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131.地獄の門番
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女達がまたはしゃいで、新たに孔雀がテーブルに出したお菓子をつまみまじめた。
スリッパのようなものを脱いで素足で絨毯の上で寛いでいる。
「足腰に悪いから椅子に座りなさいと言ってるんだけどねえ。この国の女達は皆、猫みたいに地べたに座るのよ」
「絨毯の品質がいいものだからでしょう。とっても気持ちいいもの」
孔雀がまるで花園のように鮮やかな美しい絨毯をうっとりと撫でた。
ああ、ゴロゴロしたいわ・・・と呟いている。
妹弟子の様子に、これは買うと言いだすなと雉鳩が苦笑した。
雉鳩と翡翠も座り、女達の格好の娯楽になっている。
翡翠は外面の物腰の良さを発揮して終始にこやかにしていた。
戴勝と孔雀はその様子を眺めながら、話していた。
「・・・母后様、宰相様は後宮にお出入りなさっていたのですか?」
先ほどの会話が少し気がかりであった。
母后が頷いた。
ああ、この子はやはり勘がいい。勘というより、違和感に敏感なのか。
後宮には、皇帝以外の男は厳禁のはず。
なぜ、彼女達は目白とそれほど親しむことが出来たのだろう。
目の前の母后や亡き大宰相がいくら強引でも、許されないことだろう。
母后が口元を押さえていた美しい象牙の扇子を少し下げて唇だけで伝えると指示した。
孔雀は頷いた。
家令達が叩き込まれる特殊技能のひとつを、この姉弟子もまた履修していたと言うことだろう。
(・・・大戦の折。目白お兄様がこの国の虜囚となったの。当時、枢機卿だったからね。戦争の始まりと終わり、節目には家令が斥候として行く決まりがあるだろ。聖職にある家令なら尚更良い。目白お兄様は停戦を申し入れたけれど断られて。捕らえられたの)。
孔雀は頷いた。
当時、雉鳩の祖父にあたる総家令の白雁は戦死して、代理の瑠璃鶲は正式に総家令になることを辞退していたから物事の影で動く家令の動向の詳細を知るための日記を記していないのだ。
白鷹や梟から、下の世代は話は聞いた事がある程度。
(私も一応は神官長だし。軍では割と階級が上だったしね。目白お兄様奪還に来たんだけど、捕まっちゃって。まあ、家令は珍しいし。当時何人かいた王子の格好のおもちゃよね)。
戦争で功績のある、つまり敵国にとったら敵ともなる女家令が、どのような目にあったのかを想像して、孔雀と金糸雀は胸が痛んで思わず手を握り合った。
(・・・そんな悲しい顔をしないで。大丈夫。私だって、さあて、どうやって王子達を一人づつ殺して首を手土産に国に帰ろうか考えてたんだから。でもね、一番歳下のひ弱な子がリドだったの。ここじゃ除け者でね。母親も早くに死んでしまって、他の兄王子やその母親達からも疎まれてた。で、そのチビが目白お兄様を助ける代わりに契約をしたと言って、現れたの)。
悪魔の契約と揶揄される、家令が自分の名前と命をかけて果たす契約。
(再会した時、目白お兄様は宮刑の処置をされてた。つまり去勢だよね。もう居ないけど、昔はこの国には、去勢された男達の軍隊ってのがあったんだよ。殊の外強かった。目白お兄様も軍人だもの。そっちに使おうと思ってたんだろうね。でも、私もリドと契約をして。あの子を守って王にすると誓った。その後、目白お兄様は宦官の身分で、宰相の地位についたんだよ)。
そうなのか、と孔雀は頷いた。
王にした、と一言で言ってしまっているが、他の王子達を政治的にか物理的にか、この兄妹が消したのだろう。
