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商人がやってきた4
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ガッガッガッと斧を打ち付ける乾いた音が響く。
朝食を摂り、最初に調べたのは回収して来た倒木の調査と加工である。確かにすさまじい硬度で、表皮の内側の僅かな部分以外には鋼鉄の刃も通らない。
折れた幹の具合を調べ、内在する魔力を調べ、幹の乾燥具合を調べた上でノル・ヴァルレンが出した仮説は、『何等かの理由で根本から折れ、倒れかけた樫の木が、僅かに根と繋がった導管で命を繋ぐために自身を維持する魔力を貯め込み、数年は持ちこたえたものの、ついに耐え切れず折れて倒れたのでは、、、』というものだった。彼は仮設を立証するために、登山道にほど近く強風が当たりにくい位置の若木に斧で切り込みを入れていた。
次には、この木の加工である。そのままでは鉄の工具も歯が立たない。ノル・ヴァルレンが魔力を送り込んで軟化させ、斧を打ち込み、亀裂にクサビを打ちこんで割っていく。杉や松と異なり繊維の絡み合う樫はなかなか綺麗には割れないが、何本ものクサビを獣人の男達が打ち込み太い幹がようやく縦に裂けた。それを繰り返し、道具の柄に使えそうな太さの材を作っていく。
「や、見事な手並みですな、さすがは森人の工匠」
ドルトンが感心しながら言った。普通の木材なら獣人の彼らでもなんとかなるが、この木はノル・ヴァルレンが居なければどうしようも無かった。
「この木は大変興味深く、使い様にによっては非常に有用な素材ですが、加工に関してこれ以上厄介なものもなかなかありませんな、軟化させても普通の樫以上の強度がある。専門の職人が鋸を使っても、製材には相当苦労するでしょう。一切れ持ち帰ってもよろしいでしょうか?」
「ご自由にどうぞ」
ノル・ヴァルレンはステレが森の主であるかのように接する。森に居候している気分のステレはいささか面映ゆく思いながらも、それに答えることにした。借りとは思わない。ドルトンの申し出を素直に受け、自分ができる範囲で返せることをすれば良い。そう思うことにした。
丸太から加工しやすい太さに小割りすると、ノル・ヴァルレンはステレに軟化の魔法の手ほどきと、表面の削り方のコツを教えてくれた。ノル・ヴァルレン曰く「魔法というよりは、、そうですな、、おまじないですかな」とのことで、魔法使いでなくても可能な術らしい。呪文?を口に出して見せてくれたのだが、堂々たる戦士のごとき肉体の金髪の森人が『やわらかくなれ、やわらかくなれ』とつぶやきながら木に魔力を送る姿に、ステレも商会員も肩を震わせながら必死に笑いを堪えていた。
当然の如くというか、堂々たる戦士のごとき肉体の赤髪の鬼人も、後で同じことをすることになるのだけれど。
加工で汗を流したので、昼食もしっかり摂ることにした。
昼食後、ドルトンと商会員は来訪の度に少しずつ進めている風呂作りにかかっていた。山小屋と違い、密閉と水気対策に手間がかかるため、今のところは資材の収集と基礎工事の段階である。
ステレは、ノル・ヴァルレンと共に狩に出た。彼は魔人の出る遺跡にも行きたがったが、あそこは往復で一日かかってしまう上に、近づくほど荒れ地になるので、彼の希望する植生調査には不向きと知って今回は断念した。今回は急遽の来訪であり、ドルトン一行もあまり長居はできない。
バルディッシュが壊れたので、ステレは刈り払い用の山刀と半弓を持ち出した。ノル・ヴァルレンが手持ちの長弓に弦をかけたのを見たステレは試しに引かせてもらったが、彼女でも連射には苦労する強弓である。矢もまったく歪みもなく、寸分たがわぬ重さに調整された見事な物で、弓矢とも自作とのことだった。そして腕前も国一と豪語するだけのことはあった。ステレではもう半分は近づかなければ当てることさえ困難な距離から、一矢で鹿の頭を撃ち抜いたのだ。ノル・ヴァルレンは駆けだすと、仕留めた鹿の首にナイフを突き立て、即座に血を抜く。さすがは森の狩人の手並みである。獲物を持ち帰る道すがらも、彼はステレに野草の見分け方を説明する。僅か半日ではあるが、ステレは森で暮らすための知識を大いに増やすことができた。
