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45 彼の決断
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床に転がされた赤黒い塊。
床に広がるはずの液体は、その塊に水っぽさを与えて膨らませているように見えた。
脱力し,呆然としているクァイリ。
ばさ、という羽音にハッと我に返る。
「やめ、──」
駆け出し、手を伸ばす。
しかし辿り着く前に、カルーネが塊の上に舞い降りる。
目を見開くクァイリの目の前で、紅く染まったクチバシを、深く塊に突き刺す。
その瞬間、塊は形を取り戻し、サラァテュの体だと認識させる。
脇腹に、深く、何度も、繰り返しクチバシを突き刺すトカゲ。
そして返り血に鱗を濡らしたトカゲは、突然、飛び立つ。
その瞬間に倒れこむようにして滑り込んできたクァイリの体が、庇うように覆い被さる。
まだ熱い液体と、むせ返るような生臭い匂いを包み込むようにして,体を折り曲げるクァイリ。
背中に痛みが走っても、腕を振り回して追い払うだけで、決して離そうとはしなかった。
「カルーネ もういい」
サディシャの言葉に、ばさ、と羽音で応える。
飛び上がったカルーネは今度は天井ではなく,サディシャの肩に止まる。
血にまみれたクァイリは、しばらくそのまま動かなかった。
荒い呼吸だけが生きていると伝え、その下の物が死んでいると伝えた。
「……、」
誰も,何も言わない。
サディシャは静かに次の行動を観察し、
リーブとセレンスは息も上手く吸えず、苦しげに傍観し、
クァイリは現実を受け入れようと、頑張っているように見えた。
「───ッ」
やがて、ゆっくりと体を起こす。
乱れた息を整えることができないまま、目の前に横たわるものを眺める。
背中に突き刺さる視線と伝う温かな液体を感じながら、思考も体も冷えていくのを感じる。
触れれば、まだ温かな、そして硬い体を感じた。
「…………」
立つことも難しい、己れの足。
後ろに感じる3人の気配は、まだ帰る様子はない。
「…もう、」
自分の口から漏れた言葉は、酷くかすれていた。
赤いタンに息を詰まらせ、思わず吐き出すクァイリ。
「もう,帰ってください」
体を引きずって、向き直る。
傍らに横たわるサラァテュを庇うように、床に座り込む。
石床に擦られて染まった血の絨毯の上で、3人を見つめる。
「彼女を埋葬していきます……」
助けられなかった、償い。
死なせてしまった事への、せめてもの償い。
疲れきり俯いているクァイリは、すでに満身創痍だった。
「もういい加減、諦めてくれよっ」
「戻ってきてよ、兄さんっ」
叫ぶ2人。
味方をして、サディシャの敵には回りたくない2人は、折れてくれと懇願する。
皮肉な事にその言葉に、クァイリは目を開き失いつつあった激情を取り戻す。
ゆっくりと顔を上げた目には、確かな光が宿っていた。
「…置いていけ」
余計な事を言って、と舌打ちをするかのような。
これ以上2人に発言させないように、鋭い視線のサディシャが一歩前へ出る。
その剣幕に2人は口をつぐみ、クァイリの口元に笑みが浮かんだ。
一度目を閉じてみればまぶたの裏に蘇る、様々な光景。
静かに目を開けたクァイリの眼光は、とても落ち着いていて、座っていた。
「どうするつもりだ?」
明確な敵意。
サディシャはその問いに、うんざりしながら口を開き掛ける。
「──八つ裂きにして見せしめにするのか? 肉塊までにして焼き尽くすのか?