(公式的には、私は前の皇帝の最後の妃となってるけれど。それが不可能なのはお前は知っているでしょう)。
(はい。鶚お兄様が、戴勝お姉様は大きな病気をされたと日記に書いてらしたし、当時の典医の犀鳥お姉様がカルテを残しておられました)。
(そう。子宮をほぼ全部摘出したからね。犀鳥お姉さまが手術してくれたんだけど。なんか全部は体に悪いとか言うんだから、卵巣はひとつ残したのよ。だからたまに月の物は来るわけ。面倒ったらないったら・・・。まあ、家令としちゃ妊娠しないのは悪くない話だけど。・・・・・・だから、皇帝の子供が出来たから妃になって、その後、皇帝が死んで、自分の子もだめになって、代わりに皇太子の貢献人になった、というのは当然作り話)。
戴勝が笑った。
(・・・目白と私は一緒に生きるには、いろいろと余分なものが多かったんだろうね。だからいっそいろんなもの失って、まあ、良かったのかもしれないよ)。
清々とした顔で彼女はそこまで唇だけで言い切った。
戴勝と目白は母を別とする実の兄妹だ。
いくら家令が節操がなくとも、許される間柄ではない。
彼女達が失ったもの、そして、新しく得たもののなんと大きいことか。
孔雀は改めて、姉弟子を見た。
じっと見つめられて、不思議そうに勝戴が瞬きをした。
「どうしたの」
「・・・いえ。あの・・・母后様は、ええと、なんというか・・・」
(なんだよ?)と戴勝が扇を掲げて促した。
「でっかい女だなあ、と思いまして」
彼女は、はあ?と言う顔をしてから、腹を抱えて笑いだした。
「ああ、アンタ!なんておかしいんだろ」
母后の様子に、女達も釣られて笑った。
「・・・では今度は、ちょっとびっくりして頂かなくちゃ」
孔雀がうきうきした様子で封書を手渡した。
銀箔のすき込まれた和紙に、美しい濃紺の墨字。
「アラ、白鷹からね。お見事な筆跡ね。あの子、ええかっこしいなんだから」
憎まれ口をたたきつつ、嬉しそうに読んでいた顔が険しくなった。
信じられない、というように孔雀を見つめた。
「・・・これはどういう・・・本当なのかい?」
「はい。・・・三十数年程前になりますか。戴勝お姉さまと目白お兄様が生きていらっしゃるとわかって、白鷹お姉様が家令を二人こちらに差し向けましたとか」
母后は頷いた。
「・・・そうだね。鷂と猩々朱鷺。・・この国で宮廷に入れるのは男と既婚女性のみだからね。こっちの貴族と偽装結婚して現れやがった。問題は、相手が本当にベタ惚れして完全に騙されてたことだよ。あの後大変だったんだから!」
あの二人がやりそうなことだ。
美人姉妹として潜入してきたのが家令と分かり、巫女秋沙の子である猩々朱鷺と、弟弟子の青鵐の子である鷂と分かると戴勝も目白も喜んだが、同時にそら恐ろしくもあった。
こんなに簡単にほぼ鎖国状態で鉄壁の国防を誇るこの国に家令は潜り込んでくるのか。と。
自分たちもそうであったが、やはり家令というのは、一筋縄ではいかない。
「私と目白に帰還を促す目的だったのだけど。それでうまくいかないならば、私たち二人とも殺しとけとでも言われたのでしょうけど」
しかし、妹弟子二人は兄弟子と姉弟子に危害を加えることなくこの国を出て行ったのだ。
鷂はその後、国際機関に出向し、度々、宰相や母后と会う事が出来ていた。
が、母后と猩々朱鷺はあれ以来会う事はなかった。
はあ、と戴勝はため息をついた。
「・・・・美人姉妹と当時話題になったのよ。他人の妻に手を出したらこの国じゃあ、重ねて四つに切られても文句は言えないの。正式に妻に迎えなきゃいけない。なのにそんなバカが・・・いたのね。近くに・・・」
「・・・私、今更蒸し返さなくてもと思ったのですけど」
大戦の発端は、継承戦争だった。