持ち帰った獲物を解体する間、ノル・ヴァルレンは約束通り野草、キノコの見分けのコツをイラスト付きでメモにし、ステレは商会員に散髪を受けていた。自分で切るのも難しいし、かといってさすがに丸刈りにはしたくない。商会員の娘たちは「真紅の御髪を伸ばして結上げたらどれほど見事なことか、、、」といつも残念がるのだが、「山暮らしじゃ見せる相手も居ないわよ」とステレは苦笑するだけだ。ろくに髪も洗えない山小屋での暮らしでは、長い髪など邪魔にしかならない。
解体した鹿での夕餉の後、ドルトンは一瓶だけ持ち込んだ蒸留酒の封を切った。滅多に呑まない強い酒精を口にしながら、ドルトンとノル・ヴァルレン、ステレはまたさまざまな話題を上げ、それらをノル・ヴァルレンは書き留めて行く。
「ステレ様、私から剣をお送りさせていただけないでしょうか」
夜も更けるころ、突然ドルトンが切り出した。ステレは怪訝な顔でドルトンを見る
「斧の柄を治すには相当根気よく削らないと無理かと思います。あの木は鉄の如き強度があるように思えます。目利きを自慢したのがお恥ずかしい。ステレ様の用に足りそうな武器は今は持ち合わせておりませんが、次に来たときにもまだステレ様が手ぶらのままでしたら、このドルトン一生後悔いたします。どうかお申しつけ下さい」
ステレはじっとドルトンを見て言った。
「あの回収した武具のことでしょう?」
「、、、はい、正直申し上げて、あのような武器は王都に秘蔵されるのではなく、ステレ様のように魔獣と戦う方こそが持つべきだと。しかも魔人がステレ様に譲ってくれた物だというのに、、、。あの剣を佩剣としたステレ様なら、この森の魔獣と対峙しても、、、いえ、魔人と相対しても遅れをとることは無い、、そう思わずに居られません。私如きではとても同じ武器をお持ちするこはできません、ですがせめてステレ様のお役に立つ剣を送らせて下さい」
「あなた酔っているわね?」
ドルトンの熱弁を聞いたステレは苦笑した。ドルトンははっと我に返って恐縮している。
「私はそんな大層なタマじゃ無いんだけどなあ」
「私の大切なお得意先です」
照れ隠しのような、冗談のようなドルトンの言葉に、かえって先ほどの熱弁が嘘では無いと理解出来た。
(そんな武器をもってしても歯が立たなかったんだけどね、、、私も)
口には出さず、ドルトンの好意に甘えることにした。斧を愛用しているステレだが、今後も魔人と戦うなら両手剣の技を磨こうという気になっていた。
「ちょっと剣を借りていい?」
「はい」
ドルトンは山刀ではなく片手剣を佩いている。剣帯から外していた剣を抜くとステレに柄を差し出した。ステレは立ち上がると、片手剣を<夜明けの雲>と対峙したときのように両手で構える。
しばらくそのままでいたステレは構えを解くと
「柄は両手握りで、これくらい。刀身はこの剣より拳二つ分くらい長く。鍔は小さくて良いわ」
ドルトンの剣を物差しにして大まかな希望を言うと、剣を返した
「その長さの長剣ですと、反りがあった方が抜きやすいですな。片刃でも良ければですが」
二人のやり取りを興味深く見ていたノル・ヴァルレンが口を挟む。確かに立合のときは鞘が無かったから気にしなかったが、普通に携行するなら反りがある方が抜きやすい。腕の動きは円を描くのだから。
戦争に使うような両手剣は、基本的には背中に背負い、戦闘前に抜いておくものだが、ステレの希望の長さは普通に腰に佩けるものだ。
「剣か刀かは気にしないわ。都合の付くもので良いわよ」
「承知しました」
ドルトンはほっとしたように請け負った。
「報告書にも書くけど、、、魔人が出てきたら、正直私一人では対処できなくなる可能性が高いと思う。早急に対策を立てるよう、オーウェン卿に伝えて」
「必ず」
場を締めるステレの言葉に、ドルトンは真剣な表情で頭を下げた。
翌日、朝食を摂ると、ステレからの文箱を預かったドルトン一行は山小屋を後にした。十数人とはいえ、魔の森で食いつなぐのはかなりの負担になる。現状でこれ以上の滞在は難しい。大森林の入り口にある砦に便宜を図ってもらい、馬車や食料を預けてあるが、そこまでは手持ちの食糧で森を越えなければならない。
結局、大量の武具を持ち帰るため、持ってきた荷物は食料以外をほとんど山小屋に置いて行ってしまった。