自分の手で殺し直すのか?」
血を流しながら、クァイリは捲し立てる。
サディシャの反応を待たず、言葉を続ける。
「そりゃ憎いですよね 実験体として利用したはずの彼女が先に叡知を得てしまいましたし
その挙句に見切った小僧に計画を狂わされて先を越されたのですから」
その口調には、挑発のような響きは感じられなかった。
サディシャを逆撫でする言葉は、生き急いでいるかのようなクァイリの焦りが現れていた。
本来ならば少なくとも遠回しにして逆鱗に触れないように気をつける所を,一切無視した言葉。
まるで、もうどうせ死ぬのだから,と諦めているように、妹のセレンスは感じた。
「もう取り繕う必要もありませんでしょうし、あなたの本音を聞かせてもらえませんかね?」」
「──カルーネ」
クァイリの叫びに、サディシャは応えなかった。
ただ静かに自分のテイムの名を呼び、無言の指示を与えた。
主人の意図を正確に読み取ったトカゲは羽ばたき、スーッと飛んでいく。
瞬きする間もなかった。
「───────ッ!」
一突き,二突き。
軽くクチバシで突つく。
バサバサ,と羽ばたいてサディシャの肩にすぐに戻る。
先ほどまでの激しい動きとは比べ物にならないくらい,静で軽いものだった。
「グッ……ァッ…」
顔を押さえ床に倒れるクァイリ。
痛みを堪えるように左手で顔を覆い、右手でサラァテュを抱える。
歯をきつく食いしばり、声が漏れないようにするクァイリ。
カルーネの羽に隠れて何があったのか見えない2人は、何も声を掛けられなかった。
「導く人がいるから争いは起きないと、君は言ったね」
"静かに"なったところで、サディシャは口を開いた。
話を聞けるほど余裕があるようには見えないクァイリに対して語りかける。
「人は理屈ではなく、印象や感情で動く生き物だ」
その言葉には、単なる決めつけではない響きがあった。
長い研究者生活の間、サディシャが見てきた人々の姿。
顔を押さえて蹲り、未だ呻いているクァイリにも、覚えがあった。
「私の話を聞かせるには、まず恐怖の対象の、”すべての元凶”の首がいる」
正しさの証明と人の興味は、一致しない。
いくら正しいことを言っていても、突拍子のないことに聞こえれば、嘘にされる。
壮大な話になればなるほど、大衆が納得するような、正しさの象徴が必要になる。
ここで示す根拠は、話の正しさを示すものである必要はない。
「多少、狂ったが、これも予定通りだ」
一歩。
ここでずっと距離をとっていたサディシャが一歩、前へ足を踏み出す。
血に染まり動かなくなったサラァテュと、蹲り震えているクァイリに近づく。
「これ以上、駄々をこねるな」
そこをどけ、と。
強い言葉を叫ぶ。
クァイリの行動を駄々をこねていると一蹴し、撤回しろと迫る。
「……違う」
唸るように、否定の言葉をする。
ゆっくりと顔から話したクァイリの手に、血が滴る。
上げられた顔を見たリーブは絶句し、セレンスは血の気を失う。
「お前は、単に認められたいだけだ」
その言葉にビクッ、と微かにふるえる。
ただサディシャの小さな反応は、クァイリには伝わらない。
どす黒い眼窩から血を流しながら、サディシャがいる方向へ言葉を投げかける。
「自分がしてきた努力を否定されたくないだけだ 皆に認めてもらいたいだけだろ」
「…黙れ」
明確な憎しみを込めて、睨む。
しかし、言葉は止まらない。
「人に憎まれ、恨まれ、恐れられたくないから、他人を嗾け、自分はやらないんだろ」
「黙れ」
睨みつけたまま、近づいていく。
その間にも、言葉は向けられていく。
「人の中心に立ち、先導者にならないと、気が済まないだけだろ」
「黙れっ」
クァイリの髪の毛をつかみ、引っ張るサディシャ。
多少の痛みを感じながらと同時に、近くにサディシャの顔があることを感じるクァイリ。
もうない目で真っすぐ見据えるようにして、言葉を投げる。
「失敗したくない、尊敬されたい、憎まれたくない
その矛盾の皺寄せで彼女の人生は狂わされ、代わりに憎まれてきた」
グッと、サラァテュを抱える手に力がこもる。
「それでもまだ、飽き足らないのかっ」
「黙れっ!」
シャリン、
軽い金属音に顔を上げた2人が見たのは、ナイフを突きつけているサディシャの姿だった。
その音を聞きながらも止まる気配のない兄に、セレンスは「もうやめて…」とか細い声で呟く。
それは届きようもなく、クァイリは叫ぶ。
「何を怒っているッ 計画を狂わされたからか? ノップスを手に入れられなかったからか?