かつてQ国の姫が、緑柱帝に当時の慣習であった高貴なる人質という名目で継室として輿入れしたのだが、緑柱が弟の白鉄に帝位を移譲した際、彼女は家令の鶫に下賜されたのだ。
鶫は下賜されたその菫妃という名を賜った異国の継室と結婚する為に、当時婚姻関係にあった星鴉と離婚をした。
星鴉との間には、鶍が産まれていた。
家令は婚姻どころか生き死にすら人事と言われるくらいだ。本人の意思は関係なく、問題とはされない。
そして、鶫と菫の子が鶚。
白鉄帝の娘である金緑帝の総家令に当たる。
「そんな事は、よくある話。でもこの先が問題。金緑帝様は、正室や継室との間の子を全部押しのけて、鶚お兄様との間の子である黒曜様を帝位につけたのよ」
女皇帝が総家令との間の子を帝位につける。
数例あるが、それでも異例ではある。
「この国では、女には権利がない。相続権はないの。例え未亡人であっても、遺産を相続できるのはその息子か、あるいは夫の男兄弟。・・・それをこの国は持ち出してきた。つまり、黒曜様は菫様の孫に当たる。ならば、この国が、その帝位を継承する権利があるってね」
言いがかりも甚だしいとは思うが、結局は何らかの理由がつけばなんだっていいのだろう。
孔雀は頷いた。
「はい。今回は白鷹お姉様の意趣返しという事でございますね・・・。現在、こちらでも一代であれば女性にも相続が認められておりますから」
「白鷹はこの国を恨み抜いているからね」
母后は立ち上がった。
「・・・ああ・・・どうりであの宮廷育ち。筋金入りなわけだよ。根性曲がりめ・・・。確認しなくちゃね」
「緋連雀お姉様のDNA検査でしたらこちらでご用意してございますよ」
「ああ、そんなの!そんなことしなくたって、よくよく並べて見てみればわかることじゃないか。ちょっと待っててちょうだい。私はまずすることがあるんだから!」
母后はそのままばんえい競馬のような勢いで部屋を出て行って顔だけ廊下に出した。
「リドを呼びな!あのドラ息子!」
美しく長い廊下に義息子を呼びつける地獄の門番めいた母后の怒号が響いた。
スリッパのようなものを脱いで素足で絨毯の上で寛いでいる。
「足腰に悪いから椅子に座りなさいと言ってるんだけどねえ。この国の女達は皆、猫みたいに地べたに座るのよ」
「絨毯の品質がいいものだからでしょう。とっても気持ちいいもの」
孔雀がまるで花園のように鮮やかな美しい絨毯をうっとりと撫でた。
ああ、ゴロゴロしたいわ・・・と呟いている。
妹弟子の様子に、これは買うと言いだすなと雉鳩が苦笑した。
雉鳩と翡翠も座り、女達の格好の娯楽になっている。
翡翠は外面の物腰の良さを発揮して終始にこやかにしていた。
戴勝と孔雀はその様子を眺めながら、話していた。
「・・・母后様、宰相様は後宮にお出入りなさっていたのですか?」
先ほどの会話が少し気がかりであった。
母后が頷いた。
ああ、この子はやはり勘がいい。勘というより、違和感に敏感なのか。
後宮には、皇帝以外の男は厳禁のはず。
なぜ、彼女達は目白とそれほど親しむことが出来たのだろう。
目の前の母后や亡き大宰相がいくら強引でも、許されないことだろう。
母后が口元を押さえていた美しい象牙の扇子を少し下げて唇だけで伝えると指示した。
孔雀は頷いた。
家令達が叩き込まれる特殊技能のひとつを、この姉弟子もまた履修していたと言うことだろう。
(・・・大戦の折。目白お兄様がこの国の虜囚となったの。当時、枢機卿だったからね。戦争の始まりと終わり、節目には家令が斥候として行く決まりがあるだろ。聖職にある家令なら尚更良い。目白お兄様は停戦を申し入れたけれど断られて。捕らえられたの)。
孔雀は頷いた。
