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聖女の暴力編
第38話 聖女の夫婦事情
「とりあえず、魔王を抑える仕事ってやつを報告してからだな。」
「言われてみればそうでした。」
「私だって元々聖女様の戦闘力を測る為に来たのでした。」
実家に寄ったのは依頼のついでだったのよね。ストレス解消にはなったけど、魔王が思ったよりも弱くてすっかり忘れてたわ。
「じゃあそれが終わったら、アリエーンとアリエンナは魔界行きよ。」
「分かりました。」
「俺は?」
「私も行ってみたいです。」
ギャモーとミレイユさんも行きたいの?
「うーん……あなた達2人は見たとこSランクくらいの強さでしょ? ちょっと危険なのよねぇ……。」
そんな所には連れて行けないわ。ミレイユさんが死んだら悲しいし、彼氏さんに合わせる顔が無い。
ギャモーだって死んでしまえば私はこの年で未亡人。それはいやよ。
「でもアリエンナだけに行かせるのはな……。」
「ご先祖様の故郷に興味があります。」
「なら、2人は修行して待ってなさい。強くなったら迎えに来てあげるから。ミザリーを先生役にするのも良いかもね。」
「良いんですか!?」
「良いのか!?
2人は身を乗り出してアンリさんに詰め寄った。
「凄い食いつきね……。」
確かに2人の食いつき方はかなりのものだ。アンリさんが驚いている。
「当然だぜ。氷冷のミザリーは今じゃ伝説の冒険者だ。そんな大先輩に教われるってんなら大歓迎だ!」
「私も伝説の冒険者に教えて貰えるなら文句なんてありません! むしろそれを希望します!」
ギャモーもミレイユさんも楽しそう。
私は知らなかったけど、伝説の冒険者って凄いわ。どのくらい強いかな?
魔王よりも強いと嬉しいな。
「分かったわ。ギルドへの報告が終わったらミザリーを紹介してあげる。」
私も早く会ってみたいな。伯母さんってどんな人なのかしら。
「ミレイユちゃんは世代を重ね過ぎて、悪魔とのハーフの特性は全く無いから強さが頭打ちになる事もないわ。それでいて、悪魔としての強度や回復力がほんのり乗っているから普通の人間よりも有利よ。どんどん鍛えて強くなってちょうだい。」
「はい!」
「ギャモーさんはアリエンナとの契約が有効になってるみたいね。結婚してるのかしら? それなら大分強くなり易いはずよ。」
契約?
「アリエンナちゃんは分からないって顔ね。簡単に言うと、悪魔と結婚した人間は自動で契約もされるのよ。悪魔との契約は相手の存在を引き上げるのに役立つわ。」
「そうなんですね。」
「悪魔と契約すると力がつきやすいと覚えておけば良いわ。」
「なぁ、俺らは結婚してねぇんだが。」
ギャモーが横から不思議な事を言ってきた。結婚した事を忘れたのかしら?
「忘れたんですか? フェルミト王国に出発する前に婚姻届けを出したじゃないですか。」
「は? あの時役所に行きたいって言ったのはそれだったのか? 勝手に何してんだ!?」
「勝手にって……プロポーズしてくれましたよね? しかも杖までプレゼントして。」
忘れたとは言わせないわ。私はあの時に結婚を決心したんだから。
「杖は買ってやったが、プロポーズなんて全然記憶にねぇ……。」
「私を美人だなんだと口説きまくってたじゃないですか。なかった事にするなんて酷いです!」
「確かに美人だとは言ったけどよ……それは口説いてんのとは違うだろ。」
私の勘違い? 泣きたくなってきた。
悲しくて魔力が溢れそう……。
「お互いの認識にズレがあるようね。ギャモーさんちょっと。」
お母さんがギャモーに耳打ちしている。何を話してるの?
(ギャモーさん。悪いんだけど結婚に同意してくれない? 多分そうしないと、近隣の国がアリエンナの八つ当たりで滅びるわよ?)
(流石にそんな事はしねぇと思うぞ?)
(するわよ。ほら……アリエンナの魔力が高まってきてるのを感じない? あれはマズいわ。)
(確かに……でも、そんな簡単に決める事じゃねぇだろ?)
(普通はそうなんだけどね。アリエンナの事嫌い?)
(そりゃあ一緒に冒険者やってんだから好きっちゃ好きだが。)
(なら良いでしょ。ほら、早く同意して。アリエンナが暴走するわよ。結婚したらあのレベルの美人を好きに出来るのよ? どんな変態プレイをしてもお母さん文句言わないから。)
(変態プレイなんかしねぇよ! でも、分かったぜ。)
「あー、アリエンナよぉ。」
ギャモーが頭をボリボリと掻きながらバツが悪そうに口ごもる。
「……なんですか?」
涙が出そう……。
「悪かったよ。俺もお前が好きで一緒に冒険してんだ。だから結婚もそこまで嫌ってわけじゃねぇ。ただ……こういう事はもっと時間をかけるべきだと思ってたんだ。」
「じゃあ良いんですか?」
「あぁ……。今度からはもっと話し合おうぜ。」
良かった……。
「分かりました。」
私達には話し合いが足りなかったのね……。
「えーと……結婚おめでとう?」
アンリさんが祝福してくれる。
「ありがとうございます。」
「とりあえず、あんたら全員一回報告に行って来なさい。転移魔法で送ってあげるから。」
お母さんも転移魔法使えるの?
