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聖女の暴力編
第39話 聖女の伯母
私達はお母さんの転移魔法で、ドゥーに馬車と護衛ごと送ってもらった。
そして依頼達成をギルドに報告する。
ギルドでは私がSSSランク上位と認定され、お母さんは更に上のランクが検討される事になった。
世界中の冒険者ギルドの中でも、ドゥーだけはランクというものは使われていないのだが、今後はドゥーにも浸透させるべきではないかと話し合いが行われるそうだ。
ドゥーという国は強ければなんでも良い。ランクなんて飾りだという男らしい風潮がある。
そもそも、近隣に良く出る強い魔物が既にSランクという異常な国。
依頼をこなし1000回達成でドゥーと呼ばれるようになるのも、それだけ生き残れるなら立派な冒険者だ、という地域特有の考えに冒険者ギルドが合わせているのだそうだ。
「知らなかったですね。」
「ドゥーはちょっと独特な国ですからね。こちらで受付嬢になった時は結構戸惑いました。」
「№1受付嬢でも最初は新人ですもんね。」
ミレイユさんは俯いてしまった。
「それで、ギルド長。私とアリエンナはちょっと里帰りしてくるから、しばらく依頼は受けられないわ。」
「……里帰りとはどういうことだ? 聖女の故郷は深淵の森の近くではなかったのか?」
ギルド長はお母さんに当然の疑問をぶつける。
「私の母の故郷よ。つまり、アリエンナのおばあちゃんね。」
「ほう? それはどこにあるんだ?」
素直に答えにくい質問ね。これって教えても良いのかしら?
「ギルド長は口が堅いから教えるけど……。魔界よ。」
かなり驚いている。魔界を知ってるの?
「聖女の祖母は悪魔だったのか……。」
「そういう事。しかも1級を超えた最上級らしいわ。私もさっき知ったんだけどね。」
「絶対暴力の魔女には驚かされてばかりだ。」
「勿論内緒よ?」
「あぁ。お主には魔王を抑える依頼で毎回世話になってるからな。秘密にするぞ。」
ギルド長は任せておけと胸を叩いている。
「助かるわ。あと、ギャモーさんとミレイユもしばらく借りていくから。しっかり修行させないと、Sランク程度の強さじゃ魔界では不安らしいし。」
「うーむ……魔界とは過酷な所なのだな。」
「さぁ? 行った事ないから知らないのよね。母さんがそう言ってたからきっとそうなんでしょうけど。」
お母さんも行った事なかったんだ……。
「成る程。聖女アリエンナや絶対暴力の魔女ならば大丈夫という事か?」
「私とアリエンナは魔界でもトップクラスに位置するらしいわ。だから平気でしょ。もっと強くなって帰って来るから安心して。」
ギルド長はダラダラと汗を流している。
「もっと強くなるの? 世界征服とかしないよね?」
ギルド長? いつもと話し方が違わない?
「しないって。そんな事したって意味ないじゃない。」
「だ、だよね。良かった良かった。」
そしてオホンと咳払いをし……
「では気を付けて行ってくるのだぞ。」
と威厳たっぷりに見送りの言葉をくれるギルド長。
今更取り繕っても威厳は回復しませんよ?
私達はお母さんの転移魔法で再び実家へと戻った。
「お帰りなさい。思ったより早かったわね。」
あれ? アンリさんの横に知らない人がいる。
「初めましてだな。ミザリーだ。」
「大ファンです! 握手して下さい。」
「お前だけズルいぞ! 俺も!」
この人がミザリーさん? ちょっと男っぽい口調ではあるけど、この人もまた結構な美人。
伝説の冒険者と言うだけあって、ギャモーやミレイユさんからは大人気だ。
「姉さん? お姉ちゃん? 何て呼べばいいかしら。」
「あー……普通にミザリーと呼んでくれ。親子どころじゃない年の離れた妹というのも不思議な感じがするな。」
「わかった。私の事はアリエーンでいいわ。」
ミザリーさんはギャモーやミレイユさんと握手し、上手くあしらいながらお母さんと話している。
「そして、こっちが私の姪か……。」
そして視線が私へと向く。
「アリエンナです。」
「アンリから聞いている。というか親子揃って凄いな。お前たち、2人ともアンリと同レベルくらいじゃないか?」
やっぱり、ある程度強い人は相手の強さが分かるのね。私はなんとなくしか分からない。
「アンリ、この2人は大分オカシイぞ。何を食ったらこんなに強くなるんだ?」
「ミザリー、同レベルじゃないわ。さっき戦ってみた感じだと、魔神形態じゃない私よりも2人は強いわよ。」
「益々オカシイじゃないか。……それにしても不思議だ。悪魔とのハーフはどこかで強さが頭打ちになるんだろう? 何か裏技があるのか?」
「裏技なんてないわ。この2人の才能よ。」
「まぁ……アンリの子供はたくさんいるからな。1人くらい飛び抜けて強い奴が居ても変ではないのか? 親より強いハーフなど聞いた事もないが。」
私達が特別強いって事なのね。なんだかお得な気がしてきたわ。
「ミザリーさんは悪魔で言うとどのくらいの強さになるんですか?」
「私か? 悪魔で言う所の3級下位だな。それ以上には強くならなかった。」
それでも悪魔の中ではエリートなのよね。アンリさんの手伝いに参加しても良さそうなのに。
そして依頼達成をギルドに報告する。
ギルドでは私がSSSランク上位と認定され、お母さんは更に上のランクが検討される事になった。
世界中の冒険者ギルドの中でも、ドゥーだけはランクというものは使われていないのだが、今後はドゥーにも浸透させるべきではないかと話し合いが行われるそうだ。
ドゥーという国は強ければなんでも良い。ランクなんて飾りだという男らしい風潮がある。
そもそも、近隣に良く出る強い魔物が既にSランクという異常な国。
依頼をこなし1000回達成でドゥーと呼ばれるようになるのも、それだけ生き残れるなら立派な冒険者だ、という地域特有の考えに冒険者ギルドが合わせているのだそうだ。
「知らなかったですね。」
「ドゥーはちょっと独特な国ですからね。こちらで受付嬢になった時は結構戸惑いました。」
「№1受付嬢でも最初は新人ですもんね。」
ミレイユさんは俯いてしまった。
「それで、ギルド長。私とアリエンナはちょっと里帰りしてくるから、しばらく依頼は受けられないわ。」
「……里帰りとはどういうことだ? 聖女の故郷は深淵の森の近くではなかったのか?」
ギルド長はお母さんに当然の疑問をぶつける。
「私の母の故郷よ。つまり、アリエンナのおばあちゃんね。」
「ほう? それはどこにあるんだ?」
素直に答えにくい質問ね。これって教えても良いのかしら?
