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外伝:メイド喫茶でバイトテロしたら異世界召喚されました。しかも死に戻り特典付きで。
第4話 三大悪
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家庭教師の人を助けた後、火、水、土の魔法を教えてもらい、習得した。
家庭教師には「もう教える事はありません。分からない事があっても絶対に聞きに来ないように。」と言われたけど、多分自分で考える事が大事だとか、そういう教えなんだと思う。
公爵様は「戦争以外で使うなよ? 絶対だぞ? 本当にダメだからな?」と私と微妙に距離を取りながらも視線だけは胸から外れていなかった。
それってもしかしてフリ?
私がすんなり魔力を扱えるのは、恐らくゲギャヒちゃんを友達召喚した後に流れ込んできた知識によるものだと気が付いた。
多分ゲギャヒちゃんは危ない系の神様とか魔物とかそんな感じの存在なのだと思う。
知識によると、彼女にとっての『こんにちは、お友達になりましょう。』が相手を食う事らしいし。
こんにちは死ねと同レベルだ。
後、普段から猫耳メイド姿は目の毒だと言われ、公爵様が綺麗なドレスをプレゼントしてくれた。
普通のドレスだと笑っていたけど、どう見ても高いよねこれ?
ただ、せっかく貰ったんだけど全然着てない。
何故かと言われれば、猫耳カチューシャとメイド服が異常に着心地が良くなっていて、しかも魔法を使う時は威力と展開速度が増すの。
「勇者よ。ドレスはいつ着てくれるんだ?」
「公爵様。私は桜って立派な名前があるので、そう呼んで下さい。」
今までもずっと勇者勇者って呼んできてさ。失礼な話よね。
って何その顔?
「何で驚いてるんですか?」
「勇者が名前だと思ってた。」
え?
「勇者が名前なわけないじゃないですか。それは称号ですよ?」
「いや、そういう名前なのかと……失礼した。勇者……あ、サクラ。」
「やっと呼んでくれましたね。」
「そういうサクラも俺を名前で呼んでくれないじゃないか。」
確かに。
ついつい公爵様と呼んでいた。
「では何とお呼びすれば?」
「普通にモリちゃんって呼んでくれればそれで……」
モリちゃん??
「公爵様は偉い人ですよね?」
「おうとも。イットリウム公国の君主だ。」
「モリちゃんはあり得なくないですか? せめてモリブデン様ですよね?」
どう考えてもオカシイ。
私も結構ライトな感じに接してるけど本来なら、ハハーッ! て感じに畏まらないとダメじゃない?
「大丈夫だ。我が国は君主も貴族も平民も皆家族だ。家族ならくだけて接するのが良い。公と私をしっかり分けてくれれば何も問題はない。」
出た出た。
家族的アピールはブラック企業の始まりよ?
ブラック企業の実態を知らない私でさえも知ってるんだから。
「家族だからサービス残業を要求するんですね。分かります。」
「さ、さーび? なんだ?」
「契約内容で定められた勤務時間を超過しているのに、超過分の賃金が支払われない労働の事です。私の国ではそれが横行していて、人類の三大悪の一つとも言われています。」
当然、今私が思いついただけだ。
「お、おう。俺がいつもやってる事じゃないか。悪だったのか……。ほ、他は? 他は何なのだ?」
「二つ目に、『痴漢』ですね。痴漢をされると凄く嫌な気分になります。私のような女性は踵で思いっきり踏みつけて相手の足の指を骨折させる以外対抗する術がありません。」
「対抗出来てるじゃないか。」
「ちなみに、痴漢待つ場所再確認という言葉がありまして、これは近松門左衛門、松尾芭蕉、井原西鶴という過去の文豪を覚える為に非常に便利で覚えやすい語呂合わせです。」
「どうでも良いな。」
「そうですか。では三つ目に、『ごめんごめん。酔ってて覚えてなくてさ。』です。酔ってたからって何をしても良いと思っている事が前提の言い回しでして、飲み会の空気を悪くするような事をしておいて、次の日にはケロッとこんな風に言います。」
「それは最悪だな。」
「はい。先々月の合コンで私の友達を酒に酔ってブスと言った男の人がいたんですけど『酔ってて覚えてないんだけどごめん』って謝られたので、出来るだけ実名で話を広めておきました。少なくとも私の知る限りでそいつは合コンに呼ばれていないそうです。」
「な、成る程。それが三大悪なのか?」
「はい。」
「うむ。確かに悪だな。ところで、サクラはそろそろ戦えるようにはなったのか?」
「勿論です。私の魔法は既に完成の域に達していますので、味方が被害を被らないかが心配なくらいです。」
「頼もしいな! では早速だが……。」
「任せて下さい。」
いよいよ私の魔法を披露するチャンスね。
異世界来たら俺TUEEEはやっておきたいもん。
「やっぱりサクラを戦わせるのは無しで。」
「へ?」
「こんなに可憐な美少女を戦わせるわけにはいかんのだ。」
「美少女って歳じゃないんですけど。」
何歳だと思ってるんだろ?