当時、雉鳩の祖父にあたる総家令の白雁は戦死して、代理の瑠璃鶲は正式に総家令になることを辞退していたから物事の影で動く家令の動向の詳細を知るための日記を記していないのだ。
白鷹や梟から、下の世代は話は聞いた事がある程度。
(私も一応は神官長だし。軍では割と階級が上だったしね。目白お兄様奪還に来たんだけど、捕まっちゃって。まあ、家令は珍しいし。当時何人かいた王子の格好のおもちゃよね)。
戦争で功績のある、つまり敵国にとったら敵ともなる女家令が、どのような目にあったのかを想像して、孔雀と金糸雀は胸が痛んで思わず手を握り合った。
(・・・そんな悲しい顔をしないで。大丈夫。私だって、さあて、どうやって王子達を一人づつ殺して首を手土産に国に帰ろうか考えてたんだから。でもね、一番歳下のひ弱な子がリドだったの。ここじゃ除け者でね。母親も早くに死んでしまって、他の兄王子やその母親達からも疎まれてた。で、そのチビが目白お兄様を助ける代わりに契約をしたと言って、現れたの)。
悪魔の契約と揶揄される、家令が自分の名前と命をかけて果たす契約。
(再会した時、目白お兄様は宮刑の処置をされてた。つまり去勢だよね。もう居ないけど、昔はこの国には、去勢された男達の軍隊ってのがあったんだよ。殊の外強かった。目白お兄様も軍人だもの。そっちに使おうと思ってたんだろうね。でも、私もリドと契約をして。あの子を守って王にすると誓った。その後、目白お兄様は宦官の身分で、宰相の地位についたんだよ)。
そうなのか、と孔雀は頷いた。
王にした、と一言で言ってしまっているが、他の王子達を政治的にか物理的にか、この兄妹が消したのだろう。
(公式的には、私は前の皇帝の最後の妃となってるけれど。それが不可能なのはお前は知っているでしょう)。
(はい。鶚お兄様が、戴勝お姉様は大きな病気をされたと日記に書いてらしたし、当時の典医の犀鳥お姉様がカルテを残しておられました)。
(そう。子宮をほぼ全部摘出したからね。犀鳥お姉さまが手術してくれたんだけど。なんか全部は体に悪いとか言うんだから、卵巣はひとつ残したのよ。だからたまに月の物は来るわけ。面倒ったらないったら・・・。まあ、家令としちゃ妊娠しないのは悪くない話だけど。・・・・・・だから、皇帝の子供が出来たから妃になって、その後、皇帝が死んで、自分の子もだめになって、代わりに皇太子の貢献人になった、というのは当然作り話)。
戴勝が笑った。
(・・・目白と私は一緒に生きるには、いろいろと余分なものが多かったんだろうね。だからいっそいろんなもの失って、まあ、良かったのかもしれないよ)。
清々とした顔で彼女はそこまで唇だけで言い切った。
戴勝と目白は母を別とする実の兄妹だ。
いくら家令が節操がなくとも、許される間柄ではない。
彼女達が失ったもの、そして、新しく得たもののなんと大きいことか。
孔雀は改めて、姉弟子を見た。
じっと見つめられて、不思議そうに勝戴が瞬きをした。
「どうしたの」
「・・・いえ。あの・・・母后様は、ええと、なんというか・・・」
(なんだよ?)と戴勝が扇を掲げて促した。
「でっかい女だなあ、と思いまして」
彼女は、はあ?と言う顔をしてから、腹を抱えて笑いだした。
「ああ、アンタ!なんておかしいんだろ」
母后の様子に、女達も釣られて笑った。
「・・・では今度は、ちょっとびっくりして頂かなくちゃ」
孔雀がうきうきした様子で封書を手渡した。
銀箔のすき込まれた和紙に、美しい濃紺の墨字。
「アラ、白鷹からね。お見事な筆跡ね。あの子、ええかっこしいなんだから」
憎まれ口をたたきつつ、嬉しそうに読んでいた顔が険しくなった。
信じられない、というように孔雀を見つめた。
「・・・これはどういう・・・本当なのかい?」