2人の信頼が揺らいだからか? 見切った少年に見透かされたからか?
自分のプライドを傷つけられたからか?」
「黙れっ!!」
殺さんばかりの視線を向け怒鳴るサディシャ。
しかしそれでもナイフは、軽くクァイリの首へ当てられ、一筋の血を流すだけだった。
握っている手が震えていることに、本人は気が付いていなかった。
「自分が傷つきたくないからと他人を傷つけるのはやめろっ この臆病者がッ!」
「黙れッッ!!」
ピン、と音がなったような気がした。
その幻聴を生んだナイフは真横へ振りぬかれ、血を一筋、振りまいた。
静寂が押し寄せ、先ほどまでの声が空間に反響して、キィンと耳鳴りのような音になる。
音が消えた部屋に聞こえてきたのは、詰めていた域を吐き出したサディシャの荒い呼吸だった。
しばらくして、息を整えたサディシャはゆっくりと立ち上がり振り返る。
「………」
疲れ切った虚ろな目は、体の右半分を染める返り血よりも、恐怖を与えた。
思わず一歩下がった2人には、兄を失った悲しみよりも感じるものがあった。
パシャ、と血だまりを歩き始めたサディシャ。
一定間隔で聞こえてくるその音はやがて消え、白い石床に紅い足跡と点線を残していく。
テイムと同じ目をしたサディシャは、未だ血が滴るナイフを向ける。
2人は、もう一歩、後ろに下がった。
床に広がるはずの液体は、その塊に水っぽさを与えて膨らませているように見えた。
脱力し,呆然としているクァイリ。
ばさ、という羽音にハッと我に返る。
「やめ、──」
駆け出し、手を伸ばす。
しかし辿り着く前に、カルーネが塊の上に舞い降りる。
目を見開くクァイリの目の前で、紅く染まったクチバシを、深く塊に突き刺す。
その瞬間、塊は形を取り戻し、サラァテュの体だと認識させる。
脇腹に、深く、何度も、繰り返しクチバシを突き刺すトカゲ。
そして返り血に鱗を濡らしたトカゲは、突然、飛び立つ。
その瞬間に倒れこむようにして滑り込んできたクァイリの体が、庇うように覆い被さる。
まだ熱い液体と、むせ返るような生臭い匂いを包み込むようにして,体を折り曲げるクァイリ。
背中に痛みが走っても、腕を振り回して追い払うだけで、決して離そうとはしなかった。
「カルーネ もういい」
サディシャの言葉に、ばさ、と羽音で応える。
飛び上がったカルーネは今度は天井ではなく,サディシャの肩に止まる。
血にまみれたクァイリは、しばらくそのまま動かなかった。
荒い呼吸だけが生きていると伝え、その下の物が死んでいると伝えた。
「……、」
誰も,何も言わない。
サディシャは静かに次の行動を観察し、
リーブとセレンスは息も上手く吸えず、苦しげに傍観し、
クァイリは現実を受け入れようと、頑張っているように見えた。
「───ッ」
やがて、ゆっくりと体を起こす。
乱れた息を整えることができないまま、目の前に横たわるものを眺める。
背中に突き刺さる視線と伝う温かな液体を感じながら、思考も体も冷えていくのを感じる。
触れれば、まだ温かな、そして硬い体を感じた。
「…………」
立つことも難しい、己れの足。
後ろに感じる3人の気配は、まだ帰る様子はない。
「…もう、」
自分の口から漏れた言葉は、酷くかすれていた。
赤いタンに息を詰まらせ、思わず吐き出すクァイリ。
「もう,帰ってください」
体を引きずって、向き直る。
傍らに横たわるサラァテュを庇うように、床に座り込む。
石床に擦られて染まった血の絨毯の上で、3人を見つめる。
「彼女を埋葬していきます……」