「いくら国を救ってもらう為とは言ってもだな。まだ十代半ばの、しかも女子を戦わせるのは……」
「私、19歳ですけど。」
「は?」
そんなに驚く事?
「お、俺と同い年……。」
「奇遇ですね。」
逆に公爵様は老け顔ね。
20代後半かと思ってたわ。
「では、戦争が終わったら結婚しよう。」
1.何がでは、なんですか? 私は帰るので嫌です。
2.よろしい。ならば結婚だ。
また選択肢!?
しかも、結婚が選択肢に入ってる!?
嫌よ。
公爵様は嫌いじゃないけど、ネットも無いとこに住むのは大変。
これは1の選択肢を選ぶしかない。
「何がでは、なんですか? 私は帰るので嫌です。」
え? この人、驚いた顔してる。絶対断られないと思ってたヤツだこれ。
「ダメか? ダメなのか? 一国の君主だぞ? 顔もそこまで悪くないぞ?」
そういう問題じゃないと思う。
「独立戦争負けそうなんですよね?」
「うぐっ! だ、だが……とっておきの秘策が……」
「もしかして、マーダスさんの事ですか?」
「うん? マーダスの事を知ってたのか。」
そっか。私だけがやり直し出来てるから、公爵様は一周目の事を知らないんだ。
面倒だし、適当に言っとこ。
「風の噂で聞きました。でも敵も味方も関係なく殺しまくるのはダメじゃないですか?」
「ダメだな。だが、時には君主として非常な決断も……。」
非常な決断の使うポイント間違えてない?
「もう私がサクッと倒してきますから。結婚はしませんが。」
「おぉ! 頼もしい! 気が変わったらいつでも言ってくれ。」
多分気なんて変わらないんだよねぇ。
確かに公爵様と居るのは楽しいし、好みじゃないってわけじゃないんだけど、ここにはスマホもネットもないしなぁ。
「では、サクッと行って来ます。」
「おお。頼むぞ。我が国を救ってくれ!」
家庭教師には「もう教える事はありません。分からない事があっても絶対に聞きに来ないように。」と言われたけど、多分自分で考える事が大事だとか、そういう教えなんだと思う。
公爵様は「戦争以外で使うなよ? 絶対だぞ? 本当にダメだからな?」と私と微妙に距離を取りながらも視線だけは胸から外れていなかった。
それってもしかしてフリ?
私がすんなり魔力を扱えるのは、恐らくゲギャヒちゃんを友達召喚した後に流れ込んできた知識によるものだと気が付いた。
多分ゲギャヒちゃんは危ない系の神様とか魔物とかそんな感じの存在なのだと思う。
知識によると、彼女にとっての『こんにちは、お友達になりましょう。』が相手を食う事らしいし。
こんにちは死ねと同レベルだ。
後、普段から猫耳メイド姿は目の毒だと言われ、公爵様が綺麗なドレスをプレゼントしてくれた。
普通のドレスだと笑っていたけど、どう見ても高いよねこれ?
ただ、せっかく貰ったんだけど全然着てない。
何故かと言われれば、猫耳カチューシャとメイド服が異常に着心地が良くなっていて、しかも魔法を使う時は威力と展開速度が増すの。
「勇者よ。ドレスはいつ着てくれるんだ?」
「公爵様。私は桜って立派な名前があるので、そう呼んで下さい。」
今までもずっと勇者勇者って呼んできてさ。失礼な話よね。
って何その顔?
「何で驚いてるんですか?」
「勇者が名前だと思ってた。」
え?
「勇者が名前なわけないじゃないですか。それは称号ですよ?」
「いや、そういう名前なのかと……失礼した。勇者……あ、サクラ。」
「やっと呼んでくれましたね。」
「そういうサクラも俺を名前で呼んでくれないじゃないか。」
確かに。
ついつい公爵様と呼んでいた。
「では何とお呼びすれば?」
「普通にモリちゃんって呼んでくれればそれで……」
モリちゃん??
