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21.幸せになる条件
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でも、やはり。
こうなってみて桃には引け目があった。
今時、海外にルーツを持つ人間というのは結構いるし、それほど珍しくは無い時代だ。
だが、婚外子とか非嫡出児の子である事実。
それは決して褒められた事ではないし、それは自分ではどうする事もできないもの。
更に、それを分かった上で受けいれてくれているのに、父という人はなぜか波風を立てようとしている。
それを、保真智の家族も、悠の母も決して喜ばない事はわかっているだろうに。
「父の思惑や行動は別として。・・・桃さんの気にしている立場というものを保真智さんは問題にされていませんよね?彼はそう言う人ではないし、桃さんの事が好きでしょう?」
毅然とを言われて、桃は頷いた。
「英さんご夫妻もそのはずです。保真智さんのご両親は、おばあさんに、何も心配しないで、桃さんが次男坊と出会ってくれてとても嬉しいのだからと仰ったそうです」
むしろ、彼らの仕事上、桃の存在は有利に働くはずだ。
桃の祖父は学者の中では著名であるし、大学の門下生も多い。
ヴィゴ・オルソン博士の孫娘であると言う事は、小松川のいわゆる隠し子である事よりも、縁談にとって良い条件であり、結婚すれば、彼女にはきっと居心地のいい世界となるだろう。
結婚生活だからそれは将来何があるか分からないけれど、桃に取ってそれは幸せになる条件に満ちている。
桃は何の負い目も引け目も感じる必要のない、幸せな結婚。
そして桃は、その中で愛情深くベストを尽くすだろう。
きっと円満な家庭になる。
桃は、悠から保真智の両親の言葉を聞き、胸がいっぱいになった。
「・・・いい方達なんです。本当に・・・」
「ええ。わかります。英さんのご家族は、皆、気持ちのいい方達ですね。お兄さんも優しい方で、とても慕われていますよ。彼は保真智さんよりだいぶ上だからすでに結婚して、お子さんもいらっしゃいますよ」
きっと彼もまた弟の妻の桃を大切にしてくれるだろうと悠《はるか》は言った。
そうなのか、と桃は思った。
「・・・妹さんもいらっしゃるんですよね?」
今度、食事会で顔を合わせる予定だった。
「ええ、桃さんより四つ上かな。明るくてはきはきした方ですよ」
間違いなく、桃は彼等に受入れられるだろう。
だから、桃が心配する事など、何も無いのだ、と悠は断言出来る。
桃はほっとして頷いた。
誰かにそう言って貰えると、やはり安心した。
それが、彼らの事をよく知る悠の意見ならば尚、心強く思った。
「・・・でも、だから困るんです」
と、悠は困惑したように言った。
「困る・・・?保真智《ほまち》さんがですか?」
「いいえ。私がです」
悠は、にこやかに微笑んでいる。
桃は意味がわからずに、悠を見つめた。
こうなってみて桃には引け目があった。
今時、海外にルーツを持つ人間というのは結構いるし、それほど珍しくは無い時代だ。
だが、婚外子とか非嫡出児の子である事実。
それは決して褒められた事ではないし、それは自分ではどうする事もできないもの。
更に、それを分かった上で受けいれてくれているのに、父という人はなぜか波風を立てようとしている。
それを、保真智の家族も、悠の母も決して喜ばない事はわかっているだろうに。
「父の思惑や行動は別として。・・・桃さんの気にしている立場というものを保真智さんは問題にされていませんよね?彼はそう言う人ではないし、桃さんの事が好きでしょう?」
毅然とを言われて、桃は頷いた。
「英さんご夫妻もそのはずです。保真智さんのご両親は、おばあさんに、何も心配しないで、桃さんが次男坊と出会ってくれてとても嬉しいのだからと仰ったそうです」
むしろ、彼らの仕事上、桃の存在は有利に働くはずだ。
桃の祖父は学者の中では著名であるし、大学の門下生も多い。
ヴィゴ・オルソン博士の孫娘であると言う事は、小松川のいわゆる隠し子である事よりも、縁談にとって良い条件であり、結婚すれば、彼女にはきっと居心地のいい世界となるだろう。
結婚生活だからそれは将来何があるか分からないけれど、桃に取ってそれは幸せになる条件に満ちている。
桃は何の負い目も引け目も感じる必要のない、幸せな結婚。
そして桃は、その中で愛情深くベストを尽くすだろう。
きっと円満な家庭になる。
桃は、悠から保真智の両親の言葉を聞き、胸がいっぱいになった。
「・・・いい方達なんです。本当に・・・」
「ええ。わかります。英さんのご家族は、皆、気持ちのいい方達ですね。お兄さんも優しい方で、とても慕われていますよ。彼は保真智さんよりだいぶ上だからすでに結婚して、お子さんもいらっしゃいますよ」
きっと彼もまた弟の妻の桃を大切にしてくれるだろうと悠《はるか》は言った。
そうなのか、と桃は思った。
「・・・妹さんもいらっしゃるんですよね?」
今度、食事会で顔を合わせる予定だった。
「ええ、桃さんより四つ上かな。明るくてはきはきした方ですよ」
間違いなく、桃は彼等に受入れられるだろう。
だから、桃が心配する事など、何も無いのだ、と悠は断言出来る。
桃はほっとして頷いた。
誰かにそう言って貰えると、やはり安心した。
それが、彼らの事をよく知る悠の意見ならば尚、心強く思った。
「・・・でも、だから困るんです」
と、悠は困惑したように言った。
「困る・・・?保真智《ほまち》さんがですか?」
「いいえ。私がです」
悠は、にこやかに微笑んでいる。
桃は意味がわからずに、悠を見つめた。
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