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入学式は試験ですよ!(入学式には辿りつかない)
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「ハーフの子供はお前が案内してこい、その為の門番だしなぁ」
なんだか偉そうなトカゲの顔した兵士さんがタレ目の優しそうな犬の顔した兵士さんにそう命じた。
彼らはファンタジーあるあるの獣人である。
『女神の花園』は獣人もカバーしてる乙女ゲーだった。
あとエルフも入ればドワーフもいる。
ちなみにハーフがなぜ嫌われるかと言うと種族間を超える性欲を感じさせ淫らで不潔なイメージがあるために一部の人に嫌われるのだった。
あと魔力の質で分かる人には一瞬で分かると言う設定もあったな。
ゴブリンと人間の子供とか浮気相手の子供とかそんな感じだろうか。
まぁ唯の偏見と差別である。
「了解です! えっと、お嬢さん、ついてきてください」
いかにも苦労してそうな犬顔の優男がそう俺に言った。
うーむ、女の子だとやっぱりこういう接し方をされるのか。
「わかりました!」
複雑な気持ちになりながら俺は子供っぽく元気に答えた。
人型ロボット用の大きな門の隣にある人用の門を通って学園の中へと入る。
ここは建前上デュープラ王国最後の砦な訳で学園は魔法の付与された石造りの強固な城壁によって囲まれているのだ。
敷地も相応に広い。
なので俺には歩くのが非常に大変だ。
監禁生活だったのだろうし運動とは無縁の体だ、体力がない。
「はぁはぁ……ふぅ。女神よ、私に体力を与えてください」
そう言って魔法を唱えるが、女神様が与えてくれたのは一定時間疲労や傷の回復が早くなるだけのものだった。
回復はできても魔力が対価ではステータスを上げる事は出来ないのだ……まぁそれでも十分過ぎるくらい魔法は強力だ。
「少し、休憩しますか。時間的にはまだありますから」
魔法もあるし数分も休めば回復できるだろう。
虐待で疲労していた分も多少マシになっていく……早く鏡を見たいし石より柔らかいベッドで傷を癒したいものだ。
ちなみに魅力評価は鏡で鍛えるのだ。
鏡を見ながら表情筋を鍛えねば。
そう思いながら俺は髪をさりげなく整える。
服は良いのを着させられたがそれだけでは身嗜みが良いとはいえないだろう。
あのババア……とりあえず綺麗にして良い服着せれば良いだろとか適当に考えてるのがまるわかりだな。
門の外で降りろともいわれたしな。
「ふぅ~、ありがとうございます。休憩にしましょう。兵士さん、えっと、あなたの名前はなんというのですか。お、私はロリエルと言います」
休憩がてら少し話してみることにした。
「俺の名前はソルと言います、ロリエル様」
偉くかしこまってソルはそう言う。
「様はつけなくて良いですよ。貴族ではないですから」
「いやいや、ここの学園の生徒となり、人々を守る女神様や今は姿を消してしまった異世界の勇者様達のような存在になるのですから軽々しくは呼べません」
ソルはそう言う。
なんと立派な兵士さんじゃないか。
ババアもこの人を見習えよ!
この人は俺がハーフエルフでも毛嫌いのひとつもしてないぞ。
ガタガタガタガタッ。
ソルに感心していると後ろからやってきた馬車が通り過ぎていく。
俺も乗せやがれ!
でもやっぱり、学園でさえ馬車か……。
人型ロボットも大砲を置いただけの戦車もどきもあると言うのに民間用には車もないんだから歪な進歩だよなぁ。
ゲーム的には馬車に乗ってイケメンとイチャイチャ出来る無駄要素としてそうなっていたわけだが、こうしてリアルになってみて考えると民間に回す余裕がないとも言えるのかな。
なんて思いながら俺はソルと会話を続ける。
「ありがとうございます。立派ですねソルさんは、私も頑張ります!」
おかげでロリエルのキャラが出来てきたな。
女の子をいきなりするのは大変だぜ。
「そんな事はありません。ただ、張り切り過ぎずに冷静に、常に注意して、生きてくださいね」
そう少し悲しそうな顔で俺にソルは言う。
そっか、そうだよなぁ……兵士なら尚更そう思うよな。
これからお前の目の前の少女が魔物との激戦に叩き込まれ、そして死ぬ可能性は普通に考えればかなり高いもんな。
ソルさんへの好感度が爆上がりした瞬間だった。
「さぁ、つきましたよ。あそこの人達についていってください」
うーん、憑依先を選ぶときに見た新入生達がわらわらといるな。
上はババアから下は俺と同じかそれ以下ぐらいまでまぁ皆女性だ。
「わかりました。ここまでありがとうございました」
「いえいえ、ご武運を!」
ソルは去っていった。
「はぁ、あれに並ぶのか」
ちゃんとした列ぐらいは作れよとは思うほどわらわらとむらがる人の列だった。
義務教育って偉大だったんだな。
この国に義務教育はない……だから魔物に負けるんやで……。
まぁ不規則な塊でわかりづらいがざっと100人ぐらいはいそうだな。
この人の流れに乗っていけば良いのか。
無いだろうがもし何かあったら死人が出そうな感じだから少し距離を置いてついて行くとするか。
「うーん、ソルとか言う人は素晴らしい人だったな。ありがとう。女神様、彼に少しばかり祝福を与えたまえ……」
しばらくの間、彼はより少しだけ成長しやすくなりほんの少しの幸運にも恵まれるはずだろう。
自分にもかけておこ。
『祝福を与えたぞ。もう魔法を使いこなすとは流石英雄。だがそろそろ私も話して良いだろうか?』