「ギルド長は口が堅いから教えるけど……。魔界よ。」
かなり驚いている。魔界を知ってるの?
「聖女の祖母は悪魔だったのか……。」
「そういう事。しかも1級を超えた最上級らしいわ。私もさっき知ったんだけどね。」
「絶対暴力の魔女には驚かされてばかりだ。」
「勿論内緒よ?」
「あぁ。お主には魔王を抑える依頼で毎回世話になってるからな。秘密にするぞ。」
ギルド長は任せておけと胸を叩いている。
「助かるわ。あと、ギャモーさんとミレイユもしばらく借りていくから。しっかり修行させないと、Sランク程度の強さじゃ魔界では不安らしいし。」
「うーむ……魔界とは過酷な所なのだな。」
「さぁ? 行った事ないから知らないのよね。母さんがそう言ってたからきっとそうなんでしょうけど。」
お母さんも行った事なかったんだ……。
「成る程。聖女アリエンナや絶対暴力の魔女ならば大丈夫という事か?」
「私とアリエンナは魔界でもトップクラスに位置するらしいわ。だから平気でしょ。もっと強くなって帰って来るから安心して。」
ギルド長はダラダラと汗を流している。
「もっと強くなるの? 世界征服とかしないよね?」
ギルド長? いつもと話し方が違わない?
「しないって。そんな事したって意味ないじゃない。」
「だ、だよね。良かった良かった。」
そしてオホンと咳払いをし……
「では気を付けて行ってくるのだぞ。」
と威厳たっぷりに見送りの言葉をくれるギルド長。
今更取り繕っても威厳は回復しませんよ?
私達はお母さんの転移魔法で再び実家へと戻った。
「お帰りなさい。思ったより早かったわね。」
あれ? アンリさんの横に知らない人がいる。
「初めましてだな。ミザリーだ。」
「大ファンです! 握手して下さい。」
「お前だけズルいぞ! 俺も!」
この人がミザリーさん? ちょっと男っぽい口調ではあるけど、この人もまた結構な美人。
伝説の冒険者と言うだけあって、ギャモーやミレイユさんからは大人気だ。
「姉さん? お姉ちゃん? 何て呼べばいいかしら。」
「あー……普通にミザリーと呼んでくれ。親子どころじゃない年の離れた妹というのも不思議な感じがするな。」
「わかった。私の事はアリエーンでいいわ。」
ミザリーさんはギャモーやミレイユさんと握手し、上手くあしらいながらお母さんと話している。
「そして、こっちが私の姪か……。」
そして視線が私へと向く。
「アリエンナです。」
「アンリから聞いている。というか親子揃って凄いな。お前たち、2人ともアンリと同レベルくらいじゃないか?」
やっぱり、ある程度強い人は相手の強さが分かるのね。私はなんとなくしか分からない。
「アンリ、この2人は大分オカシイぞ。何を食ったらこんなに強くなるんだ?」
「ミザリー、同レベルじゃないわ。さっき戦ってみた感じだと、魔神形態じゃない私よりも2人は強いわよ。」
「益々オカシイじゃないか。……それにしても不思議だ。悪魔とのハーフはどこかで強さが頭打ちになるんだろう? 何か裏技があるのか?」
「裏技なんてないわ。この2人の才能よ。」
「まぁ……アンリの子供はたくさんいるからな。1人くらい飛び抜けて強い奴が居ても変ではないのか? 親より強いハーフなど聞いた事もないが。」
私達が特別強いって事なのね。なんだかお得な気がしてきたわ。
「ミザリーさんは悪魔で言うとどのくらいの強さになるんですか?」
「私か? 悪魔で言う所の3級下位だな。それ以上には強くならなかった。」
それでも悪魔の中ではエリートなのよね。アンリさんの手伝いに参加しても良さそうなのに。
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