コンビニ行ったら異世界女子が当たりました・・・俺どうしたらいいの?

とうちゃんすらいむ

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レスラー祭り 前日 その2

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あの後、レスラーの皆さんたちとイデア、そして保護者的な存在の俺らが簡単な打ち合わせをしてたんだけど、打ち合わせが終わってから、レスラーさん達が何やら話し込んでるのが聞こえちゃったんだよね。

「ぉぃ、ショッピングモール自由に使えるって言うけどよ、どうすればいいんだ?」

「そんな事私に言われても、いきなりモール全域使えるって言われても、リングの用意もすぐには出来ないから、興行やるにしても準備の時間がなさすぎるじゃないか!」

「かもめさん!ノリと勢いで話を決めて、肝心なところは抜けてるんだから・・・本当に困りますよ!」

なんて、マスクドかもめさんがみんなに詰められてるのよ。

あまりに可哀そうだったんだけど、俺には何も出来ないなぁ~って思ってたらさ、ふと かもめさんと目があって意見を求められたんで、思ってた事を言ってみたら、レスラーの方々が皆さん良い案だって言ってくれたんで、その足でショッピングモールを回って、いろいろ意見出してみたんだよね。

このとてつもなく広い空間を、ファンタジー世界のダンジョンに見立てて、お姫様とお付きの勇者達がバッタバッタと敵を倒していきながら、最後に大切な何かを手にするって感じのストーリーを出してみて、多少動いても通行人の方に迷惑のかからない場所で技を披露出来るような事が出来ないか?なんて言ってみたらね、実際に見たほうが早いな!って事になり、みなさんで移動したんだ。

本当に広いショッピングモールであっても、体格の良いプロレスラーの皆さんがぞろぞろ歩くと本当に迫力があって目立つので、我ながら悪くない案だよなぁ~って思っていたら、ショッピングモールの男性担当さんも一緒についてきてくれたので、自分が思っているルートをみんなで歩いてもらう。

このショッピングモールは、ところどころに広いスペースがあり、ちょっと外に出ると野外ステージもあることから、他のイベントさんと被らなければ結構いろいろな事ができるのではないか?と、歩きながら出来る事と出来ないことをかもめさん達と担当さんが話しているのを見て、お役にたててよかったとほっと一息。

なんとか話し合いが終わったころにはすっかり暗くなってたんで、俺らが帰ろうとすると、担当さんが

「明日も早いので、良かったらこちらに宿泊されてはいかがでしょうか?」

なんて言ってくれたので、みんなに同意を得て泊まらせてもらうことにしたんだ。


ショッピングモール内にある、簡易宿泊スペース見たいな場所だったんだけど、普段なかなか見れないモールの裏側を見れて息子は大喜び。

俺もカミサンもちょっと楽しくなっちゃってる中、イデアもなんとなく俺らに釣られて楽しくなっているようで、ちらっと顔を見たら、口元が少し上にあがっていたんだよね。

まだ出会って短い期間だけど、最初見えなかった彼女の感情表現が徐々に見えてきて、結構嬉しくなったので、彼女をまじまじと見てしまっていたら、また緊張してしまった・・・あーあ、俺のバカバカ。

そんな様子を見ていたカミサンがちょっと外に出て見ない?なんて言葉をかけてくれたので、かなり遅い時間だったけど少し広いテラスに出てみると、さすがに人はおらず、俺らだけの空間に思える。

そんな空間の中、なんとなくみんなが同じ場所に集まって座り、なんとなく話が始まる。

みんな、一番話をしたかったのはイデアとだったから、イデアとたわいもない話をする。

ここに来てどうだった?

慌ただしくてごめんね、体調大丈夫?

なんて話をしていくんだけど、帰ってくる返事は「大丈夫です」の一言。

ただ、なんとなくなんだけど、前に比べて笑顔が出てきた気がするんだ。

前は綺麗な顔には表情が見られなくて、正直何を考えているのかわからないところがあったんだけど、今はなんとなく彼女が何を考えているのかがわかる気がするし、ちょっとした表情の変化に気が付くことも出来る。
イデアもこちらに何かを訴える事ができるようになってきたから、少しは彼女もこちらの生活に慣れてきたのかな?と思うと、とても嬉しくて、思わず

俺らを信用してくれてありがとう。

なんて声をかけると、ぽつりぽつり話をしてくれる。

奴隷として生きてきた自分が、今、一人の人間として接してもらってる。

マサさん、ユキさん、ゆうくんと一緒にいると、本当に大切にしてもらってるのが伝わってきて、こんな自分だけど生きていいんだ。私は私でいていいんだ。そんな事を思えるようになってきた。

最近、少し笑えるようになった。
以前は、獣人だから笑うなと言われ、訳も分からないまま表情を殺していたけど、皆さんに会えて話が出来て、今日も屈強な方々が私に対して笑顔で話をして、握手をしてくれたのを見て、言葉に出来ない嬉しさを感じた。

だけど、私には何が出来るのだろうか?と不安になる。

みなさんから暖かいものをもらう一方で、私はみなさんに何もお返しできてないのがとても苦しい。

何もお返しできてない私でも、こんな幸せな空間にいていいのでしょうか?

・・・・・

・・・・

・・・

彼女の目から流れるモノを見て、思わずバカ!と言いながら抱き寄せる俺。
気が付いたら、カミサンも勇気もバカバカ言いながらイデアに抱き着いてるのよ!

「いいの!あなたは幸せを感じてくれていいの!もっともっと私たちに甘えていいの!」

「もっとわがまま言っていいんだよ!お姉さんは遠慮しすぎだよ!」

そんな事を二人が言ってるのを聞きながら、声をあげて泣く彼女の背中をぽんぽん叩く俺。
こんなところでも、家族が同じことを思っていたんだな、息子も言葉は足りないけど、本人なりに彼女の事を考えてくれてたんだなと思うと、俺もぐっとくるものがあり、ちょっと涙が出てしまったよ。


ちょっと落ち着いてから、近くの自販機で暖かいものを買って気が付いたら寝てた。

今日は良い夢見れるといいね。イデア・・・

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