女神様がそう言って話しかけてきた。
あぁ、俺も聞きたい事がある。
なんだか偉そうなトカゲの顔した兵士さんがタレ目の優しそうな犬の顔した兵士さんにそう命じた。
彼らはファンタジーあるあるの獣人である。
『女神の花園』は獣人もカバーしてる乙女ゲーだった。
あとエルフも入ればドワーフもいる。
ちなみにハーフがなぜ嫌われるかと言うと種族間を超える性欲を感じさせ淫らで不潔なイメージがあるために一部の人に嫌われるのだった。
あと魔力の質で分かる人には一瞬で分かると言う設定もあったな。
ゴブリンと人間の子供とか浮気相手の子供とかそんな感じだろうか。
まぁ唯の偏見と差別である。
「了解です! えっと、お嬢さん、ついてきてください」
いかにも苦労してそうな犬顔の優男がそう俺に言った。
うーむ、女の子だとやっぱりこういう接し方をされるのか。
「わかりました!」
複雑な気持ちになりながら俺は子供っぽく元気に答えた。
人型ロボット用の大きな門の隣にある人用の門を通って学園の中へと入る。
ここは建前上デュープラ王国最後の砦な訳で学園は魔法の付与された石造りの強固な城壁によって囲まれているのだ。
敷地も相応に広い。
なので俺には歩くのが非常に大変だ。
監禁生活だったのだろうし運動とは無縁の体だ、体力がない。
「はぁはぁ……ふぅ。女神よ、私に体力を与えてください」
そう言って魔法を唱えるが、女神様が与えてくれたのは一定時間疲労や傷の回復が早くなるだけのものだった。
回復はできても魔力が対価ではステータスを上げる事は出来ないのだ……まぁそれでも十分過ぎるくらい魔法は強力だ。
「少し、休憩しますか。時間的にはまだありますから」
魔法もあるし数分も休めば回復できるだろう。
虐待で疲労していた分も多少マシになっていく……早く鏡を見たいし石より柔らかいベッドで傷を癒したいものだ。
ちなみに魅力評価は鏡で鍛えるのだ。
鏡を見ながら表情筋を鍛えねば。
そう思いながら俺は髪をさりげなく整える。
服は良いのを着させられたがそれだけでは身嗜みが良いとはいえないだろう。
あのババア……とりあえず綺麗にして良い服着せれば良いだろとか適当に考えてるのがまるわかりだな。
門の外で降りろともいわれたしな。
「ふぅ~、ありがとうございます。休憩にしましょう。兵士さん、えっと、あなたの名前はなんというのですか。お、私はロリエルと言います」
休憩がてら少し話してみることにした。
「俺の名前はソルと言います、ロリエル様」
偉くかしこまってソルはそう言う。
「様はつけなくて良いですよ。貴族ではないですから」
「いやいや、ここの学園の生徒となり、人々を守る女神様や今は姿を消してしまった異世界の勇者様達のような存在になるのですから軽々しくは呼べません」
ソルはそう言う。
なんと立派な兵士さんじゃないか。
ババアもこの人を見習えよ!
この人は俺がハーフエルフでも毛嫌いのひとつもしてないぞ。
ガタガタガタガタッ。
ソルに感心していると後ろからやってきた馬車が通り過ぎていく。
俺も乗せやがれ!
でもやっぱり、学園でさえ馬車か……。
人型ロボットも大砲を置いただけの戦車もどきもあると言うのに民間用には車もないんだから歪な進歩だよなぁ。
ゲーム的には馬車に乗ってイケメンとイチャイチャ出来る無駄要素としてそうなっていたわけだが、こうしてリアルになってみて考えると民間に回す余裕がないとも言えるのかな。
なんて思いながら俺はソルと会話を続ける。
「ありがとうございます。立派ですねソルさんは、私も頑張ります!」
おかげでロリエルのキャラが出来てきたな。
女の子をいきなりするのは大変だぜ。
「そんな事はありません。ただ、張り切り過ぎずに冷静に、常に注意して、生きてくださいね」
そう少し悲しそうな顔で俺にソルは言う。
そっか、そうだよなぁ……兵士なら尚更そう思うよな。
これからお前の目の前の少女が魔物との激戦に叩き込まれ、そして死ぬ可能性は普通に考えればかなり高いもんな。
ソルさんへの好感度が爆上がりした瞬間だった。
「さぁ、つきましたよ。あそこの人達についていってください」
うーん、憑依先を選ぶときに見た新入生達がわらわらといるな。
上はババアから下は俺と同じかそれ以下ぐらいまでまぁ皆女性だ。
「わかりました。ここまでありがとうございました」
「いえいえ、ご武運を!」
ソルは去っていった。
「はぁ、あれに並ぶのか」
ちゃんとした列ぐらいは作れよとは思うほどわらわらとむらがる人の列だった。
義務教育って偉大だったんだな。
この国に義務教育はない……だから魔物に負けるんやで……。
まぁ不規則な塊でわかりづらいがざっと100人ぐらいはいそうだな。
この人の流れに乗っていけば良いのか。
無いだろうがもし何かあったら死人が出そうな感じだから少し距離を置いてついて行くとするか。
「うーん、ソルとか言う人は素晴らしい人だったな。ありがとう。女神様、彼に少しばかり祝福を与えたまえ……」
しばらくの間、彼はより少しだけ成長しやすくなりほんの少しの幸運にも恵まれるはずだろう。
自分にもかけておこ。
『祝福を与えたぞ。もう魔法を使いこなすとは流石英雄。だがそろそろ私も話して良いだろうか?』
女神様がそう言って話しかけてきた。
あぁ、俺も聞きたい事がある。
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