【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!

隣のカキ

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フェルミト王国編

第13話 聖女の結婚

 ギャモーの紹介は上手くいったし、文句なしの成果ね。

 お父さんに紹介したら、娘はやら……と何かを言いかけたので5回ブッ叩いた。最後にはお父さんも諦め……じゃなくて、認めてくれたのが嬉しい。

 勿論帰り際に意地悪してきた村人をブッ叩いておく事も忘れない。村人達は頑固なので、定期的にブッ叩いておかないとダメなのだ。

 これまでも、ブッ叩いてきたお蔭で私への迫害がこの程度で済んでいるのだから……。



 こうしてお父さんとも心を通わせた私は、楽しい気持ちで帰って来る事が出来た。

 ドゥーはやはり活気があり、先ずは冒険者ギルドへ帰ってきた事を報告する。

「ただいま戻りました。」

「聖女様! ご無事で何よりです!」

 №1受付嬢のミレイユさんが笑顔で迎えてくれた。

「№1受付嬢のミレイユさん。騎士団のお蔭で助かりました。ありがとうございます。」

 ミレイユさんは顔を赤くしている。

「あの……。恥ずかしいのでそれは無しでお願いします。」

 さては、お礼を言われて照れているのね。ミレイユさんって可愛い人。

「№1受付嬢のミレイユさんは隊長さんと仲良くなれると良いですね。」

「あ、あの……はい。」

 そんなに縮こまっちゃって……余程の照れ屋さんなのかしら?

「なぁ。あまりそう言ってやるなよ。」

 ギャモーってば優しいわ。照れてるミレイユさんを庇ってあげるなんて。

「聖女様。依頼が来ていますので、ギルドゥ長へ会って話を聞いて下さい。」

「聖女の初仕事だな。」

 私とギャモーは奥の部屋へと通される。中にはギルド長のムキムキのお爺さんが居た。

 名前なんだっけ?

「良く来たな。聖女アリエンナに初仕事の依頼だぞ。」

「お久しぶりです。えっと、ハー……ギルド長。」

 思い出せないなら役職で呼んじゃえば良いのよ。

「……ナイケルソフトだ。ハードではない。」

「も、もちろん分かっていましたよ? 忘れるわけないじゃないですか。私、聖女ですよ?」

 バレちゃったのかしら? でも今ので誤魔化せたから大丈夫ね。

 ギルド長の話によると……隣国フェルミト王国北西部で起こった飢饉に際し、イリジウム王国の伯爵が無償で食糧支援をしていたらしく、その感謝パーティーが開かれるとの事。

 今回は3人目の聖女である私にもドゥーから出席して欲しいのだとか。

「言ってみれば外交だな。聖女アリエンナは物腰も柔らかく、冒険者としての実績もそれなりにあるので儂が許可を出した。」

 お母さんが言っていたフェルミト家の御令嬢に会えそうだわ。

「参加します。」

「貴族や王族に会う事になるので、最低限のマナーだけでも勉強してもらおうと思うのだが……。」

「その事に関してなら、必要ございません。それなりの礼儀は弁えておりますので。」

 私がそう言って淀みなくカーテシーを見せると、ギルド長は驚きの表情を浮かべる。

「貴族……だったのか?」

「平民ですが。」

「気品もある上それ程美しい挨拶を見せられて、素直に平民だと信じる奴はおらんぞ?」

「お上手ですこと。お母様の教育の賜物でございます。」

「……何か事情があって貴族である事を隠したいという事か? 素直に言ってくれれば協力も出来るが。」

 ギルド長ったら勘違いしちゃってるわね。

「ギルド長よぉ。俺はアリエンナの両親に会ってきたが、本当に平民だぞ。」

「成程な。そうまで隠したいのであれば、とやかくは言わん。聖女を紹介する為の補佐を付けるだけで良さそうだな。」

 このままだと勘違いされたままになっちゃうけど……どうしよう?

「アリエンナ。母ちゃんの話をしてやったらどうだ?」

 信じてくれるかは分からないけど、試してみましょうか。

「私の母は元帝国のSSSランク、絶対暴力の魔女だそうです。」

「なんだと?! 本当なのかっ!!」

「本当だぜ。俺もオリジナルの魔法を教えてもらったしな。」

「そうか……。しかしそれならば、娘が礼儀作法を身に付けていてもおかしくはないのか?」

「納得したか?」

「ああ……。その強さにも納得がいったぞ。」

 ギルド長は納得してくれたみたい。

「では、既に馬車と護衛を手配しているので、すぐに向かってくれ。良いタイミングで戻ってきてくれて助かったぞ。」

 結構ギリギリだったみたいですね。

「少しだけ役所に寄って行っても良いですか?」

「少しなら構わんぞ。」

「では、すぐ行きます。」

「俺も行くか?」

 時間も無いみたいだし……私だけで行こう。

「役所は街の入口までの通り道でしょうし、ギャモーは馬車に乗って役所に来てください。私は走った方が余程早いので。」

「わかった。」

「後ギルドカードを貸して下さい。」

「ほらよ。」

(そういやぁアリエンナの奴、俺の家に住んでる事を役所に言ってねぇもんな。)

「ありがとうございます。」

 ギャモーも私を信頼してくれているみたいで、簡単に預けちゃったわね。

 嬉しいけど……今度からは簡単に人に物を預けないよう、後で注意だけしておこう。
※彼はアリエンナの住所変更届けだと思っています。

 そう言って私は走り出し、役所へと辿り着く。

 婚姻届けの提出は簡単だった。

 身分証のギルドカードを2人分提出して名前を書くだけ。

 これで晴れて夫婦になれたわ。

 丁度ギャモーと護衛の騎士団が到着したようで、私は馬車に乗り込む。

「もう申請が終わったのか?」

「はい。簡単でした。」

「そりゃあ良かったな。じゃあ行くか。」

「はい!」
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