「公爵様は偉い人ですよね?」
「おうとも。イットリウム公国の君主だ。」
「モリちゃんはあり得なくないですか? せめてモリブデン様ですよね?」
どう考えてもオカシイ。
私も結構ライトな感じに接してるけど本来なら、ハハーッ! て感じに畏まらないとダメじゃない?
「大丈夫だ。我が国は君主も貴族も平民も皆家族だ。家族ならくだけて接するのが良い。公と私をしっかり分けてくれれば何も問題はない。」
出た出た。
家族的アピールはブラック企業の始まりよ?
ブラック企業の実態を知らない私でさえも知ってるんだから。
「家族だからサービス残業を要求するんですね。分かります。」
「さ、さーび? なんだ?」
「契約内容で定められた勤務時間を超過しているのに、超過分の賃金が支払われない労働の事です。私の国ではそれが横行していて、人類の三大悪の一つとも言われています。」
当然、今私が思いついただけだ。
「お、おう。俺がいつもやってる事じゃないか。悪だったのか……。ほ、他は? 他は何なのだ?」
「二つ目に、『痴漢』ですね。痴漢をされると凄く嫌な気分になります。私のような女性は踵で思いっきり踏みつけて相手の足の指を骨折させる以外対抗する術がありません。」
「対抗出来てるじゃないか。」
「ちなみに、痴漢待つ場所再確認という言葉がありまして、これは近松門左衛門、松尾芭蕉、井原西鶴という過去の文豪を覚える為に非常に便利で覚えやすい語呂合わせです。」
「どうでも良いな。」
「そうですか。では三つ目に、『ごめんごめん。酔ってて覚えてなくてさ。』です。酔ってたからって何をしても良いと思っている事が前提の言い回しでして、飲み会の空気を悪くするような事をしておいて、次の日にはケロッとこんな風に言います。」
「それは最悪だな。」
「はい。先々月の合コンで私の友達を酒に酔ってブスと言った男の人がいたんですけど『酔ってて覚えてないんだけどごめん』って謝られたので、出来るだけ実名で話を広めておきました。少なくとも私の知る限りでそいつは合コンに呼ばれていないそうです。」
「な、成る程。それが三大悪なのか?」
「はい。」
「うむ。確かに悪だな。ところで、サクラはそろそろ戦えるようにはなったのか?」
「勿論です。私の魔法は既に完成の域に達していますので、味方が被害を被らないかが心配なくらいです。」
「頼もしいな! では早速だが……。」
「任せて下さい。」
いよいよ私の魔法を披露するチャンスね。
異世界来たら俺TUEEEはやっておきたいもん。
「やっぱりサクラを戦わせるのは無しで。」
「へ?」
「こんなに可憐な美少女を戦わせるわけにはいかんのだ。」
「美少女って歳じゃないんですけど。」
何歳だと思ってるんだろ?
「いくら国を救ってもらう為とは言ってもだな。まだ十代半ばの、しかも女子を戦わせるのは……」
「私、19歳ですけど。」
「は?」
そんなに驚く事?
「お、俺と同い年……。」
「奇遇ですね。」
逆に公爵様は老け顔ね。
20代後半かと思ってたわ。
「では、戦争が終わったら結婚しよう。」
1.何がでは、なんですか? 私は帰るので嫌です。
2.よろしい。ならば結婚だ。
また選択肢!?
しかも、結婚が選択肢に入ってる!?
嫌よ。
公爵様は嫌いじゃないけど、ネットも無いとこに住むのは大変。
これは1の選択肢を選ぶしかない。
「何がでは、なんですか? 私は帰るので嫌です。」
え? この人、驚いた顔してる。絶対断られないと思ってたヤツだこれ。
「ダメか? ダメなのか? 一国の君主だぞ? 顔もそこまで悪くないぞ?」
そういう問題じゃないと思う。
「独立戦争負けそうなんですよね?」
「うぐっ! だ、だが……とっておきの秘策が……」
「もしかして、マーダスさんの事ですか?」
「うん? マーダスの事を知ってたのか。」
そっか。私だけがやり直し出来てるから、公爵様は一周目の事を知らないんだ。
面倒だし、適当に言っとこ。
「風の噂で聞きました。でも敵も味方も関係なく殺しまくるのはダメじゃないですか?」
「ダメだな。だが、時には君主として非常な決断も……。」
非常な決断の使うポイント間違えてない?
「もう私がサクッと倒してきますから。結婚はしませんが。」
「おぉ! 頼もしい! 気が変わったらいつでも言ってくれ。」
多分気なんて変わらないんだよねぇ。
確かに公爵様と居るのは楽しいし、好みじゃないってわけじゃないんだけど、ここにはスマホもネットもないしなぁ。
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