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後編
ジョンの隣で、顔面蒼白になっているミーシャに視線をやった。
「ミーシャさん。あなたがジョン様に報告なさった嫌がらせの数々ですが、他に確たる証拠がございますか?」
「あのっ……いえっ……」
(ジョン様を誑かすのはさぞ容易かったでしょうね。でも、それは私たちにとっては想定内……)
その時、ホールのバルコニーにジョンの父、国王陛下が姿を現した。
生徒一同が一斉に傅く。
「父上っ……⁉︎」
陛下の傍には、キャサリンの父である宰相の姿も。
「国王陛下にご挨拶申し上げます。この度は御足労いただき、ありがとうございます」
キャサリンが頭を下げると、知っていたのか⁉︎と言わんばかりの眼光でジョンが彼女を睨みつけた。
「本来なら学生たちの憩いの場に水を差すようなことはしたくはなかったが……先ずは我が息子、ジョンから説明を聞こうか」
「父上‼︎キャサリンに何か吹き込まれたやもしれませんが、私は彼女、ミーシャと想い合っています!ミーシャから、キャサリンに嫌がらせを受けていると聞かされ、此度追求の機会を設けました!」
「ほう?で、その追求とやらは上手くいったのか?」
「そ、それは……」
「では、キャサリン。先程からの隙のない弁論はさすが、名宰相の子といったところだ。」
「ありがたきお言葉、恐悦至極にございます」
「此度の騒動を見ても、君は我が国、国政になくてはならない存在であることは誰もが認めることだろう。我が唯一の世継ぎであるジョンを、次期王妃として支えて欲しいと思っていたのだが、愚息の行いは君の名誉を傷付けかねないものだ。このような者の婚約者は願い下げだと言うのなら、別の地位に就いて我が国に貢献してもらいたい」
「陛下、お心遣いに感謝致しますわ。ですが、私の気持ちは変わりません。王妃としてこの国に尽くして参る覚悟は、とうの昔に出来ております」
何故だ!と再びジョンがキャサリンを睨みつけた。
「それは良かった!我が国も安泰だ。しかし、一つ不安材料が残る。たかだか男爵令嬢に現を抜かし、物事を冷静に判断することさえ出来なくなったお前の存在だ、ジョン。血筋では国のトップに君臨できたとしても、お前は国王の器ではない。よって、次期国王に関しては、あらゆる物事の最終決定権を与えないことにする。変わりに最終決定権を次期王妃に与える!この案件は次回の王国会議で承認し、正式決定とす!」
「誠心誠意、我が国のために尽くさせていただきます」
キャサリンは深々と頭を下げた。
ホール内は緊迫の空気が流れていた。
ジョンは、頭の中が真っ白になったのだろうか、微動だにせず父を見上げていた。
「さて、キャサリン。その男爵令嬢の処遇はどうしたものかね」
「陛下、私にはまだ、彼女の処遇を決める権限はございません。どうぞ、陛下のご判断で」
フリーズしているジョンの陰で、ミーシャも同じく頭の中も顔面も真っ白になって固まっていた。
「ミーシャさん。あなたがジョン様に報告なさった嫌がらせの数々ですが、他に確たる証拠がございますか?」
「あのっ……いえっ……」
(ジョン様を誑かすのはさぞ容易かったでしょうね。でも、それは私たちにとっては想定内……)
その時、ホールのバルコニーにジョンの父、国王陛下が姿を現した。
生徒一同が一斉に傅く。
「父上っ……⁉︎」
陛下の傍には、キャサリンの父である宰相の姿も。
「国王陛下にご挨拶申し上げます。この度は御足労いただき、ありがとうございます」
キャサリンが頭を下げると、知っていたのか⁉︎と言わんばかりの眼光でジョンが彼女を睨みつけた。
「本来なら学生たちの憩いの場に水を差すようなことはしたくはなかったが……先ずは我が息子、ジョンから説明を聞こうか」
「父上‼︎キャサリンに何か吹き込まれたやもしれませんが、私は彼女、ミーシャと想い合っています!ミーシャから、キャサリンに嫌がらせを受けていると聞かされ、此度追求の機会を設けました!」
「ほう?で、その追求とやらは上手くいったのか?」
「そ、それは……」
「では、キャサリン。先程からの隙のない弁論はさすが、名宰相の子といったところだ。」
「ありがたきお言葉、恐悦至極にございます」
「此度の騒動を見ても、君は我が国、国政になくてはならない存在であることは誰もが認めることだろう。我が唯一の世継ぎであるジョンを、次期王妃として支えて欲しいと思っていたのだが、愚息の行いは君の名誉を傷付けかねないものだ。このような者の婚約者は願い下げだと言うのなら、別の地位に就いて我が国に貢献してもらいたい」
「陛下、お心遣いに感謝致しますわ。ですが、私の気持ちは変わりません。王妃としてこの国に尽くして参る覚悟は、とうの昔に出来ております」
何故だ!と再びジョンがキャサリンを睨みつけた。
「それは良かった!我が国も安泰だ。しかし、一つ不安材料が残る。たかだか男爵令嬢に現を抜かし、物事を冷静に判断することさえ出来なくなったお前の存在だ、ジョン。血筋では国のトップに君臨できたとしても、お前は国王の器ではない。よって、次期国王に関しては、あらゆる物事の最終決定権を与えないことにする。変わりに最終決定権を次期王妃に与える!この案件は次回の王国会議で承認し、正式決定とす!」
「誠心誠意、我が国のために尽くさせていただきます」
キャサリンは深々と頭を下げた。
ホール内は緊迫の空気が流れていた。
ジョンは、頭の中が真っ白になったのだろうか、微動だにせず父を見上げていた。
「さて、キャサリン。その男爵令嬢の処遇はどうしたものかね」
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