「言われてみればそうでした。」
「私だって元々聖女様の戦闘力を測る為に来たのでした。」
実家に寄ったのは依頼のついでだったのよね。ストレス解消にはなったけど、魔王が思ったよりも弱くてすっかり忘れてたわ。
「じゃあそれが終わったら、アリエーンとアリエンナは魔界行きよ。」
「分かりました。」
「俺は?」
「私も行ってみたいです。」
ギャモーとミレイユさんも行きたいの?
「うーん……あなた達2人は見たとこSランクくらいの強さでしょ? ちょっと危険なのよねぇ……。」
そんな所には連れて行けないわ。ミレイユさんが死んだら悲しいし、彼氏さんに合わせる顔が無い。
ギャモーだって死んでしまえば私はこの年で未亡人。それはいやよ。
「でもアリエンナだけに行かせるのはな……。」
「ご先祖様の故郷に興味があります。」
「なら、2人は修行して待ってなさい。強くなったら迎えに来てあげるから。ミザリーを先生役にするのも良いかもね。」
「良いんですか!?」
「良いのか!?
2人は身を乗り出してアンリさんに詰め寄った。
「凄い食いつきね……。」
確かに2人の食いつき方はかなりのものだ。アンリさんが驚いている。
「当然だぜ。氷冷のミザリーは今じゃ伝説の冒険者だ。そんな大先輩に教われるってんなら大歓迎だ!」
「私も伝説の冒険者に教えて貰えるなら文句なんてありません! むしろそれを希望します!」
ギャモーもミレイユさんも楽しそう。
私は知らなかったけど、伝説の冒険者って凄いわ。どのくらい強いかな?
魔王よりも強いと嬉しいな。
「分かったわ。ギルドへの報告が終わったらミザリーを紹介してあげる。」
私も早く会ってみたいな。伯母さんってどんな人なのかしら。
「ミレイユちゃんは世代を重ね過ぎて、悪魔とのハーフの特性は全く無いから強さが頭打ちになる事もないわ。それでいて、悪魔としての強度や回復力がほんのり乗っているから普通の人間よりも有利よ。どんどん鍛えて強くなってちょうだい。」
「はい!」
「ギャモーさんはアリエンナとの契約が有効になってるみたいね。結婚してるのかしら? それなら大分強くなり易いはずよ。」
契約?
「アリエンナちゃんは分からないって顔ね。簡単に言うと、悪魔と結婚した人間は自動で契約もされるのよ。悪魔との契約は相手の存在を引き上げるのに役立つわ。」
「そうなんですね。」
「悪魔と契約すると力がつきやすいと覚えておけば良いわ。」
「なぁ、俺らは結婚してねぇんだが。」
ギャモーが横から不思議な事を言ってきた。結婚した事を忘れたのかしら?
「忘れたんですか? フェルミト王国に出発する前に婚姻届けを出したじゃないですか。」
「は? あの時役所に行きたいって言ったのはそれだったのか? 勝手に何してんだ!?」
「勝手にって……プロポーズしてくれましたよね? しかも杖までプレゼントして。」
忘れたとは言わせないわ。私はあの時に結婚を決心したんだから。
「杖は買ってやったが、プロポーズなんて全然記憶にねぇ……。」
「私を美人だなんだと口説きまくってたじゃないですか。なかった事にするなんて酷いです!」
「確かに美人だとは言ったけどよ……それは口説いてんのとは違うだろ。」
私の勘違い? 泣きたくなってきた。
悲しくて魔力が溢れそう……。
「お互いの認識にズレがあるようね。ギャモーさんちょっと。」
お母さんがギャモーに耳打ちしている。何を話してるの?
(ギャモーさん。悪いんだけど結婚に同意してくれない? 多分そうしないと、近隣の国がアリエンナの八つ当たりで滅びるわよ?)
(流石にそんな事はしねぇと思うぞ?)
(するわよ。ほら……アリエンナの魔力が高まってきてるのを感じない? あれはマズいわ。)
(確かに……でも、そんな簡単に決める事じゃねぇだろ?)
(普通はそうなんだけどね。アリエンナの事嫌い?)
(そりゃあ一緒に冒険者やってんだから好きっちゃ好きだが。)
(なら良いでしょ。ほら、早く同意して。アリエンナが暴走するわよ。結婚したらあのレベルの美人を好きに出来るのよ? どんな変態プレイをしてもお母さん文句言わないから。)
(変態プレイなんかしねぇよ! でも、分かったぜ。)
「あー、アリエンナよぉ。」
ギャモーが頭をボリボリと掻きながらバツが悪そうに口ごもる。
「……なんですか?」
涙が出そう……。
「悪かったよ。俺もお前が好きで一緒に冒険してんだ。だから結婚もそこまで嫌ってわけじゃねぇ。ただ……こういう事はもっと時間をかけるべきだと思ってたんだ。」
「じゃあ良いんですか?」
「あぁ……。今度からはもっと話し合おうぜ。」
良かった……。
「分かりました。」
私達には話し合いが足りなかったのね……。
「えーと……結婚おめでとう?」
アンリさんが祝福してくれる。
「ありがとうございます。」
「とりあえず、あんたら全員一回報告に行って来なさい。転移魔法で送ってあげるから。」
お母さんも転移魔法使えるの?
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