「はい。・・・三十数年程前になりますか。戴勝お姉さまと目白お兄様が生きていらっしゃるとわかって、白鷹お姉様が家令を二人こちらに差し向けましたとか」
母后は頷いた。
「・・・そうだね。鷂と猩々朱鷺。・・この国で宮廷に入れるのは男と既婚女性のみだからね。こっちの貴族と偽装結婚して現れやがった。問題は、相手が本当にベタ惚れして完全に騙されてたことだよ。あの後大変だったんだから!」
あの二人がやりそうなことだ。
美人姉妹として潜入してきたのが家令と分かり、巫女秋沙の子である猩々朱鷺と、弟弟子の青鵐の子である鷂と分かると戴勝も目白も喜んだが、同時にそら恐ろしくもあった。
こんなに簡単にほぼ鎖国状態で鉄壁の国防を誇るこの国に家令は潜り込んでくるのか。と。
自分たちもそうであったが、やはり家令というのは、一筋縄ではいかない。
「私と目白に帰還を促す目的だったのだけど。それでうまくいかないならば、私たち二人とも殺しとけとでも言われたのでしょうけど」
しかし、妹弟子二人は兄弟子と姉弟子に危害を加えることなくこの国を出て行ったのだ。
鷂はその後、国際機関に出向し、度々、宰相や母后と会う事が出来ていた。
が、母后と猩々朱鷺はあれ以来会う事はなかった。
はあ、と戴勝はため息をついた。
「・・・・美人姉妹と当時話題になったのよ。他人の妻に手を出したらこの国じゃあ、重ねて四つに切られても文句は言えないの。正式に妻に迎えなきゃいけない。なのにそんなバカが・・・いたのね。近くに・・・」
「・・・私、今更蒸し返さなくてもと思ったのですけど」
大戦の発端は、継承戦争だった。
かつてQ国の姫が、緑柱帝に当時の慣習であった高貴なる人質という名目で継室として輿入れしたのだが、緑柱が弟の白鉄に帝位を移譲した際、彼女は家令の鶫に下賜されたのだ。
鶫は下賜されたその菫妃という名を賜った異国の継室と結婚する為に、当時婚姻関係にあった星鴉と離婚をした。
星鴉との間には、鶍が産まれていた。
家令は婚姻どころか生き死にすら人事と言われるくらいだ。本人の意思は関係なく、問題とはされない。
そして、鶫と菫の子が鶚。
白鉄帝の娘である金緑帝の総家令に当たる。
「そんな事は、よくある話。でもこの先が問題。金緑帝様は、正室や継室との間の子を全部押しのけて、鶚お兄様との間の子である黒曜様を帝位につけたのよ」
女皇帝が総家令との間の子を帝位につける。
数例あるが、それでも異例ではある。
「この国では、女には権利がない。相続権はないの。例え未亡人であっても、遺産を相続できるのはその息子か、あるいは夫の男兄弟。・・・それをこの国は持ち出してきた。つまり、黒曜様は菫様の孫に当たる。ならば、この国が、その帝位を継承する権利があるってね」
言いがかりも甚だしいとは思うが、結局は何らかの理由がつけばなんだっていいのだろう。
孔雀は頷いた。
「はい。今回は白鷹お姉様の意趣返しという事でございますね・・・。現在、こちらでも一代であれば女性にも相続が認められておりますから」
「白鷹はこの国を恨み抜いているからね」
母后は立ち上がった。
「・・・ああ・・・どうりであの宮廷育ち。筋金入りなわけだよ。根性曲がりめ・・・。確認しなくちゃね」
「緋連雀お姉様のDNA検査でしたらこちらでご用意してございますよ」
「ああ、そんなの!そんなことしなくたって、よくよく並べて見てみればわかることじゃないか。ちょっと待っててちょうだい。私はまずすることがあるんだから!」
母后はそのままばんえい競馬のような勢いで部屋を出て行って顔だけ廊下に出した。
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