(これじゃ大損じゃないだろうか、、、)。ステレはまたも要らぬ心配をするのだった。
朝食を摂り、最初に調べたのは回収して来た倒木の調査と加工である。確かにすさまじい硬度で、表皮の内側の僅かな部分以外には鋼鉄の刃も通らない。
折れた幹の具合を調べ、内在する魔力を調べ、幹の乾燥具合を調べた上でノル・ヴァルレンが出した仮説は、『何等かの理由で根本から折れ、倒れかけた樫の木が、僅かに根と繋がった導管で命を繋ぐために自身を維持する魔力を貯め込み、数年は持ちこたえたものの、ついに耐え切れず折れて倒れたのでは、、、』というものだった。彼は仮設を立証するために、登山道にほど近く強風が当たりにくい位置の若木に斧で切り込みを入れていた。
次には、この木の加工である。そのままでは鉄の工具も歯が立たない。ノル・ヴァルレンが魔力を送り込んで軟化させ、斧を打ち込み、亀裂にクサビを打ちこんで割っていく。杉や松と異なり繊維の絡み合う樫はなかなか綺麗には割れないが、何本ものクサビを獣人の男達が打ち込み太い幹がようやく縦に裂けた。それを繰り返し、道具の柄に使えそうな太さの材を作っていく。
「や、見事な手並みですな、さすがは森人の工匠」
ドルトンが感心しながら言った。普通の木材なら獣人の彼らでもなんとかなるが、この木はノル・ヴァルレンが居なければどうしようも無かった。
「この木は大変興味深く、使い様にによっては非常に有用な素材ですが、加工に関してこれ以上厄介なものもなかなかありませんな、軟化させても普通の樫以上の強度がある。専門の職人が鋸を使っても、製材には相当苦労するでしょう。一切れ持ち帰ってもよろしいでしょうか?」
「ご自由にどうぞ」
ノル・ヴァルレンはステレが森の主であるかのように接する。森に居候している気分のステレはいささか面映ゆく思いながらも、それに答えることにした。借りとは思わない。ドルトンの申し出を素直に受け、自分ができる範囲で返せることをすれば良い。そう思うことにした。
丸太から加工しやすい太さに小割りすると、ノル・ヴァルレンはステレに軟化の魔法の手ほどきと、表面の削り方のコツを教えてくれた。ノル・ヴァルレン曰く「魔法というよりは、、そうですな、、おまじないですかな」とのことで、魔法使いでなくても可能な術らしい。呪文?を口に出して見せてくれたのだが、堂々たる戦士のごとき肉体の金髪の森人が『やわらかくなれ、やわらかくなれ』とつぶやきながら木に魔力を送る姿に、ステレも商会員も肩を震わせながら必死に笑いを堪えていた。
当然の如くというか、堂々たる戦士のごとき肉体の赤髪の鬼人も、後で同じことをすることになるのだけれど。
加工で汗を流したので、昼食もしっかり摂ることにした。
昼食後、ドルトンと商会員は来訪の度に少しずつ進めている風呂作りにかかっていた。山小屋と違い、密閉と水気対策に手間がかかるため、今のところは資材の収集と基礎工事の段階である。
ステレは、ノル・ヴァルレンと共に狩に出た。彼は魔人の出る遺跡にも行きたがったが、あそこは往復で一日かかってしまう上に、近づくほど荒れ地になるので、彼の希望する植生調査には不向きと知って今回は断念した。今回は急遽の来訪であり、ドルトン一行もあまり長居はできない。
バルディッシュが壊れたので、ステレは刈り払い用の山刀と半弓を持ち出した。ノル・ヴァルレンが手持ちの長弓に弦をかけたのを見たステレは試しに引かせてもらったが、彼女でも連射には苦労する強弓である。矢もまったく歪みもなく、寸分たがわぬ重さに調整された見事な物で、弓矢とも自作とのことだった。そして腕前も国一と豪語するだけのことはあった。ステレではもう半分は近づかなければ当てることさえ困難な距離から、一矢で鹿の頭を撃ち抜いたのだ。ノル・ヴァルレンは駆けだすと、仕留めた鹿の首にナイフを突き立て、即座に血を抜く。さすがは森の狩人の手並みである。獲物を持ち帰る道すがらも、彼はステレに野草の見分け方を説明する。僅か半日ではあるが、ステレは森で暮らすための知識を大いに増やすことができた。
