14 / 87
フェルミト王国編
第13話 聖女の結婚
ギャモーの紹介は上手くいったし、文句なしの成果ね。
お父さんに紹介したら、娘はやら……と何かを言いかけたので5回ブッ叩いた。最後にはお父さんも諦め……じゃなくて、認めてくれたのが嬉しい。
勿論帰り際に意地悪してきた村人をブッ叩いておく事も忘れない。村人達は頑固なので、定期的にブッ叩いておかないとダメなのだ。
これまでも、ブッ叩いてきたお蔭で私への迫害がこの程度で済んでいるのだから……。
こうしてお父さんとも心を通わせた私は、楽しい気持ちで帰って来る事が出来た。
ドゥーはやはり活気があり、先ずは冒険者ギルドへ帰ってきた事を報告する。
「ただいま戻りました。」
「聖女様! ご無事で何よりです!」
№1受付嬢のミレイユさんが笑顔で迎えてくれた。
「№1受付嬢のミレイユさん。騎士団のお蔭で助かりました。ありがとうございます。」
ミレイユさんは顔を赤くしている。
「あの……。恥ずかしいのでそれは無しでお願いします。」
さては、お礼を言われて照れているのね。ミレイユさんって可愛い人。
「№1受付嬢のミレイユさんは隊長さんと仲良くなれると良いですね。」
「あ、あの……はい。」
そんなに縮こまっちゃって……余程の照れ屋さんなのかしら?
「なぁ。あまりそう言ってやるなよ。」
ギャモーってば優しいわ。照れてるミレイユさんを庇ってあげるなんて。
「聖女様。依頼が来ていますので、ギルドゥ長へ会って話を聞いて下さい。」
「聖女の初仕事だな。」
私とギャモーは奥の部屋へと通される。中にはギルド長のムキムキのお爺さんが居た。
名前なんだっけ?
「良く来たな。聖女アリエンナに初仕事の依頼だぞ。」
「お久しぶりです。えっと、ハー……ギルド長。」
思い出せないなら役職で呼んじゃえば良いのよ。
「……ナイケルソフトだ。ハードではない。」
「も、もちろん分かっていましたよ? 忘れるわけないじゃないですか。私、聖女ですよ?」
バレちゃったのかしら? でも今ので誤魔化せたから大丈夫ね。
ギルド長の話によると……隣国フェルミト王国北西部で起こった飢饉に際し、イリジウム王国の伯爵が無償で食糧支援をしていたらしく、その感謝パーティーが開かれるとの事。
今回は3人目の聖女である私にもドゥーから出席して欲しいのだとか。
「言ってみれば外交だな。聖女アリエンナは物腰も柔らかく、冒険者としての実績もそれなりにあるので儂が許可を出した。」
お母さんが言っていたフェルミト家の御令嬢に会えそうだわ。
「参加します。」
「貴族や王族に会う事になるので、最低限のマナーだけでも勉強してもらおうと思うのだが……。」
「その事に関してなら、必要ございません。それなりの礼儀は弁えておりますので。」
私がそう言って淀みなくカーテシーを見せると、ギルド長は驚きの表情を浮かべる。
「貴族……だったのか?」
「平民ですが。」
「気品もある上それ程美しい挨拶を見せられて、素直に平民だと信じる奴はおらんぞ?」
「お上手ですこと。お母様の教育の賜物でございます。」
「……何か事情があって貴族である事を隠したいという事か? 素直に言ってくれれば協力も出来るが。」
ギルド長ったら勘違いしちゃってるわね。
「ギルド長よぉ。俺はアリエンナの両親に会ってきたが、本当に平民だぞ。」
「成程な。そうまで隠したいのであれば、とやかくは言わん。聖女を紹介する為の補佐を付けるだけで良さそうだな。」
このままだと勘違いされたままになっちゃうけど……どうしよう?
