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通じ合う気持ち
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フローレンスは、ここまで自分の気持ちを正直に話してくれたレイサスを前に、思わず絶句してしまった。自分に自信のないフローレンスにとって、レイサスの話は簡単には信じることができないけれど、レイサスの真剣な瞳が嘘を言ってるようにも見えなかった。目を瞬いて何も言えないフローレンスを前に、顔を赤くしたレイサスが、話を続けた。
「そもそも、公爵家って言ったって、俺は次男だ。公爵家を継ぐのは俺の兄だぞ。俺なんかにお前の家をどうこうできるわけないだろう?しかもなんだよ、さっきから弟の話ばっかり。弟の為ならなんでもするとか、もう言うな! あと、敬語もやめろ。俺はお前にそんなものは望んでない。俺はレイサスだ。お前、この前「レイ」って呼んだだろう?これからもそう呼んでほしい。」
「あの、でも―――」
「でも、じゃない。俺はここまで正直に全部話したんだ。どれだけ恥ずかしいことか、お前にわかるのか!?それもこれも、全てお前がわけのわからないこと言ってきたせいだろう?責任とって俺の気持ちを受け入れろ。お前、今の婚約者とうまくいってないんだろう?解消になるって噂になってるぞ。」
フローレンスは、それについては、正直に頷いた。
「だったら、なんの問題もないだろう?素直に俺の気持ちを受け入れて、俺に甘えればいい。言っただろう?他の奴と一緒にするなって、俺はお前に甘えてほしい。」
「甘えて・・・いいの?・・・本当に?」
フローレンスの潤んだ瞳が、窓から差し込んできた夕日に照らされキラキラ輝いていた。金色に輝く髪は、何度も頭を下げたせいで乱れてしまっているし、泣きすぎた目元は既に腫れていた。鼻も赤くなっており、その顔はどこから見ても情けないものだったが、今のレイサスにとっては、震えるほど愛おしいと思えた。
「フローレンス。おいで。」
レイサスが優しく囁き、そっと手を伸ばすと、フローレンスは自分の震える手を前に出し、その手に応えた。周りからは怖がられて、常に距離を置かれていた自分をフローレンスが受け入れてくれたことが嬉しくて、抑えのきかなくなったレイサスは、その手を強く引き、フローレンスを抱きしめた。自信なさげに見上げてくるフローレンスの顔に、少し顔を赤くしたレイサスがそっと顔を寄せて唇を重ねた。
「レイは、立派な貴族のご子息なのに、女の趣味は悪いのね・・・。」
真っ赤な顔のフローレンスが、レイサスの胸に頬を押し付けながら囁くと、それを聞いたレイサスが、顔をほころばせた。
「ははっ、そうだな。お前みたいな女を好きだって言う男は、俺しかいないな。だから、ちゃんと俺の傍にいろ。」
腕の力を強めたレイサスが、もう一度フローレンスの顔を上げ、口づけを落とした。レイサスの気が済むまで何度も続けられた口づけがようやく終わる頃には、全身の火照りと酸欠によってフローレンスは自分で歩けないほどフラフラになってしまった。そして、満足そうな顔のレイサスに、大切に抱きかかえられて寮まで戻ることになるのだった。
次の日からは、フローレンスの教室にレイサスが度々訪れるようになった。しかし、フローレンスを迎えに来るレイサスは相変わらずの不愛想で口数も少なかった。均整の取れた体に整った顔立ちのレイサスだが、その眼光は鋭く、話しかけるなと無言の圧力さえ感じる。ただでさえ接しにくい相手な上にクレイズ公爵家の令息ということもあって、彼に直接話しかけるような者はほとんどいなかった。しかし、フローレンスと一緒にいるレイサスは、極まれに楽しそうに笑ったり、優しく微笑んだりしていた。常に恐ろしい空気に包まれた高位令息がフローレンスに対してだけ口元を緩めるのだ。その瞬間を偶然見てしまったなら、誰もが心を掴まれてしまうほどレイサスの笑顔には破壊力があった。