助けられなかった、償い。
死なせてしまった事への、せめてもの償い。
疲れきり俯いているクァイリは、すでに満身創痍だった。
「もういい加減、諦めてくれよっ」
「戻ってきてよ、兄さんっ」
叫ぶ2人。
味方をして、サディシャの敵には回りたくない2人は、折れてくれと懇願する。
皮肉な事にその言葉に、クァイリは目を開き失いつつあった激情を取り戻す。
ゆっくりと顔を上げた目には、確かな光が宿っていた。
「…置いていけ」
余計な事を言って、と舌打ちをするかのような。
これ以上2人に発言させないように、鋭い視線のサディシャが一歩前へ出る。
その剣幕に2人は口をつぐみ、クァイリの口元に笑みが浮かんだ。
一度目を閉じてみればまぶたの裏に蘇る、様々な光景。
静かに目を開けたクァイリの眼光は、とても落ち着いていて、座っていた。
「どうするつもりだ?」
明確な敵意。
サディシャはその問いに、うんざりしながら口を開き掛ける。
「──八つ裂きにして見せしめにするのか? 肉塊までにして焼き尽くすのか?
自分の手で殺し直すのか?」
血を流しながら、クァイリは捲し立てる。
サディシャの反応を待たず、言葉を続ける。
「そりゃ憎いですよね 実験体として利用したはずの彼女が先に叡知を得てしまいましたし
その挙句に見切った小僧に計画を狂わされて先を越されたのですから」
その口調には、挑発のような響きは感じられなかった。
サディシャを逆撫でする言葉は、生き急いでいるかのようなクァイリの焦りが現れていた。
本来ならば少なくとも遠回しにして逆鱗に触れないように気をつける所を,一切無視した言葉。
まるで、もうどうせ死ぬのだから,と諦めているように、妹のセレンスは感じた。
「もう取り繕う必要もありませんでしょうし、あなたの本音を聞かせてもらえませんかね?」」
「──カルーネ」
クァイリの叫びに、サディシャは応えなかった。
ただ静かに自分のテイムの名を呼び、無言の指示を与えた。
主人の意図を正確に読み取ったトカゲは羽ばたき、スーッと飛んでいく。
瞬きする間もなかった。
「───────ッ!」
一突き,二突き。
軽くクチバシで突つく。
バサバサ,と羽ばたいてサディシャの肩にすぐに戻る。
先ほどまでの激しい動きとは比べ物にならないくらい,静で軽いものだった。
「グッ……ァッ…」
顔を押さえ床に倒れるクァイリ。
痛みを堪えるように左手で顔を覆い、右手でサラァテュを抱える。
歯をきつく食いしばり、声が漏れないようにするクァイリ。
カルーネの羽に隠れて何があったのか見えない2人は、何も声を掛けられなかった。
「導く人がいるから争いは起きないと、君は言ったね」
"静かに"なったところで、サディシャは口を開いた。
話を聞けるほど余裕があるようには見えないクァイリに対して語りかける。
「人は理屈ではなく、印象や感情で動く生き物だ」
その言葉には、単なる決めつけではない響きがあった。
長い研究者生活の間、サディシャが見てきた人々の姿。
顔を押さえて蹲り、未だ呻いているクァイリにも、覚えがあった。
「私の話を聞かせるには、まず恐怖の対象の、”すべての元凶”の首がいる」
正しさの証明と人の興味は、一致しない。
いくら正しいことを言っていても、突拍子のないことに聞こえれば、嘘にされる。
壮大な話になればなるほど、大衆が納得するような、正しさの象徴が必要になる。
ここで示す根拠は、話の正しさを示すものである必要はない。
「多少、狂ったが、これも予定通りだ」