「アリエンナ。母ちゃんの話をしてやったらどうだ?」
信じてくれるかは分からないけど、試してみましょうか。
「私の母は元帝国のSSSランク、絶対暴力の魔女だそうです。」
「なんだと?! 本当なのかっ!!」
「本当だぜ。俺もオリジナルの魔法を教えてもらったしな。」
「そうか……。しかしそれならば、娘が礼儀作法を身に付けていてもおかしくはないのか?」
「納得したか?」
「ああ……。その強さにも納得がいったぞ。」
ギルド長は納得してくれたみたい。
「では、既に馬車と護衛を手配しているので、すぐに向かってくれ。良いタイミングで戻ってきてくれて助かったぞ。」
結構ギリギリだったみたいですね。
「少しだけ役所に寄って行っても良いですか?」
「少しなら構わんぞ。」
「では、すぐ行きます。」
「俺も行くか?」
時間も無いみたいだし……私だけで行こう。
「役所は街の入口までの通り道でしょうし、ギャモーは馬車に乗って役所に来てください。私は走った方が余程早いので。」
「わかった。」
「後ギルドカードを貸して下さい。」
「ほらよ。」
(そういやぁアリエンナの奴、俺の家に住んでる事を役所に言ってねぇもんな。)
「ありがとうございます。」
ギャモーも私を信頼してくれているみたいで、簡単に預けちゃったわね。
嬉しいけど……今度からは簡単に人に物を預けないよう、後で注意だけしておこう。
※彼はアリエンナの住所変更届けだと思っています。
そう言って私は走り出し、役所へと辿り着く。
婚姻届けの提出は簡単だった。
身分証のギルドカードを2人分提出して名前を書くだけ。
これで晴れて夫婦になれたわ。
丁度ギャモーと護衛の騎士団が到着したようで、私は馬車に乗り込む。
「もう申請が終わったのか?」
「はい。簡単でした。」
「そりゃあ良かったな。じゃあ行くか。」
「はい!」
お父さんに紹介したら、娘はやら……と何かを言いかけたので5回ブッ叩いた。最後にはお父さんも諦め……じゃなくて、認めてくれたのが嬉しい。
勿論帰り際に意地悪してきた村人をブッ叩いておく事も忘れない。村人達は頑固なので、定期的にブッ叩いておかないとダメなのだ。
これまでも、ブッ叩いてきたお蔭で私への迫害がこの程度で済んでいるのだから……。
こうしてお父さんとも心を通わせた私は、楽しい気持ちで帰って来る事が出来た。
ドゥーはやはり活気があり、先ずは冒険者ギルドへ帰ってきた事を報告する。
「ただいま戻りました。」
「聖女様! ご無事で何よりです!」
№1受付嬢のミレイユさんが笑顔で迎えてくれた。
「№1受付嬢のミレイユさん。騎士団のお蔭で助かりました。ありがとうございます。」
ミレイユさんは顔を赤くしている。
「あの……。恥ずかしいのでそれは無しでお願いします。」
さては、お礼を言われて照れているのね。ミレイユさんって可愛い人。
「№1受付嬢のミレイユさんは隊長さんと仲良くなれると良いですね。」
「あ、あの……はい。」
そんなに縮こまっちゃって……余程の照れ屋さんなのかしら?
「なぁ。あまりそう言ってやるなよ。」
ギャモーってば優しいわ。照れてるミレイユさんを庇ってあげるなんて。
「聖女様。依頼が来ていますので、ギルドゥ長へ会って話を聞いて下さい。」
「聖女の初仕事だな。」
私とギャモーは奥の部屋へと通される。中にはギルド長のムキムキのお爺さんが居た。
名前なんだっけ?
