漆黒の森

邪悪

文字の大きさ
8 / 16
【外伝】タスクの最期の願い

1/2 大切なもの

しおりを挟む
『タスク家』

タスク「今日で最後の飯になるかもな...」

マロ「ん?」

タスク「いや、なんでもないよ」

タスク「マロ、俺は明日から出かけてくる」

タスク「もしかしたら帰ってこない...かもしれない」

マロ「パパ、大丈夫?」

タスク「大丈夫だ。俺は世界を守るヒーローだぞ?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『タスクの部屋』
タスク「一応書いた」

タスク「......こんなもの...渡せるわけ...ない。」

遺書のようなものをポケットへ突っ込む
それと同時に涙がこみ上げてくる

タスク(俺は、駒のように死ぬのではないんだ。国家のために盾になるのだ。)

いつも強気なタスクだったが今日だけは弱気になっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兵士志願者は続々と城に集まり、それぞれ面接の練習をしている。

タスク (同じような者しかいない)

毎年タスクはそう思う
いつも
本気でこの国を守りたいという者
誰かを守りたいという者はいなかった。
そんなものなのだ
結局は自分だ。
仲間はいつもそうだった。
もう一度ガンキルトと酒が飲みながら話していたかった。
と外を見ながら我を忘れてタスクは思いふけっていた。

そしてついに志願者が全員揃った。
リストを見渡すと名がないものが1人

不思議に思い、その男を指し問いただした

タスク「誰だお前は、リストに名前がないぞ」

シャガル「シャガルです。闇黒騎士団志望です。」

タスク(シャガルか...騎士団志望なのは分かっている。)

タスク(申し込みをしないとはいい度胸だ。大体のやつは睨めば怯む。)

タスクはシャガルの目の前に立ち、睨みつけながら

タスク「なんだその態度は、謝るのが先じゃないか?」

理不尽なことを言ってみる

そうすると周りの連中が一気に静かになった。

シャガル「...。」

黙っていて何も言わない少年

そして更に問いただす

タスク「何故、名簿に名がないんだ」

何も言わない

タスク「ダンマリか...まぁいい」

この男はその他と違う気がした。
そう感じた

タスク「採用試験は特別に受けさせてやる。」

タスク「だが、もし落ちたら闇黒国家から追放させてもらう。」

シャガル「はい。分かりました。」
と何故かその言葉に憎しみを感じた。
しかしタスクとシャガルは初対面であった。

タスク「ほぉ?相当自分の腕に自信があるんだな」
タスクは改まって
タスク「今から採用試験を始める!」
と怒鳴るように志願者に言った。









採用試験の説明が終わり、シャガルという者の友人と面会をすることになった。
その男はクロムといった。

タスク「君の騎士になろうとした理由はなんだ?」

クロム「父親の影響です。」

クロム「自分は能力がなく、なにもできないですけど、」

クロム「父親のお陰でこんな俺でも家族、いや...国を守りたいと思えたんです。」

タスク「そうか」
口ではなんとでも言える。
しかしこの男からはなにか強い気を感じる
どこかで感じたような、
だがタスクは思い出せなかった。

タスク「君は、ヒーローだ」

クロム「え?」

タスク「人は1人ではなにもできない。」

タスク「君が、この世界を守るヒーロー。大切なものを守るヒーローの一人になれる素質がある」

タスク「ガヴェン大隊長にも伝えといてくれ。」

タスク「あなたの息子は立派ですと。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タスク「戦争まで後24時間ですか」

アスラ「あぁ、あっちから宣戦布告だとはな。なめていやがる」

アスラは闇黒騎士団の四天王の1人である。
変幻魔術を扱い、自分自身を魔物と化すことも出来る。

なぜタスクはその大幹部と話しているのか

それは聖軍との戦争について。
今から一ヶ月前聖軍から宣戦布告を受け、
その事の相談をしていた。

タスク「装備も、食料もありません。このままだと我が軍は...」

アスラ「...大丈夫だ。」

ドカーン

アスラが何か話そうとした時、爆撃音が。

タスク「クソッ!」

タスクは試験所に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【採用試験所】
闇黒兵士1「タスク大佐!ミッドナイトから爆撃音が!」

タスク(なんだとっ!明日じゃなかったのか?)

闇黒兵士「おそらく、聖軍かと...」

タスク(ちっ...)

タスク「相手の指揮官は誰だ」

闇黒兵士2「聖軍小隊長・ヴァリンだと思われます。」

タスク「わかった。今すぐその村の人々を避難させろ」

闇黒兵士1、2「はっ!!」敬礼

タスク「貴様ら!早速出番だ!」
タスクの号令により軍が動き出した。











しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】「別れようって言っただけなのに。」そう言われましてももう遅いですよ。

まりぃべる
恋愛
「俺たちもう終わりだ。別れよう。」 そう言われたので、その通りにしたまでですが何か? 自分の言葉には、責任を持たなければいけませんわよ。 ☆★ 感想を下さった方ありがとうございますm(__)m とても、嬉しいです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...