一歩。
ここでずっと距離をとっていたサディシャが一歩、前へ足を踏み出す。
血に染まり動かなくなったサラァテュと、蹲り震えているクァイリに近づく。
「これ以上、駄々をこねるな」
そこをどけ、と。
強い言葉を叫ぶ。
クァイリの行動を駄々をこねていると一蹴し、撤回しろと迫る。
「……違う」
唸るように、否定の言葉をする。
ゆっくりと顔から話したクァイリの手に、血が滴る。
上げられた顔を見たリーブは絶句し、セレンスは血の気を失う。
「お前は、単に認められたいだけだ」
その言葉にビクッ、と微かにふるえる。
ただサディシャの小さな反応は、クァイリには伝わらない。
どす黒い眼窩から血を流しながら、サディシャがいる方向へ言葉を投げかける。
「自分がしてきた努力を否定されたくないだけだ 皆に認めてもらいたいだけだろ」
「…黙れ」
明確な憎しみを込めて、睨む。
しかし、言葉は止まらない。
「人に憎まれ、恨まれ、恐れられたくないから、他人を嗾け、自分はやらないんだろ」
「黙れ」
睨みつけたまま、近づいていく。
その間にも、言葉は向けられていく。
「人の中心に立ち、先導者にならないと、気が済まないだけだろ」
「黙れっ」
クァイリの髪の毛をつかみ、引っ張るサディシャ。
多少の痛みを感じながらと同時に、近くにサディシャの顔があることを感じるクァイリ。
もうない目で真っすぐ見据えるようにして、言葉を投げる。
「失敗したくない、尊敬されたい、憎まれたくない
その矛盾の皺寄せで彼女の人生は狂わされ、代わりに憎まれてきた」
グッと、サラァテュを抱える手に力がこもる。
「それでもまだ、飽き足らないのかっ」
「黙れっ!」
シャリン、
軽い金属音に顔を上げた2人が見たのは、ナイフを突きつけているサディシャの姿だった。
その音を聞きながらも止まる気配のない兄に、セレンスは「もうやめて…」とか細い声で呟く。
それは届きようもなく、クァイリは叫ぶ。
「何を怒っているッ 計画を狂わされたからか? ノップスを手に入れられなかったからか?
2人の信頼が揺らいだからか? 見切った少年に見透かされたからか?
自分のプライドを傷つけられたからか?」
「黙れっ!!」
殺さんばかりの視線を向け怒鳴るサディシャ。
しかしそれでもナイフは、軽くクァイリの首へ当てられ、一筋の血を流すだけだった。
握っている手が震えていることに、本人は気が付いていなかった。
「自分が傷つきたくないからと他人を傷つけるのはやめろっ この臆病者がッ!」
「黙れッッ!!」
ピン、と音がなったような気がした。
その幻聴を生んだナイフは真横へ振りぬかれ、血を一筋、振りまいた。
静寂が押し寄せ、先ほどまでの声が空間に反響して、キィンと耳鳴りのような音になる。
音が消えた部屋に聞こえてきたのは、詰めていた域を吐き出したサディシャの荒い呼吸だった。
しばらくして、息を整えたサディシャはゆっくりと立ち上がり振り返る。
「………」
疲れ切った虚ろな目は、体の右半分を染める返り血よりも、恐怖を与えた。
思わず一歩下がった2人には、兄を失った悲しみよりも感じるものがあった。
パシャ、と血だまりを歩き始めたサディシャ。
一定間隔で聞こえてくるその音はやがて消え、白い石床に紅い足跡と点線を残していく。
テイムと同じ目をしたサディシャは、未だ血が滴るナイフを向ける。
2人は、もう一歩、後ろに下がった。
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