを引いてください」
いつの間にか現れた天使女がそう言うとタクミは列の先頭に一瞬で移動していた。
「さっきも上司に怒られちゃったしぃーもうホントに地球って問題児よねぇー」
そんな事を呟く天使女に俺は思った。
明らかに天使って感じじゃなく悪魔だな。
あの自称神様も怪しいものだ。
声だけだったし。
なんて思っているとタクミのいる先頭が騒がしくなった。
「天使族! Sランクですねおめでとうございます!」
タクミがそう言われて喜んでいた。
天使女が一人でリアクションしている。
「げぇ!マジやってらんないんですけどぉ。地球激ヤバぁ」
なかなかすごいことらしい。
それに興奮してか列の進みが早くなった。
「天使さん、Sランクってなに?」
クミちゃんが尋ねる。
「あれぇ?説明してないっけ? SからFまで転生する種族が変わるのよ。Sランクの種族はどれもめちゃつよだからねー、あ、あとランクは眷属にも影響するわねー」
「眷属って?」
「もぅー説明したはずよー」
「私、聞いてないよ?」
「え、まっずー」
「おい、次はあんたらの番だぞ早く回せ!」
後ろにせかされ、天使の説明は聞こえなかった。
ガチャの結果はクミちゃんはFランク種族のスライムマスター、俺はDランク種族のゴーレムマスターとやらだった。
天使女はその結果をみると「あちゃーすぐころされちゃうね、まぁバランスがとれててよかったー」と一人で勝手に呟きながら消えた。
ここから転生の場所とやらまでは徒歩のようなのでその間に落ち込んだクミちゃんに話す。
「クミちゃん、聞いてくれ。人間は弱いんだ、なのに繁栄したんだからFでも大丈夫だ!」
「Fですすぐ殺されちゃうんです! 願いをかなえられないんです!」
願いをかなえる気でいるみたいだ。
「いいかい、俺は支配者になっても願いを叶えてもらえるとは限らないと思ってる」
「え、でも神様が言ってました。天使さんも」
「彼らが本当にそうなのかはわからないよ。第一神様が争いを推奨すると思う?」
「神様じゃないほうが私の願いを叶えてくれそうです」
信じたいものを信じるか。
それにクミちゃんにはなにやら重たい事情がありそうだ。
「クミちゃんは願いがあるんだね」
「あります」
「俺にはないよ。だからわかる」
「そんなのわかりません。それにFランクだったらすぐ他の願いを叶えたい人に殺されます。アキラさんだって一緒ですDもFもおんなじです! また殺されるんです!願いを叶えてもらう以前の問題です!」
「Fランクでも戦える、最後まで諦めずに考えて考えて、敵を倒して願いをかなえるんだ。俺は応援するよ」
「勝手なことを、アキラさんは信じてないんでしょう?」
「だから応援するんだ。願いかなえてくれるなんて、すぐころされちゃうねなんて全部嘘だって思うから」
「何を言いたいのかわかりませんよ」
「それがどうした! 絶対何とかなる!」
「ああもう!そのつもりです!アキラさんなんて嫌いです!私は殺されたくないです!」
「ああ、俺もそうだ! 何とかなる!」
「わけがわかりません! アキラさんはおかしな人です」
「なにがおかしいのかわからないな、何とかなる!」
「ふふっ変わった人ですね」
「君もかなり変わってると思う」
それ以降俺たちは無言で歩いた。
魔法陣が見えてきた。
これに入るとランダムの場所に転生させられるらしい。
俺たちは魔法陣の中に入った。
クミちゃんが話しかけてきた。
「最後に言っていいですか」
「ああ、いいよ」
「見え見えすぎです! このロリコン野郎? ふともも見過ぎだったし勝手に殴り合うし、でもはげましてくれてありがとうございました! あと私の世界の平均寿命は200年でこういった姿の大人もいてロリコン野郎は死語なんですけどあなたの世界では違うみたいですね!ふぅスッキリした」
「え……」
「やっぱり」
「……すまん。なんだ、そのとりあえず、必ず生きて再会しよう」
「ふふ、はい」
こうして俺達は転生した。
彼女と出会うのは当分先の事だ。
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