私のアレに値が付いた!?

ネコヅキ

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百八十五

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「ところでカナちゃん。そのエロい身体を使う良い所があるんだけど。行かない?」
「エロいとか言わないでくれます?」
「あらぁ、褒め言葉なんだけど?」

 褒め言葉……? 私にはセクハラにしか聞こえないぞ。

「リリーカちゃんもそう思うよね?」

 ルリさんの言葉にコクコクコク。と頷くリリーカさん。あんたもかっ!

「そんなっ。ルリさんだって、引き締まっていて良いスタイルしてるじゃないで……す、か」

 ルリさんの腰に手を添えて、そのまま動きが止まっている私に、不思議そうな顔をする。

「……? どうかした?」
「い、いえ。何でもないです……」

 ほ、細い……私よりもウェストが細いっ! 

「良い加減気付いたら? ここに居る男どもの視線の五割は、カナちゃんに向いているのよ」

 半分も!? 結構多いなっ!

「三割は私に。そして残りはリリーカちゃんに向いているわ」
わたくしは二割ですか……」

 いやいや、ガッカリする様な事じゃないからね。リリーカさん。

「で、どうかな? 男どもの視線を集めているエロい身体を使って気持ちイイ事しない?」
「まさか、如何わしい事じゃないでしょうね?」

 未成年であるリリーカさんが居るのだ。そんな場所には行く訳にはいかない。

「勿論、如何わしい事よ」
「遠慮します」
「いいからいいから。女同士、如何わしい事しに行きましょうよ」
「え、あ。ちょっ」

 手首をガッチリとホールドされ、引き摺られる様に連行された。



 差し込む光を反射させた雫がシタリ。と床に落ち、或いはポチャリ。と波紋を描く。

「んんぅ……」

 頬を僅かに赤に染めながら艶っぽい声をルリさんは上げた。その横に肩を並べて私が座る。

「まったく……お風呂ならお風呂って初めに言って下さいよ。何処が如何わしい事なんですか……」
「あら、真っ昼間からお風呂だなんて如何わしいっしょ? それに、護衛の疲れも取りたかったし……。あーあ、これでお酒があったら最っ高なんだけどなぁ……」

 お風呂入りながら酒飲むと悪酔いするぞ。

「んで、リリーカちゃんは何やってるの?」
「ああ、さっき教えたバストアップ体操を――」

 言葉を遮る様に、サバリッ。とお湯を波立たせてルリさんは私に迫る。近い近い。

「何それっ、私にも教えてっ」
「これ以上大きくしてどうするんですか。冒険者稼業に支障が出ますよ」
「そうれもそうね。ただでさえ重くて肩が凝って仕方が無いのに……」

 自慢か、自慢なのかっ!?

「戦いの時とかどうしているんですか? それだけ大きいと邪魔になりません?」
「革製の胸当てを着けているのよ。走る時なんかはこれがあると無いとではかなり違うわ。ただ……」

 ただ?

「先が擦れて敏感になっちゃうのが問題よね」
「そ、そうなんですね……」

 ぼ、冒険者って職業も大変なんだな……
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