持ち帰った獲物を解体する間、ノル・ヴァルレンは約束通り野草、キノコの見分けのコツをイラスト付きでメモにし、ステレは商会員に散髪を受けていた。自分で切るのも難しいし、かといってさすがに丸刈りにはしたくない。商会員の娘たちは「真紅の御髪を伸ばして結上げたらどれほど見事なことか、、、」といつも残念がるのだが、「山暮らしじゃ見せる相手も居ないわよ」とステレは苦笑するだけだ。ろくに髪も洗えない山小屋での暮らしでは、長い髪など邪魔にしかならない。
解体した鹿での夕餉の後、ドルトンは一瓶だけ持ち込んだ蒸留酒の封を切った。滅多に呑まない強い酒精を口にしながら、ドルトンとノル・ヴァルレン、ステレはまたさまざまな話題を上げ、それらをノル・ヴァルレンは書き留めて行く。
「ステレ様、私から剣をお送りさせていただけないでしょうか」
夜も更けるころ、突然ドルトンが切り出した。ステレは怪訝な顔でドルトンを見る
「斧の柄を治すには相当根気よく削らないと無理かと思います。あの木は鉄の如き強度があるように思えます。目利きを自慢したのがお恥ずかしい。ステレ様の用に足りそうな武器は今は持ち合わせておりませんが、次に来たときにもまだステレ様が手ぶらのままでしたら、このドルトン一生後悔いたします。どうかお申しつけ下さい」
ステレはじっとドルトンを見て言った。
「あの回収した武具のことでしょう?」
「、、、はい、正直申し上げて、あのような武器は王都に秘蔵されるのではなく、ステレ様のように魔獣と戦う方こそが持つべきだと。しかも魔人がステレ様に譲ってくれた物だというのに、、、。あの剣を佩剣としたステレ様なら、この森の魔獣と対峙しても、、、いえ、魔人と相対しても遅れをとることは無い、、そう思わずに居られません。私如きではとても同じ武器をお持ちするこはできません、ですがせめてステレ様のお役に立つ剣を送らせて下さい」
「あなた酔っているわね?」
ドルトンの熱弁を聞いたステレは苦笑した。ドルトンははっと我に返って恐縮している。
「私はそんな大層なタマじゃ無いんだけどなあ」
「私の大切なお得意先です」
照れ隠しのような、冗談のようなドルトンの言葉に、かえって先ほどの熱弁が嘘では無いと理解出来た。
(そんな武器をもってしても歯が立たなかったんだけどね、、、私も)
口には出さず、ドルトンの好意に甘えることにした。斧を愛用しているステレだが、今後も魔人と戦うなら両手剣の技を磨こうという気になっていた。
「ちょっと剣を借りていい?」
「はい」
ドルトンは山刀ではなく片手剣を佩いている。剣帯から外していた剣を抜くとステレに柄を差し出した。ステレは立ち上がると、片手剣を<夜明けの雲>と対峙したときのように両手で構える。
しばらくそのままでいたステレは構えを解くと
「柄は両手握りで、これくらい。刀身はこの剣より拳二つ分くらい長く。鍔は小さくて良いわ」
ドルトンの剣を物差しにして大まかな希望を言うと、剣を返した
「その長さの長剣ですと、反りがあった方が抜きやすいですな。片刃でも良ければですが」
二人のやり取りを興味深く見ていたノル・ヴァルレンが口を挟む。確かに立合のときは鞘が無かったから気にしなかったが、普通に携行するなら反りがある方が抜きやすい。腕の動きは円を描くのだから。
戦争に使うような両手剣は、基本的には背中に背負い、戦闘前に抜いておくものだが、ステレの希望の長さは普通に腰に佩けるものだ。
「剣か刀かは気にしないわ。都合の付くもので良いわよ」
「承知しました」
ドルトンはほっとしたように請け負った。
「報告書にも書くけど、、、魔人が出てきたら、正直私一人では対処できなくなる可能性が高いと思う。早急に対策を立てるよう、オーウェン卿に伝えて」
「必ず」
場を締めるステレの言葉に、ドルトンは真剣な表情で頭を下げた。
翌日、朝食を摂ると、ステレからの文箱を預かったドルトン一行は山小屋を後にした。十数人とはいえ、魔の森で食いつなぐのはかなりの負担になる。現状でこれ以上の滞在は難しい。大森林の入り口にある砦に便宜を図ってもらい、馬車や食料を預けてあるが、そこまでは手持ちの食糧で森を越えなければならない。
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今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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