そんなレイサスが、常にフローレンスのどこかしらに触れているのだ。空気を読まずにあちこち動き回るフローレンスに向かって 「離れるな!」 と怒っていることも一度や二度ではなかった。肩に腕を回したり、腰に手を当てていたり、そうでなければ手を繋いだりもする。フローレンスの髪を弄り、頬に触れる。そして、人の気持ちに鈍感すぎるフローレンスを叱るのだ。不愛想で不器用なレイサスが、誰が見てもフローレンスが大好きだとわかるように愛情を表現していた。今や、ジルドナとフローレンスの婚約解消まで秒読み段階だとわかっている周りの生徒達は、気落ちしていたフローレンスを気の毒に思っていた分、レイサスとの新しい関係を快く見守っているのだった。
「そもそも、公爵家って言ったって、俺は次男だ。公爵家を継ぐのは俺の兄だぞ。俺なんかにお前の家をどうこうできるわけないだろう?しかもなんだよ、さっきから弟の話ばっかり。弟の為ならなんでもするとか、もう言うな! あと、敬語もやめろ。俺はお前にそんなものは望んでない。俺はレイサスだ。お前、この前「レイ」って呼んだだろう?これからもそう呼んでほしい。」
「あの、でも―――」
「でも、じゃない。俺はここまで正直に全部話したんだ。どれだけ恥ずかしいことか、お前にわかるのか!?それもこれも、全てお前がわけのわからないこと言ってきたせいだろう?責任とって俺の気持ちを受け入れろ。お前、今の婚約者とうまくいってないんだろう?解消になるって噂になってるぞ。」
フローレンスは、それについては、正直に頷いた。
「だったら、なんの問題もないだろう?素直に俺の気持ちを受け入れて、俺に甘えればいい。言っただろう?他の奴と一緒にするなって、俺はお前に甘えてほしい。」
「甘えて・・・いいの?・・・本当に?」
フローレンスの潤んだ瞳が、窓から差し込んできた夕日に照らされキラキラ輝いていた。金色に輝く髪は、何度も頭を下げたせいで乱れてしまっているし、泣きすぎた目元は既に腫れていた。鼻も赤くなっており、その顔はどこから見ても情けないものだったが、今のレイサスにとっては、震えるほど愛おしいと思えた。
「フローレンス。おいで。」
レイサスが優しく囁き、そっと手を伸ばすと、フローレンスは自分の震える手を前に出し、その手に応えた。周りからは怖がられて、常に距離を置かれていた自分をフローレンスが受け入れてくれたことが嬉しくて、抑えのきかなくなったレイサスは、その手を強く引き、フローレンスを抱きしめた。自信なさげに見上げてくるフローレンスの顔に、少し顔を赤くしたレイサスがそっと顔を寄せて唇を重ねた。
「レイは、立派な貴族のご子息なのに、女の趣味は悪いのね・・・。」
真っ赤な顔のフローレンスが、レイサスの胸に頬を押し付けながら囁くと、それを聞いたレイサスが、顔をほころばせた。
「ははっ、そうだな。お前みたいな女を好きだって言う男は、俺しかいないな。だから、ちゃんと俺の傍にいろ。」
腕の力を強めたレイサスが、もう一度フローレンスの顔を上げ、口づけを落とした。レイサスの気が済むまで何度も続けられた口づけがようやく終わる頃には、全身の火照りと酸欠によってフローレンスは自分で歩けないほどフラフラになってしまった。そして、満足そうな顔のレイサスに、大切に抱きかかえられて寮まで戻ることになるのだった。
次の日からは、フローレンスの教室にレイサスが度々訪れるようになった。しかし、フローレンスを迎えに来るレイサスは相変わらずの不愛想で口数も少なかった。均整の取れた体に整った顔立ちのレイサスだが、その眼光は鋭く、話しかけるなと無言の圧力さえ感じる。ただでさえ接しにくい相手な上にクレイズ公爵家の令息ということもあって、彼に直接話しかけるような者はほとんどいなかった。しかし、フローレンスと一緒にいるレイサスは、極まれに楽しそうに笑ったり、優しく微笑んだりしていた。常に恐ろしい空気に包まれた高位令息がフローレンスに対してだけ口元を緩めるのだ。その瞬間を偶然見てしまったなら、誰もが心を掴まれてしまうほどレイサスの笑顔には破壊力があった。
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