「良く来たな。聖女アリエンナに初仕事の依頼だぞ。」
「お久しぶりです。えっと、ハー……ギルド長。」
思い出せないなら役職で呼んじゃえば良いのよ。
「……ナイケルソフトだ。ハードではない。」
「も、もちろん分かっていましたよ? 忘れるわけないじゃないですか。私、聖女ですよ?」
バレちゃったのかしら? でも今ので誤魔化せたから大丈夫ね。
ギルド長の話によると……隣国フェルミト王国北西部で起こった飢饉に際し、イリジウム王国の伯爵が無償で食糧支援をしていたらしく、その感謝パーティーが開かれるとの事。
今回は3人目の聖女である私にもドゥーから出席して欲しいのだとか。
「言ってみれば外交だな。聖女アリエンナは物腰も柔らかく、冒険者としての実績もそれなりにあるので儂が許可を出した。」
お母さんが言っていたフェルミト家の御令嬢に会えそうだわ。
「参加します。」
「貴族や王族に会う事になるので、最低限のマナーだけでも勉強してもらおうと思うのだが……。」
「その事に関してなら、必要ございません。それなりの礼儀は弁えておりますので。」
私がそう言って淀みなくカーテシーを見せると、ギルド長は驚きの表情を浮かべる。
「貴族……だったのか?」
「平民ですが。」
「気品もある上それ程美しい挨拶を見せられて、素直に平民だと信じる奴はおらんぞ?」
「お上手ですこと。お母様の教育の賜物でございます。」
「……何か事情があって貴族である事を隠したいという事か? 素直に言ってくれれば協力も出来るが。」
ギルド長ったら勘違いしちゃってるわね。
「ギルド長よぉ。俺はアリエンナの両親に会ってきたが、本当に平民だぞ。」
「成程な。そうまで隠したいのであれば、とやかくは言わん。聖女を紹介する為の補佐を付けるだけで良さそうだな。」
このままだと勘違いされたままになっちゃうけど……どうしよう?
「アリエンナ。母ちゃんの話をしてやったらどうだ?」
信じてくれるかは分からないけど、試してみましょうか。
「私の母は元帝国のSSSランク、絶対暴力の魔女だそうです。」
「なんだと?! 本当なのかっ!!」
「本当だぜ。俺もオリジナルの魔法を教えてもらったしな。」
「そうか……。しかしそれならば、娘が礼儀作法を身に付けていてもおかしくはないのか?」
「納得したか?」
「ああ……。その強さにも納得がいったぞ。」
ギルド長は納得してくれたみたい。
「では、既に馬車と護衛を手配しているので、すぐに向かってくれ。良いタイミングで戻ってきてくれて助かったぞ。」
結構ギリギリだったみたいですね。
「少しだけ役所に寄って行っても良いですか?」
「少しなら構わんぞ。」
「では、すぐ行きます。」
「俺も行くか?」
時間も無いみたいだし……私だけで行こう。
「役所は街の入口までの通り道でしょうし、ギャモーは馬車に乗って役所に来てください。私は走った方が余程早いので。」
「わかった。」
「後ギルドカードを貸して下さい。」
「ほらよ。」
(そういやぁアリエンナの奴、俺の家に住んでる事を役所に言ってねぇもんな。)
「ありがとうございます。」
ギャモーも私を信頼してくれているみたいで、簡単に預けちゃったわね。
嬉しいけど……今度からは簡単に人に物を預けないよう、後で注意だけしておこう。
※彼はアリエンナの住所変更届けだと思っています。
そう言って私は走り出し、役所へと辿り着く。
婚姻届けの提出は簡単だった。
身分証のギルドカードを2人分提出して名前を書くだけ。
これで晴れて夫婦になれたわ。
丁度ギャモーと護衛の騎士団が到着したようで、私は馬車に乗り込む。
「もう申請が終わったのか?」
「はい。簡単でした。」
「そりゃあ良かったな。じゃあ行くか。」
「はい!」
あなたにおすすめの小説
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
聖女を追い出しても平気だと思っていた国の末路
藤原遊
ファンタジー
聖女が国を去った日、神官長は分かっていた。
この国は、彼女を軽く扱いすぎたのだと。
「聖女がいなくても平気だ」
そう言い切った王子と人々は、
彼女が“何もしていない”まま国が崩れていく現実を、
やがて思い知ることになる。
――これは、聖女を追い出した国の末路を、
静かに見届けた者の記録。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます
ユユ
ファンタジー
【 お知らせ 】
先日、近況ボードにも
お知らせしました通り
2026年4月に
完結済みのお話の多数を
一旦closeいたします。
誤字脱字などを修正して
再掲載をするつもりですが
再掲載しない作品もあります。
再掲載の時期は決まっておりません。
表現の変更などもあり得ます。
他の作品も同様です。
ご了承いただけますようお願いいたします。
ユユ
【 お話の内容紹介 】
“美少女だね”
“可愛いね”
“天使みたい”
知ってる。そう言われ続けてきたから。
だけど…
“なんだコレは。
こんなモノを私は妻にしなければならないのか”
召喚(誘拐)された世界では平凡だった。
私は言われた言葉を忘れたりはしない。
* さらっとファンタジー系程度
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!